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グレート・ディベーター The Great Debaters (2007)

差別により虐げられながら未来に向けて希望を主張し続ける大学のディベート・チームとその指導者の闘いを描く、監督、主演デンゼル・ワシントンフォレスト・ウィテカー他共演による実録ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

デンゼル・ワシントン / Denzel Washington 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:デンゼル・ワシントン

製作
トッド・ブラック

ケイト・フォート
ジョー・ロス
オプラ・ウィンフリー
製作総指揮
デヴィッド・クロケット

ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原案
ロバート・エイゼル

ジェフリー・ポロ
脚本:ロバート・エイゼル
撮影:フィリップ・ルースロ
編集:ヒューズ・ウィンボーン
音楽
ピーター・ゴラブ

ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
メルヴィン・B・トルソンデンゼル・ワシントン

ジェームズ・L・ファーマーSr.フォレスト・ウィテカー
ジェームズ・L・ファーマーJr.デンゼル・ウィッテカー
ヘンリー・ロウ:ネイト・パーカー
サマンサ・ブック:ジャーニー・スモレット
ハミルトン・バージェス:ジャーメイン・ウィリアムズ
ルース・トルソン:ジーナ・ラヴェラ
ドージア保安官:ジョン・ハード
パール・ファーマー:キンバリー・エリス

アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー

2007年製作 126分
公開
北米:2007年12月25日
日本:未公開
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $30,236,410


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1935年、テキサスマーシャル
ワイリー大学”の神学の教授ジェームズ・L・ファーマーSr.(フォレスト・ウィテカー)は、虐げられた日々から抜け出すには”教育”しかないことを常に訴えていた。

同じ考えの教師メルヴィン・B・トルソン(デンゼル・ワシントン)は、ディベート・チームを作ることを考え、その選考を始める。

トルソンは、志願者や声をかけた学生を家に呼んで選考会を始める。

その結果トルソンは、ファーマーの息子ジェームズ、ヘンリー・ロウ(ネイト・パーカー)、ハミルトン・バージェス(ジャーメイン・ウィリアムズ)、転校生サマンサ・ブック(ジャーニー・スモレット)らをチームのメンバーに選考する。

それを喜ぶジェームズは、チームに入ったことを父ファーマーに報告する。
...全てを見る(結末あり)

数日後、家族で車で移動していたファーマーは、白人の飼っていた豚を轢いてしまう。

揉め事を起こしたくないファーマーは、給与の小切手を渡して相手に納得してもらい、その場を去る。

チーム4人のトレーニングは始めり、彼らはトルソンから厳しい指導を受ける。

サマンサに惹かれるジェームズだったが、彼女がヘンリーと親密である姿を見て気になる。

パーティーの帰り道、トルソンの姿を見かけたジェームズは不審に思い後をつける。

トルソンは、ある農場の納屋の小作人達の集会に向かうが、ドージア保安官(ジョン・ハード)らが押し入ってきたために、トルソンジェームズを救ってその場を離れこの件を秘密にするよう約束させる。

帰宅したジェームズは、どこにいたのかをファーマーや母パール(キンバリー・エリス)に問い詰められる。

トルソンとの約束を破るわけにはいかないジェームズは何も語らず、外出禁止を言い渡され謝罪するように言われる。

謝る必要がないと答え、豚を轢いた際に白人の言いなりになった父ファーマーを非難したジェームズは殴られてしまい、部屋に行くよう指示される。

その後、ドージア保安官は黒人の農夫を呼び、組合を作ろうとする集会があったかを探る。

初めてのディベート大会で、トルソンは自分の書いた原稿をメンバーに語らせるが、ヘンリーは、それを無視して自分の意見を主張し喝采を浴びる。

ワイリー大学は連勝を続けてリーグ優勝を果たし、並行してトルソンが申し込んであった、白人校オクラホマシティ大学との対戦が決まる。

それをメンバーに伝えたトルソンだったが、ドージア保安官が自分を監視していることを知る。

ハミルトンはそれを気にして、大学に共産主義者の教師がいるという噂をトルソンに伝える。

政治信条は私事だと反論するトルソンだったが、ハミルトンはチームをやめることを伝えてその場を去る。

オクラホマシティ大学との対戦は周囲に配慮してキャンパス内での対決を避けた両校は、人種間の問題について激しく主張し合う。

自宅パーティーに招待したファーマーと話し合ったトルソンは、少々過激な言動を懸念されて、集会にジェームズがいたことなどを問い詰められる。

ヘンリーとサマンサは愛し合うようになり、ジェームズはそれを知ってショックを受ける。

ジェームズは、トルソンから次々と対戦依頼が来ていることを知らされっるが、ディベートではリサーチしているだけだと不満を訴え、サマンサには、自分が必要ではないはずだと嫌味を言ってしまう。

そんな時トルソンは、構内でドージア保安官に逮捕されてしまう。

警察署前は抗議する者達が集まり、現れたファーマーは、騒ぎを大きくしたくなければトルソンを釈放するべきだと言って保安官を説得する。

ジェームズは、危険を承知でトルソンを救った父ファーマーを尊敬の眼差しで見つめる。

トルソンは、今後のディベートを制限され集会活動も出来なくなるが、闘いを諦めないことをメンバーに伝え、全米優勝校の”ハーバード大学”に戦いを挑む決意を示す。

ディベートの対戦で遠征したトルソンとメンバーは、途中、黒人が白人達にリンチを受けて殺され、焼かれて吊るされている現場に出くわし、その場を逃れる。

ショックを受けたヘンリーは、女と遊び酒を飲み宿舎に戻り、その姿を見たサマンサは傷ついてしまう。

ヘンリーは、この痛ましい出来事が、一生記憶に残ることをジェームズに伝えて嘆く。

翌日、緊張するジェームズはまともに語ることができずにチームは負けてしまう。

帰宅したジェームズは、口惜しさと悲しみに耐えきれず、父ファーマーに抱きつき涙する。

トルソンは、気落ちしながら妻ルース(ジーナ・ラヴェラ)に迎えられるが、ハーバードからの招待状を見せられ感激する。

それを知らされたヘンリーは、サマンサを傷つけてしまったことを気にしながら、ジェームズと彼女と共に対戦に備える。

ジェームズは、父ファーマーや家族に見送られて旅立とうとするが、州を出ないことを条件に釈放されたトルソンは同行できないことを伝える。

トルソンは、ヘンリーをリーダーとして自力で勝つよう3人を激励する。

マサチューセッツケンブリッジ
現地に着いたヘンリー、ジェームズ、サマンサは、会場に案内される。

宿舎のホテルに向かった三人は、原稿の内容で意見が分かれ口論になってしまう。

部屋を飛び出したヘンリーは街のパブに向かうものの、冷静になりホテルに戻り、自分は辞退してジェームズを出場させ
ることを決める。

ディベート当日。
ワイリー大学が紹介され、ジェームズが最初に壇上に立ち、ファーマーは家族と共にラジオ放送を聴く。

ジェームズとサマンサは、会場の雰囲気に呑まれることなく自分自身の考えを主張する。

トルソンは会場に駆け付け、ハーバードの学生が場内の拍手を受けた後、ジェームズが再び壇上に上がる。

ジェームズは、無法地帯と化しているテキサスで目撃したリンチについてを語り、”正義なき法は法にあらず”という”アウグスティヌス”の言葉を引用し、不服従で抵抗することが望ましいと訴え、満場の拍手を受ける。

勝者はワイリー大学となり、ヘンリーはステージに上がりジェームズとサマンサを祝福する。

教え子の姿を見届けたトルソンはその場を去る。
__________

7年後、ジェームズ・L・ファーマーJr.は公民権運動のリーダーとなる。

長年の教育活動と執筆活動の末ジェームズ・LファーマーSr.は1961年に逝去した。

翌日、弁護士となったサマンサ・ブックは”フリーダム・ライド”に参加した。

ヘンリー・ロウはカリフォルニア大学で神学を学び、牧師になった。

メルヴィン・B・トルソンは世界的な詩人となり、南部小作農組合にはその後も参加した。

ワイリー大学のディベート・チームは、10年間連勝を続けた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1935年、テキサスマーシャル
ワイリー大学”の教師メルヴィン・B・トルソンは、差別を受けながらの生活環境を脱する方法として教育を重視し、学生のディベート・チームを作ろうとする。
トルソンは、同大学の神学教授ファーマーの息子ジェームズ、ヘンリー、サマンサらでチームを結成して厳しい指導を始める。
チームは一丸となり各大学との対戦で連勝を続け、彼らは自分達の考えを主張する。
そんな時、かねてから小作人の組合活動に協力していたトルソンは逮捕されてしまう。
混乱を避けるために保安官を説得したファーマーは、トルソンを釈放させる。
活動を制限され警察の監視下に置かれたトルソンは、今後も闘い続けることをチームのメンバーに伝えるのだが・・・。
__________

実力派ナンバー1スターのデンゼル・ワシントンが、「アントワン・フィッシャー」(2002)に続いて監督と主演を兼ねた作品。

主に人間ドラマ的な展開ではあるが、公民権運動が活発化する前の時代、南部の厳しい差別問題と、不況下の労働者問題などを絡めた社会派ドラマでもある。

その分野を得意とするデンゼル・ワシントンの、逞しい考えの人々を描く力強い演出は注目で、実在の人物が登場する説得力のある内容となっている。

ディベート・チームの活動の描写を重視しているために、主演でもあるが監督のデンゼル・ワシントンはやや控えめな演技で、学生達を支える役柄を演じている。

同じく演技派のフォレスト・ウィテカーは、神学教授であるジェームズ・L・ファーマーSr.を重厚に演じ、表情が実にいい、息子ジェームズJr.役のデンゼル・ウィッテカー(撮影当時16歳)の好演も光る。

ディベート・チームのネイト・パーカージャーニー・スモレットジャーメイン・ウィリアムズ、主人公の妻ジーナ・ラヴェラ、保安官ジョン・ハードファーマーの妻キンバリー・エリスなどが共演している。


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