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グレン・ミラー物語 The Glenn Miller Story (1954)

世界中で愛されるジャズ・ミュージシャン、グレン・ミラーの半生と夫婦愛を描く、アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュアートジューン・アリソンハリー・モーガン他共演のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン

製作:アーロン・ローゼンバーグ
脚本
ヴァレンタイン・デイヴィス

オスカー・ブロドニー
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ラッセル・F・スコーエンガース
音楽
ヘンリー・マンシーニ

ジョセフ・ガーシェンソン

出演
ジェームズ・スチュアートオルトン・グレン・ミラー
ジューン・アリソン:ヘレン・バーガー・ミラー
ハリー・モーガンチャミー・マクレガー

チャールズ・ドレイク:ドン・ヘインズ
ジョージ・トビアス:サイ・シュリブマン
バートン・マクレーンヘンリー・H・アーノルド将軍
ルイ・アームストロング:本人
ジーン・クルーパ:本人
ベン・ポラック:本人
フランセス・ラングフォード:本人

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1954年製作 115分
公開
北米:1953年12月10日
日本:1954年1月8日


アカデミー賞 ■
第27回アカデミー賞

・受賞
録音賞
・ノミネート
脚本・作曲賞(ミュージカル)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロサンゼルス
トロンボーン奏者グレン・ミラー(ジェームズ・スチュアート)は、新たなサウンドを創りだすために日々努力していたものの、苦しい生活を送っていた。

ミラーは、親友でピアニストのチャミー・マクレガー(ハリー・モーガン)と必死に音楽活動を続けるが、なかなか目が出なかった。

そんな時、ミラーチャミーは、 バンドリーダーでドラマーのベン・ポラックが、オーディションをやる情報を聞き、それに飛びつく。

ミラーの曲を聞いたポラックは、彼とチャミーをバンドに招き入れ演奏旅行に旅立つことになる。

そこでミラーは、質入していたトローンボーンを手に入れて、大学時代の恋人ヘレン・バーガー(ジューン・アリソン)へのプレゼントに、その質屋で真珠のネックレスを手に入れる。
...全てを見る(結末あり)

コロラド州、デンバー
ヘレンに連絡を入れていたミラーは、約束の時間に遅れ、真夜中に彼女を起こす。

そして、真珠のネックレスをヘレンにプレゼントしたミラーは、彼女を両親の元に連れて行く。

その後、ミラーがヘレンに自分の気持ちを伝えようとするが、チャミーが彼を仕事に連れ出してしまう。

ニューヨーク
ポピュラー・ミュージックに、新しい感覚の音を入れようと作曲に励むミラーは、エージェントのドン・ヘインズ(チャールズ・ドレイク)に誘われてポラックのバンドを去り、チャミーにも別れを告げる。

2年間努力するものの目が出ず、街角でヘレンとの思い出の曲”茶色の小瓶”を聴いたミラーは、彼女を強引にニューヨークに呼び寄せる。

そんなミラーに呆れるヘレンだったが、彼に惹かれ始めた途端に結婚を迫られる。

ヘレンは,ニューヨークに到着した直後に、チャミーとヘインズに祝福されながら、結婚式を挙げることになる。

ミラーは、ヘレンに支えられながら本格的に作曲活動を始めて、”ムーンライト・セレナーデ”などを発表するが、それを他人にアレンジされ、思い描く曲として受け入れられない。

ヘレンは、ミラーに思い通りの音楽を演奏させるために、蓄えた資金で、チャミーを呼び寄せてバンドを結成させようとする。

メンバーを集め、ボストンへ向かう途中に車が故障してしまい、チャミーと先に現場に向かったヘレンは、体調を崩して入院し流産してしまう。

借金だらけのバンドは解散することになってしまうが、ミラーの苦難を知った、ボストンボール・ルームの経営者サイ・シュリブマン(ジョージ・トビアス)が、資金の援助を申し出てバンドを再結成させる。

バンドのリハーサル中、トランペット奏者が唇を切ってしまい、クラリネットに代えて演奏したところ、ミラーは、自分が探し求めていたサウンドをついに見つけることができる。

そして、”グレン・ミラー・オーケストラ”のステージ演奏は各地で大盛況となり、レコード売り上げも新記録を樹立する。

そして、豪邸に住む身になったミラーとへレンは、男の子と女の子の養子をとる。

ヘレンや家族との満ち足りた日々を送るミラーは、順風満帆の音楽活動を続け、ハリウッドからも声がかかる。

やがて、第二次大戦が始まり、ミラー陸軍に志願し、大尉として軍楽隊の演奏活動を指揮することになる。

ミラーは、ヘンリー・H・アーノルド将軍(バートン・マクレーン)が見守る隊列行進で、”セントルイス・ブルース”を演奏してしまい、上官から注意されてしまう。

しかし、アーノルド将軍はミラーの楽隊の演奏を評価し、戦地でバンドを結成して慰問するという彼の意見を聞き入れる。

そしてミラーは、ヘレンや子供達に別れを告げてヨーロッパへと向かう。

ミラーのバンドは、イギリス各地で大歓迎され、その間に連合軍ノルマンディー上陸作戦を成功させ、パリは解放される。

1944年のクリスマスが近づき、ミラーパリからの演奏放送をする予定になっていた。

しかし、ロンドンからミラーを乗せた飛行機はドーバー海峡で消息を絶ってしまう。

それを知ったアーノルド将軍は、へレンにミラー戦死の連絡を入れる。

そしてクリスマスの夜、ラジオからは、ミラーがヘレンのために編曲した思い出の曲”茶色の小瓶”が流れる。

ヘレンは、チャミーやシュリブマンに励まされながら、その曲を聴きミラーのことを想う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
トロンボーン奏者グレン・ミラーは、苦労しなが独自の音楽の探求に明け暮れる毎日を送っていた。
友人のピアニスト、チャミーと共にベン・ポラックに認められたミラーは、巡業の旅に出ることになる。
大学時代の恋人へレンと結婚することを決めていたミラーは、彼女を強引に誘い自分の世界に引き入れてしまう。
やがて二人は結婚し、ヘレンはミラーが自分のバンドを持つ夢を叶えられるように献身的に彼を支える。
バンドは結成するものの、借金に追われたミラーは、ヘレンが流産したことをきっかけにして夢を諦めようとする。
そんな時、ミュージック・ホールの経営者がミラーに手を差し伸べ、同時に、彼はついに追い求めていたサウンドを見つける。
その後、ミラーの音楽は一世を風靡し、彼は、苦難の道を共に歩んできたヘレンのために、充実した音楽活動を続けるのだが・・・。
__________

1944年12月15日、フランスへ慰問演奏に向かう途中のグレン・ミラーが搭乗していた飛行機に、味方の爆弾が当り墜落死するという悲劇で終わるストーリー。

妻の支えなどで、独自のサウンドを生み出すグレン・ミラーの苦難の人生を、アンソニー・マンはユーモアを交えながら、心温まる感動作に仕上げている。

アンソニー・マンは、同じジェームズ・スチュアートジューン・アリソンを起用して、翌年「戦略空軍命令」(1955)も監督している。

グレン・ミラー死亡後に放送された追悼放送を、妻ヘレン(ジューン・アリソン)が聴きながら終わるラストは涙なしでは見られない。

ジェームズ・スチュアートとは、何作もコンビを組むアンソニー・マンは、彼のキャラクターを十分に活かし、見かけは穏やかに見えるが意志の強い主人公の人物像などを含め、全体的に人情味豊かに描き、彼らしい演出を見せてくれる。

第27回アカデミー賞では録音賞を受賞した。
・ノミネート
脚本・作曲賞(ミュージカル)

アレンジ的な意味合いで、ヘンリー・マンシーニが音楽を担当している。

ムーンライト・セレナーゼ”、”ペンシルベニア6-500”、”イン・ザ・ムード”、”茶色の小瓶”など名曲の誕生秘話もふんだんに盛り込まれているところも興味深い。

主演のジェームズ・スチュアートは、努力家でありながら、気さくな人柄のグレン・ミラーに成りきった見事な演技は、正に適役と言っていい。

ジェームズ・スチュアートとは、「甦る熱球」(1949)や「戦略空軍命令」(1955)などでも夫婦役を演じているジューン・アリソンも、苦楽を共にする夫を支える献身的な妻役を好演している。

ミラーの盟友のピアニストチャミー・マクレガー役のハリー・モーガンを始め、ルイ・アームストロングジーン・クルーパフランセス・ラングフォードベン・ポラックらも本人役で出演し、彼ら自身の演奏や歌も存分に楽しめる。

主人公のエージェント、チャールズ・ドレイク、バンドの窮地を救うミュージック・ホールの経営者ジョージ・トビアスヘンリー・H・アーノルド将軍役のバートン・マクレーンなどが共演している。


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