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ヘルプ The Help (2011)

2009年に発表された、キャスリン・ストケットの小説”The Help”を基に製作された作品。
公民権運動で揺れ動くアメリカ国内を背景に、南部で育った作家志望の白人女性とアフリカ系のメイドの関係を描く、製作、監督、脚本テイト・テイラー、主演エマ・ストーンヴィオラ・デイヴィスオクタヴィア・スペンサーブライス・ダラス・ハワードジェシカ・チャステインアリソン・ジャネイシシー・スペイセク共演によるヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ジェシカ・チャステイン / Jessica Chastain / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:テイト・テイラー
製作総指揮
モハメド・カーラフ
ネイト・バークス
ジェニファー・ブラム
L・ディーン・ジョーンズJr.
ジョン・ノリス
マーク・ラドクリフ
ジェフリー・スコール
テイト・テイラー
製作
クリス・コロンバス
マイケル・バーナサン
ブランソン・グリーン
原作:キャスリン・ストケットThe Help
脚本:テイト・テイラー
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:ヒューズ・ウィンボーン
音楽:トーマス・ニューマン

出演
ユージニア”スキーター”フェラン:エマ・ストーン
エイビリーン・クラーク:ヴィオラ・デイヴィス
ミニー・ジャクソン:オクタヴィア・スペンサー
ヒリー・ホルブルック:ブライス・ダラス・ハワード
シーリア・フット:ジェシカ・チャステイン
シャーロット・フェラン:アリソン・ジャネイ
ウォルターズ夫人:シシー・スペイセク
コンスタンティン・ジェファーソン:シシリー・タイソン
エレーン・スタイン:メアリー・スティーンバージェン
ユール・メイ・デイヴィス:アーンジャニュー・エリス
スチュワート・ウィットワース:クリス・ローウェル
ジョニー・フット:マイク・ヴォーゲル
エリザベス・リーフォルト:アーナ・オライリー
グレーシー・ヒギンボサム:ダナ・アイヴィ

アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2011年製作 146分
公開
北米:2011年8月10日
日本:2012年3月31日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $169,708,110
世界 $211,608,110


アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞

・受賞
助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー
・ノミネート
作品
主演女優賞(ヴィオラ・デイヴィス
助演女優賞(ジェシカ・チャステイン


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1963年、ミシシッピ州、ジャクソン
アフリカ系のメイドで、50歳になるエイビリーン・クラーク(ヴィオラ・デイヴィス)は、自分の仕事は”家事をする奴隷”だと語る。

それを聞いていた、ノートに”ヘルプ”(お手伝い)と題してメモを始めた相手は、17人の白人の子供を育てた気難しいエイビリーンの話に耳を傾ける。
_____

エイビリーンは、エリザベス・リーフォルト(アーナ・オライリー)の娘を育てながら家事をしていた。

ミシシッピ大学を卒業した、作家志望であるユージニア”スキーター”フェラン(エマ・ストーン)は、故郷に戻り地元新聞社”ジャクソン・ジャーナル”に採用される。

スキーターは、家事のコツを書くマーナ女史のコラムを読んで、彼女に成りすまし、読者の声に答える仕事をもらう。
...全てを見る(結末あり)

結婚後、母親ウォルターズ夫人(シシー・スペイセク)を引き取ったヒリー・ホルブルック(ブライス・ダラス・ハワード)は、料理上手が地域で評判のミニー・ジャクソン(オクタヴィア・スペンサー)を雇っていた。

ある日ヒリーは、ブリッジ・クラブに参加するために、母とミニーを伴いエリザベスの家へと向かう。

リーフォルト家に着いたミニーは、トイレットペーパーの使用量までチェックするヒリーを批判し、ウォルターズ夫人の悪口を言って、エイビリーンと共に笑いを堪える。

友人達の元に現れたスキーターは、町に戻ったことで歓迎され、ヒリーやエリザベスに新聞社に就職したことを伝える。

家事のコラムを担当することになったことで、スキーターは、エイビリーンから話を聞く考えをエリザベス伝える。

フェラン家には、スキーターを育てたメイド、コンスタンティン・ジェファーソン(シシリー・タイソン)がいたのだが、彼女が辞めてしまったのだった。

エリザベスから許可を得たスキーターは、電話のあった、貧しい家の出身者シーリア・フット(ジェシカ・チャステイン)や、アフリカ系の人々を侮辱し始めたヒリーやエリザベスの言葉を気にする。

エイビリーンが、気分を害したことを察したスキーターは、話題を変えようとするものの、ヒリーは、人種差別主義者の本性を表し、構わずアフリカ系の批判をする。

エイビリーンのことが気になるスキーターは、彼女に声をかけて、翌日、話を聞きに来ることになる。

シカゴの娘のところに行ったという、コンスタンティンのことを尋ねたスキーターだったが、エイビリーンは、そのことで多くを語らなかった。

自宅に戻ったスキーターは、母親のシャーロット(アリソン・ジャネイ)にコンスタンティンのことを尋ねるが、未だに独身でいることに話をそらされる。

シャーロットに、同性愛者ではないかと疑われたスキーターは気分を害し、家族との食事中に、コンスタンティンのことを改めて尋ねる。

両親の雰囲気で、コンスタンティンが辞めさせられたことを悟ったスキーターは、気分を害して席を外してしまう。

スキーターは、敷地内のコンスタンティンとの想い出の場所に向かい、育ての親であり心の友だった彼女に、辛い時に励まされたことなど思い出す。

採用を断られた、ニューヨークの出版社”Harper & Row”の編集長エレーン・スタイン(メアリー・スティーンバージェン)に連絡を入れたスキーターは、話を聞けるアフリカ系女性がいることを伝える。

エレーンに励まされたスキーターは、エイビリーンに会い、コラムの件以外に、メイドについて書いてみたいことを伝えて協力を求める。

それを承諾できるはずもないエイビリーンは、スキーターの話を聞き流す。

ヒリーの話に感化されたエリザベスは、アフリカ系専用トイレを作ろうとして、夫と揉めてしまう。

激しい雨の中、屋外にある専用トイレに行けず、夫人から許可を得たミニーは家のトイレを使おうとする。

ヒリーがそれを探りに来たため、ミニーはトイレを使わずに水を流す。

その行動に憤慨したヒリーは、ミニーを追い出してしまう。

嵐が去った後、エイビリーンはスキーターに本のことで話しかけられるが、”ジム・クロウ法”(人種分離法)よりも視線が気になるという彼女は、それを恐れてその場を立ち去る。

その後、ヒリーに泥棒だと言いふらされたミニーは、彼女に復讐したため、二度と働けなくなるだろうということを、電話でエイビリーンに伝える。

エイビリーンは、それを知った夫から暴力を振るわれるミニーを案じながら、スキーターと話す決心をして彼女に連絡する。

ジム・クロウ法”についてなどを詳しく調べたスキーターは、エイビリーンの家に招かれ、ミニーらの協力は得られないことを知らされる。

”ヘルプ”と題して、原稿のメモを取り始めたスキーターは、息子を亡くしてから、気難しくなったというエイビリーンに、話をするのが得意でないと言われる。

エイビリーンは、毎晩書き留めているノートを読み始める。

話も付け加えたエイビリーンは、感謝するスキーターに、神のお陰で話す気になったことを伝える。

その後ミニーは、ヒリーのデマなどを気にしない、メイドを探していたシーリアに呼ばれる。

5人のメイドに断られていたシーリアは、ミニーが働くことになったために喜ぶ。

家事が全くできないシーリアは、夫のジョニー(マイク・ヴォーゲル)には内緒でミニーを雇ったのだった。

ヒリーはチャリティー集会で、自分が提案した、アフリカ系の専用トイレを設置することなどの住宅保健衛生法の素案が、州知事に渡ったことを発表する。

スキーターは、その件を会報に載せる約束をしていたのだが、それを実行していなかったことをヒリーに伝える。

その件は納得したヒリーは、スキーターに紹介したい、上院議員の息子スチュワート・ウィットワース(クリス・ローウェル)が、町に戻ってくることを彼女に伝える。

ヒリーに、息子の学費の不足分を借りようとして断られたメイドのユール・メイ・デイヴィス(アーンジャニュー・エリス)は、掃除中に指輪を見つけてそれをポケットに隠してしまう。

子供を愛そうとしないエリザベスを批判するエイビリーンは、それをスキーターに語る。

その場に現れたミニーは、二人を見て批判するものの、自分も命懸けで話に加わると言ってその場に居座る。

三人は大いに盛り上がり、ミニーは、仲間を探すことを提案してそれを実行し始める。

スチュワートと会うことになったスキーターは、彼と意見が合わず、食事の席を立ってしまう。

ミニーは、シーリアに料理を教えるなどして親交を深めるのだが、自分と同じテーブルで食事をしようとする彼女に驚く。

エレーンは、送られてきたスキーターの原案を見て満足するが、話を聞いたのが二人のメイドだけだと知る。

キング牧師らによる”ワシントン大行進”も迫る中、公民権運動が下火になる前に、少なくとも12人から話を聞く必要があることを、エレーンはスキーターに伝える。

ミニーは、皆が怖がって話に乗らないことをスキーターに伝え、架空のメイドを作ればいいと提案する。

それはできないと言うスキーターだったが、エイビリーンは、白人に殺されたのも同然だった息子のことを語る。

仕事場で事故に遭った息子は、白人の主人にトラックで運ばれて黒人病院の前に投げ捨てられ、手の施しようのなかった彼を、エイビリーンは自宅に連れ帰り看取ったのだった。

エイビリーンは、出版を諦めれば、息子や自分の苦労が無になると涙しながら語り席を立つ。

スキーターはユール・メイを誘おうとするが、ヒリーがそこに現れ、自分の原稿を会報に載せないことで意見され、真の人種差別者に疑われるような行動は止めるべきだと忠告される。

その後スキーターは、謝罪に来たスチュワートと食事をして、彼に励まされもして付き合い始める。

数日後スキーターは、ヒリーの原稿に手を加えて会報に掲載し、彼女に恥をかかせる。

”コート”を”便器”と書き換えてあったために、ヒリーの家の庭には多数の便器が置かれ、住民達の笑い者になった彼女は取り乱してしまう。

ある夜、KKK公民権運動の活動家メドガー・エヴァーズが射殺される事件が起きる。

それを知ったエイビリーンは、怯えながらミニーの家に向かうものの、自分達は真実を語っているだけだと言って励まし合う。

その後ミニーは、三度目の流産をしてショックを受けるシーリアを慰める。

ユール・メイは、指輪を質屋に持ち込んだために怪しまれ、捜査を始めた警察により、エイビリーンの目の前で逮捕されてしまう。

エイビリーンの家に向かったスキーターは、集まった多くのメイド達から、本に協力すると言われ、彼女達の話を聞くことになる。

その年の最後の編集会議が迫り、スキーターはエレーンから原稿を催促され、コンスタンティンの話も入れるよう指示される。

ヒリーの元恋人のジョニーと結婚したシーリアは、ブリッジ・クラブに顔を出すが無視されてしまう。

しかし、ジョニーを奪った訳ではなかったため、シーリアはそれを気にぜず、チャリティー・パーティーに出席することをミニーに伝える。

シーリアは、夫から殴られたミニーのアザを見て、自分ならやり返すと言って彼女を慰める。

11月。
ケネディ大統領が暗殺され、国中が悲しみに包まれる中、本のことがバレることを恐れたミニーは、自分がヒリーにした復讐を書くことで、彼女が恥を隠そうとするはずだと考える。

ミニーは、謝罪のつもりで持参したパイに、自分の便を混ぜたことをヒリーに知らせ、復讐したのだった。

エイビリーンは危険だと言うが、ミニーは、ヒリーの性格上、間違いなく、それが自分の身に起きたことと認めたくないはずと確信し保険になると語る。

しかし、スキーターもそれに反対したため、この話が書けないのなら、自分は降りると言ってミニーはその場を去る。

チャリティー・パーティーの当日、シーリアは派手なドレスを着てジョニーと現れ、出席者の目を引く。

酔ったシーリアはヒリーのテーブルに向かい、ジョニーのことやミニーのパイを入札した彼女と、友好的な話をしようとする。

パイのことで勘違いしたヒリーは動揺し、気分の悪くなったシーリアはその場で吐いてしまう。

実はパイを入札したのはウォルターズ夫人で、娘ヒリーに対し、施設に入れられたことと、ミニーを追い出したことで嫌味を言う。

翌日ミニーは、故郷に帰ると言うシーリアに、ヒリーに食べさせたパイの件を話して、それで彼女が誤解したことを教える。

シーリアは、このまま故郷に帰れば、ヒリーの思う壺だと言われて、屋敷に留まることを決める。

原稿は完成し、それを知ったエイビリーンとミニーは感激するが、スキーターは、自分自身の話を付け加えることを二人に伝える。

スキーターは、コンスタンティンのことを母シャーロットから聞き出そうとする。

”アメリカの革命の娘達”の州代表に任命されたシャーロットは、ワシントンD.C.から訪れた会長グレーシー・ヒギンボサム夫人(ダナ・アイヴィ)を歓迎する。

しかし、年のせいで手元がもたつくコンスタンティンと、急に訪れて来た彼女の娘に恥をかかされたシャーロットは、二人を追い出してしまう。

ヒギンボサム夫人に指示されたこととは言え、シャーロットを許せないスキーターは、コンスタンティンを捜そうとする。

兄をシカゴに行かせたものの、コンスタンティンは亡くなった後だったことを、シャーロットはスキーターに知らせる。

スキーターはシャーロットを恨み、涙しながらその場を去る。

やがて、スキーターの著書”ヘルプ”は出版され、彼女は、少ない前払い金をエイビリーンら協力者13人分けるが、彼女達にとって46ドルは大金だった。

それを読んだウォルターズ夫人は、暴露本だと気づいて娘ヒリーに読むようにと伝える。

付き合っていたスチュワートは、身勝手だと言って憤慨しスキーターの元を去る。

その後、誰もがその本を手にして、それを読んだヒリーはショックを受けるものの、ミニーの思惑通り、他所の土地の話だと言って、自分達がモデルだと考える友人の言葉を否定する。

しかし、シーリアがパイの件を皮肉ってチャリティー募金を送って着たために、ヒリーは憤慨してスキーターの元に向かう。

その頃、スキーターは、”Harper & Row”からの採用通知を受取る。

動揺しながら現れたヒリーは、弁護士に相談したと言ってスキーターに脅しをかける。

スキーターはそれに動ずることなく言葉を返し、苛立つヒリーはシャーロットに助けを求めようとする。

シャーロットはパイのことを口に出して、嫌味を言ってヒリーを追い払う。

末期がんのため体調のすぐれないシャーロットだったが、代々受け継がれていた勇気を取り戻してくれてスキーターに感謝し、誇りに思うことを伝える。

突然、現れたジョニーに驚いたミニーだったが、シーリアから流産のことを知らされた彼は、話をしたいだけだった。

ジョニーは、ミニーが来てからシーリアが見違えるようになったことで、彼女を恩人だと言って、初日から、メイドを雇ったことを知っていたことを伝える。

ミニーは、自分のために徹夜で食事を作ったシーリアとジョニーに歓迎され、クビではなく、一生働いてほしいと言われる。

二人の気持ちに勇気づけられたミニーは、夫を見限って子供達と共に家を出る。

教会に向かったエイビリーンは、今回の行動を皆に称えられ、実名を明かせなかった著書に、多くの教会がサインをして渡される。

それを見せられたスキーターは、ニューヨーク行きは断るつもりだとエイビリーンとミニーに伝える。

二人は、自分達が危険だと言って出版社の誘いを断ろうとするスキーターに、ニューヨーク行きを勧めて説得する。

リーフォルト家に向かったエイビリーンは、その場にいたヒリーに、銀食器を盗んだと言って脅される。

それを否定するエイビリーンは、刑務所でも文章は書けるとヒリーに言い寄る。

ヒリーを悪魔だと言って罵るエイビリーンは、彼女が何も言い返さずにその場を去った後、エリザベスに出て行くように言われる。

エリザベスの娘はエイビリーンを引き止めるが、彼女はその子に別れを告げる。

エイビリーンは、エリザベスに”私の子を頼みます”と言ってその場を去る。

メイドの仕事を終わりにすることを決めたエイビリーンは、心に閉じ込めていた思いを語り解放された気持ちになる。

エイビリーンは、知り合った人々や、これまでの人生のことを考え、”いつか家族から作家が出る”と言っていた、亡くなった息子の言葉を思い出す。

それが自分だと考えながら、エイビリーンは新しい人生を歩む希望で胸を膨らませる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1963年、ミシシッピ州、ジャクソン
ミシシッピ大学を卒業したばかりの作家志望のユージニア”スキーター”フェランは、故郷に戻り地元新聞社に採用される。
家事についてのコラムを、作者に成り代わり担当することになったスキーターは、友人のエリザベスが雇うメイドのエイビリーンに話を聞こうとする。
自分の育ての親で心の友でもあった、メイドのコンスタンティンが辞めたことで、心を痛めていたスキーターは、メイドについて書いてみたいこともエイビリーンに伝え、協力してもらおうとする。
エイビリーンは、それがどれだけ危険なことか理解していたため、気が進まない話であった。
その後、コンスタンティンが、辞めさせられたことを察したスキーターはショックを受ける。
エイビリーンの友人であるミニーは、雇い主である人種差別主義者のヒリーに反発して追い出され、夫に暴力を振るわれる。
それを知ったエイビリーンは、同胞のためを思い心を決め、スキーターに協力することを伝えるのだが・・・。
__________

人種差別問題を描く作品は多くあるのだが、メイドと言うよりも、当事者には”育ての親”として特別な感情を抱く女性達に焦点を当て、未だに根付く差別が、当時、どのように日常化されていたかを真正面から描いた社会性のある作品でもある。

男達の世界で描かれることが多かったこの問題を、女性達の視点で描いたところも注目で実に興味深い作風に仕上がっている。

ドラマの舞台となるミシシッピ州、ジャクソンの出身者である監督のテイト・テイラーは、原作者のキャスリン・ストケットとは幼馴染みである。

当時の雰囲気や街並みのセットも素晴らしく、公民権運動の活動家”ローザ・パークス”が、逮捕時に乗っていたものとほぼ同型である、フォード社製のバスなども再現されている。

第84回アカデミー賞では、助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)を受賞し、作品、主演女優(ヴィオラ・デイヴィス)賞、助演女優賞(ジェシカ・チャステイン)にノミネートされた。

北米興行収入は約1億7000万ドル、全世界では約2億1200万ドルのヒットとなった。

人気の若手スター、エマ・ストーンは、シリアスな演技に徹する熱演で期待に応え、実力派女優陣の演技は見応えがある。

愛する息子を亡くしながら、白人に仕えるしかないメイド役のヴィオラ・デイヴィスは、あらゆるタイプの役柄をこなす実力派らしく、奥深い演技を見せ、彼女の友人として、人間味溢れる役をオクタヴィア・スペンサーが豪快に演じている。

セリフではないが、悪魔のような人種差別主義者ブライス・ダラス・ハワード、メイドを所有物のように扱う彼女らとは違い、人情味のある白人女性を好演するジェシカ・チャステイン、辞めさせたメイド(シシリー・タイソン)の件で娘と溝ができてしまうものの、終盤では彼女の考えを理解するヒロインの母親アリソン・ジャネイ、異色のキャラクターとして要所要所で存在感を見せる、ヒリー(B・D・ハワード)の母親シシー・スペイセク、出版社”Harper & Row”の編集長メアリー・スティーンバージェン、指輪を盗み逮捕されてしまうメイド、アーンジャニュー・エリス、ヒロインの恋人役クリス・ローウェル、シーリア(J・チャステイン)の夫役のマイク・ヴォーゲル、ヒロインの友人アーナ・オライリー、女性活動団体の会長ダナ・アイヴィなどが共演している。


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