南北戦争下、列車を強奪し破壊工作で北軍に立ち向かう機関士の活躍を描く、製作、監督、脚本、編集、主演バスター・キートン、マリオン・マック、グレン・キャベンダー他共演のサイレント映画であるアクション・コメディの傑作。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督
バスター・キートン
クライド・ブラックマン
製作
バスター・キートン
ジョセフ・シェンク
原作:ウィリアム・ピッテンジャー”The Great Locomotive Chase”
脚本
バスター・キートン
クライド・ブルックマン
アル・ボースバーグ
チャールズ・ヘンリー・スミス
ポール・ジェラルド・スミス
編集
バスター・キートン
シャーマン・ケル
撮影:デヴ・ジェニングス
出演
ジョニー・グレイ:バスター・キートン
アナベル・リー:マリオン・マック
アンダーソン北軍大尉:グレン・キャベンダー
サッチャー将軍:ジム・ファーリー
南軍の将軍:フレデリック・ヴルーム
リー:チャールズ・ヘンリー・スミス
アナベルの兄:フランク・バーンズ
北軍の将軍:ジョー・キートン
北軍の将軍:マイク・ドンリン
北軍の将軍:トム・ノーン
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1926年製作 75分
公開
北米:1927年1月2日
日本:1926年12月31日
製作費 $750,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1861年、春、ジョージア州マリエッタ。
”ウエスタン&アトランティック鉄道”の機関車”The General/将軍”は駅に到着する。
機関士ジョニー・グレイ(バスター・キートン)は、愛する婚約者アナベル・リー(マリオン・マック)の家に向かう。
近所にいたアナベルはジョニーの後を追い、気づいた彼を家に招き入れる。
ついてきた二人の子供を追い払ったジョニーは、アナベルに自分と”将軍”が写った写真を贈る。
アナベルの父リー(チャールズ・ヘンリー・スミス)は、サムター砦が砲撃さたことを息子(フランク・バーンズ)から知らされ、いよいよ戦争が始まると考える。 志願すると言う兄と共に出かける父を見送ったアナベルから、入隊しないのかと訊かれたジョニーは、志願するためにその場を去る。 徴兵所で職業を訊かれたジョニーは、ウエスタン&アトランティック鉄道の機関士だと答え、今の職が軍のために役立つと考えた係官は、彼の入隊を許可しない。 入隊を認められない理由が分からないジョニーは、小柄なことや体力的な問題かと思い、もう一度申請するものの、偽名などがバレてしまう。 追い払われたジョニーは、申請を待つリーと息子から列に並ぶよう誘われるものの、それを断り機関車に向かう。 帰宅した父と兄から志願されたことを知らされたアナベルは、ジョニーが帰ってしまったことをしり不思議に思う。 志願しなかったジョニーを父が非難したために、彼に話を聞いたアナベルは、断られたという彼の言葉を信じることができない。 入隊するまで二度と話さないとジョニーに伝えたアナベルは、その場を去る。 1年後、テネシー州、チャタヌーガ北部、北軍野営地。 成功すれば昇進できると言われたアンダーソンは、ウエスタン&アトランティック鉄道の列車に乗るために出発する。 マリエッタ。 ビッグ・シャンティ。 貨物車両の荷物を確認していたアナベルは、アンダーソンの部下に襲われて捕らえられる。 列車が動き出したことに気づいたジョニーは、走って追う。 途中で電信線を切ったアンダーソンは、線路を外すよう部下に指示する。 トロッコを線路に設置したジョニーは、それで列車を追う。 線路が外されていたために脱線したジョニーは、ボーンシェーカー自転車に乗ってキングストンの駅に向かう。 兵士に緊急事態を伝えたジョニーは、機関車”テキサス”に乗り追跡を始めるものの、後続車両が連結されていなかったために、兵士たちは取り残される。 自分が一人だと気づいたジョニーは、途中で大砲を連結して追跡を続ける。 南軍兵に扮していたアンダーソンは、給水中に追跡に気づき出発する。 大砲を使おうとしたジョニーは、苦労しながら砲弾発射の準備をして点火するが、誤って連結器を外してしまう。 大砲が機関車を狙ってしまったために焦るジョニーは、機関車の先端に向かう。 発射された砲弾は、機関車を避けてアンダーソンの列車の近くに着弾する。 大勢の南軍兵が大砲と共に追ってくると考えたアンダーソンは、車両を切り離し、障害物を線路上に落下させて進路を妨害する。 前方の車両は脱線し、線路上の障害物を排除したジョニーは、回避場所で妨害されてしまうが、戻って追跡を続ける。 車両を燃やし屋根付橋の中で切り離したアンダーソンだったが、ジョニーは車両を回避場所まで押していく。 橋の上で停車したアンダーソンは、下を通過する追跡車両を確認し、敵が一人だと気づく。 停車して森の中で身を隠したジョニーは、天候が悪化したために雨宿りする。 北軍野営地。 ロックリバー橋でパーカー将軍と合流し、部隊が奇襲攻撃を開始することを知ったジョニーは、その場にアナベルが連れて来られたことに気づく。 サッチャーはアナベルを部屋に監禁し、会議を終える。 見張りを殴り倒し軍服を奪ったジョニーは、窓からアナベルの部屋に忍び込み、彼女とその場から逃げる。 落雷を避け、現れたクマから逃げたジョニーは、アナベルの足が罠に挟まってしまったために、それを外して明るくなるのを待つ。 自分のために危険を冒してくれたジョニーに感謝するアナベルは、勇敢な彼と抱き合う。 翌朝ジョニーは、駅周辺で北軍が攻撃の準備をしていることに気づく。 味方に奇襲攻撃のことを知らせようとしたジョニーは、アナベルを袋に入れて”将軍”に運ぶ。 アナベルは気づかれないようにして連結器を外し、ジョニーは、彼女が入った袋を貨物車両に積み込む。 ”将軍”に乗り込み奪ったジョニーは発進し、アンダーソンら北軍兵は”テキサス”でそれを追う。 電信線を切断したジョニーは、貨物車両のアナベルを機関車に連れて行き、停車して薪を補充する。 追跡車両に気づいたジョニーは発進し、貨物車両の壁を壊して線路に落下させ、荷物も散乱させる。 給水したジョニーは全速力で進むが、”テキサス”に追いつかれてしまい、貨物車両を切り離す。 回避場所で貨物車両から離れた”テキサス”は、後続車両に衝突されるものの発進する。 分岐点で線路を壊したジョニーは、”将軍”が走り出してしまったためにそれを追う。 土手を降りて先回りしたジョニーだったが、アナベルが”将軍”をバックさせてしまう。 戻って”将軍”に乗ったジョニーは停車させ、”テキサス”ともう一台は別の方向に向かい、線路が終わる寸前で停車する。 ジョニーは走り去り、バックした”テキサス”は本線に戻り追跡しようとするものの、線路が曲げられていた。 ロックリバー橋。 補給列車との合流のため、北軍は橋に接近する。 アナベルが発火させたために戻れなくなったジョニーは、川に落ちてしまう。 ”将軍”に戻り発進したジョニーは、南軍兵を見つけて合図するものの発砲される。 北軍の軍服を脱いだジョニーは、南軍の軍服を着て町に到着し、南軍の将軍(フレデリック・ヴルーム)に敵の奇襲を知らせる。 部隊を出撃させた将軍は、ロックリバー橋に向かう。 アナベルは、負傷した父と再会して抱き合う。 線路を修復したアンダーソンらは、発進して橋に向かう。 味方の軍隊と合流したアンダーソンは、通過できると言われたために前進するものの、橋は崩壊し”テキサス”は川に落下してしまう。 川を渡ろうとした部隊だったが、南軍の攻撃を受けて撤退する。 部隊に加わり戦おうとするジョニーは、無意識の内に狙撃兵を倒す。 ジョニーが放った大砲の砲弾はダムを直撃し、敵兵を溺れさせる。 部隊と共に町に戻ったジョニーは、”将軍”に乗り込む。 殴った北軍将校が目覚めたことに気づいたジョニーは、将軍の元に連行する。 将軍から、自分のものではない軍服を脱ぐようにと言われたジョニーは、将校の軍服を与えられる。 驚くジョニーは、降伏した敵将校の剣を将軍から受け取り、入隊を許可される。 父と共にその様子を見ていたアナベルは、ジョニーに寄り添う。 担当官から職業を訊かれたジョニーは、兵士だと答える。 ”将軍”の車輪の前でアナベルとキスしようとしたジョニーは、起床してテントから出てきた兵士たちが気になる。 ジョニーは、アナベルとキスしながら、通り過ぎる兵士たちに敬礼する。
...全てを見る(結末あり)
サッチャー将軍(ジム・ファーリー)と話すアンダーソン大尉(グレン・キャベンダー)は、南軍の入隊志願者として列車に乗り、それを奪いすべての橋に火を放ち補給線を断つ計画を伝える。
アナベルは、腕を負傷して帰還した兄から父が重傷を負ったことを知らされ、ジョニーの機関車に乗り父を見舞うために旅立つ。
夕食のために停車した列車の連結器を外したアンダーソンは、計画を実行して列車を奪う。
食べ物を盗むために家に忍び込んだジョニーは、北軍のサッチャー将軍らが会議を始めたために、テーブルの下に隠れる。
停車したジョニーは、障害物を置き火を放とうとする。
*(簡略ストー リー)
1861年。
南北戦争に南軍兵として志願しようとした”ウエスタン&アトランティック鉄道”の機関車”The General/将軍”の機関士ジョニー・グレイは、現在の職務が重要だという理由で入隊できなかった。
それを婚約者のアナベルに伝えたジョニーだったが、信じてもらえなかった。
1年後、兵士として負傷した父の見舞いに向かうアナベルは、ジョニーの列車に乗って旅立つ。
その頃、北軍のアンダーソン大尉は、列車を奪う破壊工作を計画し南軍の補給路を断とうとするのだが・・・。
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南北戦争中に実際に起きた”グレート・ロコモーティブ・チェイス”(大列車追跡)をモチーフにした、ウィリアム・ピッテンジャーの回顧録”The Great Locomotive Chase”を基に製作された作品。
製作、監督、脚本、編集を兼ねる主演のバスター・キートンが、北軍の破壊工作にたった一人で対抗する機関士を演じたサイレント映画である、アクション・コメディの傑作。
計算しつくされた見事なパフォーマンスと今でも十分通用する迫力あるアクションは圧巻であり、古典的なギャグの連続は大いに楽しめる。
特撮も殆どない時代に、危険極まりない列車追跡シーンを自ら演じ撮影した、バスター・キートンの役者魂は素晴らしいの一言だ。
1989年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
主人公の婚約者を演じ、共に機関車に乗り活躍するマリオン・マック、破壊工作を実行する北軍大尉のグレン・キャベンダー、その上官である将軍ジム・ファーリー、主人公の軍への貢献を称える北軍の将軍フレデリック・ヴルーム、ヒロインの父親チャールズ・ヘンリー・スミス、その息子フランク・バーンズ、北軍の将軍ジョー・キートン(バスター・キートンの実父)、マイク・ドンリン、トム・ノーンなどが共演している。