天才振付師にして映画監督、絶頂期だったバスビー・バークリーらしいミュージカル・コメディ。 主演アリス・フェイ、ジェームズ・エリソン、ユージン・パレット他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:バスビー・バークリー
製作
ウィリアム・ゴーツ
ウィリアム・ルバロン
原作
ナンシー・ウインター
ジョージ・ルートJr.
トム・ブリッジス
脚本:ウォルター・ブロック
撮影:エドワード・クロンジャガー
編集:レイ・カーティス
美術・装置
ジェームズ・バセヴィ
ジョセフ・C・ライト
トーマス・リトル
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演
イーディー・アレン:アリス・フェイ
アンディ・メイソン:ジェームズ・エリソン
アンドリュー・メイソン・シニア:ユージン・パレット
ヴィヴィアン・ポッター:シーラ・ライアン
ドリータ:カルメン・ミランダ
本人:ベニー・グッドマン/楽団
フィル・ベイカー:フィル・ベイカー
ポッター夫人:シャーロット・グリーンウッド
ペイトン・ポッター:エドワード・エヴェレット・ホートン
本人:トニー・デマルコ
パット・ケイシー:デイヴ・ウィルロック
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1943年製作 103分
公開
北米:1943年12月24日
日本:未公開
■ アカデミー賞 ■
第16回アカデミー賞
・ノミネート
美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
大富豪アンドリュー・メイソン(ユージン・パレット)の息子アンディは、軍軍曹として従軍していたが、休暇で一流ナイトクラブ”ニューヨーカー”に来ていた。
そこに、常連客の父メイソンとビジネス・パートナーであるペイトン・ポッター(エドワード・エヴェレット・ホートン)が現れたため、アンディは二人をからかう。
その後アンディは、歌手のイーディー・アレン(アリス・フェイ)に一目惚れし、クラブのオーナー、フィル・ベイカー(フィル・ベイカー)から彼女の情報を仕入れる。
翌日アンディは、”兵隊クラブ”でベニー・グッドマン楽団の演奏に聞き入り、その場にいたイーディーをつかまえダンスを踊る。
イーディーのことを知らない振りをしたアンディは、”ニューヨーカー”に向かう彼女に付添い、ショーを見ることになる。
クラブの仕事が終わり、イーディーはアンディとの時を過ごし、強引な彼に次第に惹かれ始める。 アンディは、幼馴染みのポッターの娘ヴィヴィアン(シーラ・ライアン)とも親しくなる。 そして休暇も終わり、アンディはイーディーに別れを告げ戦場へと向かう。 その後アンディは、太平洋で戦功を立て勲章を受章し、新聞記事にも掲載される英雄となる。 それを知ったメイソンは、アンディの帰還を祝うパーティーを、”ニューヨーカー”を借り切って行うことを決める。 早速、メイソンはポッターとクラブに向かうが、オーナーのベイカーに、新作ショー発表のために、クラブは閉鎖中だと言われてしまう。 そこでメイソンは、クラブの楽団ごと移動させ、ポッターの邸宅でパーティーを開き、軍事国債を売り、それを入場券にすることを考える。 メイソンとポッターは、クラブのスター、ドリータ(カルメン・ミランダ)を紹介され、リハーサルを見せられる。 もちろん、そのショーにはイーディーも出演することになっていた。 ベニー・グッドマン楽団を率いて、ベイカーはポッター邸に向かうが、迎えに来たヴィヴィアンの恋人が、知人でもある今回の主役アンディだということを知る。 そしてベイカーは、イーディーとヴィヴィアン双方の恋人が、同じような境遇だということに頭をかしげる。 ポッター邸に到着した一行を、メイソンやポッターそして夫人(シャーロット・グリーンウッド)が迎えるが、ベイカーと夫人はかつてパリで共に過ごした仲だった。 会場の準備は進み、ヴィヴィアンの美しさに惹かれた有名なダンサー、トニー・デマルコが、彼女と共にステップを踏み、ヴィヴィアンの思わぬ才能が知られる。 ベイカーは、ヴィヴィアンをトニーと共にショーに出すことを、パリでの夫人とのことをばらすと脅迫し、ポッターにも承諾させる。 その夜、ショーに出演することが決まったヴィヴィアンは、ドリータに恋人アンディの写真を見せる。 ドリータは、アンディがイーディーにのぼせ上がっていた軍曹だと知り驚いてしまう。 そこにイーディーが現れ、ドリータは彼女に知られないようにアンディの写真を持ち出す。 しかし、写真はイーディーに見つかってしまい、ドリータはそれを、彼女への誕生日のプレゼントだということにしてしまう。 翌日ヴィヴィアンは、イーディーらの部屋で写真を見つけ、手違いだろうと思いそれを部屋に持ち帰る。 ドリータは、以前、クラブで写真を撮られたことのあるポッターに言い寄るが、堅物の彼に迫られそうになる。 そこに夫人が現れ、ポッターは投資の話だと弁解しながら顔の口紅を拭う。 そして、イーディーはヴィヴィアンの部屋にある写真を見つける。 ヴィヴィアンは、伏せてあった写真が婚約者だと言うが、それはベイカーの写真だった。 その頃、帰還したアンディは、”ニューヨーカー”のショーで歓迎パーティーを開くことを、父メイソンから聞かされる。 アンディは、クラブのイーディーと結婚することを父に告げ、大事になりそうだと焦ったメイソンは心の準備をする。 ドリータは写真のことをイーディーに追求され、彼女とヴィヴィアンが同じ男性を愛していることを話してしまう。 イーディーはショックを受け、現れたアンディをヴィヴィアンに紹介され、彼の連れのパット・ケイシー(デイヴ・ウィルロック)と仲良くする振りをする。 アンディと二人になったイーディーは、ヴィヴィアンは単なる幼馴染みだと言う彼を見限ってしまう。 そして、パーティーの夜、ベニー・グッドマン楽団の演奏でショーは始まり、ドリータとトニー・デマルコのダンス、イーディーの悲しげな歌と、ヴィヴィアンとトニーのダンスが続く。 心沈むイーディーだったが、ヴィヴィアンがブロードウェイでトニーと組むことになり、アンディのことは諦めることになったことを知らされる。 ショーはフィナーレを迎え、イーディーは満面の笑みで登場し、人々に祝福されながらアンディとの愛を確かめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
大富豪メイソンの息子アンディは、ナイトクラブの歌手イーディー・アレンに一目惚れする。
従軍しているアンディは、イーディーと惹かれ合うようになり、休暇を終えて戦地に向かう。
やがてアンディは英雄となり帰還することになり、父メイソンは祝賀パーティーを開くことを考える。
会場をビジネス・パートナーのポッター邸に決め、クラブのショーを丸ごと移動させる計画が進められる。
ポッターの娘ヴィヴィアンは、アンディの幼馴染みとして婚約者のつもりでいた。
そして、ショーのメンバーに、アンディを想い続けるイーディーがいたため、トラブルの予感を抱えながら、パーティーの準備は進む・・・。
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1930~1950年代にかけ、整ったグループ・ダンシングなど、革新的なアイデアで観客を圧倒するレビューを考案したバスビー・バークリーの、快心作と言っていい。
スクリーンを彩る、アリス・フェイを中心とする華やかな女優陣、個性溢れる豪華な共演者、そして、美しい見事なカラー映像に映し出されるレビューの数々、どれを取っても、超一流の成せる技がスクリーン全体に広がる素晴らしさを堪能できる。
巨大バナナを使ったコミカルなパフォーマンスや、蛍光リングをを駆使した幻想的なレビューなど見所十分だ。
第二次大戦中ということもあり、戦時国債を入場券にするというアイデアなども興味深い。
月並みな表現だが、戦時中にこのような作品が作れる、アメリカの底知れぬ国力と国民の心の余裕には改めて驚かされる。
第16回アカデミー賞では、その見事なセットなどが評価され、美術賞にノミネートされた。
アリス・フェイの、しっとりとした大人の女性の魅力や美しさが際立ってはいるが、実は彼女はまだ20代後半であり、上品で落ち着いた雰囲気など、派手なショーとのバランスも実にいい。
主人公に魅了される、大富豪の息子役のジェームズ・エリソン、その父親ユージン・パレット、アンディ(J・エリソン)の幼馴染みで、ダンスの才能が開花するシーラ・ライアン、彼女の父親で堅物のエドワード・エヴェレット・ホートンと陽気な母シャーロット・グリーンウッド、ドラマにアクセントを加えるクラブ・ダンサー役のカルメン・ミランダ、クラブ・オーナーのフィル・ベイカー、そして本人役でベニー・グッドマンとその楽団、ダンサーのトニー・デマルコなどが共演している。