2015年に発表された、ポーラ・ホーキンズのデビュー作でもあるベストセラー小説”The Girl on the Train”を基に製作された作品。 離婚の辛さから抜けきれないまま日々かつて住んでいた付近を電車の窓から眺める女性の苦悩を描く、監督テイト・テイラー、主演エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット、ジャスティン・セロー、ルーク・エヴァンス他共演のミステリー・スリラー。 |
・レベッカ・ファーガソン / Rebecca Ferguson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:テイト・テイラー
製作:マーク・プラット
製作総指揮
ジャレッド・ルボフ
セリア・D・コスタス
原作:ポーラ・ホーキンズ”The Girl on the Train”
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
編集
マイケル・マカスカー
アンドリュー・バックランド
音楽:ダニー・エルフマン
出演
レイチェル・ワトソン:エミリー・ブラント
アナ・ワトソン:レベッカ・ファーガソン
メガン・ヒップウェル:ヘイリー・ベネット
トム・ワトソン:ジャスティン・セロー
スコット・ヒップウェル:ルーク・エヴァンス
ライリー刑事:アリソン・ジャニー
カマル・アブディック医師:エドガー・ラミレス
マーサ:リサ・クドロー
キャシー:ローラ・プレポン
スーツ姿の男性:ダーレン・ゴールドスタイン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2016年製作 112分
公開
北米:2016年10月7日
日本:2016年11月18日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $70,647,900
世界 $172,023,950
レイチェル
レイチェル・ワトソン(エミリー・ブラント)は、夫と離婚して傷心の日々を送っていた。
心沈むレイチェルは、マンハッタンに向かう電車の窓から見える、かつて住んでいた家の周辺に住む家庭の様子を観察するのが、唯一の慰めだった。
その理想の夫婦などを見ながら、かつての生活に戻りたいと思うアルコール依存症のレイチェルは、酒を携帯して電車に乗っていた。
そんなレイチェルは、元夫のトム(ジャスティン・セロー)と、幸せな日々を送っていた時のことを思い出す。
メガン
6か月前、ニューヨーク州、アーズリー。 レイチェルには理想の夫婦に思えたのだが、メガンは、子作りしか考えないスコットと、ただの主婦でいることにに満足できない日々を送っていた。 メガンは、精神科医カマル・アブディック(エドガー・ラミレス)のセラピーを受けていた。 死んだ兄の親友マックと1年間暮らしていた、17歳の頃から不安を抱えるようになったと話すメガンは、妊娠を望むスコットが、子守をすればその気になると思っていたことをカマルに話す。 しかし、仕事が終わると、家に帰りシャワーで子供のにおいを落とすことをメガンはカマルに話す。 アナ 今日。 仕事を変えることをアナに話したメガンは、明日から画廊で働くことを伝える。 アナから困ると言われたメガンの考えは変わらず、家の鍵を置いてその場を去る。 その後、眠っていたアナはイーヴィーの泣き声で目覚めて、レイチェルが表で娘を抱いていることにきづく。 帰宅したトムに、無言電話が3回あったことを知らせたアナは、それがレイチェルだと思うために、話し合ってほしいと彼に伝える。 心配ないと言われたアナは、自分の誕生日だったために外食を提案される。 イーヴィーはメガンに任せるようにと言われたアナは、彼女が辞めたことを伝える。 電車に乗るレイチェルは、アナとトムの幸せそうな様子を目撃する。 メガンは、スコットが求めらるままに愛し合う。 離婚以来、友人キャシーのアパートに居候するレイチェルは、トムがFacebookにイーヴィーの写真を投稿したため、酔って彼に電話する。 眠っていたアナは、トムの携帯電話を呼び出すのがレイチェルだと気づく。 レイチェルの行為を批判するキャシーは酒を捨ててしまい、トムとアナに電話をするのは止めるようにと忠告して彼女を寝かせる。 レイチェルは、不妊治療をしていたものの、それを続けることが資金的に無理だったため、トムと励まし合ったことを思い出す。 翌日レイチェルは、メガンと見知らぬ男性(カマル)が、ポーチで抱き合いキスしている姿を電車内から目撃する。 街に着き酒を飲んで酔ったレイチェルは、トムがアナと浮気していた事実をメールで知ったことを思い出す。 アナを傷めつけることを考えながら、泥酔状態で電車に乗り”アーズリー=オン=ハドソン駅”で降りたレイチェルは、いつも車両内で見かける男性(ダーレン・ゴールドスタイン)につけられているように思う。 トンネルに入る女性を見かけたレイチェルは、彼女に”アバズレ!”と叫びながら意識を失う。 翌日、ベッドの上で目覚めたレイチェルは、非難する内容のトムからの電話メッセージを確認する。 怪我をして出血していることに気づいたレイチェルは驚き、心配するキャシーの話を聞こうとしない。 レイチェルは、昨夜、起きたことをハッキリと思い出せない。 翌日、アルコール依存症の者達集まる集会に出席したレイチェルは、トムの上司の妻マーサを電車の車両内で目撃する。 かつて、パーティーで騒ぎを起こし、マーサに迷惑をかけたことでトムに非難されたレイチェルは、それに反論して暴れたことなどを思い出す。 アパートに戻ったレイチェルは、その場にいたライリー刑事(アリソン・ジャニー)から、怪我をして戻った金曜日のことを訊かれ、メガンの写真を見せられる。 メガンが失踪したらしいということを知らされたレイチェルは、飲酒が原因で解雇された仕事の件などと、曖昧な発言をライリーから指摘されて不審に思われる。 ライリーが帰った後、働いていないことをキャシーから追及されたレイチェルは、ニューヨークに行くのは、ただ電車に乗るためだったと話す。 都合のいい話だと言うライリーは、金曜日の夜、酔った女性を付近で見かけたと目撃情報もあり、メガンは、元夫の妻アナに似ていると指摘する。 家に侵入したレイチェルが、子供を連れ去ろうとしたしたというアナの話もしたライリーは、かつて暮らしていた彼女の家に行くことを禁ずると言って警告する。 4か月前 支配欲が強いスコットの話などをしたメガンは、カマルのことで頭がいっぱいであることを彼に伝える。 失踪事件のことを調べ、スコットに会ったレイチェルは、メガンが男性とポーチでキスしていたことを話す。 思い当たるのはカマルだけだったので、彼の写真をレイチェルに見せたスコットは、間違いないことを確認する。 2か月前 子供を欲しがるだけのスコットを拒絶するメガンは、ある辛い過去を思い出しながらカマルを求めるが、診療ができないと言う彼はそれを拒む。 その後カマルは、メガン失踪の件で事情聴取を受ける。 久し振りに生きる希望が湧いてきたレイチェルはスコットに呼ばれ、カマルが証拠不十分で釈放されたため、ポーチの男が間違いなく彼だったか訊かれる。 そうでなければ自分の立場が悪くなると言うスコットは、レイチェルから、カマルの証拠を探すことを提案されても焦るだけだだった。 その場を去ったレイチェルは、車から降りたトムから近づくなと言われたため、トンネルでアナに殴られたと伝える。 自分を殴ったアナはトムの車に乗ったと言うレイチェルは、スコットの家に行ったことをトムから訊かれ、メガン捜しを手伝っていると答える。 トムに追い払われたメガンは、その後カマルのセラピーを受け、失われた記憶を取り戻したいことを伝える。 アルコール依存症をカマルから指摘されたレイチェルは、酒以外に好きなことを訊かれ、絵を描くと答える。 それで記憶を取り戻すのは無理だと話すレイチェルは、飲酒が始まった時期はトムと暮らしていた頃だとカマルに伝える。 不妊症で悩んでいたことを話すレイチェルは、その苦しみで酒に溺れ、夫婦関係に失敗したことを語る。 完璧なカップルの話をしたレイチェルは、妻が裏切ったことを知り自分の感情が壊れたため、怖いのでこの場に来たとカマルに伝える。 警察に向かい、レイチェルの行動などをライリーに話したアナは、彼女がスコットにも会っていることを伝えるが、疑わしいというだけでは動けないと言われる。 トムがレイチェルを迷惑に思っているかを問われたアナは、明確には答えられなかった。 帰宅してパソコンを起動したアナは、トムのアカウントにログインしようとするものの、パスワードが分からなかった。 訪ねてきたスコットと話したレイチェルは、妊娠していたメガンが、それをカマルにだけ伝えたことを知らされる。 子供が欲しかっただけのスコットが、それを望まないメガンと口論ばかりしていたことを知ったレイチェルは、二人が理想の夫婦と思っていたために驚く。 動揺するスコットをベッドで休ませたレイチェルは、眠っている彼に触れてしまう。 1か月前 夜眠れないメガンはカマルの元に向かい、17歳の時に妊娠して一人で出産したものの、バスタブで入浴中に眠ってしまい、娘を水死させてしまったことを話す。 毛布に包んで娘を埋葬したものの、同棲していたマックは出て行ってしまったことを話したメガンは、カマルと抱き合う。 レイチェルは、酔った勢いでトムの家に侵入し、アナが眠っている間に、イーヴィーを外に連れ出したことをカマルに話す。 アナが気づいて外に出て来たため、レイチェルは、イーヴィーをその場に置いて走り去ったのだが、ただ抱きたかっただけだとカマルに伝える。 電車に乗ったレイチェルは、隣に座る男性のタブレットが目に入り、鈍器で殴られて死亡し一部腐乱したメガン死体が発見されたことを知る。 捜査は殺人に切り替ったというニュースを、トムとアナも確認する。 参考人として警察に呼ばれたスコットが戻って来た際、その場にいたレイチェルは隣人のアナに気づくものの、睨むだけで立ち去る。 そのことをトムに話したアナは、レイチェルが犯人だと言うものの、彼はそれを否定し、哀れなレイチェルは無害だと伝える。 帰宅したレイチェルは、その場にスコットがいたために驚き、メガンのお腹の子の父親が、彼でもカマルでもなかったことを知らされる。 アル中で不安定なレイチェルが、トムの元妻だったことをライリーから聞いていたスコットは、それを隠していた彼女を批判する。 自分達が関係を持っていると思われていることも話すスコットは、狙いは何だったのかをレイチェルに問う。 メガンの浮気を知らせたかっただけだと言うレイチェルが、カマルのセラピーを受けていることに、スコットは貼ってあった名刺で気づく。 カマルのことを探り力になろうとしたと言うレイチェルを尚も責めるスコットは、その場を去る。 警察に向かったレイチェルは、スコットに脅されたことをライリーに伝えるものの、彼との関係を疑われ、泊めたことなどを追及される。 それでもスコットに襲われたことを話すレイチェルは、ライリーから、金曜日の事件の日に目撃され、空白の数時間があるのを認めたはずだと言われる。 スコットがメガンを殺したと言うレイチェルに、スポーツ・バーの監視カメラに彼の姿が映っていることをライリーは伝える。 何があったのかを訊かれたレイチェルだったが、答えることはできず、ライリーからのメガンを殺したのかと言う問いも無視してその場を去る。 先週の金曜日 カマルを家に呼んだメガンはポーチで彼と抱き合い、レイチェルは、電車から二人を目撃する。 メガンを抱きしめるカマルは、彼女を励ましただけだった。 バーで飲んでいたレイチェルは、電車でいつも見かける男性がいたため、なぜ自分つけるのかを問う。 金曜の夜にトンネルでも見たと男性に伝えたレイチェルは、毎日そこを通ると答える彼から、地面に倒れていた自分を助けようとしたら”消えろ!”と言われたことを知らされる。 誰といて何があったのかと訊かれた男性は知らないと答え、言い寄るレイチェルを制止してその場を去る。 自分がメガンを殺したのかもしれないと考えるレイチェルは、キャシーにメモを残してアパート去り、駅に向かい電車に乗る。 乗車していたマーサに声をかけたレイチェルは、パーティーの件を謝罪して何も覚えていないと伝える。 レイチェルの話を疑問に思うマーサは、自分のせいでトムがクビになったと彼女から言われて驚く。 パーティーで気分が悪くなったレイチェルは横になり、騒ぎなどなかったと言うマーサは、帰り道で、態度を批判するトムから罵倒されたことを思い出す。 トムが解雇されたのは女癖が悪かったからだとマーサから言われたレイチェルは、トムに虐げられ怯えながら生きていたのだった。 未だにトムのアカウントにログインできないアナは、ある携帯電話を見つける。 バッテリー切れだったために充電したアナは、トムの浮気相手の電話だと気づく。 その夜、トムが眠ってからその電話の通話内容を調べたアナは、それがメガンのものであることを知る。 家の明かりが点いたため、電話を投げ捨てたアナは、起きてきたトムに物音が聴こえたと伝える。 トンネルに向かったレイチェルは、事件の日にその場にいたのはメガンで、迎えに来たトムに自分が痛めつけられたことを思いだす。 その直後に現れた男性を迷惑に思ったレイチェルは、”消えて!”と言ってしまったのだった。 翌日、アナと話をしたレイチェルは、トムが嘘をついていることを伝える。 自分も裏切っていると言われたアナは知っていると答え、メガンを殺したのはトムで、危険であるため逃げるようにと警告される。 浮気は初めてではないと言うアナは、トムが姿を現したために家に戻る。 人殺しと言いながら迫るレイチェルを家に入れたトムは、メガンを車に乗せたトンネルのことを彼女から追及され、アナも彼にそれを確認する。 目撃されたために自分を殴ったとレイチェルから言われたトムは、メガンの携帯電話を見つけたアナから、彼女との浮気を問われる。 それを認めたトムは、いつも相手にしてくれないことをアナに伝え、イーヴィー抱く。 危険を感じたアナは、イーヴィーをトムから引き離し、レイチェルは警察に通報しようとする。 それを制止したトムに、自分がやったと言ったことは何もしていなかったと伝えたレイチェルは、苦しませて価値がないと思わせた彼を批判する。 マーサから言われたことを話したレイチェルは、差し出された酒をトムに浴びせられながら、クビになった理由は、会社の女に手当たり次第に手を出したからだと伝える。 トムに殴られたレイチェルは気を失う。 金曜日の夜。 森に向かい、トムに迫られたメガンは妊娠したことを知らせて、父親の可能性があることを伝える。 自分の子なら堕ろしスコットの子なら好きにしろと言われたメガンは、楽しみのために自分達を弄んだトムを罵倒する。 メガンを押し倒したトムは、岩で頭を打った彼女から一生、後悔させると言われ、彼女の顔を蹴り石で殴って殺す。 意識が戻ったレイチェルは、トムから、トンネルにいなければ何事も起きず、自分が殺したのも同じだと言われる。 自分ではなく殺したのはトムだと伝えたレイチェルは、壁にかけてあったコルク抜きを奪って逃げようとする。 トムに捕まり喉を締められたレイチェルは、彼を殴って外に逃げて、追って来た彼の首にコルク抜きを突き刺す。 それを見ていたアナは、瀕死のトムの息の根を止める。 その後、レイチェルとアナは警察に連行され、二人の姿をスコットが見つめる。 取り調べを受けたレイチェルとアナは、他に方法がなかったと言って、ライリーに正当防衛を主張する。 何もかも全て、レイチェルが正しかったとアナは話す。 メガンの墓参りをしたレイチェルは、3人の絆は永遠で同じ物語で結ばれていると思う。 その後もマンハッタンに向かい絵を描くレイチェルは、ある日、違う車両に乗り、過去を捨て未来を見つめようと考える。
メガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)は、夫スコット(ルーク・エヴァンス)と暮らしていた。
...全てを見る(結末あり)
隣人で、トムの現在の妻であるアナ(レベッカ・ファーガソン)の娘イーヴィーの子守をするメガンは、ワトソン家で無言電話を受ける。
驚いたキャシーから、数週間待つので出て行ってほしいと伝えたレイチェルは、通りに出たライリーを呼び止めて、浮気をしていたメガンを電車から目撃したことを伝える。
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トンネルに迎えに来たトムにレイチェルがいることを伝えたメガンは、戻った彼に何があったのかを問う。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク州、アーズリー。
アルコール依存症のレイチェル・ワトソンは、離婚して仕事も解雇され、毎日マンハッタンに向かう電車に乗車しながら苦しむ日々を送っていた。
レイチェルは、かつて住んでいた家で暮らす元夫トムと妻のアナ、その隣人夫婦のメガンとスコットの幸せそうな生活を電車の窓から眺める。
そんなレイチェルは、理想の夫婦のように思えたメガンが、他の男性と抱き合いキスしている姿を目撃してしまい驚く。
その後レイチェルは、メガンの失踪事件に巻き込まれることになるのだが・・・。
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ポーラ・ホーキンズのデビュー作でもあるベストセラー小説”The Girl on the Train”の映画化。
アルコール依存症と離婚を体験し情緒不安定になった女性の苦悩を描いているだけのドラマではなく、酒に溺れ記憶も定かでない彼女が関係する人妻の疾走殺人事件が絡むというミステリー・スリラーに発展していく。
実力派スター豪華競演も注目で、それぞれの個性を生かした、「ヘルプ」(2011)などで高い評価を受けたテイト・テイラーの繊細な演出が見所の作品でもある。
ベストセラー小説の映画化ということもあり公開前から話題となり、北米興行収入は約7100万ドル、全世界では期待を大きく上回る約1億7200万ドルの大ヒットとなった。
主演のエミリー・ブラントは、アルコール依存症で情緒不安定の女性をほぼノーメイクで熱演し、演技幅の広い彼女の実力を堪能できる。
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015)で、MI6の諜報員としてトム・クルーズの相手役を見事に演じ、世界的な知名度を得た、主人公の元夫の浮気相手から妻になる女性役のレベッカ・ファーガソンの魅力も印象に残る。
主人公の元夫であるジャスティン・セロー、辛い過去を背負い、満たされない生活に苦しむヘイリー・ベネット、支配欲のあるその夫ルーク・エヴァンス、事件を捜査する刑事のアリソン・ジャニー、主人公らに関わる精神科医のエドガー・ラミレス、主人公の元夫の上司の妻リサ・クドロー、主人公のルームメイトのローラ・プレポン、主人に関わるスーツ姿の男性ダーレン・ゴールドスタインなどが共演している。