ゴールドラッシュに湧く地にたどり着いた放浪者が一獲千金を夢見る男達と絡み合いながら果たせぬ恋や様々な危機を乗り越え億万長者になるまでを描く、チャールズ・チャップリン製作、監督、脚本、編集、音楽、主演の映画史上に残る傑作コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・チャップリン
製作:チャールズ・チャップリン
脚本:チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トセロー
編集:チャールズ・チャップリン
音楽
チャールズ・チャップリン
カーリ・エリノア
ウィリアム・P・ペリー(サウンド・バージョン)
出演
放浪者/孤独な金鉱探し:チャールズ・チャップリン
ジョージア:ジョージア・ヘイル
ビッグ・ジム・マッケイ:マック・スウェイン
ブラック・ラーセン:トム・マレイ
ハンク・カーティス:ヘンリー・バーグマン
ジャック・キャメロン:マルコム・ウエイト
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1925年製作 82~96分/72分(1942)
公開
北米:1925年6月26日
日本:1925年12月日
製作費 $923,000
北米興行収入 $4,250,001
■ アカデミー賞 ■
第15回アカデミー賞/1942年度
(1925年のオリジナルではなく、サウンド・バージョン)
・ノミネート
録音・音楽賞(ドラマ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カナダ、ユーコン準州。
”クロンダイク・ゴールドラッシュ”に湧くこの地に、大挙して男達が現れる中、みすぼらしい孤独な放浪者(チャールズ・チャップリン)も、危険な山岳地帯に向かう。
自分の保有地だと、立札を立てたビッグ・ジム・マッケイ(マック・スウェイン)は、金塊を見つけて喜ぶ。
その頃、吹雪に遭った放浪者は、悪党ブラック・ラーセン(トム・マレイ)の隠れ家の小屋にたどり着く。
ラーセンに見つかった放浪者は、出ていくように言われるが、風が強くて表に出られない。
ビッグ・ジムも風の勢いで小屋に現れたため、ラーセンは、二人を銃で威嚇して追い出そうとする。
しかし、揉み合いになったラーセンは、巨体のビッグ・ジムに叩きのめされ銃を奪われてしまう。 ビッグ・ジムは主導権を握り、放浪者も彼の側につき小屋に居座ろうとする。 食べ物がなく困り果てたビッグ・ジムは、カードを引かせて負けたラーセンを、食料調達に向かわせる。 ラーセンは自分を追う者二人を射殺し、彼らの荷物を奪い小屋に向かう。 その頃、放浪者は自分の革靴を煮て、それをビッグ・ジムと食べて飢えをしのぐ。 その後、食べる物は見つからず、ビッグ・ジムは、幻覚で放浪者が鶏に見えてしまい彼を追い回す。 正気に戻ったビッグ・ジムは謝罪するが、鶏でなくてもよくなった彼は、放浪者に襲いかかる。 その時、小屋に熊が侵入し、放浪者がそれを銃で仕留めて、二人は食料にありつく。 同じ頃、ラーセンは、ビッグ・ジムの金鉱を見つけてその場に留まる。 小屋を離れ、放浪者と別れることになったビッグ・ジムは金鉱に戻り、ラーセンと争いになり殴り倒される。 その後ラーセンも、崖崩れで命を落とす。 金鉱探しの男達が集まる町。 しかし、気の強いジョージアは、ジャックに冷たく接する。 放浪者は町にたどり着き、酒場のジョージアが気になる存在になるが気にも留めてもらえない。 ところが、ジャックの誘いを断ったジョージアは、彼をじらすために、放浪者とダンスを踊る。 それが気に障ったジャックは、放浪者に因縁をつけるが、運悪く頭の上に時計が落ちて気を失ってしまう。 翌日、鉱山技師ハンク・カーティス(ヘンリー・バーグマン)の家にたどり着いた放浪者は、彼の親切そうなところに目をつける。 表で、意識を失っているように見せかけた放浪者は、ハンクに介抱されて食べ物を与えられる。 意識が回復したビッグ・ジムだったが、彼は記憶を失ってしまう。 ハンクと同僚は鉱山に向かい、留守番することになった放浪者は、雪遊びをしていたジョージアに再会する。 放浪者に歓迎されたジョージアは驚き、彼が、拾った自分の写真を大切にしていることを知る。 ジョージアは、放浪者が自分に惹かれていることを知り同僚達と彼をからかう。 しかし、ジョージアが再会を約束してくれたことで、放浪者は有頂天となる。 ジョージアは、大みそかに会う約束をしたものの、からかっただけで、手袋を忘れて戻った彼女は、放浪者の様子を見て驚いてしまう。 大みそか。 しかし、新年を迎えてもジョージアらは現れず、その頃、彼女はジャックと共に酒場で楽しい時を過ごしていた。 失意の放浪者はその場を去るが、その後、約束を思い出したジョージアは、ジャックらを伴い家を訪ねる。 放浪者が、歓迎の準備をして自分達を待っていたことを知ったジョージアは心を痛める。 数日後、登記所に向かったビッグ・ジムは、金鉱を発見したことを伝えるが、小屋の近くであることしか思い出せない。 酒場に姿を現した放浪者は、会って謝罪したいというジョージアからの手紙を受け取る。 驚いた放浪者はジョージアを捜し、ビッグ・ジムは彼を捜していた。 放浪者を見つけたビッグ・ジムは、興奮しながら、小屋の場所を知りたいことを伝える。 放浪者はジョージアを見つけ、彼女に愛を告げて、必ず迎えに送ることを伝え、ビッグ・ジムと共に小屋に向かう。 小屋に着き眠っていた二人だったが、小屋は暴風で移動してしまい、崖から落ちる寸前となる。 何も知らずに目覚めた放浪者は、二日酔いだったため、歩き回る度に揺れる家に気づかない。 目が覚めたビッグ・ジムは、家が揺れていることに気づくのだが、放浪者に二日酔いだと言われる。 異変に気づいた放浪者は、小屋が崖から落ちそうなことを知り、傾いた小屋は、岩に挟まったロープ一本で持ちこたえていた。 ビッグ・ジムは何とか脱出して立札を見つけ、そこが自分の金鉱だということを確認して喜ぶ。 危機一髪で放浪者を助けたビッグ・ジムは、億万長者になれることを確信する。 思い通りに億万長者になった二人は故郷に向かい、帰路の船内では、有名人として手厚い持て成しを受ける。 放浪者は、大金を手にしても、ジョージアのことは忘れていなかった。 ジョージアは、普通客として同じ船に乗っていたのだが、成功の物語を記事にするため、かつてのみすぼらしい姿で写真撮影していた放浪者に再会する。 それを喜ぶ二人だったが、ジョージアは、密航者の話を聞いていたため、放浪者がそれだと思う。 捕まってしまった放浪者だったが、ジョージアが船賃を払おうとする。 しかし、放浪者は億万長者だと分かり解放され、彼は、使用人達にジョージアを迎える準備をさせ、彼女の手を取り船室に向かう。
...全てを見る(結末あり)
酒場の女ジョージア(ジョージア・ヘイル)は、女たらしではあるが、ジャック・キャメロン(マルコム・ウエイト)に心を寄せていた。
雪かきの仕事をして金を稼いだ放浪者は、ジョージアらのために食事やプレゼントを用意して、彼女らが喜ぶ姿を想像する。
*(簡略ストー リー)
カナダ、ユーコン準州。
”クロンダイク・ゴールドラッシュ”に湧くこの地に、孤独な放浪者が現れ、ある小屋にたどり着く。
そこは、悪党のラーセンの隠れ家だったために、浮浪者は、金鉱を見つけながら暴風に飛ばされてきたビッグ・ジムと共に追い払われそうになる。
ビッグ・ジムはラーセンを叩きのめし、その後、三人は食料確保に苦労する。
ラーセンを食料調達に向かわせ、それを待ったビッグ・ジムだったが、我慢ができず、鶏に見えた放浪者に襲いかかる。
熊を仕留めて、飢えをしのいだ二人は別行動をとり、ビッグ・ジムは、金鉱を横取りしようとしたラーセンに殴り倒される。
街にたどり着いた放浪者は、惨めな思いをしながらも、酒場の女ジョージアに心惹かれる・・・。
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イギリス出身のチャールズ・チャップリンは、既に世界的な大スターであり、その絶頂期の作品。
”放浪者”らしからぬ億万長者となり、果たせないと思われた恋がかなう爽やかなラスト、また、伝説的な名場面の連続など、全編”宝箱”の中身のような愛すべき作品だ。
本作は、チャップリン作品の中でも非常に評価が高く、また、興行的に最も成功した作品でもある。
語りつくされた名場面には、あえて触れないが、正に芸術とも言える、指先までに思いを込めた渾身のパフォーマンス、にじみ出る優しさと、厳しい時代を生き抜く強かさも感じさせる”放浪者”を演ずる、チャップリンの職人芸を堪能できる。
1925年版のオリジナルではなく、1942年のサウンド・バージョンが、第15回アカデミー賞で録音・音楽賞(ドラマ)にノミネートされた。
みすぼらしい主人公ではあるが、その優しさに接するうちに、次第に自分の心の変化に気づく姿が愛らしい、酒場の女ジョージア・ヘイル、金鉱を見つける男を豪快に演ずるマック・スウェイン、悪党トム・マレイ、主人公に親切にする鉱山技師ヘンリー・バーグマン、女たらしの男マルコム・ウエイトなどが共演している。