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ファイナル・カウントダウン The Final Countdown (1980)

真珠湾攻撃の前日にタイムスリップしてしまったアメリカ海軍の空母”ニミッツ”の混乱を描く、監督ドン・テイラー、主演カーク・ダグラスマーティン・シーンキャサリン・ロスジェームズ・ファレンティノチャールズ・ダーニング他共演のSF映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:ドン・テイラー

製作:ピーター・ビンセント・ダグラス
製作総指揮:リチャード・R・セント・ジョン
脚本
デイヴィッド・アンブローズ

ピーター・パウエル
ゲイリー・デイヴィス
トーマス・ハンター
撮影:ヴィクター・J・ケンパー
編集:ロバート・K・ランバート
音楽:ジョン・スコット

出演
マシュー・イーランド艦長:カーク・ダグラス

ウォーレン・ラスキー:マーティン・シーン
ローレル・スコット:キャサリン・ロス
リチャード・T・オーウェンス中佐:ジェームズ・ファレンティノ
サミュエル・チャップマン上院議員:チャールズ・ダーニング
ダン・サーマン中佐:ロン・オニール
カウフマン:ロイド・カウフマン
シムラ:スーン=テック・オー
ペリー大尉:ジェームズ・コールマン

操舵手:ピーター・ダグラス
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1980年製作 103分
公開
北米:1980年8月1日
日本:1980年7月5日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $16,647,800
世界 $56,647,800


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1980年、ハワイ真珠湾
空母”ニミッツ”に乗艦する、国防総省と造船したタイドマン社の要請で派遣された民間人オブザーバー、ウォーレン・ラスキー(マーティン・シーン)は、タイドマン社長の見送りを受ける。

タイドマンは車の中から、ラスキーが”ニミッツ”に乗艦するためヘリコプターで飛び立つのを見守る。

ニミッツ”。
ラスキーは、副長ダン・サーマン中佐(ロン・オニール)に迎えられデッキに案内される。

F-14”で帰艦した飛行長リチャード・T・オーウェンス中佐(ジェームズ・ファレンティノ)は天候を気にする。

ラスキーは、艦長マシュー・イーランド(カーク・ダグラス)を紹介され、やはり天候のことを話す。
...全てを見る(結末あり)

イーランドは、タイドマンの要請で2日出航が遅れたことを不満気にラスキーに語る。

その後、一日中晴天という報告を受けていたイーランドは、天候が激変したため天気図を確認する。

部屋に案内されたラスキーは、オーウェンスと続き部屋だったために、彼のデスクにあった資料を見てしまう。

オーウェンスは、太平洋戦争についてを詳しく調べていた。

そこにオーウェンスが戻り、ラスキーが、自分のデスクの資料を見ていたため不信感を抱く。

その後オーウェンスは、悪天候のため帰艦しない一機と連絡が取れないことをイーランドに報告する。

気象担当者を呼んだイーランドは、予報とレーダーの反応が食い違っていることを知らされ、駆逐艦を帰港させる。

帰艦機が緊急事態となり、甲板ではバリケードが設置されるが、ニミッツは高周波の渦に吸い込まれてしまう。

やがて渦と悪天候は収まり、イーランドは帰艦機が確認できないことを知り戦闘配置につかせる。

その後、現れた機は無事に着艦するが、パイロットは気を失っていた。

イーランドは、周辺にいるはずの駆逐艦と連絡が取れないことを知らされ、オーウェンスに近海及び”真珠湾”の偵察を命ずる。

通信は途絶え、暗号のようなものだけが傍受され、それが旧式のものだということをサーマンは知らされる。

乗組員は混乱し、イーランドは士官を集め、ラスキーも同席させる。

イーランドは、核攻撃による戦争の可能性を否定せず、部下からの現状の報告を受け、ラスキーの意見を聞く。

オーウェンスは、部下に命じた偵察で”真珠湾”上空の状況を知り、見かけない船を確認したことなどをイーランドに伝える。

奇妙なラジオ放送なども確認したイーランドは、オーウェンスに哨戒を命じ、戦闘配置を第三警戒態勢に変更してブリッジに戻る。

その後、哨戒のため”F-14”二機が発艦して偵察機が戻る。

ハワイ沖。
ルーズベルト大統領の演説をラジオで聞いていた上院議員サミュエル・チャップマン上院議員(チャールズ・ダーニング)と秘書ローレル・スコット(キャサリン・ロス)らは、上空を横切る見たこともない戦闘機(キャサリン・ロス)に驚く。

イーランドは、アメリカ人のものと思われる旧式ヨットを確認したという”F-14”からの報告を受け、ラジオから流れる40年近く前の出来事を伝える放送に驚く。

その後、極秘作戦か国防総省による監視プログラムに、ラスキーが絡んでいるのではというサーマンの意見をイーランドは退ける。

ヨーロッパの戦況を伝える放送を聞いたイーランドは、偵察機の”真珠湾”上空からの写真を見て驚く。

イーランドは、無傷の戦艦”アリゾナ”を確認しラスキーを呼び寄せる。

オーウェンスに意見されて気分を害していたラスキーだったが、イーランドに、何かを隠しているのではないかと問われる。

イーランドから”真珠湾”の写真を見せられたラスキーは、太平洋戦争について詳しいオーウェンスに、話を聞くべきだと助言する。

オーウェンスは、自分の資料の博物館所蔵の”アリゾナ”の写真と、偵察機が撮ったものが同じことを確認して驚き、それが、1941年12月6日の写真であることをイーランドに伝える。

空中給油を終えた”F-14”は、未確認機が日本の”零戦”だったことをイーランドに報告する。

イーランドは、自分達が1941年にいると何者かが思わせようとしているのではないかと話し合うのだが、ラスキーは、これが現実であり、タイムスリップも考えられると伝える。

その頃チャップマンのヨットは、”零戦”の攻撃を受けて死亡者をだし、”F-14”はその様子を報告する。

イーランドは、当時の日本の機動部隊の位置をオーウェンスに確認する。

チャップマンはローレルと船員と共にヨットを捨てるが、”零戦”は攻撃を加えて船は沈没する。

生存者三人が確認されるが、イーランドは、戻ってくる”零戦”への攻撃許可を与えず、威嚇するよう命ずる。

船員は攻撃を受けて殺され、”F-14”は”零戦”に接近する。

敵の機動部隊が近づいていることを知ったイーランドは、”F-14”に”零戦”への攻撃を命じて、二機は撃墜される。

日本の機動部隊は確認され、チャップマン、ローレル、そして愛犬は救出される。

現場に向かったオーウェンスは、救助したのがチャップマン上院議員だと知る。

生存していた”零戦”のパイロットも救出されて”ニミッツ”に向かい、最新鋭の戦闘機などを見て驚く。

日本軍による”真珠湾攻撃”の直前にタイムスリップしたことを認めざるを得なくなったイーランドは、今後の対策を考える。

サーマンは攻撃を仕掛けるべきだと提案するが、ラスキー、その場合の歴史の矛盾を指摘し、オーウェンスはそれを変えるべきでないことを主張する。

イーランドは、アメリカ側が攻撃を受けたことを確認した場合には、過去も未来も考えずに戦闘を始めることを伝える。

日本人パイロットのシムラ(スーン=テック・オー)は、質問に対して何一つ答えようとしない。

チャップマンは、自分の地位を信じずに艦長に会わせないことで不満を抱く。

ラスキーはオーウェンスの資料を確認して、副大統領になる可能性のあったチャップマンが、1941年に行方不明になったことを知っていたことについて彼を追求する。

歴史を変えるべきではないと言ったオーウェンスが、それとは逆の行動をとったことを非難したラスキーは、チャップマンに会おうとする。

オーウェンスは、ラスキーをチャップマンの部屋に連れて行くが、ローレルの愛犬が逃げた騒動の隙に、シムラが銃を奪い兵士を射殺する。

シムラは艦長に会うことを要求し、イーランドは電話で彼の話を聞く。

イーランドは、人質を殺すと言われたため、無線を使わせろというシムラの要求を呑む。

無線室に向かおうとしたシムラは、ローレルに銃を向ける。

オーウェンスは、ラスキーとイーランドの指示を受け、翌日に起きる”真珠湾攻撃”のことをシムラに伝える。

機動部隊の戦力や行動、そして攻撃の暗号名まで知っていることをオーウェンスから聞いたシムラは驚く。

動揺したシムラが銃を降ろした瞬間、彼は銃撃されて死亡する。

オーウェンスは、混乱するローレルに、今は何も聞かないでほしいことを伝えて落ち着かせる。

チャップマンは現れたイーランドに、攻撃の情報を”真珠湾”に連絡するよう要求する。

イーランドは、複雑な状況であることを伝えながら、自分の部屋で対応することをチャップマンに約束する。

チャップマンは”真珠湾”に連絡するが、自分の置かれている状況を話しても全く信じてもらえない。

真珠湾”に向かう意向のチャップマンに対し、それを許可したイーランドだったが、ルーズベルトの死により大統領になる可能性がある彼を戻すことに、ラスキーは意見する。

イーランドはそれを退け、チャップマンをどこかの島に降ろしてくるようオーウェンスに命じ、攻撃開始前に戻るよう付け加える。

同行しようとするラスキーを制止し、オーウェンスは、チャップマンとローレルを伴いヘリで飛び立つ。

イーランドは全乗組員に対して現状を説明し、今日が1941年の12月7日だということを伝え、惨敗した過去とは同じにならないことを確認して戦闘準備を整える。

島に着いたチャップマンは、そこが”真珠湾”でないことを知り、フレアーガンを奪いパイロットを脅して飛び立つ。

オーウェンスは、ヘリにしがみつくものの海に落下してしまい、ローレルと共に島に取り残される。

乗員が抵抗したため、チャップマンは銃を暴発させてしまい、ヘルは爆破墜落する。

報告を受けたイーランドは、時間がないために捜索は諦め、攻撃機を発艦させる。

ローレルは装備品を確認し、オーウェンスらが約40年後から来たことを知り、無数の”零戦”が”真珠湾”に向かうために上空を飛ぶ姿を見る。

その頃、再び気象の変化が起き、攻撃機は敵機に近づく。

イーランドは気象の激変により攻撃機を帰艦させようとするのだが、ラスキーは、歴史を変えるチャンスだと主張する。

それを無視して、イーランドは攻撃機に帰艦命令を出す。

ニミッツ”は再び電磁波の渦に巻き込まれ、日本軍は”真珠湾”を攻撃する。

イーランドは、現代に戻った”ニミッツ”に攻撃機が帰艦したことを確認する。

真珠湾”。
ニミッツ”は入港し、イーランドは提督を迎えて、姿を消したことに対しての説明を求められる。

ラスキーは、戻らなかったオーウェンスのことを考えながら、ローレルの愛犬と共に船を降りる。

イーランドに感謝して別れを告げたラスキーは、犬が吠えていることを気にして、現れたタイドマン社長のリムジンに近づく。

犬は車に向かい、ラスキーは、車内のタイドマンと妻に対面して驚く。

ラスキーは、オーウェンス中佐とローレルに迎えられ、車内で話を始める。

オーウェンスは、積もる話があるとラスキーに伝える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1980年、ハワイ沖。
空母”ニミッツ”に、国防総省の依頼で派遣された民間人オブザーバーのラスキーが乗艦する。
その後の気象の激変により、”ニミッツ”は電磁波の渦に巻き込まれてしまう。
艦長のマシュー・イーランドは、通信が途絶え周辺の状況が変化したことに気づき、飛行長オーウェンス中佐に、周辺と”真珠湾”の偵察を命ずる。
オーウェンスの指示を受けた偵察機は、旧式のヨットと、見慣れぬ船を”真珠湾”で目撃する。
ラジオからは過去の出来事などが放送されたために戸惑うイーランドは、偵察機の撮影した戦艦”アリゾナ”が、無傷のまま”真珠湾”にいることをラスキーに知らせる。
太平洋戦争を研究しているオーウェンスは、博物館の”アリゾナ”の写真と、偵察機が撮ったものが同じだということに気づき驚く。
その後、ヨットに乗っていた、副大統領候補になる可能性があるチャップマン上院議員が、日本の”零戦”の攻撃を受ける。
その様子を偵察機の報告で知ったイーランドは、自分達が”真珠湾攻撃”の前日にタイムスリップしたことに気づくのだが・・・。
__________

最新鋭兵器を搭載した巨大空母”ニミッツ”が、過去に戻り、”真珠湾攻撃”に遭遇するという想定がまず面白い。

歴史に介入するべきか迷う当事者の様々な考えも興味深いのだが、結局はアメリカは戦争には勝つ訳で、問題は、”真珠湾攻撃”の屈辱を味わうことを回避する攻撃に出るかがポイントということになる。

俳優でもあるドン・テイラーは、その辺りもなかなかうまい演出で観る者を楽しませ、結果的には歴史は変わらなかったということになるのだが、ラストで思わぬ展開が待っている。

その結末は、物語に大きく影響することはないため、それを知っていても十分に楽しめる仕上がりにはなっている。

とにかく、国防総省アメリカ海軍全面協力による臨場感ある映像や、”F-14”と”零戦”の空中戦などは必見!!
*”零戦”は”T-6 テキサン”、改造レプリカなどを使用。

スケール感のあるジョン・スコットの音楽も印象に残る。

緊迫する状況下で、時に見せるユーモラスな表情がいい、艦長のカーク・ダグラス、民間人オブザーバーのマーティン・シーン上院議員役チャールズ・ダーニングの秘書キャサリン・ロス、飛行長ジェームズ・ファレンティノ、副長のロン・オニール、乗員のロイド・カウフマンジェームズ・コールマン、”零戦”パイロットのスーン=テック・オーなどが共演している。


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