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ギャンブル・プレイ The Good Thief (2002)

ジャン=ピエール・メルヴィルが製作、監督、脚本によるフランス映画「賭博師ボブ」(1956)を基に製作された作品。
落ちぶれたギャンブラーが挑むカジノ襲撃計画を描く、監督、脚本ニール・ジョーダン、主演ニック・ノルティチェッキー・カリョエミール・クストリッツァレイフ・ファインズ、ナッサ・クヒアニチェ他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ニール・ジョーダン

製作
シートン・マクリーン

ジョン・ウェルズ
スティーヴン・ウーリー
製作総指揮
クリスティン・ハームズ
ニール・ジョーダン

ティエリー・ド・ナヴァセル
オリジナル脚本”賭博師ボブ
ジャン=ピエール・メルヴィル

オーギュスト・ル・ブルトン
脚本:ニール・ジョーダン
撮影:クリス・メンゲス
音楽:エリオット・ゴールデンサール

出演
ボブ:ニック・ノルティ

ロジェ:チェッキー・カリョ
ウラジミール:エミール・クストリッツァ
アン:ナッサ・クヒアニチェ
トニー・エンジェル:レイフ・ファインズ

ポーロ:サイード・タグマウイ
ラウル:ジェラール・ダルモン

イギリス/フランス/アイルランド 映画
配給 フォックス・サーチライ ト・ピクチャーズ

2002年製作 108分
公開
イギリス:2003年3月7日
北米:2003年4月25日
日本:2004年1月31日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $3,517,800
世界 $5,756,950


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニース
落ちぶれたギャンブラーのボブ・モンタナ(ニック・ノルティ)は、自分がヤクを打っているのを見ても気にしない、ボスニア出身で17歳のアン(ナッサ・クヒアニチェ)が気になる。

その後ボブは、ヤクの売人サイードに銃を奪われた地元警察の刑事ロジェ(チェッキー・カリョ)を助ける。

ボブは、クラブのオーナー、レミと付き合うアンが、娼婦かジャンキーに身を落すと考えレミからアンを解放する。

アンを連れてバーに向かったボブは、友人ラウル(ジェラール・ダルモン)とポーロ(サイード・タグマウイ)に彼女を紹介する。

アンに食事をさせてホテル代を渡したボブは家に戻る。

翌日、スーツケースを持って海岸線道路を歩くアンを見つけたボブは、車を止めて彼女から事情を聞く。
...全てを見る(結末あり)

ホテルを追い出されたアンを家に連れて行ったボブは、死の場にいたポーロと仲良くするように伝えて出かける。

競馬場でラウルに会ったボブは、全財産7万フラン賭けることを彼に伝える。

結局はスッてしまったボブは、カジノの金庫を襲うことなどを考えるが非現実的だった。

ラウルは、日本資本が入り経営が一新されたモナコのカジノが、高級志向で客層を変えようと考え、名画を壁に飾ってあることを伝える。

F1”の”モナコ・グランプリ”に合わせ、現金強奪に見せかけて絵を奪おうとするのがラウルの計画だった。

かつてピカソと会い、その絵を所有するボブは、”ピカソは闘牛士に賭け、自分は闘牛に賭け、闘牛士は26針も縫う大怪我を負い、そしてピカソの絵を手に入れた・・・”という言葉が口癖だった。

モナコ
ボブはラウルと共にカジノを下見する。

壁に飾られた絵が偽物であることは明らかで、本物は離れた保管庫にあることをボブはラウルから知らされる。

本物が盗まれてもカジノはそれを公表できないところがポイントであり、ボブは俄然その気になる。

家に戻ったボブは、ヤクを断つために手錠でベッドに手を繫げて禁断症状に備える。

その後ボブは悶えて苦しみ、アンが彼を見守る。

同じ頃、サイードを使いボブを監視していたロジェは、彼の姿が見えなくなったことを確認する。

3日が過ぎボブの様態は落ち着き、彼は外出してモナコに向かうもののロジェに尾行される。

ロジェは前方不注意で事故を起こしてしまい、ボブに助けられる。

ポーロとラウルに自分達がロジェ監視されていることを伝えたボブは、”モナコ・グランプリ”の前夜にカジノを襲う計画を話す。

客を装いカジノに向い、ロジェらの出方を見て犯行は中止したように見せかけて、保管庫の絵を奪うという計画を考えていることをボブは二人に伝える。

ロシア人のウラジミール(エミール・クストリッツァ)の協力が必要だと考えたボブは、カジノの防犯システムの設計者である彼を仲間に引き入れる。

次のシステムのアップグレード時に細工をしてくると言うウラジミールは、強奪額の半分を要求する。

計画実行が迫り家に置いておけないアンに、ボブはポーロと暮らすよう指示し、彼女は仕方なくそれに従う。

画商トニー・エンジェル(レイフ・ファインズ)に会ったボブは、例のピカソの話をして、その絵の売却についてを話す。

ラウルとポーロは仲間を集め、ボブはトニーに絵を売り前金を受け取る。

仲間達を集めたボブは、自分達がカジノを襲うという噂を流そうとする。

ウラジミールの監視プログラムに絵をはめ込むために写真が必要なためカジノに向かうボブとポーロは、ロジェが尾行していることに気づく。

カメラが仕掛けられたライターをポーロに渡したボブは、彼を駅で車から降ろし、カジノで絵の写真を撮るよう指示する。

教会に向かったボブは、尾行してきたロジェを待ち構えて話をする。

その間、ポーロはカジノで絵の写真を撮る。

ポーロからカジノの8000万フランを奪う計画を聞いていたアンは、それをロジェに情報を流すサイードに話す。

カジノでポーロと合流したボブは、警備員が監視していることに気づきながらその場を離れる。

ボブとポーロは外にいたウラジミールから、システムの点検を隠しカメラで撮影する映像を見ているよう指示される。

見取り図を見ながらその様子を監視するボブは、保管庫の絵を確認する。

ウラジミールは制御盤に細工をして、その場から引き上げる。

その後ボブは、カジノの警備員で自分を監視していた双子の兄弟から、計画に参加したいと言われる。

カジノ側には双子とは知られていないことを確認したボブは、検討することを二人に伝える。

双子には自分達が金庫を襲うと思わせておけばいいと言って、ボブは二日後に仲間に入れると伝えるようポーロに指示する。

麻薬依存症の集会に行くと言って、家の前で監視するロジェに車で送らせたボブは、集会場に入っただけでその場を去る。

強奪のシュミレーションをするラウルと仲間達の元に向かったボブは、夜に集合することを伝えて準備を整える。

その頃アンは、ポーロが撮影した絵画の写真に気づき、ヤクと引き換えにサイードから情報を求められるものの何も話さない。

古い通路から保管庫の真下に向かったボブらは、侵入する準備をしてその場から引き揚げる。

アンを送って行ったレミは絵画の写真を見つけて、戻って来たポーロに、アンがサイードに全てを話したことを知らせる。

焦るポーロはアンを責めてサイードを捜し、ロジェにカジノ襲撃を伝えていた彼を射殺してしまう。

その場に現れたレミは、サイードは口封じのために殺されたとロジェに伝え、ボブらの目的が現金ではなく絵画であり、カジノにその理由を聞けと言い残してその場を去る。

アンを連れ出したボブは、彼女をポーロの車に乗せてサイードに何を話したかを聞く。

何も話していないと言うアンを責めるポーロだったが、ボブは彼女と車を降りる。

ボブは、状況を悪化させた殺人者のポーロを非難し、イタリアサンレモに行くよう指示する。

もう一度サイードに話したことをアンに聞いたボブは、現金強奪のことしか話さなかったことを確認し、今回の件にレミも絡んでいることを知る。

家に戻ったボブは待ち構えていたトニーに襲われ、絵が偽物だったと言われ、金を返さなければ殺すと脅される。

国境の検問に気づいたポーロは引き返して双子に会い、仲間にすることを伝える。

翌朝、警察署で眠ってしまったロジェは目覚め、カジノの絵は偽物で本物は別の場所の保管庫にあることを知る。

ボブはアンと共にブティックに向い、身なりを整えてカジノに向かう。

ラウルと現場で会ったボブは、ポーロがサイードを殺したためサンレモに向かったことを知らせ、同じ頃、保管庫の地下でも準備が始まる。

ボブとカジノに向いルーレットを始めたアンは大金を稼ぐ。

私服警官がいることを警戒するラウルだったが、ロジェの姿は見えなかった。

保管庫を調べたロジェは、万全な警戒態勢だと言われるが監視を続ける。

借金の150万フランにはまだ足りないため、ボブは運に任せてブラックジャックのテーブルに向い、そこでも勝ち続ける。

絵画を確認したロジェは物音に気づき、地下から強奪を計画していると考え、カジノの人員を回すよう連絡する。

ガスのバルブを閉められなかったため、保管庫の床の鉄板を焼き切ろうとしていたバーナーが引火し爆発する。

保管庫の被害と抜け落ちた床を確認したロジェは、その手口がボブの犯行に思えない。

地下に降りたロジェは、クモのせいで爆発したと言いながらその場に残っていた男を逮捕する。

ポーカーで600万フラン勝ったボブは、100万フランを賭けてディーラーの表情を窺うようアンに伝える。

チップを持った支配人が現れ、客達はボブとアンのテーブルを注目し、そこにロジェも現れる。

全額を賭けたボブは、支配人から限界であると言われ、チップを現金にするよう指示する。

ボブの勝ち方に感心したロジェは、保管庫で起きたことをジョーク混じりで話す。

警備員である双子の兄と金庫に向かった支配人は、現金が盗まれていることに気づく。

それを支配人から知らされたロジェは、金庫が空だったことをボブに伝える。

双子の弟は現金を運び国境を越える。

ボブは支配人に金を要求し、共同謀議で逮捕されると言う彼に、自分はカジノにいて客達が証人だとボブは伝える。

引き下がらないボブは、苛立つ支配人から小切手を受け取りアンと共にその場を去る。

双子の弟の車に乗っていたポーロは、計画の成功を喜ぶ。

勝ち方にもスタイルが必要だと言うボブは、捜査が始まるため出国しないようにと忠告するロジェに対し、不当逮捕で訴えると言って小切手をちらつかせる。

ポーロと連絡して彼を許したボブは、アンと共に家族の話などをしながらその場を去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニース
落ちぶれたギャンブラーのボブ・モンタナは、バーで見かけたボスニア出身で17歳のアンが気になる。
付きまとう男からアンを解放してやったボブは、行き場のない彼女を家に滞在させる。
その後、競馬で全財産を失ったボブは、友人のラウルからある計画を提案される。
それは、日本マネーで一新した、モナコのカジノの壁に飾られた名画を強奪する計画だった。
ラウルとカジノを下見したボブは、絵が偽物であることを見抜き、本物が近くの保管庫にあることをラウルから知らされる。
地元警察の刑事ロジェに監視されながら、ボブはラウルやポーロ、そして保管庫の警備システムを担当するウラジミールらを仲間に引き入れ、強奪計画を進めるのだが・・・。
__________

この手の作品は、絵画強奪の実行までの計画進行の過程などを楽しめる。
それに加え、裏社会などとも絡む微妙な人間関係を描くニール・ジョーダンの演出手腕が見所の作品。

勝ち方(犯行)にはスタイルが必要だと言うクライマックスの主人公の言葉通り、陰険なムード漂うドラマが、F1の”モナコ・グランプリ”を前にした緊張感と共に、優雅とも言いえる雰囲気に変わる終盤の展開は見ものだ。

計画実行の直前までよれよれ状態だった主人公が、大勝負に出てカジノを破滅させるほど勝ってしまうというのはやや極端過ぎる話だが、生き方のスタイルに拘るということで許せる気分にもなる。

前科のある悪党の主人公を彼らしい雰囲気で演ずるニック・ノルティと、彼を監視し続ける刑事チェッキー・カリョとの友情にも近い関係も爽やかに描かれている。

保管庫の監視システムを設計しながら計画に加わるエミール・クストリッツァ、主人公を慕うボスニア出身の少女ナッサ・クヒアニチェ、画商レイフ・ファインズ、主人公の友人サイード・タグマウイジェラール・ダルモンなどが共演している。


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