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グレートレース The Great Race (1965)

1908年の”ニューヨーク~パリ間レース”を題材にした、原案も兼ねるブレイク・エドワーズによる監督作品。
ニューヨークパリ間レースに参加した男勝りの記者に翻弄されるライバル2人のバトルを描く、主演ジャック・レモントニー・カーティスナタリー・ウッドピーター・フォーク他共演による爆笑コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ブレイク・エドワーズ

製作:マーティン・ジュロー
原案
ブレイク・エドワーズ

アーサー・A・ロス
脚本:アーサー・A・ロス
撮影:ラッセル・ハーラン
編集:ラルフ・E・ウィンタース
音楽:ヘンリー・マンシーニ

出演
フェイト教授/皇太子ハップニック:ジャック・レモン

グレート・レスリー:トニー・カーティス
マギー・デュボア:ナタリー・ウッド
マクシミリアン”マックス”ミーン:ピーター・フォーク
ヘゼカイア・スターディ:キーナン・ウィン
ヘンリー・グッドボディ:アーサー・オコンネル
ヘスター・グッドボディ:ヴィヴィアン・ヴァンス
ロルフ・フォン・シュテュプ男爵:ロス・マーティン
クスター将軍:ジョージ・マックレディー
テキサス・ジャック:ラリー・ストーチ
リリー・オーレイ:ドロシー・プロヴァイン
フリスビー:マーヴィン・カプラン
ボラーチョ市長:ハル・スミス
ボラーチョの保安官:デンヴァー・パイル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1965年製作 158分
公開
北米:1965年7月1日
日本:1965年12月25日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $25,333,330


アカデミー賞 ■
第38回アカデミー賞

・受賞
音響編集賞
・ノミネート
撮影・編集・録音・歌曲賞”The Sweetheart Tree”


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
20世紀初頭。
曲芸師グレート・レスリー(トニー・カーティス)は、フェイト教授(ジャック・レモン)とその助手マクシミリアン”マックス”ミーン(ピーター・フォーク)の妨害を受けながらも、気球からの脱出に成功する。

それに対抗するフェイトは、危険な曲芸に挑戦するものの失敗してしまう。

その後、レスリーのスピード・ボートを爆弾で襲ったフェイトだったが、自分が爆発してしまい、次の曲芸の挑戦も失敗する。

数日後レスリーは、ウェバー・モーター社のマシンが世界一だということを証明するため、ニューヨークパリ間の自動車レースを提案する。

レスリーは、そのために必要な特別な車を製造して欲しいことを会社に要望する。
...全てを見る(結末あり)

会議の席に忍び込んでいたフェイトは、レースで自分が勝つと言い切りその場を逃れる。

”ウェバー・モーター社”
会社側はレスリーの要望に応えて特別車を製造し、フェイトは空中から近づきそれを爆破しようとするものの、またしても失敗する。

フェイトも改造車を開発して”ハンニバル8”と名付けて、”レスリー・スペシャル”に対抗しようとする。

”センティネル新聞社”
記者志望のマギー・デュボア(ナタリー・ウッド)は、編集長ヘンリー・グッドボディ(アーサー・オコンネル)を説得して、強引にレースの取材をする許可を得る。

マギーは、車のテストを続けるレスリーに接近するものの相手にされない。

その後マギーはフェイトの屋敷を訪れるが、騒ぎを起こして追い出される。

レースがスタートする日、マギーは、女性の地位向上を目指す運動家であるヘンリーの妻へスター(ヴィヴィアン・ヴァンス)の協力を得て、エントリーして勝利を誓う。

レスリーは、助手のヘゼカイア・スターディ(キーナン・ウィン)と共に、フェイトはマックスと、そして参加者は一斉にスタートする。

フェイトは、妨害工作で4台の車を破壊して脱落させるが、マックスの手違いで自分の車も故障してしまう。

マギーは、フェイトとマックスの間抜けな写真を撮り、伝書鳩で新聞社に送り、記事は一面を飾る。

初日のトップはレスリーで、無事にオルバニーに到着する。

数日後、荒れ地で車が故障したマギーは、フェイトに抜かれたために、気を失ったっ振りをしてレスリーの車を止める。

マギーはレスリーの車に乗り込みフェイトを追う。

その後フェイトは、先住民に襲われそうになるものの、それをかわしてボラーチョの町に着く。

市長(ハル・スミス)に歓迎されたフェイトとマックスは、保安官(デンヴァー・パイル)が先住民に扮していたことを知らされる。

祝宴を開こうとしていた市長は、先を急ぐフェイトに主賓を断られてしまい、暫くして現れたレスリーが、それを快く引き受ける。

リリー・オーレイ(ドロシー・プロヴァイン)のショーを楽しんだレスリーは、無法者のテキサス・ジャック(ラリー・ストーチ)に、情婦リリーと親しげにしていたことで因縁を付けられる。

その場で乱闘が始まり、フェイトとマックスは騒ぎの隙にガソリンを奪い、残りを爆破して町を離れる。

二人の行動に気づき、フェイトの車に隠れていたマギーは気づかれて置き去りにされる。

マギーは現れたレスリーに、ルートを外れた町まで送ってくれれば、伝書鳩でガソリンの調達について連絡することを約束し、燃料が切れて馬に引かれた彼の車に乗る。

町に着いたマギーは、レスリーにガソリンを調達させて、自分がニューヨークに戻ると見せかけ、ヘゼカイアを騙して汽車に乗せてしまう。

レスリーは、仕方なくマギーと共にレースを続けてアラスカに到着する。

フェイトとマックスも現れ、レスリーは彼らを迷惑に思うものの、吹雪が酷くなり、マギーが4人で体を寄せ合うことを提案する。

翌朝、氷が解けて分離してしまい漂流した4人は、嵐に遭いながら陸を確認する。

レスリーは、その場にヘゼカイアがいることに気づき、マギーが手錠をかけて、彼をサンタフェに向かわせたことを知る。

マギーを責めるレスリーだったが、彼女がフェイトらに連れ去られたためそれを追う。

女性解放運動にのめり込む妻へスターに手を焼きながら、部下フリスビー(マーヴィン・カプラン)からレースの状況を知らされたヘンリーは、フェイトがトップだということを確認する。

フェイトやレスリーがロシアに到着した頃、へスターは静養を取ったため代わってへスターが編集長となり、カルパニアにレースが達したことを知る。

レスリーは市民とクスター将軍(ジョージ・マックレディー)に歓迎されるものの、フェイトとマギー、そしてヘゼカイアは、ロルフ・フォン・シュテュプ男爵(ロス・マーティン)に捕えられてしまう。

宮殿では歓迎式典が開かれ、皇太子ハップニック(ジャック・レモン)がフェイトと瓜二つであった為に、レスリーは驚いてしまう。

アル中の皇太子は、宮殿に戻ったシュテュプにレスリーを紹介する。

レスリーは、シュテュプとクスターが何かを企んでいる気配に気づく。

その夜、寝室に向かった皇太子は、シュテュプとクスターに連れ去られ、ヘゼカイアが、その馬車にしがみつきながらシュテュプの城に向かう。

フェイトは皇太子と対面して、シュテュプとクスターに皇太子を演ずるよう強要される。

シュテュプは、国王に即位後クスターを首相に任命するようフェイトに指示して、馬車で宮殿に向かわせる。

現れたヘゼカイアを殴ってしまったマックスは、その場を脱出してマギーを置き去りにして、フェイトの馬車に忍び込む。

宮殿に向かったフェイトは、レスリーを拘束してレースの勝利を確信する。

マックスはレスリーを助けてシュテュプの城に向かい、マギーとヘゼカイアを救い出そうとするが、フェイトはそれをクスターから知らされる。

脱出しようとしたマギーはシュテュプに捕えられ、皇太子と同じ場所に拘束され、彼の顔を見て驚く。

レスリーとマックスは、城に侵入して騒ぎを起こしマギーらを捜す。

シュテュプと剣を交えたレスリーは、激しい戦いを繰り広げる。

かなわないと悟ったシュテュプはその場を逃れ、レスリーはマギーと皇太子、そしてヘゼカイアを救い出して宮殿に向かう。

戴冠式は行われ、王冠を授けられたフェイトは、レスリーを妨害して、現れたマックスと共にその場を逃れる。

調理場に逃げ込んだフェイトは巨大なケーキの上に落下し、追ってきたクスターとパイ投げを始める。

その場に現れたレスリーやマギー、皇太子らも合わせて大混乱となる。

レスリーらはレースに戻り、皇太子は彼らに感謝して見送る。

マギーに、歩み寄るべきだと言ってキスしたレスリーだったが、気の強い彼女は反発して気分を害する。

先を行くフェイトがタイヤ交換をしている間に、彼を抜き去ったレスリーだったが、マギーと言い争いになり車を止めてしまう。

その隙にレスリーを抜いたフェイトはパリ市内に入り勝利を確信する。

レスリーは、マギーと言い合いながらフェイトを追い、ゴールのエッフェル塔を目指す。

フェイトが迷っていた隙にゴールに着いたレスリーだったが、直前で車を止めてしまい、言い争う理由が愛しているからだとマギーに伝えてキスをする。

その間にフェイトとマックスの車がゴールしてしまい、負けてしまったレスリーだったが、マギーの心を射止める。

フェイトはこんな勝ち方では満足できないと言って興奮し、もう一度戦うといってレスリーを挑発する。

そしてフェイトは、結婚式を挙げたレスリーとマギーとの、ニューヨークに向けたレースを始めようとする。

フェイトは、スタートしたレスリーとマギーの車にめがけて小砲を発射するが、エッフェル塔が倒れてしまう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
20世紀初頭。
曲芸師でもあるグレート・レスリーは、自動車会社にニューヨークパリ間レースを提案し、それが受け入れられ特別車を提供される。
レスリーのライバルであるフェイト教授は、助手のマックスと共に対抗してレースに参加する。
記者志望である男勝りのマギーは、新聞社編集長ヘンリーを説得してレースの取材をすることになる。
マギーは、レスリーやフェイトに接触して車に同乗させてもらおうとするものの、それを断られてしまい自らレースにエントリーする。
そしてレースは始まり、フェイトは参加する車に細工して脱落させる。
快調に飛ばすレスリーは、車の故障で立ち往生したマギーを同乗させることになり、トップのフェイトを追うのだが・・・。
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オープニングで紹介されローレル&ハーディに捧げられ、サイレント時代のコメディの要素なども取り入れた、その時代へのオマージュ的な作品。

オーバーアクション気味の大袈裟な乱闘やアクションに加え、コメディ・スターとしての実力を高く評価されていたジャック・レモンと、プレイボーイそのものという雰囲気のトニー・カーティスとの絶妙の掛け合い、人気急上昇中のナタリー・ウッドをヒロインに、実力派の揃った脇役人なども注目だ。

当時としては破格の、製作費1200万ドルをかけたスケール感のある映像、各個性を生かしたブレイク・エドワーズの軽快な演出は冴え渡り、北米興行収入は約2500万ドルの大ヒットとなった。

第38回アカデミー賞では音響編集賞を受賞し、撮影、編集、録音、歌曲賞にノミネートされた。
随所で登場する主題歌”The Sweetheart Tree”のメロディが実に心地よい。

1960年代の女性解放運動を意識した映像なども興味深い。

本作は私自身にとって思い出深い作品であり、長い映画生活の中で、初めて劇場で観た作品。
5歳だった私は、内容は理解できたかは別として、その雰囲気などをはっきりと記憶している。
また、本作を題材にして、1968年からCBSで放映されたテレビ・アニメ”チキチキマシン猛レース”を楽しんだ方も多いはずだ。

悪巧みに加担する教授の助手ピーター・フォーク、その対抗者の助手キーナン・ウィン、新聞社編集長アーサー・オコンネル、その妻ヴィヴィアン・ヴァンスヨーロッパ小国の権力を手中にしようとする男爵ロス・マーティン、同じく将軍役のジョージ・マックレディー、西部の町の無法者ラリー・ストーチ、その情婦ドロシー・プロヴァイン、市長ハル・スミス、保安官デンヴァー・パイル、編集長の部下マーヴィン・カプランなどが共演している。


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