あるゲームに参加した大富豪の異常な体験を描く、監督デヴィッド・フィンチャー、主演マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー、ジェームズ・レブホーン他共演のサスペンス。 |
・ショーン・ペン / Sean Penn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作
スティーヴ・ゴリン
セアン・チャフィン
製作総指揮:ジョナサン・モストウ
脚本
ジョン・ブランカトー
マイケル・フェリス
撮影:ハリス・サヴィデス
編集:ジェームズ・ヘイグッド
音楽:ハワード・ショア
出演
ニコラス・ヴァン・オートン:マイケル・ダグラス
コンラッド・ヴァン・オートン:ショーン・ペン
クリスティーン/クレア:デボラ・カーラ・アンガー
ジム・ファインゴールド/ライオネル・フィッシャー:ジェームズ・レブホーン
サム・サザーランド:ピーター・ドゥナット
イルサ:キャロル・ベイカー
アンソン・ベア:アーミン・ミューラー=スタール
エリザベス:アンナ・カタリーナ
タクシー・ドライバー:トミー・フラナガン
マリア:エリザベス・デネヒー
ニコラスの父:チャールズ・マーティネー
ニコラスの母:フロランティーヌ・モカヌ
ニコラス・ヴァン・オートン(少年期):スコット・ハンター・マクガイア
ホテルのマネージャー:ユウジ・オクモト
アメリカ 映画
配給 PolyGram Filmed Entertainment
1997年製作 128分
公開
北米:1997年9月12日
日本:1998年2月7日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $48,323,650
世界 $109,423,648
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
サンフランシスコ。
大富豪の御曹司として莫大な遺産を相続したニコラス・ヴァン・オートン(マイケル・ダグラス)は、投資家として成功しているものの、孤独な日々を送っていた。
投資銀行がある自分が保有するビルに向かったニコラスは、薬物依存などで問題を繰り返す弟のコンラッド(ショーン・ペン)とランチを共にする。
48歳の誕生日を迎えたニコラスは、人生が楽しくなるという、”CRS”という会社の招待状をコンラッドから渡され、電話するようにと言われる。
気乗りしないまま、必ず電話するとコンラッドに伝えたニコラスは屋敷に戻り、メイドのイルサ(キャロル・ベイカー)に声をかける。
一人で食事をしてくつろいでいたニコラスは、別れた妻エリザベス(アンナ・カタリーナ)からの電話を受け、誕生日を祝福される。 CRSの招待状が気になったコンラッドは、48歳で自殺した父親(チャールズ・マーティネー)のことを考えながら眠ってしまう。 翌日、会合が終わったニコラスは、そのビルにCRSがあることに気づき受付に向かう。 担当者のジム・ファインゴールド(ジェームズ・レブホーン)に迎えられたニコラスは、コンラッドから受け取った招待状を渡す。 ファインゴールドのオフィスに向かったニコラスは、CRSがゲームを売っている会社であることを知る。 一人一人に違う休暇を与えるようなものだと知らされたニコラスは、足りないものを補うとも言われるものの、全てを手に入れていると答える。 興味を持っていることを見抜かれたニコラスは、時間をかけて様々なテストを受ける。 テストを終えたニコラスは、費用はコンラッドが払うことをファインゴールドから知らされ、不満に思った者はいないとも言われる。 クラブでCRSの話をしていた男性に声をかけたニコラスは、ゲームのことを尋ね、それが素晴らしいものだと言われる。 数日後、CRSからテストの結果、不合格だと言われたニコラスは、食事に誘ったコンラッドとその件を話そうとする。 屋敷に戻ったニコラスは、入り口の前にピエロの人形が倒れていることに気づき、その口にはCRSのマークの付いた鍵が隠されていた。 人形を調べようとしたニコラスは、テレビのニュースキャスターから話をされ、これはゲームだと言われる。 人形の目に小型カメラが隠されていることを知らされたニコラスは、ゲームへの参加に感謝される。 翌日、自分が大株主である出版社を経営するアンソン・ベア(アーミン・ミューラー=スタール)を訪ねたニコラスは、彼を解雇するための書類をアタッシュケースから出そうとする。 ケースを開けられないニコラスはCRSの鍵を使うものの、それでもだめだったために諦めてその場を去る。 アタッシュケースを投げ捨てて怒りを露わにするニコラスは、サンフランシスコに戻りコンラッドとの食事のためレストランに向かう。 コンラッドが現れないため苛立つニコラスは、ウエイトレスのクリスティーン(デボラ・カーラ・アンガー)とぶつかり、スーツとシャツを飲物で汚してしまう。 謝罪しても納得してもらえないクリスティーンは不満を口にしたたため、マネージャーに解雇されてしまう。 マネージャーから食事をサービスすると言われたニコラスは、ウエイターからメモを渡され、それを見てクリスティーンを追う。 クリスティーンに謝罪しようとしたニコラスだったが、彼女は迷惑に思い立ち去る。 その時、路上で人が倒れ、駆け寄ったニコラスは、戻って来たクリスティーンと共にその男性を助ける。 クリスティーンと共に救急車で病院に向かうことになったニコラスは、”彼女を逃がすな”というメモを受け取ったことをクリスティーンに伝える。 病院に着くものの、周囲の電気は消えて人がいなくなる。 駐車場のエレベーターが開いたために、それに乗ったニコラスとクリスティーンだったがドアが閉まらない。 CRSの鍵でエレベーターを作動させた二人は、途中で止まってしまい天井から脱出してあるフロアに出る。 そこはCRSのフロアだったが、警報装置が作動したため二人はビルから逃れる。 パトカーに追われた二人は路地に入り、歩いてニコラスのビルに向かう。 わだかまりは消えた二人はオフィスで着替え、クリスティーンをタクシーに乗せたニコラスは、実は400ドルを受け取り飲物をこぼしたと知らされ、魅力的な男性だと思ったと彼女に言われる。 翌日、秘書のマリア(エリザベス・デネヒー)の電話で起こされたニコラスは、ベアから夕食の誘いがあったことと、金融街のホテルにアメリカン・エクスプレスのカードが届いていると言われる。 ホテルに電話したニコラスは、カードの件を確認し、遅れてくるという若い女性と会う約束の部屋が用意されていることを知らされる。 そのホテルのフロントに向かったニコラスは、マネージャー(ユウジ・オクモト)からカードを受け取り、部屋の鍵は昨夜、渡したと言われる。 部屋に案内されたニコラスは、クリスティーンらしき女性などが写っている写真とコカインなどに気づき、慌ててそれを片付ける。 車でホテルを離れたニコラスは尾行に気づき、相手を止めて私立探偵だと知り追い払う。 マリアに電話をしたニコラスは、弁護士のサム・サザーランド(ピーター・ドゥナット)を呼びベアと会うことを伝える。 サムと共にベアに会ったニコラスは、自分をハメようとしたと言ってホテルの写真を見せ、同席していた家族の前で彼を痛烈に非難する。 辞職する契約書にサインし、セーリングをしに来ただけだとベアに言われたニコラスは驚き、誤解していたようだと伝えてその場を去る。 写真に写っている男性が自分のようだとサムに言われたニコラスは、CRSの契約書を見せるものの、それは白紙だった。 自分に起きていることが理解できないニコラスは動揺し、心配するサムに大丈夫だと伝えた彼は、その場にあったハンドルのようなものを気にする。 クリスティーンが乗ったタクシー会社を調べることをマリアに指示したニコラスは屋敷に戻り、イルサの姿が見えないために内部を調べる。 壁の落書きや音楽に驚いたニコラスは、人形の口に挟んであった、”父親のような永遠の眠り選ぶ”というメモを確認する。 離れにいたイルサに強盗が入ったことを知らせ警戒するよう伝えたニコラスは、警察に電話をする。 強盗はもういないと意味不明なことを言われたニコラスは、現れたコンラッドと共に車でその場を離れる。 コンラッドは、CRSに金を払ったにも拘わらず止めないと言って混乱し、パンクしたためにニコラスは車を止める。 大量のCRSの鍵を見つけたコンラッドは、ニコラスがグルであると言って疑う。 自分を恨んでいるニコラスが仕組んだことだと決めつけるコンラッドは、その場から去る。 車のタイヤ交換を諦めてタクシーを拾ったニコラスは、目的地に向かっていないことに気づく。 降りることができないニコラスは、ドライバー(トミー・フラナガン)が飛び降りたために暴走する車ごと海に落下する。 焦るニコラスは自分にゲームだと言い聞かせ、持っていたハンドルで窓を開けて脱出する。 翌日、刑事を呼びCRSが入っているビルに向かったニコラスは、そのフロアに何もないことを確認し、CRSが存在しない会社だと知らされる。 ニコラスの話はすべて曖昧であり、殺人未遂だと主張する彼の意見は通らなかった。 屋敷に戻り、イルサから父親のことを聞いたニコラスは、マリアからの連絡で、クリスティーンがタクシーで向かった場所を知らされる。 クリスティーンに会い写真を見せたニコラスは、それが彼女ではないと言われる。 その部屋はクリスティーンが住んでいるように見せかけているものだと気づいたニコラスは、それを彼女に問い詰めようとする。 監視されていることを、気づかれないようにニコラスに知らせたクリスティーンは、彼をドライブに誘う。 それに従おうとしないニコラスは隠しカメラを壊してしまい、現れた男達に銃を乱射される。 裏口から出た二人は車で逃走し、追ってきたバンを振り切る。 憤慨するニコラスはクリスティーンを無理矢理に降ろすが、真相を知りたくないのかと言われて彼女を車に乗せる。 全てを知っているのは自分だけだと言うクリスティーンから、コンラッドがCRSの仲間だと知らされてニコラスは戸惑う。 追い詰められたコンラッドはCRSに全てを奪われ、自分を利用するしかなたったと言われたニコラスは、、テストを受けた際に銀行口座のパスワードなどを奪われ、ファインゴールドは銀行のハッカーだと知らされる。 銀行に電話をしてパスワードやアクセスコードを伝え口座を確認したニコラスは、全てが奪われてしまったことを知る。 それをサムの留守電のメッセージに残したニコラスは、用心するようにと伝える。 別荘でサムからの電話を受けたニコラスは、口座は全て無事だと知らされて驚く。 クリスティーンからサムも仲間だと言われたニコラスは、電話を切る。 何をしても無駄だと言うクリスティーンが、飲物に睡眠薬を混ぜたことに気づいたニコラスは倒れ込む。 分からなかったパスワードやアクセスコードを、車の中で全て聞いていたこを伝えたクリスティーンは、ニコラスを残してその場を去る。 その後、墓地で目覚めたニコラスは、その場がメキシコだったために大使館に向かう。 所持金もIDカードもなかったニコラスは、旅行中に強盗に襲われたことを職員に伝える。 腕時計が盗まれていないことに気づいたニコラスは、それを売ってパスポートを手に入れ、バスとヒッチハイクでサンフランシスコに戻る。 屋敷に向かったニコラスは、販売物件になっていることを確認して侵入し、シャワーを浴びて小銭を手に入れ、”To Kill a Mockingbird”(アラバマ物語)の本を手にしてコンラッドのホテルに向かう。 部屋で暴れ回ったコンラッドが精神異常を疑われ、警察が連行する際に残したと言う住所を渡されたニコラスは、それがナパの精神科医療施設であることを知る。 元妻のエリザベスに会ったニコラスはカフェに向い、車を貸りたいことと、サムに警戒するよう伝える。 今までのことをエリザベスに謝罪したニコラスは、テレビのコマーシャルに出ているファインゴールドが役者であることに気づく。 いずれ話すとエリザベスに伝えたニコラスは、電話帳を持ってその場を去る。 ニコラスは、ファインゴールドが食べていた中華料理のデリバリー店を電話帳で探す。 暴漢に襲われたニコラスは、本に隠してあった拳銃を向けて追い払う。 中華料理店に向かったニコラスは、壁にファインゴールドの写真が飾られていることに気づき、本名が”ライオネル・フィッシャー”であることを知る。 フィッシャーの家に電話をかけて、彼が子供達と動物園にいることを知ったニコラスはその場に向かう。 銃を見せてフィッシャーと話をしたニコラスは、単なる演技だったと言う彼から、雇い主がビルを所有しているためCRSはフロアを移動していることを知らされる。 フィッシャーを脅したニコラスは、ビルに向い、警備員を拘束してあるフロアに向かう。 そこには、ゲーム開始から登場した各役柄の役者が揃い、ニコラスはクリスティーンを見つけて歩み寄る。 ニコラスはクリスティーンに銃を向けるが、現れた警備員に発砲される。 フィッシャーは撃たれてしまい、ニコラスとクリスティーンは屋上に逃げる。 誰が黒幕なのかをクリスティーンに問い詰めるニコラスは、無線を渡してボスを呼ぶように指示する。 ニコラスの銃が本物だと気づいたクリスティーンは焦り、フィッシャーが撃たれたのも空砲で演技だったと伝える。 それをニコラスが信じないために、クリスティーンは、間違いを犯そうとしていると言って、フィッシャーやコンラッドが扉の向こうで待っていることを伝えて説得する。 シャンパンで祝うパーティーだと言われたニコラスだったが、扉が破られた瞬間に発砲してしまう。 ニコラスは、シャンパンを手にしてタキシード姿で現れたコンラッドを撃ってしまい、フィッシャーとクリスティーンが彼の死を確認する。 絶望したニコラスはその場から身を投げ、サムやベアらがパーティーを開いていた会場に設置されていたエアーバッグに落下する。 無事だったニコラスは、屋上から降りてきたコンラッドから誕生日のプレゼントだと言われる。 コンラッドは、人生を見つめ直し変わってほしかったとニコラスにに伝え、会場の招待客に兄を紹介する。 フィッシャーら役者達に感謝したニコラスは、出席してくれたエリザベスを見送る。 バーに向かったニコラスは、無礼な態度をとってしまったベアに謝罪するが、お陰で妻と幸せを満喫していると言われる。 コンラッドがサインした請求書の金額を見たニコラスは驚く。 空港に向うクリスティーンを捜したニコラスは、彼女に感謝して本名がクレアだと知らされる。 端役の仕事のためオーストラリアに向かうと言うクレアに、ニコラスは、戻ったら食事をしたいと伝える。 クレアから、空港のカフェでコーヒーでも飲まないかと誘われたニコラスは、周囲を確認する。
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*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ。
大富豪の御曹司として莫大な遺産を相続したニコラス・ヴァン・オートンは投資家として成功していたが、孤独な日々を送っていた。
ニコラスは、ドラッグの問題などを繰り返す弟のコンラッドから、48歳の誕生日プレゼントとして”CRS”という会社の招待状を受け取る。
その後ニコラスは、招待状がゲームだというCRSのテストを半信半疑で受けるものの、結果は不合格となる。
しかしニコラスは、ゲームへの参加を知らされて監視され、度重なるトラブルに巻き込まれ身の危険を感じながら対処していく・・・。
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序盤で、主人公は、”人生を変えたなり楽しくなる”ことだと弟に言われて招待状を渡される。
その時点が紛れもない現実であるため、ゲーム開始後に起きる出来事は全て作りものであることになる。
それを理解して観ていると、事件は”やらせ”ということになるため、主人公が体験する危険も冷静な目で見てしまう。
そこまで追及しなければ、デヴィッド・フィンチャーの軽快且つ緊迫感溢れる演出はまずまず楽しめる。
批評家の評価は低かったものの、様々な仕掛けで観客を混乱させる内容は受けて、北米興行収入は約4800万ドルに留まるものの、全世界では1億ドルを突破するヒットとなった。
全てを手にしているように思える大富豪だが、孤独であり、人間としての幸せを忘れかけていた主人公を熱演するマイケル・ダグラス、トラブルメイカーであったその弟のショーン・ペン、ドラマのキーパーソンでもある役者を演ずるデボラ・カーラ・アンガー、同じくジェームズ・レブホーン、主人公の顧問弁護士ピーター・ドゥナット、主人公の屋敷のメイド、キャロル・ベイカー、主人公が大株主である出版社社長アーミン・ミューラー=スタール、主人公の元妻アンナ・カタリーナ、役者(タクシー・ドライバー)のトミー・フラナガン、主人公の秘書チャールズ・マーティネーなどが共演している。