”ドル三部作”シリーズの3作目で、イタリア製西部劇の最高傑作と言える作品。 監督、脚本セルジオ・レオーネ、主演クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラック他共演のイタリア製西部劇。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:セルジオ・レオーネ
製作
アルベルト・グリマルディ
脚本
フリオ・スカルペッリ
セルジオ・レオーネ
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
編集
ニーノ・バラグリ
ユージニオ・アラビゾ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演
クリント・イーストウッド:名のない男/ブロンディ
リー・ヴァン・クリーフ:エンジェル・アイ
イーライ・ウォラック:トゥーコ
ルイジ・ピスティリ:パブロ・ラミレス神父
アメリカ/イタリア 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1968年製作 178分(ディレクターズ・カット)
公開
イタリア:1966年12月23日
北米:1967年12月29日
日本:1967年12月30日
製作費 $1,200,000
北米興行収入 $25,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南北戦争の最中。
お尋ね者のトゥーコ(イーライ・ウォラック)は、三人の賞金稼ぎに襲われるが、男達を倒してその場から逃れる。
賞金稼ぎのエンジェル・アイ(リー・ヴァン・クリーフ)は、ある男から、金貨の在り処を知る男”ビル・カーソン”の名を聞き出して、容赦なくその男と息子を撃ち殺す。
エンジェル・アイは、それを依頼した男から500ドルの報奨金を受け取り、彼も撃ち殺す。
トゥーコは再び三人組に狙われるが、賞金稼ぎのブロンディ(クリント・イーストウッド)は、彼らを難なく片付ける。 ブロンディはトゥーコを縛りあげ、賞金2000ドルを手に入れようと、彼を保安官に突き出す。 トゥーコは縛り首にされそうになるものの、その瞬間に、ブロンディがロープを撃ち彼を助ける。 賞金を手に入れて山分けする二人は、賞金詐欺の常習犯だったのだ。 エンジェル・アイは、ビル・カーソンの情報を入手し、その町でブロンディとトゥーコのケチな詐欺を見抜き、苦笑しながら立ち去っていく。 その後ブロンディは、トゥーコの賞金もこれ以上にならないと判断し、彼を荒野に置き去りにする。 その頃エンジェル・アイは、カーソンを知る女から、軍に戻った彼が、部隊と共に去ったということを聞き出す。 町にたどり着いたトゥーコは、銃と金を手に入れて仲間と合流し、ブロンディを追う。 ホテルの部屋に押し入ろうとした仲間を、ブロンディに殺されたトゥーコは、窓から侵入して彼に銃を向けて、縛り首にしようとする。 しかし、北軍の砲撃が始まり、トゥーコはブロンディに逃げられてしまう。 同じ頃、南軍のキャンプにたどり着いたエンジェル・アイは、 カーソンの情報を仕入れて先を急ぐ。 トゥーコは、ブロンディの通った痕跡を頼りに、新しい相棒と賞金詐欺を始めた彼を見つけ出し、ついに捕らえる。 ブロンディは水も与えられず、トゥーコに砂漠を歩かされて殺されそうになり、意識を失いかける。 そこに、暴走する南軍の馬車が現れ、トゥーコはそれを止めて、中にいた兵隊の遺体から金品を奪い始める。 その中に瀕死の兵士ビル・カーソンがいて、彼は20万ドルの金貨を、ある墓地に隠したことを告げて水を欲しがる。 トゥーコが水筒を取りに行っている間に、カーソンに近づいたブロンディが、金貨を隠してある墓地の墓の名前を聞き出してしまう。 カーソンは息絶え、ブロンディが金貨の在り処を知ったことで、トゥーコは突然、彼の介抱を始める。 南軍に扮したトゥーコだったが、駐屯地で相手にされずに、ブロンディを連れて砂漠を抜け修道院に向かう。 修道院に着いたトゥーコは、ブロンディが死にそうだという芝居をして、金貨が隠された墓の名前を聞き出そうとする。 しかしブロンディは、トゥーコの見え透いた嘘を信じるはずもなく眠りにつく。 トゥーコの兄である、修道院の神父パブロ・ラミレス(ルイジ・ピスティリ)は、彼に両親が死んだことを伝える。 慕ってはいるが、悪事を繰り返すトゥーコに愛想を尽かしたパブロは、彼に優しい言葉をかける気にはなれなかった。 悪党稼業も厳しいこともあり、腰抜けだから神父になったというトゥーコをパブロは殴る。 トゥーコも殴り返し、手を差し伸べながら別れも言わずにその場を去り、パブロは弟の後姿を見て許しを請う。 ブロンディの傷も癒え、テキサスに向かった二人だったが、南軍だと思った北軍に遭遇して捕まり、捕虜になってしまう。 カーソンを名乗ったトゥーコは、収容所の将校になっていた、悪党仲間のエンジェル・アイに目をつけられる。 指揮官は、手荒な手法で捕虜を痛めつけるエンジェル・アイを非難する。 しかし、負傷して命も短い指揮官の意見を聞き入れる気もないエンジェル・アイは、カーソンを名乗ったトゥーコを呼び、その理由を追求して拷問する。 拷問が続く間、演奏を続けるよう指示されている南軍兵は、痛めつけられている仲間のことを想い涙する。 トゥーコは、墓地の場所と、ブロンディが墓の名前を知っていることを吐いてしまう。 エンジェル・アイは、賞金稼ぎの件で知っていた、頭の切れるブロンディを連れて墓場に向かうために仲間達と合流する。 トゥーコは、賞金目当ての兵士に鎖でつながれ連行されてしまうが、搬送される途中、列車から飛び降りる。 兵士を殺したトゥーコは、後続の列車を線路で待ち、鎖を切ってそれに飛び乗り、ブロンディらを追う。 その後ブロンディは、賞金稼ぎを撃った銃声で、同じ町にいたトゥーコの存在に気づく。 ブロンディは、エンジェル・アイに指示されて付けて来た仲間を殺し、トゥーコに銃を突き付けて相手の人数を教える。 エンジェル・アイはそれに気づき、ブロンディとトゥーコを迎え撃つが、手を組んだ二人に仲間を次々と殺されてしまう。 しかしエンジェル・アイは、二人に再会するだろうというメモを残して姿を消す。 二人は先を急ぐものの、再び北軍に捕らえられ、両軍が橋を巡って争う戦場に連れて行かれる。 延々と続く戦闘を見ていたブロンディとトゥーコだったが、川の対岸にある墓場に行くために、橋を爆破して戦闘を終わらせようとする。 橋に爆薬を仕掛けた二人は、墓場の名前を知るトゥーコがそれを教え、ブロンディが墓の名前を知らせて、橋を見事に爆破する。 砲撃の後、戦場は一気に静まり、ブロンディとトゥーコは対岸に向かう。 瀕死の南軍兵に葉巻を吸わせて、死を見届けたブロンディは、馬で逃げようとするトゥーコを砲撃する。 落馬したトゥーコだったが、ようやく目的の墓場にたどり着く。 トゥーコは、ブロンディから聞いた墓を捜し出し、棺おけを掘り起こそうとするが、そこにブロンディが現れる。 さらにエンジェル・アイが現れ、彼は、二人に墓を掘らせようとする。 しかしブロンディは、金貨の場所がその墓でないことを二人に知らせ、三人は決闘でけりを付けることになる。 ブロンディはエンジェル・アイを撃ち殺し、トゥーコに別の墓を掘らせて金貨を手に入れる。 ブロンディは、トゥーコの首に縄をかけ、ぐらつく十字架の上に彼を立たせて、金貨を半分置いてその場を去る。 トゥーコは命乞いをするが、ブロンディは、それを無視して彼を置き去りにする。 ブロンディは、トゥーコから遠ざかった位置から、彼の縄を撃ち抜き立ち去る。 そしてトゥーコは、ブロンディに復讐すると叫び続ける。
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参考:
・「荒野の用心棒」 (1964)
・「夕陽のガンマン」 (1965)
・「続・夕陽のガンマン」 (1966)
*(簡略ストー リー)
南北戦争の最中。
お尋ね者トゥーコは、凄腕の賞金稼ぎブロンディと組み、捕らえられては賞金を手に入れる、詐欺の常習犯だった。
賞金稼ぎのエンジェル・アイは、20万ドルの金貨を隠した”ビル・カーソン”の存在を知り、その男を捜そうとする。
同じ頃ブロンディは、トゥーコの賞金も上がらないと考え、彼を荒野に置き去りにして見捨てる。
エンジェル・アイはカーソンの情報を入手し、南軍のキャンプに向かう。
トゥーコはある町にたどり着き、銃と金を手に入れて仲間と合流する。
ブロンディを追跡して捕らえたトゥーコは、彼に水も与えられずに砂漠を歩かせる。
そこに現れた暴走する南軍の馬車に乗っていた、瀕死の兵士ビル・カーソンから、トゥーコは20万ドルの金貨をある墓地に隠したことを聞く。
トゥーコは、カーソンに水を与えようとするのだが、その隙にブロンディが、金貨のある墓の名前を聞き出してしまう。
そして、カーソンが息絶えたことを知ったトゥーコは、突然、ブロンディの介抱を始めるのだが・・・。
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前作の「夕陽のガンマン」(1965)の続編ではないが、今回は”ブロンディ”という渾名の”名のない男”クリント・イーストウッドの風貌衣装が共通している。
*お馴染のポンチョ姿はクライマックスのみ。
相変わらず、イタリア人が、ややおかしな軍服を着て異様なムードが漂う作品だが、そこに登場する、周囲とは全く雰囲気が違う男、イーストウッドとのイメージのギャップが実に面白い。
約3時間という上映時間と、スケールの大きさや派手な戦闘場面など、セルジオ・レオーネのユーモアを交えた軽快な演出は見応え十分で、前2作とはかなり違う展開になっている。
エンニオ・モリコーネの音楽も、作品イメージを反映し、前2作より派手な曲になっている。
西部劇の本家アメリカ国内でも大いに受けた作品であり、北米だけでも2500万ドルという、当時としては、ハリウッドの超大作並みの興行収入を上げて話題になった。
正統派西部劇とは比較する必要のない娯楽作として、図抜けた評価と人気を誇る作品で、クエンティン・タランティーノが、何を置いても必ずNo.1作品にあげることで知られている。
気だるい様子を見せながら、切れる頭で周囲を手玉に取るイーストウッドは、大スターになる予感を感じさせる。
今回は、当初トレードマークのポンチョは身に着けていないが、クライマックスの戦場後にそれを拾い、墓場の場面からはいつもの勇姿で登場する。
終盤までのイーストウッドは、前2作とはやや違う雰囲気が見られるのも嬉しい。
前作では、人情味もあったリー・ヴァン・クリーフが、極悪非道の男の役で登場するが、あの鋭い眼光は健在だ。
本作を名作にした一番の立役者である、イーライ・ウォラックの演技は見事としか言いようがない。
彼一人の物語としてでも、一作仕上げられるほどの演技力、ユーモア、身のこなし、全てにおいて、さすがに実力者だと納得できる、貫禄の演技を見せてくれる。
前作「夕陽のガンマン」(1965)で、悪党を演じたルイジ・ピスティリがイーライ・ウォラックの兄神父役で登場する。