息子そして兄を失った家族の崩壊と恋人を亡くした少女の苦悩を描く、監督、脚本シャナ・フェステ、製作総指揮、主演ピアース・ブロスナン、スーザン・サランドン、キャリー・マリガン、ジョニー・シモンズ、アーロン・ジョンソン、ゾーイ・クラヴィッツ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:シャナ・フェステ
製作
リネット・ハウエル
ボー・セント・クレア
製作総指揮:
ピアース・ブロスナン
アーロン・カウフマン
ダグ・ダイ
ロン・ハーテンバウム
ダグラス・クバー
マイルズ・ネステル
アンソニー・コーリー
脚本:シャナ・フェステ
撮影:ジョン・ベイリー
編集:カーラ・シルヴァーマン
音楽:クリストフ・ベック
出演
アレン・ブリューワー:ピアース・ブロスナン
グレース・ブリューワー:スーザン・サランドン
ローズ:キャリー・マリガン
ライアン・ブリューワー:ジョニー・シモンズ
ベネット・ブリューワー:アーロン・ジョンソン
アシュリー:ゾーイ・クラヴィッツ
リディア:エイミー・モートン
ジャニス:カーラ・シーモア
ジョアン:ジェニファー・イーリー
ジョーダン・ウォーカー:マイケル・シャノン
シェイ:リンゼイ・ビーミッシュ
アメリカ 映画
配給 Barbarian Films
2009年製作 98分
公開
北米:2010年4月2日
日本:未公開
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $115,860
世界 $474,130
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
高校生のベネット・ブリューワー(アーロン・ジョンソン)とローズ(キャリー・マリガン)は愛し合う。
街道で車を止めたベネットは、ローズに永遠の愛を伝えようとするが、後続車のトラックに衝突される。
息子ベネットを亡くしたアレン(ピアース・ブロスナン)と妻グレース(スーザン・サランドン)は、次男ライアン(ジョニー・シモンズ)と共に悲しみを堪えながら葬儀を済ませる。
ベネットの最後を知ろうとするグレースは、医師にそれを尋ねるものの、救命士と看護師にしか分からないと言われ、事故の加害者が話した可能性を考える。 大学の数学教授のアレンは、かつて一度だけ関係を持ったことがある、自分を気遣ってくれる同僚のジョアン(ジェニファー・イーリー)に感謝する。 帰宅したアレンから、ベネットのことを考えたい時や会いたい時に鳴らすベルを渡されたグレースは、それを鳴らし続ける。 訪ねて来たローズを迎え入れたアレンは、葬儀で見かけたことを伝える。 動揺するローズは、ベネットの子を身籠っていると伝え、妊娠三か月であることを知らせる。 それを知らされたグレースは、18歳で無一文のローズを引き取るというアレンの考えが理解できない。 部屋を与えられたローズは、その夜、ドラッグ依存症だったライアンから聞いた、ベネットが部屋に隠していたという自分との写真を持ち出し、彼と愛し合った時のことを思い出す。 亡くなった日のままになっている部屋でベネットを想うローズは、グレースが夢遊病者のように息子を捜す姿を目撃する。 グレースは、事故の加害者である意識不明のジョーダン・ウォーカー(マイケル・シャノン)の病室に向い、彼からベネットの最期のことを聞こうとして目覚めるのを待つ。 悲しみを癒す会に出席したライアンは、アシュリー(ゾーイ・クラヴィッツ)と知り合い、彼女から姉が自殺した話を聞く。 食事の際、アレンがベネットの話題を避けることを気にするグレースは、ベネットの髪を青く染めたことなどをローズに質問する。 グレースの言動を気にするアレンは悩み、気分転換をするようジョアンに助言される。 家族でビーチハウスに行くことを決めたアレンは、ライアンがアシュリーを連れて行くことを許し、相変わらずベネットの死の検証を続けるグレースとローズと共に出発する。 ビーチハウスに着いたライアンとアシュリーは海岸に向い、グレースは、育児日記をつけると言うローズからベネットのことなどを質問される。 ベネットの話ができるのがローズだけだということを皮肉に思うグレースは、何でも知りたいと言われる。 ローズは、高校最後の日に、初めてベネットから声をかけられた時のことを思い出す。 浜辺に向かったアレンは、ライアンが波に呑まれることを恐れ、岸に戻るようにと言って興奮する。 考えこんでいたアレンはローズに声をかけられ、どんなことでも力になると伝えて、彼女と共に映画を観る。 ビーチハウスに戻ったアレンとローズは、パトカーが止まっていたために驚き、グレースが、スーパーマーケットで取り乱してしまったことを知る。 電話が切れていたと言われたアレンは、ローズと映画を観ていたと答える。 自分の苦しみが理解できないと言うグレースの言動に、我慢の限界に達したアレンは、彼女を抱きかかえたまま海に入ってしまう。 謝罪したアレンはグレースに愛を伝えるが、彼女は財布から落ちたベネットの写真を手にしてその場を去る。 ジョーダンの病室に向かったグレースは、相変わらず意識の戻らない彼に、いつものように本を読んであげるが、逮捕状が出ているジョーダンは、群立病院に移送されることになる。 グレースが浮気をしていると思うアレンは、それをローズに伝えるが、彼女はそれを否定する。 かつて、グレースの愛を確かめたくて、一度、浮気してしまったと言うアレンは、ローズからパーティーに誘われる。 それに付き合ったアレンはスーツ姿でその場に向い、ローズから友人のシェイ(リンゼイ・ビーミッシュ)を紹介される。 事故のことをグレースと話さない理由をアレンに尋ねたローズは、どうなるかが怖いと言われる。 ベネットのことを話したローズは、二人の出会いや幸せを感じたことを語り、子供は絶対に手放さないと伝える。 もう戦うことができないと言うアレンは、疲れ果てたとローズに話す。 アシュリーからベネットの死について訊かれたライアンは、ハイになっていたため覚えていないと答える。 病院で検診を受けたローズは、子供が女の子だと分かり感激し、付き添ったアレンも喜ぶ。 二人の幸せそうな姿を見たグレースは席を外し、彼女を追ったアレンは、祝福できない子供は欲しくないと言われる。 ベネットの死を受け入れようとせず、アレンがそれに向き合っていないと言うグレースは、ローズが死ねばよかったとまで口にしてしまう。 その話を聞いてしまったローズは、涙しながらその場を去る。 アシュリーの家に向い、車に忘れていたマフラーを返そうとしたライアンは、対応した女性がアシュリーの姉だと知り驚き、自分が自殺したと聞いているいるのかと言われる。 嘘をついていたアシュリーを許せないライアンは、謝罪する彼女に、自分の気持ちなど理解できないと伝え、憤慨してその場を去る。 帰宅したライアンは、誰もいなかったため、ベッドの下に隠してあったドラッグを飲んでしまう。 アレンがメイドに家の中を掃除させてしてしまったことを知ったグレースは、ベネットの思い出が消え去ると言って激怒する。 グレースを落ち着かせようとしたアレンは発作で倒れてしまい、病院に運ばれる。 担当医に呼ばれたグレースは、アレンは心臓発作ではなく、極度のストレスが原因だと言われる。 集会に参加したライアンは、話をする許可を得てベネットの批判を始めるが、ハイになっていたため別れも告げていない兄に会えなかった辛さを語る。 軍病院に向かったグレースは、ジョーダンの意識が回復したことを知り彼と話す。 事故の被害者の母親だとジョーダンに伝えたグレースは、ベネットと最後に話したと思われれるジョーダンに、その時の様子を尋ねる。 自分にとってはどうでもいいことだとジョーダンに言われ、追い払われそうになったグレースだったが、どうしても知りたい彼女は食い下がる。 仕方なく事故直後のベネットのことを話したジョーダンは、自分を求めて呼んでいたと思うグレースに対し、ベネットは、助手席の少女の名前を呼んでいたと伝える。 ベネットがローズの名を呼び心配していたと言うジョーダンの話を聞いたグレースは、動揺しながらその場を去る。 シェイの家に向かったローズは、母リディア(エイミー・モートン)に妊娠したことを彼女から伝えてもらう。 相手の家族が援助してくれていると知ったリディアは、一緒に住むことも考えているローズに、前金で1万ドルもらえれば面倒を見ると言うようにとシェイに伝える。 それを聞いたローズはショックを受け、シェイから電話を受取り切ってしまう。 病室に現れたグレースに退院許可が出たことを伝えたアレンは、ジョーダンと話した内容を彼女に尋ねる。 ベネットがローズを求め、愛ししていたことが分かったとローズから知らされたアレンは安堵し、自分は君を求めていると涙ながらに伝える。 アレンはベネットを救えなかったことを後悔するが、事故直後は何もできない状態であり、苦しまなかったとグレースに言われる。 家族でローズを捜すことにしたアレンは街でシェイを見かけて、ローズの居場所を知ろうとする。 ローズが毎日、午後には事故現場に行くとシェイから言われたアレンは、その場に向かう。 事故現場に着いたアレンらは、バスに乗って現れたローズに声をかけて、自分達を避ける彼女を追う。 家に戻ってほしいと伝えたグレースだったが、崩壊した家庭で子育てをするのは嫌だとローズに言われる。 生れてくる子供の父親の話を避ける祖父、望まなかった子供を窒息させるかもしれない祖母、ヤク中の叔父がいる家に住めるわけないと言うローズに対し、手を差し伸べなかったことをグレースは認める。 やり直したいと言うグレースは、母親にとって最悪なのは子供を失うことだとであり、やがてそれが分かると伝えてローズに謝罪する。 ベネットが生きていた場合のこと知りたいと言うローズは、思い出が欲しいと伝える。 子供が生まれるまで質問に答えると言うグレースらにベネットのことを聞きながら、陣痛が始まったローズは病院に連れて行かれる。 分娩室に向かうローズに付き添ったグレースは、アレンとライアンの元に戻り、生れた子の名前がルビーだと伝え、家族で彼女に対面する。 ルビーを抱くローズは、ベネットから初めて声をかけられた時のことを思い出す。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
18歳の息子ベネットを事故で亡くしたアレン・ブリューワーと妻グレース、次男のライアンは、悲しみを堪えながら葬儀を済ませる。
アレンはベネットの話を避け、グレースは息子の事故と最期の検証を続け、その死を認めたくなかった。
ブリュワー家を訪ねた、事故当事ベネットの車に乗っていたローズは、彼の子を身籠っていることをアレンに伝える。
ローズを引き取ることにしたアレンの考えが理解できないグレースは、彼女を嫌う。
ベネットの死を受け入れないグレースの姿を見苦悩するアレンは、ローズとの触れ合いで心が癒されるのだが・・・。
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ピアース・ブロスナンが製作総指揮と主演を兼ね、実力派のスーザン・サランドンと夫婦役を演じ、イギリス映画界の期待の新星キャリー・マリガンとアーロン・ジョンソンの共演、脚本を兼ねるシャナ・フェステの監督デビュー作でもある。
他の共演陣を含め豪華キャストによる作品なのだが、メジャーの配給でなかったため拡大公開はされなかった作品。
家族や周囲から愛された少年の突然の死による、残された人々の悲しみや苦悩が切実に描かれた深い内容のドラマ。
重苦しい雰囲気で展開するのだが、崩壊寸前の家族が、新しい命の誕生により救われるラストは実に爽やかに描かれている。
先に公開された「17歳の肖像」(2009)でアカデミー主演賞候補になる、恋人を亡くす辛い役を演ずるキャリー・マリガンの演技は注目で、撮影当時23歳の彼女は、キュートな雰囲気の18歳の少女を見事に演じ、その後、イギリスを代表する女優になりつつある実力を見せてくれる。
息子を亡くした現実を受け入れ、家族を支えていかねばならない辛い立場のピアース・ブロスナン、息子の死を受け入れられずに苦悩するその妻スーザン・サランドン、二人の息子でドラッグ依存症のジョニー・シモンズ、その兄で事故で亡くなるアーロン・ジョンソン、ライアン(ジョニー・シモンズ)と親交を深める少女ゾーイ・クラヴィッツ、ローズ(キャリー・マリガン)の母親エイミー・モートン、主人公と関係したことがある同僚のジェニファー・イーリー、事故の加害者マイケル・シャノン、ローズの友人リンゼイ・ビーミッシュなどが共演している。