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ファウンテン The Fountain (2006)

不治の病の妻の近づく死を受け入れられない医師の苦悩を描く、監督、原案、脚本ダーレン・アロノフスキー、主演ヒュー・ジャックマンレイチェル・ワイズエレン・バースティン他共演によるSFファンタジー・タッチのメロドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ダーレン・アロノフスキー
製作
エリック・ワトソン
アーノン・ミルチャン
イアイン・スミス
製作総指揮:ニック・ウェクスラー
原案
ダーレン・アロノフスキー
アリ・ハンデル
脚本:ダーレン・アロノフスキー
撮影:マシュー・リバティーク
編集:ジェイ・ラビノウィッツ

音楽:クリント・マンセル

出演
ヒュー・ジャックマン:トマス/トミー/トム・クレオ
レイチェル・ワイズ:イザベル/イジー・クレオ
エレン・バースティン:リリアン・グゼッティ博士
マーク・マーゴリス:アヴィラ神父
スティーヴン・マクハティ:シレチオ
クリフ・カーティス:アリエル
ショーン・パトリック・トーマス:アントニオ
ドナ・マーフィ:ベティ
イーサン・サプリー:マニー
リチャード・マクミラ:ヘンリー
ローン・ブラス:アラン・リッパー博士

アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(北米)
20世紀FOX(世界)
2006年製作 96分
公開
北米:2006年11月22日
日本:2007年7月14日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $10,139,250
世界 $15,978,420


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
医師トミー・クレオ(ヒュー・ジャックマン)は、脳腫瘍の癌細胞増殖を抑える動物実験をしていたが失敗してしまう。

実験に使われた猿を、安楽死させようとしたトミーだったが、グアテマラにある、木の幹から採った物質を試すことを思いつき実験を続行する。

医学的問題を抱えたこの実験に、リリアン・グゼッティ博士(エレン・バースティン)は苦言を呈するが、トミーは癌に侵された妻イジー(レイチェル・ワイズ)のため、侵食を忘れて研究に没頭していたのだ。

トミーが帰宅すると、イジーは天体望遠鏡で見ている金色の星雲について話し始める。
...全てを見る(結末あり)

マヤの人々が、”シバルバ”(死者が甦る場所)というその星雲について本にしているイジーは、トミーにそれを読ませようとする。

そんな時トミーは、手術後の猿が回復して若返っているという、研究所からの連絡を受け急行する。

しかし、癌細胞の増殖は止まらず、引き続き他の猿での実験を、トミーは開始する。

自宅に戻ったトミーは、イジーの本”The Fountain”を再び読み始める。
__________

16世紀のスペイン
宗教裁判の裁判長シレチオ(スティーヴン・マクハティ)は、イザベラ女王(レイチェル・ワイズ)を異教徒とみなし、彼女からスペインの領土を奪おうとしていた。

イザベラ女王に呼び出された、遠征隊長のトマス(ヒュー・ジャックマン)は、フランシスコ修道会のアヴィラ神父(マーク・マーゴリス)が、人類を圧制から解き放つ秘密を南米から持ち帰ったことを知らされる。

それを手に入れようとしたイザベラ女王を裁判長が恐れ、反旗を翻したのだった。

トマスはそれを戯言だと言い放つが、イザベラ女王は、その言い伝えを信じ、トマスに全てを託し、誓いの指輪を授ける。

アヴィラ神父の持ち帰ったマヤの短剣が、地図になっていることをトマスは知り、隠された、”聖なるピラミッド”の場所にある木の樹液で、永遠の命を得られるというのだ。

トマスは木を見つけるために、アヴィラ神父やその部下のアリエル(クリフ・カーティス)と共に新世界へと旅立つが、捜索は困難を極める。

その後、アリエルは反乱を起こそうとするものの、トマスの剣に倒れ、アヴィラ神父は、手がかりの目印を探して命を落とす。
__________

トミーは本を読みながら眠ってしまい、目が覚めると、イジーが博物館に行ったことを知る。

イジーは、トミーにマヤの創造神話を説明するが、その場で倒れてしまう。

病院に運び込まれたイジーは、満たされた気持ちになり、もう死を恐れないことをトミーに告げ、彼は諦めずに研究に戻る。

イジーの元に戻ったトミーは、彼女から本の最終章を完成させることを頼まれる。

やがてイジーは、心肺停止状態になり、病室から出されたトミーに、猿の腫瘍の増殖が止まったことが知らされる。

しかし、トミーの思いも届かず、イジーは彼の目の前で息を引き取る。

イジーの葬儀で、トミーはグゼッティ博士に、”死は病気の一つで治療法はあるはず、私はそれを必ず見つける。”と語り、その場を立ち去る。
__________

宇宙をさ迷うトム・クレオ(ヒュー・ジャックマン)は、死にかけている木を収納する球体の宇宙船で、金色の星雲へと旅立つ。

トムは瞑想し、木の樹液の合成物によって若がえるのだが、イジーの幻影にとり憑かれてしまう。

そしてイジーは、トムに本を完成させようとする。

トマスは、”聖なるピラミッド”に接近するが、マヤの戦士に襲われてしまう。

そこにトムが現れトマスを救い、そして彼は、ついに泉にそそり立つ木にたどり着く。

木の樹液を、戦士から受けた傷口に塗ったトマスは、それが見事に消え去るのを見て口に含むが、体内から草木が生え始め、トマスは土に一体化してしまう。

トマスがイザベラ女王から預かった指輪を見つけたトムは、死にかかっていた木が息を吹き返し、生まれ変わることを知る。

イジーはその木の実をとりトミーに渡し、彼はそれをイジーの墓の傍らに埋めて、彼女に本の完成を約束して別れを告げる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
医師トミー・クレオは、脳腫瘍の癌細胞増殖を抑える動物実験に失敗する。
しかしトミーは、グアテマラにある木の幹から採った物質を試し実験を続ける。
医学的問題を抱えた実験に、批判的な意見があるものの、癌に侵された妻イジーのためトミーは研究に没頭する。
マヤの人々が、”死者が甦る場所”と言った星雲についてを本にしているイジーは、それをトミーに読ませようとする。
16世紀のスペインイザベラ女王は、南米にある、永遠の命を得られるという、木の樹液を探し出すため、遠征隊長のトマスにそれを命ずるという物語の完成を、イジーはトミーに託すのだが・・・。
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鬼才ダーレン・アロノフスキーの、斬新且つ幻想的な作風が特徴の異色作であり、過去、現代、未来の物語が複雑に絡み合う、やや難解な内容でもある。

当初は、2002年に7000万ドルの製作費でブラッド・ピットケイト・ブランシェット主演で製作される予定の作品だった。
しかし、ブラッド・ピットが役を降りたために、ヒュー・ジャックマンが起用された。
そしてダーレン・アロノフスキーは、当時のパートナーであるレイチェル・ワイズをヒロインに決めたという経緯がある。

永遠の生命、死、そして癒される現実を、神秘的な映像と重厚なテーマで丁寧に仕上げてはいるが、批評家、観客の評価はかなり低く、商業的には失敗に終わってしまった作品でもある。

製作費 $35,000,000
北米興行収入 $10,139,250
世界 $15,978,420

苦悩する、3人の男を演ずるヒュー・ジャックマンは、肉体派のイメージを封印し、ほとんど笑みを浮かべず、殺気立つほどの熱演を見せてくれる。

呆気なく息を引き取る妻と、イザベラ女王役のレイチェル・ワイズも、実力派らしく、各物語で見事に演技を使い分けている。

主人公二人を温かく見守る医師で、大ベテランのエレン・バースティンマヤの秘密の短剣を見つける神父マーク・マーゴリス、遠征隊の士官クリフ・カーティスなどが共演している。


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