現代病を持つ4人の精神患者が巻き起こす騒動を描く、監督ハワード・ジーフ、主演マイケル・キートン、クリストファー・ロイド、ピーター・ボイル、ロレイン・ブラッコ、フィリップ・ボスコ、ジェームズ・レマー他共演の痛快爆笑コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ハワード・ジーフ
製作:クリストファー・W・ナイト
脚本
ジョン・コノリー
デヴィッド・ルーカ
撮影:アダム・ホレンダー
編集:C・ティモシー・オメーラ
音楽:デヴィッド・マクヒュー
出演
マイケル・キートン:ビリー・カウフィールド
クリストファー・ロイド:ヘンリー・シコースキー
ピーター・ボイル:ジャック・マクダーモット
スティーブン・ファースト:アルバート・ラヌッツィ
デニス・ボートシカリス:ジェフ・ワイツマン医師
ロレイン・ブラッコ:ライリー
ミロ・オーシャ:ニューワード医師
フィリップ・ボスコ:オマリー
ジェームズ・レマー:ジアネリ
ジョン・ストッカー:マレー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1989年製作 112分
公開
北米:1989年4月7日
日本:1990年1月13日
北米興行収入 $28,890,200
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニュージャージー、神経科医院。
医師ジェフ・ワイツマン医帥(デニス・ボートシカリス)は、自分のグループの4人の患者手を焼いていた。
自己中心的で暴力的なビリー・ カウフィールド(マイケル・キートン)、自分を病院の医師だと思い込む潔癖主義者のヘンリー・シコースキー(クリストファー・ロイド)、自らをイエスだと思い込む誇大妄想狂のジャック・マクダーモット(ピーター・ボイル)、ヤンキースの大ファンで自閉症であるアルバート・ラヌッツィ(スティーブン・ファースト)らだった。
ある日ワイツマンは、治療の目的で4人を、ヤンキースの野球観戦に連れて行くことを計画する。
そしてワイツマンは、院長のニュウワード(ミロ・オーシャ)を説得し、同僚医師の反対を押しきりヤンキースタジアムに向かう。
途中、ひねくれ者のビリー以外で、”Hit the Road Jack”を歌い陽気に目的地に向かう5人だった。 その後マンハッタンに入ッた所で、トイレに行きたくなったアルバートを連れて、ワイツマンが車を離れて路地に向かう。 しかし、ワイツマンが、恥ずかしがるアルバートから目を放した隙に、彼の姿が見えなくなってしまう。 ワイツマンは、アルバートを捜しているうちに、殺人事件を目撃してしまい、犯人に頭を殴られて病院に運ばれてしまう。 犯人の姿を見たアルバートは車に戻るが、それを思うように仲間に伝えられないまま、4人はその場でワイツマンを待ち夜になってしまう。 我慢の限界に達したビリーは、仲間を見限って一人で街に向かってしまい、元恋人のライリー(ロレイン・ブラッコ)に会いに行く。 他の3人も、それぞれ別行動をとってしまい、ヘンリーは不潔な街のゴミを拾い、その後、バーに向かうが放り出されてしまい、ジャックは伝道教会で興奮して服を脱ぎ始めてしまう。 そこに現れたヘンリーが、ジャックを精神患者だと言ったため、結局、2人は教会から放り出される。 ワイツマンとアルバートが目撃した殺人は、汚職警官のオマリー(フィリップ・ボスコ)とジアネリ(ジェームズ・レマー)の仕業だった。 2人は、殺人の目撃者である、病院に入院中のワイツマンの命を奪おうとする。 ライリーは、以前とあまり代わり映えしないビリーに興味を示さず、アパートの前で彼と別れる。 4人は車の場所で合流するが、車は牽引されてしまい、ジャックの服を調達した後、彼らは警察に向かう。 ビリーは警察で事情を話し、ワイツマンの捜索を依頼するものの相手にされない。 通りで救急車を見て、何かを言いた気なアルバートの様子に、ビリーは、ワイツマンが病院に運ばれたと考え、彼を捜そうとする。 4人は虱潰しに病院を回りワイツマンを捜し、ある病院で、アルバートが、オマリーとジアネリを見かける。 それを追った4人は、病室でオマリーがワイツマンを殺そうとしているのを阻止する。 オマリーとジアネリはその場から逃れ、ビリーは、院長に電話して、殺人事件のことなどを説明するが信じてもらえない。 4人は、ライリーの元に向かい助けを求めようとするが、彼らはテレビ・ニュースで、自分達がワイツマンを襲い、殺人犯にされていることを知る。 その場を逃れた4人だったが、駆けつけた警官に、ビリーとアルバートが捕まってしまう。 その後ジャックは、かつて同じ広告業界で働いた友人のマレー(ジョン・ストッカー)のオフィスを訪ねるが、警備に捕まってしまい、ヘンリーは妻子と再会するものの、結局は逮捕されてしまう。 何とかワイツマンを助けようとするビリーは3人を説得し、神経科医院から迎えに来た医師らを拘束し、彼らを患者だと偽り病院に預けてしまう。 ライリーはワイツマンの病室に向かい、ビリーらが来るのを待ち構えるが、オマリーとジアネリもその場に現れる。 医師に扮したビリーらが、意識の戻ったワイツマンを病院から連れ出す。 ジアネリが、出口でワイツマンを銃で狙っていたが、アルバートがそれを阻止する。 オマリーはヘンリーらに殴り倒され、ジアネリは、ライリーと逃げたワイツマンを追う。 ジアネリはワイツマンとライリーを追い詰めるが、ビリーが現れて彼の銃を奪う。 事件は解決し、4人は特別表彰を受け、ビリーは退院できるとワイツマンに太鼓判を押され、ライリーに、しばしの別れを告げる。 ワイツマンと共に医院に戻った4人だったが、所持金を合わせれば外野席のチケットとホットドックは買えるという、ビリーの提案をワイツマンは了承する。 そして、ワイツマンを医院に降ろした4人は、そのままヤンキースタジアムに向かってしまう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
神経科医院のワイツマン医帥は、自分担当するグループの4人の患者ビリー、ヘンリー、ジャック、アルバートを連れて、野外治療としてヤンキースの野球観戦に連れて行く許可を得る。
そして、ヤンキースタジアムに向かった5人だったが、アルバートがトイレに行きたくなり、ワイツマンは車を止める。
アルバートを路地に連れて行ったワイツマンだったが、そこで彼は殺人事件を目撃してしまい、犯人の汚職警官オマリーとジアネリに痛めつけられてしまう。
病院に搬送されたワイツマンだったが、犯人を目撃したアルバートは自閉症のため、それを3人の患者に伝えられない。
ワイツマンが戻らないことに、痺れを切らした4人は別行動をとってしまう。
その頃、殺人犯のオマリーとジアネリは、目撃者ワイツマンを殺そうとしていた・・・。
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「プライベート・ベンジャミン」(1980)や、本作の2年後の「マイ・ガール」(1991)などで知られる監督ハワード・ジーフの演出は、単なるドタバタ・コメディに終わることなく、随所に人情味溢れる場面なども散りばめた、味わいのある仕上がりとなっている。
ヤンキースタジアムに向かう場面とエンディングで、主題曲の”Hit the Road Jack”が効果的に使われている。
2ヵ月後に公開の「バットマン」(1989)とは全く違う、実に彼らしいキャラクターを演ずるマイケル・キートンは、乱暴でひねくれ者の危険人物を熱演している。
デビュー2作目の「カッコーの巣の上で」(1975)でも、精神患者を好演したクリストファー・ロイドの、感情を表さない潔癖主義者も可笑しいが、妻と娘に会いに行くシーンは、ホロリとさせてくれる。
「ヤング・フランケンシュタイン」(1974)のモンスター役が記憶に残るピーター・ボイルの”暴走”ぶりも迫力満点だ。
舞台俳優としての実力者らしく、オーバーアクションが愉快だ。
気弱な自閉症患者のスティーブン・ファーストが、愛すべきキャラクターとして、インパクトのある役柄を好演している。
その後の彼の活躍が、あまり日本では知られないのは残念だ。
野球観戦の引率医師で、殺人事件に巻き込まれるデニス・ボートシカリス、主人公(M・キートン)の元恋人ロレイン・ブラッコ、院長のミロ・オーシャ、汚職刑事フィリップ・ボスコ、ジェームズ・レマー、ジャック(P・ボイル)の友人ジョン・ストッカーなどが共演している。