1965年に発表された、ロビン・ムーアの著書”The Green Berets”を基に製作された作品。 ベトナム戦争で実戦配備される“グリーン・ベレー”の戦いを描く、監督、主演ジョン・ウェイン、共演デヴィッド・ジャンセン、ジム・ハットン、アルド・レイ、ブルース・キャボット他共演の戦争ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督
ジョン・ウェイン
レイ・ケロッグ
マーヴィン・ルロイ(クレジット無し)
製作:マイケル・ウェイン
原作:ロビン・ムーア”The Green Berets”
脚本:ジェームズ・リー・バレット
撮影:ウィントン・C・ホック
編集:オソー・ラヴァリング
音楽:ミクロス・ローザ
出演
マイク・カービー大佐:ジョン・ウェイン
ジョージ・ベックワース:デヴィッド・ジャンセン
ピーターソン軍曹:ジム・ハットン
マルドゥーン曹長:アルド・レイ
”ドク”マギー軍曹:レイモンド・セント・ジャック
フランク・モーガン大佐:ブルース・キャボット
カイ大佐:ジャック・スー
ニム大尉:ジョージ・タケイ
ジェイミソン中尉:パトリック・ウェイン
アルバート・C・プロボ軍曹:ルーク・アスキュー
リン:アイリーン・ツー
マクダニエル大尉:エドワード・フォークナー
コールマン大尉:ジェイソン・エヴァース
コワルスキー軍曹:マイク・ヘンリー
ハムチャンク:クレイグ・ジュー
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ=セヴン・アーツ
1968年製作 141分
公開
北米:1968年7月4日
日本:1968年7月20日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $21,707,030
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ノースカロライナ州、”フォート・ブラッグ”。
新聞記者ジョージ・ベックワース(デヴィッド・ジャンセン)は、ベトナム戦争で実戦配備されている“グリーン・ベレー”(アメリカ陸軍特殊部隊群)及びアメリカの介入の必要性を考えながら、一般市民らと共に部隊の説明を受ける。
グリーン・ベレーの司令官マイク・カービー大佐(ジョン・ウェイン)は、デスクワークを交代したいことを上官に伝える。
その後カービーは、副官のマクダニエル大尉(エドワード・フォークナー)と共に説明会にむかう。
カービーの部下マルドゥーン曹長(アルド・レイ)と”ドク”マギー軍曹(レイモンド・セント・ジャック)が出席者の質問を受ける。 ベックワースらはアメリカの介入について疑問をぶつけ、ベトナムで戦った二人は現地の状況を話し、その必要性を説く。 ベトナムの場合は内戦だと突っ込むベックワースだったが、マルドゥーンは、その場に展示してあった武器を手にする。 マルドゥーンは、それらがいずれも共産国の武器であり、共産主義を排除するために戦うと単純明快に説明する。 集会は解散となるが、納得いかないベックワースは、その場にいたカービーに、尚も介入でないかと質問する。 しかしカービーは、現地を見たことがないというベックワースを相手にしない。 オフィスに戻ったカービーは、武器係のアルバート・C・プロボ軍曹(ルーク・アスキュー)から、ベトナム行きの部隊に志願したいと言われる。 考慮すると答えたカービーは、プロボが役に立つ人材だと考える。 別の部隊の特技兵ピーターソン(ジム・ハットン)は、軍の物資を盗む現場をカービーらに押さえられる。 カービーは、ピーターソンが調達係として使えると判断し、軍曹に昇進させて自分の部隊に編入する。 そして、出撃命令が出た部隊は南ベトナム(ベトナム共和国)に向かう。 ダナン。 二人は、ベトナム共和国軍のカイ大佐(ジャック・スー)の元に向かい、二つの前進キャンプについての説明などを受ける。 現地総司令官の表敬訪問を終えたカービーは、運転手を務めたプロボが、各施設に戦死者の名前がつけられているのを気にしていることを知る。 現地の視察に来たベックワースは、キャンプに向かうカービーと再会し同行する許可を得る。 一個中隊を率いたカービーは、ヘリコプターで目的地のキャンプに到着する。 指揮官コールマン大尉(ジェイソン・エヴァース)に迎えられたカービーは、交替するマクダニエルやベックワースらを紹介する。 キャンプに住み着く孤児の少年ハムチャンク(クレイグ・ジュー)は、ピーターソンに悪戯をして仲良くなろうとする。 コールマンからその場の状況などの説明を受けたカービーは、不足している物資をピーターソンに調達させようとする。 翌日、雨の中、偵察隊のニム大尉(ジョージ・タケイ)が戻り、カービーとマクダニエルは、彼のベトコンに対する憎しみを知る。 その夜、キャンプは敵の砲撃を受け、ニムは、キャンプにスパイがいることをカービーに指摘する。 カービーは、翌日に帰国するはずだったコールマンが死亡したことを知る。 ベックワースは、想像以上に敵が近くにいるとニムに言われる。 ピーターソンは、眠る場所のないハムチャンクを自分のベッドに入れる。 翌日、海軍建設部隊のジェイミソン中尉(パトリック・ウェイン)が重機と共に到着し、カービーは、キャンプを拡張するための作業を始めさせる。 マルドゥーンはスパイを見つけ、所持していた仲間のライターをニムが確認して拷問する。 ベックワースはその行為を批判するが、カービーは、ライターの持ち主である救護班の隊員が、敵に虐殺されたことを知らせる。 その後マギーは、罠を踏んで破傷風になった山地民の村長の孫娘の足を診る。 カービーは、血清で治るだろうというマギーの診断を聞き安心するものの、子供を気の毒に思う。 その場にいたベックワースは、治療受ける少女に自分のペンダントを渡す。 カービーが村に来た場合には指示に従うと言う村長は、孫娘の治療の件で感謝してその場を去る。 翌日、警戒しながら村に向かったカービーらは、その場が襲われたことを知る。 男達と共に村長は殺され、孫娘も山中に連れて行かれて戻っていなかった。 マギーは少女の死体を発見し、ベックワースに彼女が所持していたペンダントを渡す。 カービーは、現地を見なければ戦争の意味が分からないといった言葉をベックワースに確認させて、別の村で起きたこれ以上の惨劇を語る。 治療が必要な者を搬送させるために、カービーはヘリを呼ぶよう指示する。 カービーはそれに乗って引き上げるかをベックワースに尋ねるが、彼はそれを断る。 その後、偵察から戻ったピーターソンは、敵の攻撃準備が進んでいることをニムに伝える。 ダナン。 カイは、ベトコンに父親と弟を殺された、二重スパイと同席するリンが役に立つ存在であることをカービーに伝える。 マクダニエルから危険が迫っているという連絡を受けたカービーは、マルドゥーンと共にキャンプに戻る。 監視塔で敵の動きを監視するマクダニエルは、コワルスキー軍曹(マイク・ヘンリー)に警戒するよう連絡する。 キャンプは砲撃を受け、部隊は迫撃砲で対抗しベックワースも協力する。 その最中にキャンプに戻ったカービーのヘリは、被弾して撃墜される。 カービーとマルドゥーンらは何とか脱出し、プロボらが救出に向かう。 激しい戦いは続き、ジェイミソンら建設部隊も戦闘に加わる。 隠れているように指示したハムチャンクの姿が見えなくなったため、ピーターソンは彼を捜す。 死んだ愛犬を埋葬したハムチャンクを見つけたピーターソンは、自分を友達だと言う彼を避難させる。 敵はキャンプ内になだれ込み、撃たれたジェイミソンをベックワースが助ける。 援軍の到着地点で、それをマクダニエルに連絡したカービーはキャンプに向かう。 空軍機が現れ、マクダニエルは攻撃開始をカービーに伝える。 爆撃が始まり、カービーはキャンプに戻り、マクダニエルとニムのいる監視塔に向かう。 プロボがスパイの銃弾を受けてしまい、爆撃を受けた監視塔は倒れる。 無事だったカービーとマクダニエルはその場から退避するが、ニムは敵を道連れにしながら爆撃を受けて死亡する。 カービーは退却命令を出して部隊はヘリの発着地点に向かい、ピーターソンはハムチャンクをパイロットに預ける。 ベトコンはキャンプを占拠し、カービーは現れた友軍機に攻撃を命ずる。 敵は全滅し、キャンプに戻ったカービーは体制を整える。 カービーは、戦争の意味を理解したベックワースに次のヘリで帰るよう伝え、彼に感謝される。 重傷のプロボと話したカービーは、一緒に飲みたいと言う彼の要望に応える。 戦死者の名前がつく施設で思いつくことがあったプロボ、それをカービーに伝えて息を引き取る。 カービーはプロボの望み通りにして、トイレに彼の名前を入れた表示板を付ける。 モーガンとカイに会ったカービーは、リンを利用して敵の司令官ファン・ソンチ将軍を捕える作戦を知らされる。 リンと接触したカービーはその計画を聞き、彼女がカイの弟の妻だと知らされる。 隊員とカイと共に輸送機で目標地点に向かったカービーは、パラシュートで降下する。 別行動をとるコワルスキーは、敵に襲われて命を落とす。 コワルスキーの死体を見つけたカービーは、彼を埋葬するよう命ずる。 前進したカービーは、橋の手前にマルドゥーンとマギーら数人を残して目的地に向かう。 ある屋敷に近づいたカービーらは夜を待つ。 ソンチ将軍がリンを伴い現れたことを確認したカービーは、行動を開始する。 監視と護衛兵を倒し屋敷に侵入したカービーらは、ソンチに襲い掛かり薬剤で眠らせる。 リンを保護したカービーらは脱出し、気づいた敵を倒し、車を奪ってその場を離れる。 マルドゥーンとマギーは、橋を爆破する準備が完了したことをカービーに連絡する。 橋の検問の見張りを殺し、現れたカービーらの車を通したマルドゥーンとマギーはバイクで逃走する。 マルドゥーンは橋を爆破し、撃たれたマギーを案じながらその場を離れる。 カービーらは、ソンチを輸送機に吊り上げさせる。 集合地点の偵察をピーターソンに命じたカービーは、リンの処遇をカイに任せる。 自分次第でリンの将来は決まると言われたカイは、彼女に近づき勇気を称える。 リンは一族に迷惑をかけたと言って謝罪し、カイは全て許すだろうと伝え、涙する彼女を抱き寄せる。 ピーターソンは、マルドゥーンと合流してカービーらの元に向かう。 ヘリの着陸地点に向かったカービーらだったが、ピーターソンが罠にはまり死亡する。 カービーは皆に前進するよう命じ、ピーターソンの装備を持って目的地に向かう。 ベックワースは、ハムチャンクを連れてヘリの帰還を待つ。 前線に向かう部隊に同行することを決めたベックワースはその場を去る。 ヘリで到着したカービーは、犠牲は大きかったものの、作戦の成功をモーガンに報告する。 ハムチャンクは、ピーターソンを捜すが見つけることが出来ず、浜辺に向かった彼にカービーが歩み寄る。 カービーは、ピーターソンの死を知ったハムチャンクに戦争を理解させる。 ピーターソンが勇敢だったかを聞かれたカービーは、ハムチャンクにその通りだと答える。 自分もそうなれると言われたハムチャンクは、ピーターソンのベレーをカービーに被せてもらう。 これからどうなるかをハムチャンクに問われたカービーは、”自分がついている、グリーン・ベレーの隊員だから・・・”と言って彼を励ます。
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到着したカービーは、交代する予定の現地司令官フランク・モーガン大佐(ブルース・キャボット)に迎えられる。
ナイトクラブにいたカービーとモーガンそしてカイは、現れた女性リン(アイリーン・ツー)について語り始める。
*(簡略ストー リー)
ノースカロライナ州、”フォート・ブラッグ”。
“グリーン・ベレー”(アメリカ陸軍特殊部隊群)司令官マイク・カービー大佐は、デスクワークを嫌い戦地に向かうことを上官に要望する。
新聞記者ベックワースは、アメリカのベトナムへの介入を批判するが、カービーは現地を見ていない彼を相手にしない。
ダナンに部隊を率いて到着したカービーは、視察に現れたベックワースを伴い前進キャンプに向かい、周辺の偵察などを始めるのだが・・・。
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ジョン・ウェインの”バトジャック・プロダクション”と息子マイケル・ウェインの製作による、ベトナム戦争を本格的に扱った最初の作品と言えるため公開当時は大いに話題になった。
ベトナム戦争が激化する時代、ジョン・ウェインが自らメガホンを握った意欲作で、超タカ派で知られる彼の演出が注目された作品。
当時として考えるならばスケール感もあるし、アメリカ国内でのロケもまずまず成功しているとは言える。
とにかく、アメリカ軍全面協力による本物の迫力は見応えがある。
「ジャンヌ・ダーク」(1948)、「黄色いリボン」(1949)「静かなる男」(1952)で3回アカデミー賞を受賞しているウィントン・C・ホックの撮影、ミクロス・ローザの勇ましいテーマ曲なども印象に残る。
戦争の肯定否定について賛否両論ある中、北米興行収入は約2200万ドルの大ヒットとなった。
既に「アラモ」(1960)などで監督を経験しているジョン・ウェインだが、彼が画面上にいないと観客を納得させられないためか、演出に集中できたのだろうかというほどのワンマン作品とも思える内容だ。
司令官である大佐が、自ら中隊の指揮を執り最前線で戦うスーパーマン的活躍もやや疑問で、上記のように演出が疎かになったことは確かだ。
他を圧倒する存在の60歳を過ぎたウェインが、大尉程度の役を演じるはずもなく、司令官として後方で指揮を執る役柄が許されるわけもなく難しいところだ。
ロケ地に足を運んだジョン・フォードが、ウェインの演出を黙ってみていられなかったというのも頷ける・・・。
また、精鋭部隊であるグリーン・ベレーの隊員の能力がそれほど特別に描写されていないことも気になり、ミリタリー・ファンにとってはやや物足りないと言ったところだろうか。
グリーン・ベレーの衛生兵としてベトナム戦争に従軍したバリー・サドラーが発表した、”グリーン・ベレーのバラード”が主題曲として使われている。
いつもうつむき加減なところが彼らしい、アメリカの介入に懐疑的な記者デヴィッド・ジャンセン、部隊員で調達屋のジム・ハットン(ティモシー・ハットンの父親)、頼もしい曹長アルド・レイ、医療行為をする軍医ではない軍曹レイモンド・セント・ジャック、現地司令官ブルース・キャボット、ベトナム共和国軍大佐ジャック・スー、偵察隊の大尉ジョージ・タケイ、海軍建設部隊の大尉パトリック・ウェイン(ジョン・ウェインの次男)、主人公の副官エドワード・フォークナー、隊員ルーク・アスキュー、ジェイソン・エヴァース、マイク・ヘンリー、敵の将軍に近づく協力者の女性アイリーン・ツー、孤児の少年クレイグ・ジューなどが共演している。