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抜き射ち二挺拳銃 The Duel at Silver Creek (1952)

父親を殺されたガンマンと共に金鉱の採掘権を奪う強奪団を捕らえようとする保安官の戦いを描く、監督ドン・シーゲル、主演オーディ・マーフィスティーヴン・マクナリーフェイス・ドマーグスーザン・キャボットジェラルド・モーア他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ドン・シーゲル

製作:レナード・ゴールドスタイン
原作:ジェラルド・ドレイソン・アダムズ
脚本
ジョセフ・ホフマン
ジェラルド・ドレイソン・アダムズ
撮影:アーヴィング・グラスバーグ
編集:ラッセル・F・シェーンガース
音楽:ハーマン・スタイン

出演
ルーク・クロムウェル/シルヴァー・キッド:オーディ・マーフィ
ライトニング・タイロン連邦保安官:スティーヴン・マクナリー
オパール・レイシー:フェイス・ドマーグ
ジェーン”ダスティ”ファーゴ:スーザン・キャボット
ロッド・レイシー:ジェラルド・モーア
ジョニー・ソンブレロ:ユージン・イグレシアス
ラットフェイス・ブレイク:ジェームズ・アンダーソン
ピート・ファーゴ:ウォルター・サンデ
”ティンホーン”バージェス:リー・マーヴィン
ジム・ライアン:ジョージ・エルドリッジ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1952年製作 77分
公開
北米:1952年9月5日
日本:1959年11月3日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
金鉱で採掘権が強奪される事件が多発していた。

父と共に金塊を見つけたルーク・クロムウェル(オーディ・マーフィ)は、町に向かいそれを計ってもらおうとする。

それを知った採掘権強奪団のリーダー、ロッド・レイシー(ジェラルド・モーア)は、手下のビルとレニーに先回りさせる。

ルークは町に向かい、クロムウェルと話したロッドは、採掘権を1ドルで売ることを強要して銃を向ける。

待ち伏せされたルークは銃撃されて落馬するものの、銃の名手である彼はビルとレニーを射殺する。

銃声を聴いたルークは戻るが、父は殺された後だった。

強奪団を追ったルークは馬を撃たれてしまうものの、仕留めた一人がつけていたペンダントを確認する。

その後もロッドらの犯行は続き、今回は足取りがつかめそうな連邦保安官のライトニング・タイロン(スティーヴン・マクナリー)は、犯人を捕らえようとする。

捜索のために暫く町を離れるタイロンは、自分を慕うジェーン”ダスティ”ファーゴ(スーザン・キャボット)から鹿肉を受け取る。

自分が出かけることを喜んでいる様子の悪党ジョニー・ソンブレロ(ユージン・イグレシアス)と話したタイロンは、女癖の悪い彼にダスティには近づくなと警告する。
...全てを見る(結末あり)

タイロンは、捜索隊を率いて出発する。

強奪団に気づかれて銃撃されたタイロンは、傷を負いながら追跡するものの逃げられてしまう。

右肩を撃たれたタイロンは、治療のために砦の病院に運ばれ、捜索隊は町に戻る。

順調に回復するタイロンは、強奪団に撃たれた者が運ばれてきたことを知り、その場にいた看護師だったと言うオパール・レイシー(フェイス・ドマーグ)が介抱しようとする。

ところが、オパールは男の首を絞めて殺してしまい、部屋に入ってきた医師が死亡を確認する。

オパールと話したタイロンは、町に会社を開いた鉱山技師の兄に会いに行くことを知り、駅馬車で出発する彼女を見送る。

町では、かつて銃の名手として知られたタイロンの親友ダンが、雨の中、背後から撃たれて死亡する事件が起きる。

傷が癒えて町に戻ったタイロンはダスティに迎えられ、彼女の父ピート(ウォルター・サンデ)から、ダンが殺されたことを知らされる。

3日前に背後から撃たれたことを知りショックを受けるタイロンは、犯人を野放しにしていることに納得いかない。

ダスティから、その夜は大雨で証拠も残っていないと言われたタイロンは、金目当ての犯行であり、金塊が奪われたことを知る。

ジョニーを疑ったタイロンは、彼がまともな仕事に就いたことをピートから知らされるが、ダスティからは、自分が怪我をしたことを聞いて、大きな顔をしていたと言われる。

右手で銃は抜けても、傷のせいで引き金が引けないタイロンだったが、ダンを殺した犯人を捜そうとする。

ジョニーと話したタイロンは、事件の夜は5マイル先で働いていたと言われ、ウソならタダでは済まさないと伝える。

自分は足を洗ったが、一緒にいるラットフェイス・ブレイク(ジェームズ・アンダーソン)は保安官嫌いだと言われたタイロンは、銃を抜いて彼を脅し町を出ろと言って警告する。

鉱山会社に向かったタイロンは、その場にいたオパールと再会し、彼女の兄ロッドから、雇ったジョニーのことを聞こうとする。

ロッドが強奪団のリーダーだとは知らないタイロンは、ジョニーがダン殺しの容疑者であることを伝える。

事件の時にジョニーは自分といたと言うロッドは、”シルヴァー・キッド”が町に来た翌日、ダンが殺されたことをタイロンに話す。

情報提供に感謝したタイロンは、キッドが早撃ちだということをオパールから知らされる。

タイロンを警戒するダンから、彼に惹かれたのかと訊かれたオパールはそれを否定し、自分達の仕事は邪魔させないと伝える。

酒場に向かったタイロンは、バーテンダーのジム・ライアン(ジョージ・エルドリッジ)からキッドの話を聞き、二挺拳銃の腕前以上のギャンブラーであることを知る。

その場でポーカーをするキッド(ルーク)が、負けたことで因縁をつける”ティンホーン”バージェス(リー・マーヴィン)より先に銃を抜く様子を見ていたタイロンは、彼を連れて保安官事務所に向かう。

ダンを撃ったという噂があることをキッドに伝えたタイロンは、それを否定する彼の本名がルーク・クロムウェルで、故郷はサンタフェであることを知る。

町を出てまともに働けと忠告したタイロンは、ルークにその気がないことを知り保安官補にする。

右手のことが気になるタイロンは、銃の腕に自信があるルークに、ダンの事件が解決するまで用心棒になってほしいと伝える。

現れたダスティを紹介されたルークは、タイロンと共に彼女の家で食事をすることになる。

服を脱いだタイロンの傷を見たルークは、命拾いをしたが銃は撃てないことに気づく。

オパールから食事に誘われたタイロンは、先約があることを伝えて、後で寄ることを約束する。

食事をするダスティは、早々に済ませたタイロンがオパールに会いに行くことを知り、気落ちしながらルークに付き合う。

ジョニーとブレイクは、オパールが誘き出したタイロンを監視する。

殺人犯かもしれないルークを保安官補にしたことなどを訊かれたタイロンは、ジョニーを疑っているとオパールに伝える。

ジョニーはロッドといたと言われたタイロンは、いつでも抜け出して町に戻ることはできるし、ブレイクの可能性もあるとオパールに伝え、遅くなったので帰ろうとする。

ロッドが帰るまでいてほしいと伝えたオパールは、タイロンにキスする。

そこにロッドが戻り、タイロンはその場を去る。

銃撃されたタイロンはそれをかわし、現れたルークから、怪しい男を殴り倒したと言われ、奪った銃を渡される。

オパールとロッドは騒ぎに気づき、男がブレイクだと知ったタイロンは、ルークと共に彼を連行する。

ブレイクがしくじったことでまずいことになったロッドは、ルークに見覚えがあるとオパールに伝える。

ロッドは、ブレイクを留置場から救い出すことを考える。

治療を受けるブレイクが身につけていたペンダントが、父を殺した男のものと同じであることに気づいたルークは、それをタイロンに見せる。

それは強奪団の証だと言うタイロンは、以前、鉱山で働いていたルークから、採掘権を譲らなかった父親を殺されたことを知る。

逃げる強奪団の一人を殺し、その男が同じものを持っていたことをルークから知らされたタイロンは、ブレイクにダン殺しと仲間のことを白状させようとする。

強奪団がブレイクを救い出すはずだと考えたタイロンは、彼を洞窟に連れて行き拘束する。

それでも何も話そうとしないブレイクに、2日後には町の住人にこの場を教えると伝えたタイロンは、ダンを慕っていた者が来るはずだと言い残してその場を去る。

町に戻ったタイロンは、保安官事務所にいたダスティからブレイクの居場所を訊かれ、彼を捜しに来るはずのジョニーを追い払わなければならないと言われる。

心配いらないと伝えてダスティを帰したタイロンは、ジョニーか強奪団が来ることをルークに伝える。

ダスティに惹かれていたルークは、タイロンへの思いは叶わないと言って、自分の気持ちを伝える。

戸惑うダスティは、ルークの話を聞かずにその場を去る。

手下にダイナマイトを渡したロッドは、町でジョニーが揉め事を起こすので、その間にブレイクを連れてくるようにと指示する。

ジョニーは酒場で男たちを扇動し、留置場に皆が押し寄せることをオパールがタイロンに伝える。

現れたジョニーらからブレイクを引き渡せと言われたタイロンはそれを拒み、ブレイクが口を割ったところだと伝える。

ジョニーらは押し入ろうとするが、銃を構えたダスティが彼らを威嚇する。

そこにロッドが現れて説得し、納得したジョニーはブレイクの裁判を待つことにする。

その時、仕掛けられたダイナマイトで留置場の壁が爆破され、ブレイクは強奪団に連れ去られたと思われる。

明日、追跡することをロッドに伝えたタイロンは、説得してくれた彼に感謝する。

そこにダスティが現れ、ブレイクのことをピートに話しそうになったために、タイロンは真相を伝える。

手下と合流したロッドは、留置場が空だったことを知らされ、タイロンがブレイクを隠したと考える。

タイロンを騙してブレイクを取り戻すための考えがあるオパールは、家に戻ったら話すことをロッドに伝える。

警戒し事務所で眠らずにいたタイロンは、現れたオパールから、覆面の男たちがロッドを誘拐したと言われる。

ルークをその場に残したタイロンは、オパールと共に彼女の家に向かい、ダスティは二人を目撃する。

家を調べたタイロンは、怖がるオパールを抱き寄せ、何者かが来たことに気づく。

ルークだと気づいたタイロンは、手分けをして家の中を調べ、ジョニーが犯人ではないかと考えながらオパールを休ませる。

オパールの叫び声で部屋に戻ったタイロンは、その場にいたルークから、物音がしたと言われる。

クビだと言われたルークは、怪我の影響で右手に異常があるはずだとタイロンに伝えて、銃の引き金を引かせようとする。

解雇されたルークはその場を去り、二人の話を聞いていたオパールは、部屋に入ってきたタイロンの前でわざと宝石を落とし、彼の右手の動きが鈍いこと知る。

戻ってきたルークから、ドアにあったメモを受け取ったタイロンは、ロッドを人質に取ったのでブレイクと交換だという内容を確認する。

ブレイクは安全な場所に隠してあると言うタイロンは、ロッドだけを助けるとオパールに伝えてその場を去る。

ジョニーがブレイクを救うために、ロッドを利用したとも考えたタイロンは、ジョニーの家に向かう。

寝ていたジョニーを起こしたタイロンは、何も知らない様子であるために探りを入れる。

馬を調べたタイロンは、移動した様子がないことを確認し、ジョニーを疑ったのは間違いかもしれないと考える。

翌日、ピートに協力してもらい、馬の脚にニンニク水をすり込んだタイロンは、ブレイクを乗せて後から犬に追わせる考えをダスティに話す。

タイロンがルークをクビにしたことを知ったダスティは、ショックを受ける。

現れたバージェスから、酒場で待っているというジョニーの伝言を聞いたタイロンは、撃たれた傷のせいで引き金を引けないことを確かめたいとのことだった。

弱点を知られたタイロンだったが、酒場に向かうことをバージェスに伝える。

ルークと話したダスティは、ジョニーの元に向かうタイロンを止めてほしいと伝えるものの、彼の行動は惹かれているオパール次第なので、巻き込まれたくないと言われる。

去ろうとしたルークは、ダスティが自分に惹かれていることを知り思い留まるが、そこに現れたタイロンから、手のことをバラしたことを疑われる。

それを否定したルークは、ジョニーが決着をつけようとしていると言われ、タイロンに追い出される。

ダスティに止められるものの、逃げるわけにはいかないと言うタイロンは酒場に向かう。

それを知ったジョニーは通りに出てタイロンに近づくが、ルークがタイロンの腕を撃つ。

自分が代わりだと言うルークはジョニーを銃撃し、タイロンは、ダンを殺した犯人のことをジョニーから聞き出そうとする。

オパールが金塊を欲しがったと言う瀕死のジョニーは、彼女の宝石箱を確認しろとタイロンに伝える。

それを信じないタイロンに、手の怪我を教えたのもオパールであり、自分の女だと伝えたジョニーは息絶える。

ルークに謝罪したタイロンは、傷の手当てをしてオパールの元に向かい、彼女の宝石箱を調べる。

ダンの金塊を見つけたタイロンは、ジョニーからもらったと言うオパールに、ジョニーは死ぬ前にすべてを話したことを伝える。

手のことも話したか確かめたタイロンは、ダンを殺したのが、実はオパールの兄ではないロッドだったことを知る。

オパールらが強奪団だと知ったタイロンは、権利書を買い取っていたことを白状した彼女から、足を洗うと言われる。

そこに現れたルークから、ダスティが強奪団の元に向かったことを知らされたタイロンは、近道があると言うオパールと取引して、協力すれば逃がすことを約束する。

人を集めてダスティを追ったタイロンらは、強奪団のアジトに急ぐ。

ブレイクを連れてアジトに着いたダスティは、ロッドが無事だということを確認する。

人質だと思ったロッドがボスだと知ったダスティは驚き、そこにタイロンらが到着する。

オパールが裏切ったことを知ったロッドは、タイロンらを迎え撃つ準備をする。

解放されたオパールはロッドに撃たれ、銃撃戦が始まる。

小屋に飛び込んだルークは、その場にいた男を射殺して、拘束されていたダスティを助ける。

逃げたロッドを追ったタイロンは、左手に持った拳銃で応戦する。

残りの弾丸が1発だけとなり、背後に回ったタイロンはロッドを倒す。

観念した男たちは捕らえられ、小屋に入ったタイロンは、ルークとダスティがキスしていることを知る。

キッドではなくルークという名前を知ったダスティは、自分はジェーンだと伝える。

戻ってきたタイロンは、外で待っているがゆっくりでいいと、抱き合うルークとダスティに伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
金鉱で採掘権が強奪される事件が多発していた。
強奪団に襲われ父を殺されたガンマンでギャンブラーのルーク・クロムウェル/シルヴァー・キッドは、犯人を追うものの逃げられる。
強奪団を逮捕しようとした連邦保安官のタイロンは、捜索中に肩を撃たれてしまい、その後遺症で銃の引き金を引けなくなってしまう。
ギャンブラーのシルヴァー・キッドを町から追い出そうとしたタイロンは、彼にその気がないことを知り、保安官補にして協力させ、強奪団を捕らえようとするのだが・・・。
__________

多くの名監督の下で下積みを重ねキャリアを積みながら活躍していた、ドン・シーゲルの監督作品。

父親を殺されたガンマンと共に金鉱の採掘権を奪う強奪団捕らえようとする保安官の戦いを描く西部劇。

善と悪の戦いをシンプルに描きながら、傷を負いハンデを抱えた保安官が、それを補うためにガンマンを保安官補にする展開や、敵一味と気づかずに惹かれてしまう女性の陰謀に巻き込まれるなど凝った内容と共に、ドン・シーゲルのシャープな演出も見所の作品。

ガンマンでギャンブラーだが正義のために戦う男を演ずる人気絶頂のオーディ・マーフィが主演なのだが、物語の主人公は、悪に対し敢然と立ち向かう連邦保安官を熱演するスティーヴン・マクナリーであり、オーディ・マーフィは、その役柄通り補佐役といった雰囲気だ。

強奪団一味だと知らずに保安官が惹かれる女性フェイス・ドマーグ、保安官を慕い惹かれるものの、現れた若者(シルヴァー・キッド)との恋が芽生えるスーザン・キャボット、その父親ウォルター・サンデ、強奪団のリーダー、ジェラルド・モーア、その部下である悪党のユージン・イグレシアス、その仲間ジェームズ・アンダーソン、そして、彼らに手を貸す男役で、まだ20代のリー・マーヴィンが端役出演している。


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