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ヒドゥン The Hidden (1987)

人間に寄生し凶悪犯罪を繰り返すエイリアンの脅威を調べる”謎”のFBI捜査官と刑事の戦いを描く、主演カイル・マクラクランマイケル・ヌーリーエド・オロスダニー・トレホ他共演、監督ジャック・ショルダーによるSFサスペンス・ホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:ジャック・ショルダー

製作総指揮
スティーヴン・ダイナー

リー・ミュール
デニス・ハリス
ジェフリー・クライン
製作
ロバート・シェイ

マイケル・メルツァー
ジェラルド・T・オルソン
脚本:ボブ・ハント
撮影:ジャック・ヘイトキン
編集:マイケル・N・クニュー
音楽:マイケル・コンヴェルティーノ

出演
ロイド・ギャラガー/ロバート・ストーン/アルハーグ:カイル・マクラクラン

トム・ベック:マイケル・ヌーリー
ブレンダ・リー・ヴァン・バーレン:クラウディア・クリスチャン
ジョン・マスターソン警部補:クラレンス・フェルダー
クリフ・ウィリス:エド・オロス
ジョナサン・ミラー:ウィリアム・ボイエット
エド・フリン警部補:クルー・ギャラガー
サンチェス:リチャード・ブルックス
バーバラ・ベック:キャサリン・キャノン
ブレム:ラリー・シーダー
ホルト上院議員:ジョン・マッキャン
ジャック・デヴリース:クリス・マルケイ
レコード店店員:マーク・エドワード・モランテ
車のセールスマン:ジェームズ・ルイージ
マイケル・バックリー:フランク・レンズーリ
エディ:デュアン・デイヴィス
ロバーツ:ブランスコム・リッチモンド
留置場の男:ダニー・トレホ

アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ

1987年製作 96分
公開
北米:1987年10月20日
日本:1988年10月29日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $9,747,990


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロサンゼルス
ジャック・デヴリース(クリス・マルケイ)は、白昼堂々”ウェルズ・ファーゴ”銀行を襲い、何人かを射殺してフェラーリで逃走する。

パトカーの追跡を振り切ろうとするデヴリースは、車いすの男性などを容赦なく轢き殺す。

デヴリースのことを調べていたトム・ベック刑事(マイケル・ヌーリー)は、彼が現れたという報告を同僚クリフ・ウィリス(エド・オロス)から受けて現場に急行する。

道路を封鎖する市警のパトカーだったが、デヴリースは、銃弾を受けながらそれに突っ込む。

車を降りたデヴリースは、ベックらの一斉射撃を受けて車は大破してしまう。
...全てを見る(結末あり)

一命を取り留めたデヴリースは、病院で治療を受ける。

デヴリースが、2週間で12人を殺害、23人に傷を負わせて、フェラーリを6台盗んで銀行を8行も襲い、6店のマーケットで強盗したことをウィリスは医師に話す。

ジョン・マスターソン警部補(クラレンス・フェルダー)とエド・フリン警部補(クルー・ギャラガー)は、大統領候補のホルト上院議員(ジョン・マッキャン)の警備についてを話し合っていた。

そこに現れた、FBI捜査官のロイド・ギャラガー(カイル・マクラクラン)は、デヴリースの捜査の件でベックの協力マスターソンにを要請する。

ベックに会ったギャラガーは、デヴリースが今夜限りの命だと聞き病院に向かう。

その頃、起き上がったデヴリースは、口から生物のようなものを吐き出し、隣のベットの患者ジョナサン・ミラー(ウィリアム・ボイエット)の体内に、それが入ったことを確認して倒れ込む。

ミラーの心臓は停止し、医師は蘇生を試みるのだが、彼は何事もなかったかのように起き上り病院を出る。

そこにギャラガーが現れ、重病だったミラーが、突然、回復した事実と、彼が善良な市民だということを知らされる。

街に出たミラーは、レコード店でテープを盗み、それに気づいた店員を撲殺し、レジの現金と拳銃ラジカセを奪う。

ミラーの写真をベックに見せたギャラガーだったが、彼に相手にされない。

その直後に、レコード店の殺人事件の連絡を受けて、現場に向かったベックは、その場にギャラガーがいることに気づく。

ベックはギャラガーを非難するが、犯人の目撃者の証言で、その似顔絵がミラーだということを確認する。

ギャラガーが持参する、ミラーの写真を見たベックは、納得して指名手配の準備をする。

ベックはギャラガーに事情を聞くが、デヴリースとミラーが善良な男で、他にも同じケースがあることしか知らされない。

納得いかないベックは、ポルシェに乗りスピード狂でもある風変わりなギャラガーと共にミラーを捜す。

レストランの客の迷惑も考えずに、ラジカセを大音量で響かせるミラーは、テレビ・ニュースで、大統領候補のホルト上院議員のニュースに注目する。

表を走る”フェラーリ・モンディアル3.2が気になったミラーはそれを追い、販売店でトラブルを起こす。

ミラーは、店員や客を射殺して車を奪い逃走し、その後、現場をベックとウィリスが捜査する。

ギャラガーは、追っている犯人らの趣味がフェラーリだと伝えて、ベックはそれを調べさせる。

殺した輸入業者のオフィスに侵入したミラーは、密輸した武器が隠されていることを知るが、体調に異変を感じる。

ベックも同じ密輸業者に注目し、オフィスを調べようとするが、妻バーバラ(キャサリン・キャノン)から電話があり、ギャラガーを自宅の食事に誘う。

バーバラに挨拶したギャラガーだったが、幼い娘は彼を見て顔を強張らせる。

酒を飲み、食事中も様子のおかしいギャラガーは、妻子と相棒が、ある男に殺されたことを話す。

ストリップ・バーに寄ったミラーは、ダンサーのブレンダ・リー・ヴァン・バーレン(クラウディア・クリスチャン)に襲いかかる。

死亡事件が発生し、バーを出たブレンダは、ミラーのフェラーリに目を付けるが、客引きに誘われる。

手配中のフェラーリが見つかり、呼び出されたベックは、ギャラガーと共にストリップ・バーに向かう。

ミラーが死んだことを確認したベックとウィルは、ダンサーのブレンダが部屋から出てきたことを知り、ギャラガーに彼女を捜すことを指示される。

ブレンダは、呼び込みを殺して車を奪い逃走してベックらもそれを知る。

パトカーに車を止められたブレンダは、ミラーの所持していた武器で攻撃する。

それに気づいたベックとギャラガーは、ブレンダを追う。

銃撃された二人は、ギャラガーがブレンダの車のタイヤを撃ち、彼女の車はブティックに突っ込んでしまう。

二人は車を調べた後、奥に潜んでいたブレンダと銃撃戦になる。

銃弾を受けても倒れないブレンダは、その場を逃れて屋上に向かう。

ブレンダを見つけて銃撃したベックだったが、銃弾を受けて屋上から落下しそうになり、ギャラガーが彼を助ける。

ギャラガーはブレンダを銃撃し続け、ある武器を出して彼女に向ける。

ブレンダは、自分はまだ出て行かないと言いながら、屋上から身を投げて落下する。

現場に現れたマスターソン警部補の愛犬は、ブレンダの死体に近づくが、生きていた彼女に襲われる。

ギャラガーは、ブレンダの死体を調べていたウィリスに近づくなと叫びながら、誰が接触したかを知ろうとする。

この異常事態を解明しようとして、ベックは、真相を聞き出そうとギャラガーに迫る。

ギャラガーは、話しても理解できないとベックに伝えて、敵を見つけようとする。

仕方なくベックは、ギャラガーを逮捕するようウィリスに命ずる。

署に戻ったベックは、ギャラガーの所持していた武器のようなものを調べさせる。

ベックは、ギャラガーの件を調べた同僚のブレム(ラリー・シーダー)から、彼が、一月前に友人と狩りに出かけて山火事に巻き込まれ、死亡したことを知る。

発見されていない友人”ロバート・ストーン”の写真を見せられたベックは、それがギャラガーであることを確認する。

その頃マスターソンが、愛犬に襲われて死亡する。

ストーンを呼んだベックは、彼の名前をかくにんして、愛車のポルシェが盗難車だということを確認する。

尚も何も話せないというストーンは、ベックに答えを迫られ、デヴリース、ミラー、ブレンダが、同じもののであることを伝える。

ストーンは、地球に現れたそれを追い続けていることをベックに話し、それが他人の体内に入り、体が傷むと別の体に移るため、殺すのはその時だと知らせる。

それを殺せる武器を渡すよう要求するストーンだったが、話を信じることのできないベックは、彼を留置場に戻して帰宅する。

翌朝、様子のおかしいマスターソンは、ホルト議員の秘書などをフリンから紹介される。

保管室で、ストーンの武器を操作した係官が、レーザーを発射してしまい騒ぎとなる。

マスターソンは武器を拾い、現れたベックに銃を向けてストーンの元に向かう。

マスターソンが警官を撃ったために、ウィリスとサンチェス(リチャード・ブルックス)が二人を追う。

ウィリスとサンチェスはマスターソンを射殺し、ベックは警戒する。

マスターソンはサンチェスに襲いかかり、その場を離れたベックは、ストーンの元に向かう。

ストーンに状況を説明したベックは、マスターソンが宇宙人に殺されたのかを確認して、彼を解放して武器を返す。

襲いかかってきたマスターソンは、ストーンをアルハーグと呼び銃撃戦となる。

マスターソンは、声をかけてきた囚人(ダニー・トレホ)を射殺してバズーカ砲を構える。

それをかわしたベックは、マスターソンが傷を負ったために、移り変わることをアルハーグから聞き、武器が人間の体には危害を加えないことを知らされる。

マスターソンが死んでいることを確認した二人は、ウィリスが彼と接触して、ホルト議員の演説会場に向かったという報告を受ける。

ウィリスは演説会場に入り、ベックとアルハーグはそれを追う。

議員は警戒態勢を知らされて非難し、ウィリスは警官を射殺する。

議員を捜していたウィリスは銃弾を受けながら、ベックを銃撃する。

ウィリスは議員を見つけて乗り移り、アルハーグはそれに気づくものの、彼に近づくことができず、手当を受けたベックの様子を気遣う。

記者会見で、ホルト議員は大統領になると宣言し、そこに現れ会場に押し入ったアルハーグは、彼を攻撃しようとする。

アルハーグは、銃弾を受けながら火炎放射器で議員を焼き殺し、口から出てきた生物を武器で殺す。

病院に搬送されたアルハーグは、目の前で息を引き取ったベックに、自らの命を犠牲にして生命を吹き込む。

病室に戻ったバーバラは、アルハーグが死んでいることを確認し、ベックの意識が戻ったことを喜ぶが、娘は父親に近づこうとしない。

しかし、ベックが手を差し伸べたため、娘は笑顔を見せて父親に寄り添う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス
善良な市民が、突然、凶悪犯罪を犯し、犯行を続ける事件が起きる。
担当刑事トム・ベックらは、犯人デヴリースを追い詰めて重傷を負わせる。
ところが、デヴリースは収容先の病院で、口から生物を吐き出し、それは重傷患者ミラーに寄生する。
FBI捜査官ロイド・ギャラガーは、その事件を捜査するためベックに協力を求める。
詳しい捜査内容を知らされないベックは苛立つのだが、その頃、ミラーが犯罪を繰り返して起こす。
ベックは、風変わりなギャラガーの言動を気にしながら、彼と共にミラーを捜そうとするのだが・・・。
__________

人間に寄生するエイリアン、凶悪犯罪、派手なアクション、そして信頼と友情など、粗削りではあるが、娯楽の要素満載のホラー作品として評価を受けた。
第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭(現:ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭)グランプリ受賞作品。

おぞましい姿のエイリアンは殆ど画面に登場せずに、人間に寄生したその行動が、どこかユーモラスなところが面白い。

B級映画的ではあるが、適度に挿入されたスピード感あるアクションもまずまずであり、クライマックスで、主人公が地球の友に生命を与える姿などは感動的でもある。

悪に対する善のエイリアンを演ずるカイル・マクラクランは、独特の雰囲気で風変わりな人物を魅力的に演じ、真相を知らされずに、不満を抱えながらも彼の協力者となる刑事マイケル・ヌーリーも熱演している。

エイリアンに体を奪われるストリッパー役のクラウディア・クリスチャン、警部補クラレンス・フェルダークルー・ギャラガー、刑事役のエド・オロスリチャード・ブルックスラリー・シーダー、エイリアンに寄生されるウィリアム・ボイエットクリス・マルケイ上院議員役のジョン・マッキャン、そして、ダニー・トレホが、留置場で撃たれる男役で一瞬登場するのでお見逃しなく。


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