1995年に発表された、イギリス人作家フィリップ・プルマンのファンタジー3部作「ライラの冒険」”His Dark Materials”の、第一部「黄金の羅針盤」を基に製作された作品。 貴婦人に連れられて北極に向かう少女の冒険を描く、監督クリス・ワイツ、主演ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ダコタ・ブルー・リチャーズ、エヴァ・グリーン、サム・エリオット他共演のファンタジー。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クリス・ワイツ
製作
デボラ・フォート
ビル・カラッロ
脚本
クリス・ワイツ
フィリップ・プルマン(原作)
撮影:ヘンリー・ブラハム
編集:アン・V・コーツ
美術・装置
デニス・ガスナー
アナ・ピノック
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演
コールター夫人:ニコール・キッドマン
アスリエル卿:ダニエル・クレイグ
ライラ・ベラクア:ダコタ・ブルー・リチャーズ
セラフィナ・ペカーラ:エヴァ・グリーン
リー・スコーズビー:サム・エリオット
ジョン・ファー:ジム・カーター
ファーダー・コーラム:トム・コートネイ
ロジャー・パースロウ:ベン・ウォーカー
マ・コスタ:クレア・ヒギンズ
学寮長:ジャック・シェパード
フラ・パヴェル:サイモン・マクバーニー
教権評議委員:クリストファー・リー
マジステリアム使者:デレク・ジャコビ
ビリー・コスタ:チャーリー・ロウ
イオレク・バーニソン(声):イアン・マッケラン
ヘスター(声):キャッシー・ベイツ
ラグナル・ストゥルルソン(声):イアン・マクシェーン
パンタライモン(声):フレディ・ハイモア
ステルマリア(声):クリスティン・スコット・トーマス
アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
2007年製作 113分
公開
北米:2007年12月7日
日本:2008年3月1日
製作費 $180,000,000
北米興行収入 $70,107,730
世界 $372,234,860
■ アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞
・受賞
視覚効果賞
・ノミネート
美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
自分の分身ダイモン(動物)と暮らす、不思議な世界。
無数にある世界は全てダストにより結ばれ、ダストの歴史は空を飛ぶ魔女より、水に生きるジプシャンより、氷のクマよりも古い。
そこでは、学者が、隠れた真実を探るための手段として、アレシオメーターと呼ばれる”黄金の羅針盤”を作りだした。
しかし、マジステリアムと呼ばれる支配組織は、その力を恐れ、羅針盤を破壊してダストの話をすることすら禁じた。
だが、羅針盤は一つだけ残り、それを操れるものが唯一人いた・・・。
__________
快活でいたずら好きな12歳の少女ライラ・ベラクア(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、水上を船で放浪するジプシャンの子供達と、いつも遊び回っていた。
両親のいないライラを、叔父のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)は、オックスフォード大学のジョーダン学寮に預けていた。 マジステリアムのフラ・パヴェル(サイモン・マクバーニー)は、アスリエル卿の、”ダスト”とパラレルワールドに関係する研究を阻止しようとして、額寮長(ジャック・シェパード)に苦言を呈する。 それを受け入れられないフラ・パヴェルは、アスリエル卿に毒を飲ませようとするが、その部屋に潜んでいたライラがそれを叔父に知らせる。 アスリエル卿は、ライラに隠れているように伝え、提案会に集まった学寮長やフラ・パヴェルの前で、フォトグラムを使い、他の世界に通じるダストの力を説明する。 フラ・パヴェルは、それを異端とまで言うが、アスリエル卿は自らの意見を曲げずに、学寮評議会に研究資金の供給を要請する。 アスリエル卿は、マジステリアムに命を狙われたことについて問い質すライラに対し、彼女とは無関係なダストのことは、忘れるようにと言い聞かせる。 その後ライラは、仲良しのロジャー・パースロウ(ベン・ウォーカー)から、子供達が次々と誘拐されていることなどを知らされる。 学寮長に呼ばれたライラは、訪れた貴婦人コールター夫人(ニコール・キッドマン)から、北極行きに誘われて胸躍らせる。 マジステリアムの教権評議委員(クリストファー・リー)は、アスリエル卿が、パラレルワールドの存在を証明することを恐れる使者(デレク・ジャコビ)に対し、北の地であるボルバンガーでの、コールター夫人のダストの影響をなくす研究の成果を報告する。 使者は、子供達を、ダストの影響から守れることになる日も近いことを知り満足する。 ライラが未来の鍵を握ることを、魔女から聞いていた学寮長は、彼女が旅立つ際に、叔父アスリエル卿が大学に寄贈した”黄金の羅針盤”とも言われるアレシオメーターを譲り渡す。 それを使える者には、物事の真理が見えるという不思議な羅針盤だったが、そのことを、決してコールター夫人に知られてはならなかった。 そして、コールター夫人と共に、ライラは飛行船に乗り旅立つ。 その後、屋敷での華やかな生活が始まったライラだったが、コールター夫人の高圧的な態度に馴染めなくなり苛立つ。 ダイモンのパンタライモン”パン”(フレディ・ハイモア/声)の意見で、ある部屋を調べたライラは、コールター夫人が、ロジャーら子供達を誘拐して、北に連れ去る秘密組織”ゴブラー”の一員だと知る。 ライラは、夫人のダイモンが、羅針盤を盗もうとしていることに気づき、パンと共に屋敷を逃げ出す。 街に出たライラは襲われるが、ジプシャンのマ・コスタ(クレア・ヒギンズ)に救われる。 船に乗ったライラは、ジプシャンの王ジョン・ファー(ジム・カーター)やファーダー・コーラム(トム・コートネイ)を紹介され、アスリエル卿との友好関係を知らされる。 持っていた羅針盤を見せたライラは、使い方を教わり共に旅立つ。 その頃、北極に向かっていたアスリエル卿は、コールター夫人の手下に襲われ捕らえられてしまう。 ライラを狙った、コールター夫人が放ったスパイ蝿をコーラムが捕らえて缶に閉じ込める。 ファーは、捕らえられた子供達に何かがあった場合は、相手の命を奪い取ることを誓う。 その後に現れた、エラナ湖の魔女の女王であるセラフィナ・ペカーラ(エヴァ・グリーン)は、ライラが羅針盤を読めることを確かめようとする。 セラフィナ・ペカーラのかつての恋人が、ファーダー・コーラムだったことを、ライラは羅針盤で読み当てる。 そしてライラは、子供達の居場所が、北の地ボルバンガーにあることを、ラフィナ・ペカーラから知らされる。 陸に降り立ったライラは、気球で旅をする飛行家のリー・スコーズビー (サム・エリオット)や、鎧クマ族のかつての王だったイオレク・バーニソン(イアン・マッケラン)と出会う。 ライラは羅針盤で、イオレクの過去と奪われた鎧のある場所を知り、それを彼に伝える。 イオレクは、永遠に仕えることをライラに伝えて、鎧を取り戻す。 雄叫びをあげて、暴れ始めるイオレクを制止したライラは、その場を鎮めた、ジプシャンに雇われたスコーズビーと共に、さらに北へ向かうことになる。 一方、マジステリアムの使者は、ライラのボルバンガー行きを阻止するため、コールター夫人にライラを追わせる。 羅針盤が、何かを告げていることに気づいたライラは、 密かにイオレクと湖の近くの家に向かい、そこに潜んでいた、ダイモンと切り離されたマ・コスタの息子ビリー(チャーリー・ロウ)を助けて連れ帰る。 しかし、追っ手にキャンプが襲われ、ライラは連れ去られてしまい、鎧クマ族の王ラグナル・ストゥルルソン(イアン・マクシェーン)の前に突き出される。 ライラは、自分がイオレクのダイモンであることを伝えて、彼を倒して自分をダイモンにして欲しいと、 ラグナルに戦いをけしかけ、イオレクと対決させようとする。 羅針盤を使い、ラグナルが王位継承者イオレクを倒し王になったことを伝え、ライラは、ダイモンになれることを証明する。 現れたイオレクはライラの気持ちを察し、堂々と戦いを挑み、ラグナルを倒して鎧クマ族の覇権を手にする。 そして、イオレクとライラはボルバンガーへと急ぎ、渓谷を渡る。 そこを渡れないイオレクは、スコーズビーを呼んでくる間、待機するようライラに伝えるが、彼女はボルバンガーに向かってしまう。 施設に招かれたライラは、連れ去られた親友ロジャーと再会し、子達を脱出させる方法を羅針盤で探ろうとする。 ゴブラーの黒幕コールター夫人も到着し、アスリエル卿は、マジステリアムの兵によって死刑に処せられることが伝えられる。 その部屋に潜んでいたライラは研究員に捕らえられて、ダイモンのパンと切り離されそうになるが、コールター夫人がそれを阻止しする。 夫人は、人間を汚染してきたダストが、子供には影響を与えないため、それに関係するダイモンを切り離していることをライラに知らせる。 そして夫人は、自分が母親で、アスリエル卿が父だという真実をライラに伝える。 しかし、羅針盤を狙おうとする、コールター夫人の魂胆を察知したライラは、夫人にスパイ蠅を渡す。 その隙に逃げ出したライラは、切り離し装置を破壊し、施設を爆発して子供達を逃がす。 ライラ達は行く手を阻まれるが、イオレク、魔女セラフィナ・ペカーラ、ジプシャン、スコーズビーの協力で、子供を解放することに成功する。 父親だったアスリエル卿を救うために、ライラはロジャーを伴いスコーズビーの気球に向かう。 セラフィナ・ペカーラは、マジステリアムの望みがこの世界だけでなく、それを阻止できるのは自分達とライラしかいないことをスコーズビーに伝える。 そして、ライラは世界を救うため、イオレク、ロジャー、セラフィナ・ペカーラを伴い、新たなる冒険に旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
自分の分身ダイモン(動物)と暮らす、不思議な世界。
快活でいたずら好きな少女12歳の少女ライラ・ベラクアは、両親を亡くし叔父アスリエル卿に、オックスフォード大学の学寮に預けられていた。
他の世界に通じるという、ダストの力を信じるアスリエル卿は、支配組織のマジステリアムに命を狙われていた。
そんな時、ライラの仲良しの子供達が、次々と誘拐されていく。
ある日ライラは、貴婦人コールター夫人に連れられ、北極に向かうことになる。
ライラが、未来の鍵を握る少女だということを魔女から聞いていた学寮長は、アスリエル卿が大学に寄贈してあった、”黄金の羅針盤”を彼女に譲り渡す。
それを使える者には、物事の真理が見えるという不思議な羅針盤を持参していることを、夫人には知られぬようにして、ライラは飛行船に乗り旅立って行くのだが・・・。
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主演のニコール・キッドマンやダニエル・クレイグ他、豪華出演陣などを楽しみにしていたのたが、続編に続く第一作ということもあり、ライラのイメージ作りに重点が置かれ、”大物スター”も脇役に徹している感じだ。
但し、続編は製作されるのだろうか???
どこかで見たような、ストーリーと登場人物の寄せ集め的なところが気になり、特撮の動物達も、いかにも作りもののようで新鮮味に欠け、クリス・ワイツの演出も平凡だ。
第80回アカデミー賞では、視覚効果賞を受賞した。
・ノミネート
美術賞
1億8000万ドルをかけたファンタジー・アドベンチャー超大作であり、北米興行収入は約7000万ドルに留まるものの、全世界で約3億7200万ドルのヒットとなった。
主人公ライラ役の12歳のダコタ・ブルー・リチャーズは、1万5000人の中から選ばれただけあり、映画初主演とは思えない、堂々たる演技を見せてくれる。
快活でなかなか賢そうな感じの少女だが、宣伝用のスナップの、可愛らしい子供らしさとはまるで違う、勝気な少女を好演している。
美しさが際立つニコール・キッドマンは、ややミス・キャスト気味で、彼女の分身のサルは少し気味が悪い感じもする。
今後の活躍に期待するしかないというほど、出番の少ないのが気になるダニエル・クレイグは、存在感はあるが、あれだけ宣伝しておいて・・・と言いたくなるほどの寂しい出演だ。
ライラ達に協力する魔女の女王エヴァ・グリーン、渋い声が魅力的な飛行家サム・エリオット、ジプシャンの王ジム・カーター、トム・コートネイ、クレア・ヒギンズ、学寮長ジャック・シェパード、マジステリアム教権評議委員クリストファー・リー、使者デレク・ジャコビ、サイモン・マクバーニー、連れ去られるジプシャンの子供達役のベン・ウォーカー、チャーリー・ロウが共演し、ダイモンの声でイアン・マッケラン、キャッシー・ベイツ、イアン・マクシェーン、フレディ・ハイモア、クリスティン・スコット・トーマスなど超豪華なキャストも見所の一つだ。