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北国の帝王 The Emperor of the North Pole (1973)

ただ乗りをする浮浪者とそれを阻止しようとする列車の車掌との戦いを描く、監督ロバート・アルドリッチ、主演リー・マーヴィンアーネスト・ボーグナインキース・キャラダイン他共演のアクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・アルドリッチ

製作総指揮:ケネス・ハイマン
製作:スタン・ハフ
脚本:クリストファー・ノップ
撮影:ジョゼフ・F・バイロック
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:フランク・デヴォール

出演
A・No.1:リー・マーヴィン

シャック:アーネスト・ボーグナイン
シガレット:キース・キャラダイン
クラッカー:チャールズ・タイナー
警官:サイモン・オークランド
ヤードレット:マット・クラーク
グレイ・キャット:エリシャ・クックJr.
ホッガー:マルコム・アターベリイ
コーリー:ハリー・シーザー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1973年製作 120分
公開
北米:1973年5月23日
日本:1973年12月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1933年、大恐慌の時代、オレゴン
ホーボー”と呼ばれる失業浮浪者は、列車を利用し各地に移動していたが、 それを阻止しようとする鉄道職員らがいた。

その中でも、19号列車の車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)は、ホーボー達をハンマーで容赦なく殴り殺す、サディスティックな男だった。

ホーボー達の間で”北国の帝王”と呼ばれ、19号列車に悠々と乗車してしまう男A・No.1(リー・マーヴィン)がいた。

ある日、A・No.1は、自分のニワトリを奪おうとした若者シガレット(キース・キャラダイン)を叩きのめして貨物車両に乗り込むが、彼もついて来てしまう。

それに気づいたシャックは二人を閉じ込めてしまい、生意気ではったり屋のシガレットをA・No.1は軽くあしらい、藁に火をつける。

シガレットは驚き、シャックがそれに対処しようとする隙に、A・No.1は貨物車両から脱出する。
...全てを見る(結末あり)

シガレットもそれに続くが捕らえられ、駅に着いた列車の火事を消そうと、職員達は大混乱となる。

シャックは、自分を嘲り笑うヤードレット(マット・クラーク)に言い寄り、火事を彼のせいにして怒鳴り散らす。

ヤードレットや職員らも、シャックの横暴さには手を焼き、彼を嫌っていた。

捕まったシガレットは、自分がシャックを出し抜き車両に乗ったと職員らに言い触らす。

ホーボー仲間達の元に向かったA・No.1もその話を聞き、自分が帝王だと証明するため、19号列車でポートランドへ行くと予告するメッセージを給水塔に書かせる。

職員らは、19号列車に、ただ乗りできる者がいるかどうかで賭けをしようとするが、そこに現れたシャックは、それを阻止すると豪語する。

シャックは、ただ乗りしたことを自慢気に話すシガレットを脅して、A・No.1の予告を知り、闘志を燃やす。

そして職員らは、A・No.1とシャックの勝負の賭けに熱中し、その隙にシガレットは逃亡する。

勝負は各地に知らされ、大規模な賭けとなるが、シャックはそれを尻目に、助手のクラッカー(チャールズ・タイナー)と共に警戒を始める。

そして、霧の中、シャックは列車を発車させ、ただ乗りを許さないために速度を上げる。

しかし、A・No.1は先手を打ち、線路の車線を変更してしまい、19号列車は、停車していた貨物車に衝突してしまう。

ホーボー達は、草むらからシャックをからかい牽制して、焦った彼は車両をバックさせて待避線に移す指示を出す。

しかし、車両に乗ったA・No.1が連結器を外してしまったために、シャックは、すれ違うはずの列車と正面衝突する危機に立たされてしまう。

シャックは、全速力で列車を走らせ待避線に逃れ、寸前で衝突を免れる。

A・No.1は、余裕を見せながら19号列車に乗り込み、シャックらの目を逃れる。

翌朝、シガレットも乗り込んでいることを知ったA・No.1は、蒸気で火傷した肩にグリースを塗る。

帽子が落ちるのを見たというクラッカーの言葉で、シャックは橋の上で列車を止めチェックを始める。

シガレットは橋に逃れ、既に退避していたA・No.1の元に向かい、列車の様子を窺う。

クラッカーが帽子を見てないと言い出したため、シャックは彼を怒鳴り散らしながら列車を発車させる。

A・No.1は、19号列車にはシガレットを乗せないと言い張り、彼を置き去りにして列車に戻る。

しぶとく後を追い列車に乗ったシガレットだったが、二人に気づいたシャックは、ロープに縛り付けた鉄棒で、彼らを痛めうけようとする。

シガレットは打撃を受け、A・No.1がそれを阻止して貨物車両をよじ登ろうとするが、二人は列車から落ちてしまう。

その後、線路にグリースを塗り後続の列車を止めた二人は、車両の屋根に上り、停車していた19号列車を追い越す。

セイラムで列車を降りたA・No.1は、七面鳥を盗もうとして警官(サイモン・オークランド)に見つかり、追われた二人はホーボーの集落に逃げ込む。

A・No.1は警官をからかって追い払い、彼がホーリネス運動の礼を受けている隙に、シガレットが服を盗む。

そしてA・No.1は給水塔に、19号列車でポートランドへ行くという予告メッセージを再び残す。

シャックは、不適な笑みを浮かべながら列車を出発させ、警戒しているように見せかける。

二人が列車に乗ったのを確認したシャックは、例によってロープに縛り付けた鉄棒でA・No.1を痛めつける。

しかし、シガレットはA・No.1を助けようとせず、彼は緊急ブレーキで列車を止めてしまい、そのショックでクラッカーは死に、機関助手コーリー(ハリー・シーザー)は大火傷を負う。

シガレットは、自分が”帝王”だとA・No.1を罵倒し、シャックが機関士ホッガー(マルコム・アターベリイ)に命令して列車を走らせる。

シガレットは列車に乗り込み、それに気づいたシャックはハンマーを手に彼に襲い掛かろうとするが、A・No.1が現れる。

A・No.1とシャックは、ハンマー、材木、チェーンに斧などを使い、凄まじい戦いを繰り広げる。

そして、A・No.1はシャックに止めを刺さずに、彼を車両から突き落としてしまう。

地面に落下したシャックは、尚も諦めようとせずに叫び続ける。

二人の戦いを見て興奮したシガレットは、手の平を返したようにA・No.1を称える。

A・No.1は、誇りも品格もない若造のシガレットを、車両から川に突き落とし、彼を罵倒し続ける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1933年、大恐慌の時代、オレゴン
失業浮浪者”ホーボー”達は、ただ乗りで列車移動していたが、鉄道職員のシャックは、それを阻止しようと、彼らを容赦なく殺していた。
そんな中、シャックの19号列車に乗ることで、彼に挑戦し続ける”北国の帝王”と呼ばれるA・No.1という男がいた。
A・No.1は、若造のシガレットに付きまとわれるが、彼はシャックに挑戦状を突きつけ、ただ乗りをしようとする。
やがて、A・No.1をライバル視するシガレットは、次第にその意気込みと根性を認められ始めるのだが・・・。
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”男臭い映画”という一言では済まされない、腕っ節の強い男達のとてつもない意地の張り合いと暴力的な描写、列車を使ったアクションとそれに絡んだ頭脳戦など、いかにもロバート・アルドリッチらしい豪快な作品。

サム・ペキンパーの監督作品として製作される予定だったが、その後ロバート・アルドリッチがメガホンをとることになった。

プライドの高い無賃乗車の常習知能犯と、憎しみだけで生きているような冷酷な車掌の、凄まじい戦いを単純に描き、ラストでは、頂点に立つ者の人間性を説く主人公の言葉も印象的な、痛快娯楽作に仕上がっている。

画面に登場しているだけでその迫力が伝わってくる、映画史上に残ると言っても過言でない、主演の二人が繰り広げるクライマックスの肉弾戦は見応え十分だ。

50歳手前のリー・マーヴィン、対する50代半ばのアーネスト・ボーグナインの迫力は、他の出演者が束になってかかってもかなわない程の雰囲気がある。
それにしても、スタントマンを使わない、列車上のアクション・シーンには驚かされる。

二人の足元にも及ばないが、特異なキャラクターで好演する若者キース・キャラダイン、車掌助手役のチャールズ・タイナー、機関士役のマルコム・アターベリイ、助手役のハリー・シーザー、警官サイモン・オークランド、鉄道職員マット・クラークエリシャ・クックJr..などが共演している。


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