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エミリー・ローズ The Exorcism of Emily Rose (2005)

1976年に西ドイツで起きたアンネリーゼ・ミシェルの保護責任者遺棄致死事件をモチーフにして製作された作品。
悪魔祓いの儀式で死に至らしめたと判断された神父と弁護士の真実の追及を描く、監督、脚本スコット・デリクソン、主演ローラ・リニートム・ウィルキンソンキャンベル・スコットジェニファー・カーペンター他共演の法廷ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:スコット・デリクソン

製作
ポール・ハリス・ボードマン
ボー・フリン
製作総指揮
アンドレ・ラマル
テリー・マッケイ
デヴィッド・マックイルヴェイン
ジュリー・ヨーン
脚本
ポール・ハリス・ボードマン
スコット・デリクソン
撮影:トム・スターン
編集:ジェフ・ベタンコート
音楽:クリストファー・ヤング

出演
エリン・クリスティン・ブルナー:ローラ・リニー
リチャード・ムーア神父:トム・ウィルキンソン
イーサン・トマス:キャンベル・スコット
エミリー・ローズ:ジェニファー・カーペンター
カール・ガンダーソン:コルム・フィオール
ジェイソン:ジョシュア・クローズ
ブリュースター判事:メアリー・ベス・ハート
ブリッグズ博士:ヘンリー・ツェニー
サディラ・アダニ博士:ショーレ・アグダシュルー
ミュラー博士:ケネス・ウェルシュ
カートライト医師:ダンカン・フレイザー
レイ:J・R・ボーン
ジュリー・フォアマン:ロレーナ・ゲイル
マリア・ローズ:マリリン・ノリー

アメリカ 映画
配給 スクリーン・ジェムズ
2005年製作 119分
公開
北米:2005年9月9日
日本:2006年3月11日
製作費 $19,000,000
北米興行収入 $75,072,450
世界 $144,216,470


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
大学生のエミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)が亡くなり、検死の結果、リチャード・ムーア神父(トム・ウィルキンソン)が過失致死罪に問われて逮捕される。

宗教感も考慮された結果、本件の主席検事をイーサン・トマス(キャンベル・スコット)が担当することになる。

上司カール・ガンダーソン(コルム・フィオール)からムーアの話をされたエリン・クリスティン・ブルナー(ローラ・リニー)は、司法取引を拒否している彼の弁護を、昇進を条件に受ける。

悪魔祓いをしたことで話題になっているムーアの弁護は、教会の要請だった。

ムーアに会ったブルナーは、これまで通り国選弁護人に任せると言われるが、手強い検事トムスに対抗するのは難しいことを伝える。
...全てを見る(結末あり)

エミリーについて自分しか語れないことがあると言うムーアは、弁護を依頼した場合に、その件を証言させてもらえるかを確認する。

それを約束したブルナーは、自分の弁護には口出しをしないように伝えて、ムーアはそれに納得する。

エミリーの家を訪ねたブルナーは、母親マリア(マリリン・ノリー)に会う。

ブルナーは、エミリーに変化が起きた時の話をマリアから聞く。
__________

エミリーは、奨学金で大学に行けることをマリアに知らせて喜ばせる。
__________

その夜、バーでトマスに話しかけられたブルナーは、”保護指導の遺棄”の罪でムーアを郡拘置所に12か月拘留されるという、新たな司法取引を提示される。

ムーアなら6か月で出られるが、断れば極刑で争うとトマスはブルナーに伝える。

ブルナーは、ムーアは取引に応じる気はなく、法廷で会うことを楽しみにしていると答える

帰宅して眠ったブルナーの腕時計は、午前三時ちょうどに止まる。

翌日、裁判は始り、ブルナーは、腕時計が三時で止まっていることに気づく。

冒頭陳述を始めたトマスは、エミリーの症状を手の施しようがないと判断したムーアが、宗教的な側面を考慮して悪魔祓いを行い、化学的治療を一切止めさせたことが彼女の死につながったと話す。

元気だったころのエミリーと死亡時の写真を陪審員に見せたトマスは、19歳で亡くなった彼女の死を悼み、彼女を忘れないでほしいと語る。

続くブルナーは、予定通り、最初の直接人尋問まで陳述を待つことを、判事のブリュースター(メアリー・ベス・ハート)に伝える。

ローズ家の主治医に証言させたトマスは、大学の寮に電話をしてくれと言われた際のことを聞く。

眠っていたエミリーは午前三時に目覚め、焦げ臭いことに気づき部屋を出る。

勝手に開け閉めしているドアを閉めたエミリーはベッドに戻るが、テーブルからペン立てが落ちて毛布もずり落ちる。

体の自由がきかなくなりベッドに押さえつけられたエミリーは、動けるようになった後で取り乱し、部屋から飛び出す。

大学病院の神経科部長であるミュラー博士(ケネス・ウェルシュ)は、寮で起きた出来事についてトマスに意見を求められる。

当初はドラッグのせいかと思ったミュラーは、脳の電気的活動が抑制できない発作であると判断した。

検査の結果、ミュラーは脳に病巣さしきもの発見して、ガンバトロールという薬を処方し、定期検診と検査を勧めたのだが、エミリーは治療を中断したということだった。

その理由をトムスに聞かれたミュラーは、エミリーがムーアに霊の問題だと言われたからだと答える。

ミュラーは、その結果エミリーが死に至ったと話す。

ブルナーは異議を申し立てるが、ブリュースター判事は、専門家の意見として採用することを伝える。

病巣らしきものという表現は薬を止める条件にもなると言うブルナーは、症状はあったと答えるミュラーに、物が動くのを見たり体に圧力を加えられたりするのが、その症状なのか尋ねる。

違うと言うミュラーに、精神障害だと認めさせたブルナーは、それとその疾患が違うとも答える彼に、他の疾患を示唆する病状は無視し発作だと判断するのかと問う。

屁理屈だと言うトマスに、撤回すると答えたブルナーは質問を終える。

監房でムーアに会ったブルナーは、今回の件には裏で大きな力が動いていると言われる。

悪魔は必ず存在すると言うムーアは、攻撃される可能性をブルナーに伝える。

助言は受け入れるが、検察側の医学的な質問に備える必要があるとブルナーは語る。

ブルナーは、その後エミリーの身に起きたことについてをムーアから聞く。

検査と診察のために大学病院に送られたエミリーは、寮では抵抗したものの、その場でとり憑かれたということだった。

エミリーの恋人ジェイソン(ジョシュア・クローズ)からその件を聞いたブルナーは、症状は悪くなる一方で、彼女が幻覚などを見続けたことを知らされる。

見捨てないでほしいと言われたジェイソンは、エミリーの最期まで傍にいたことをブルナーに伝える。

それは悪夢と言える体験だったが、ジェイソンは忘れたくないと話し、今まで感じたことがない感覚だったと付け加える。

その夜、ブルナーは、直前に自分が弁護した男が、再び殺人を犯したということを知り動揺する。

午前三時。
ベッドで目覚めたブルナーは、焦げ臭いことに気づきキッチンに向い、それを確かめる。

突然、照明が消えて、水を飲もうとしたブルナーは、何かの気配を感じてコップを落してしまう。

寝室に戻ったブルナーは、ベッドに入り眠る。

同じ頃ムーアは、1~6までの数字を聞き、何かを感じたために祈りを捧げる。

翌朝、法廷に遅れて現れたブルナーは、ブリュースター判事に注意される。

ジョンズ・ホプキンス大学で医学と精神医学、そして神経学の博士号を取得したブリッグズ博士(ヘンリー・ツェニー)は、トマスの質問を受けて検死報告についての説明をする。

エミリーの死因は、身体機能が徐々に停止に至ったためで、栄養失調と身体外傷を負い、餓死寸前の体が傷を回復させる能力なかったからだと語る。

外傷は、発作で暴れた際に自分でつけたものであり、挿間性精神障害を引き起こしていた可能性をブリッグスは指摘する。

ガンバトロールを服用し続けていれば、症状は改善していただろうと言うブリッグスは、早期の治療を施せば死の病ではないと語る。

そのガンバトロールの効果は推定であり、挿間性精神障害が持論だということをブリッグスに認めさせたブルナーは、有効な手段を尋ねる。

ブルナーは、精神安定剤を使い無理にでも食事をさせ、必要であれば電気療法を試みるとブリッグスに言われる。

ブリッグスは、命を守るためなら本人が拒んでも行ったと伝える。

休廷となり、遅れたことをムーアに謝罪したブルナーは、停電であまり眠っていないと伝えるが、巻き込まれたと言われる。

霊の戦いだと言うムーアは、ブルナーに警告してその場を去る。

その夜、同僚のレイ(J・R・ボーン)が用意した魔力に関する書籍を調べたブルナーは、法廷で悪魔憑きを立証する考えを伝える。

ブルナーは、著書の作者サディラ・アダニ博士(ショーレ・アグダシュルー)に事件簿を送るようレイに指示する。

翌日ブルナーは、エミリーは病気ではなく、悪魔にとり憑かれていたと陪審員に対して話し、悪魔祓いが唯一の方法だったことを伝える。

ムーアは、エミリーと家族が求める方法を行っただけだとブルナーは付け加える。

ガンバトロールを飲んでも効果がなかったエミリーは、空腹ではあっても、悪魔が邪魔をして食べさせてくれなかったと、ジェイソンが証人として証言する。

エミリーが悪魔にとり憑かれていたと断言するジェイソンは、ベッドから離れ体を捻じ曲げて硬直する彼女を、父親と共に自宅に運んだ。

証言したエミリーの父親ナサニエルは、娘は大学に戻ることなく、教区のムーア神父に連絡したことを話す。

虫を食べて自分を痛めつけるエミリーを、ナサニエルと共に抑え込んだムーアは、彼女にとり憑く悪魔と話す。

エミリーが精神障害とは思えないかとトマスに聞かれたナサニエルは、自分もムーアもそうは思わなかったと答え、彼を信じ全てを任せたと伝える。

ノースウエスタン大学で人類学と精神医学を教えるアダニ博士を証人として呼んだブルナーは、様々な霊体験を調べている彼女から、悪魔憑きについての意見を聞く。

エミリーが悪魔に憑かれた理由を聞かれ、感覚過敏症だったと思われると答えたアダニは、彼女が未来を予言し死者を見たりした可能性などを語る。

トマスは、少女が亡くなった事実を考えると、このような話を聞いているのは不謹慎だと言って異議を申し立てる。

判事席に呼ばれたブルナーとトマスは、医学的な意見は十分に聞いたので、被告の主張と悪魔憑きの専門家の話を聞く番だとブリュースターに言われる。

ブリュースターに感謝したブルナーは、なぜエミリーの悪魔祓いが失敗したのか、アダニに意見を求める。

ガンバトロールの服用による医学的治療のせいだと答えるアダニは、それによりエミリーの脳が陶酔し、悪魔祓いのショックに反応しなかったとの見解を述べる。

ブルナーは質問を終える。

裁判所の外で休んでいたブルナーは、悪魔祓いの儀式の際に、カートライト医師(ダンカン・フレイザー)が同席していたことをレイから知らされ、その件を黙っていたムーアを非難する。

ムーアは、本人に内緒にしてくれと言われ、それを約束していたと答える。

カートライトに会ったブルナーは、ムーアを助けたかったと言う彼に証言を要請する。

エミリーが統合失調症や発作などではないと言うカートライトは、今まで体験していなかった怖さを感じたことをブルナーに伝える。

カートライトは、エミリーは正気であり、自分の中にいる何かを自覚していて、操られている時以外は完全に普通であったことを話す。

証言することを約束したカートライトは、逮捕される前にムーアから預かったテープをブルナーに渡し、これからは重荷になるだろうと伝える。

立去ろうとするカートライトに、ムーアから医療の助けを求められたかを尋ねたブルナーは、自分にできることはなかったと言われる。

カートライトが証言してくれることをムーアに伝えたブルナーは、自分しか話せないエミリーのことを、いつ証言させてくれるのかと彼に聞かれる。

”攻撃”についても聞かれたブルナーは、ブリッグスの話の後で落ち込み、街を歩いていた際に、自分のイニシャルの入った落ちていたロケットを見つけたことを話す。

信じ難いことで何かを感じたと言うブルナーに、それをつけるように指示したムーアは、教会が証言を望んでいないことを知らされる。

カートライトの証言と合わせれば検察側の主張を覆せると判断したブルナーは、ムーアの希望を聞くことを伝える。

午前三時。
数字を数える声で目覚めたブルナーは、再生されていたカートライトから渡されたカセットテープを止める。

翌日、証言台に座ったムーアは、悪魔祓いの許可を教会から得た直後に、午前三時に目覚め、焦げる臭いに気づき、悪魔の行動を確認して祈りを捧げたと語る。

トマスがその件について質問した後、ブルナーは、ハロウィンに合わせたように悪魔祓い始めたことについてムーアから話を聞く。

霊が活発になるために、誘き出せるかと思ったと答えるムーアは、悪魔祓いを録音したテープをブルナーに提示される。

それが証拠品として認められ、ブルナーは、ムーアにテープを再生させる。

ローズとジェイソンそしてカートライトが悪魔祓いに立ち合い、エミリーを拘束して、ムーアは儀式を始める。

悪魔は抵抗し、エミリーは拘束を逃れて窓ガラスを突き破って納屋に向い、ムーアらはそれを追う。

エミリーを捕えたムーアは、彼女に憑いている者に名を名乗らせようとする。

一人ではないと言う悪魔は、1から6までの数字を口にする。

カイン”、”ユダ”、”ルシファー”らの名前を口にしたエミリーは気を失う。

儀式は失敗したと言うムーアは、エミリーのその後の異常な行動を話し、次の悪魔祓いは、本人が拒んだためにできなかったことを伝える。

食事ができないエミリーの医学的治療は続けたと言うムーアは、ガンバトロールの服用は止めさせようとしたことは認める。

エミリー本人から薬が効かないと言われたムーアは、医学的治療を止めて、信仰に頼るしかないと判断したことを語る。

テープに細工をしていないことをムーアに確認したブルナーは、質問を終える。

トマスは、超自然現象の信憑性をムーアに確認し、テープに録音されていた二重の声の言語”アラム語”を知らないはずのエミリーが、それを学んでいたのではないかと問う。

学んだ可能性があると答えるムーアは、他の言語も高校で専攻したとトマスに言われ、テープの言葉を彼女が全て学んだと思われると指摘される。

人間が二組の声帯を持ち同時に使うことも可能だとトマスに言われたムーアは、自分が確認した黒い影の悪魔の存在を証明するよう追及される。

ブリュースター判事は、ブルナーの異議申し立てを認め、トマスは質問を終える。

カートライトが遅れていることをレイから知らされたブルナーは、ブリュースターに休廷を求め、それが認められる。

レイからカートライトとの連絡がつかないと言われたブルナーは、街角で怯える彼に出くわす。

悪魔は確かにいると言うカートライトは、何かを目撃して動揺し、ブルナーの目の前で車に轢かれて死亡する。

ショックを受けたブルナーは、ムーアに証言させないという約束を破ったことでガンダーソン非難される。

弁護料を払っている教会から訴えられるのも必至な状況で、諦める気はないブルナーだったが、再びムーアに証言させた場合はクビだとガンダーソンに言われる。

カートライトの死を知らされたムーアは、エミリーについての残りの話を証言させることをブルナーに要求する。

無理だと言うブルナーを説得するムーアは、エミリーから受けとった手紙を渡し、彼女はそれを読む。

翌日、ブルナーはムーアに証言させ、手紙の件にも触れて、エミリーが悪魔に憑かれて死ぬことを神が許した理由を尋ねる。

それはエミリーが答えると言って、ムーアは手紙を読み始める。

儀式が失敗した後で寝室で眠ったエミリーは、自分を呼ぶ声で目覚めて家を出て草原に向い、それが聖母マリアだと気づく。

なぜ自分が苦しむのかを尋ねたエミリーは、悪魔はそこにいるのが定めで、望みでれば自分と来てもいいと聖母マリアに言われる。

その苦しみににより、人々が霊界の存在を知ると言われたエミリーは、このままでいいと聖母マリアに伝える。

自分の経験を通して人々は悪魔の存在を知るだろう、それを見せれば、神が死んだとは言えないはずだというエミリーの手紙を読みながら、ムーアは涙する。

その際に負ったエミリーの手足の傷を確認していたムーアは、超自然的なものを感じたかをブルナーに問われ、それが”スティグマータ/聖痕”だったと答える。

それ以降エミリーが儀式を拒んだのは、運命を受け入れたのだと思うと話すムーアは、それ以上の言葉を語ることはなかった。

トマスは、エミリーの手の傷は、家の敷地内に張られた有刺鉄線に触れたためにできたもので、ムーアは迷信を信じただけで、彼女は病気であり、明らかに医学的治療が必要だったと主張する。

真実とは疑問の余地を残さないことだと言うブルナーは、今回の件の唯一の真実は、ムーアのエミリーに対する愛であり、彼は全力で彼女を救おうとしたと語る。

ムーア神父を信じほしいと陪審員に語りかけたブルナーは、席に戻る。

判決は下され、陪審員代表のジュリー・フォアマン(ロレーナ・ゲイル)は、過失致死罪でムーアを有罪とする。

後日に量刑を言い渡すと告げたブリュースター判事は、ブルナーから、直ちに手続きを求めることを当初から主張していたムーアの意向を伝える。

発言がないことをムーアに確認したブリュースターは、フォアマンからの、今日で刑期を満了にしてはどうかという提案を聞き入れる。

ブリュースターは、有罪ではあるが釈放するとムーアに言い渡す。

ムーアはブルナーに感謝し二人は抱き合い、トマスは、その様子を見ながら退廷する。

バーで、勝ったのも同然だとガンダーソンから言われたブルナーは、昇進を提案されるもののそれを断る。

ムーアとエミリーの墓参りをしたブルナーは、一度、闇を見た者は教区には戻らない考えだと彼に言われる。

自分のことを聞かれたブルナーは、同じように見た闇が何だったのかは分からないと答える。

ムーアから、自分が考えた墓石の碑文”恐れおののき、自らの救いを達成しなさい”は”フィリピの信徒への手紙”からであり、亡くなる前夜にエミリーが暗唱したと言われたブルナーは、花をたむける。

今回の記録を整理したブルナーは、隠していた時計の時間表示を自分に向けて眠る。
__________

エミリーの予言通り、彼女の話は多くの人々を感動させて、その墓を世界中の人々が訪れる。

ムーア神父は隠遁生活に入り、神の問題は人には裁けないと考え、控訴はしなかった。

エリン・ブルナーは、ある人類学者に事件簿を提供して、その学者が研究を重ね、映画の原作となった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
大学生のエミリー・ローズが亡くなり、医学的治療を止めて悪魔祓いを行ったムーア神父が過失致死罪に問われて逮捕される。
教会の要請によりエリン・クリスティン・ブルナーが弁護を担当することになるが、司法取引も拒否したムーアは、エミリーのことを証言させることを条件に彼女の弁護を認める。
裁判は始り、検事のトマスは、エミリーには医学治療が必要であったことを証明しようとする。
自分にも悪魔の”攻撃”があると言われたブルナーは、それを感じながら、教会が望んでいなかったムーアの証言をさせる決意をするのだが・・・。
__________

日本では、悪魔祓いをメインとして描くオカルト・ホラー映画的な印象を与える宣伝がされたが、それは全く間違いで、本作は紛れもない法廷ドラマ。

1976年に西ドイツで起きたアンネリーゼ・ミシェルの保護責任者遺棄致死事件をモチーフにしているドラマであり、エンディングでも明記されるように、世界中に大きな影響を与えた有名な事件として知られている。

過失致死罪を問われる神父は、検事側に医学的治療を止めたことを追及されるものの、彼を悪人と見る観客は一人もいないはずで、それが、クライマックスの驚くべき判決につながる。

超自然的なものや他の何にせよ、苦難に立ち向かうのが人間だという力強いテーマを感じさせてくれる、スコット・デリクソンの演出手腕も光る。

上記のように、世界的に注目された事件を題材としていることもあり、北米興行収入は約7500万ドル、全世界では約1億4400万ドルのヒットとなった。

不可知論者と言う立場で、誠実な神父の考えを理解しながら接する弁護士を好演するローラ・リニー、信念を曲げずに、亡くなった女性のために自分を犠牲にする神父を重厚に演ずるトム・ウィルキンソン、辣腕検事のキャンベル・スコット、突然の異変で壮絶な死を遂げる大学生ジェニファー・カーペンター、その恋人ジョシュア・クローズ、主人公の上司コルム・フィオール、判事メアリー・ベス・ハート、エミリーの検死報告についての説明をするヘンリー・ツェニー、悪魔憑きについての意見を述べる学者ショーレ・アグダシュルー、エミリーの症状について説明するケネス・ウェルシュ、悪魔祓いに立ち会った医師ダンカン・フレイザー、主人公の同僚J・R・ボーン、陪審員代表のロレーナ・ゲイル、エミリーの母親マリリン・ノリーなどが共演している。


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