私利私欲に励むのが政治家の仕事と言わんばかりの痛烈な皮肉を込めたエディ・マーフィ主演、監督ジョナサン・リン、シェリー・リー・ラルフ、レイン・スミス、ジェームズ・ガーナー、ジョー・ドン・ベーカー他共演の大爆笑コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョナサン・リン
製作総指揮:マーティ・カプラン
製作
レナード・ゴールドバーグ
マイケル・ペイサー
脚本:マーティ・カプラン
撮影 ガブリエル・ベリスタイン
編集
バリー・B・レイラー
トニー・ロンバルド
音楽 ランディ・エデルマン
出演
エディ・マーフィ:トーマス・ジェファーソン・ジョンソン
シェリー・リー・ラルフ:ロレッタ
レイン・スミス:ディック・ドッジ
ジェームズ・ガーナー:ジェフ・ジョンソン
シンシア・ハリス:ヴェラ・ジョンソン
ジョー・ドン・ベーカー:オラフ・アンダーソン
ケヴィン・マッカーシー:テリー・コリガン
チャールズ・S・ダットン:イライジャ・ホーキンス
ノーブル・ウィリンガム:ジーク・ブリッジス
ヴィクトリア・ローウェル:シリア・カービー
ヴィクター・リバース:アーマンド
グラント・シャウド:アーサー・ラインハート
シャイ・マックブライド:ホーマー
ソニー・ジム・ゲインズ:ヴァン・ダイク
アメリカ 映画
配給 ブエナビスタ
1992年製作 112分
公開
北米:1992年12月4日
日本:1993年4月
北米興行収入 $46,666,500
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
フロリダ。
詐欺師トーマス・ジェファーソン・ジョンソン(エディ・マーフィ)は、地元の下院議員ジェフ・ジョンソン(ジェームズ・ガーナー)の再選パーティにもぐりこむ。
売春と恐喝を取り締まる捜査官に扮したジョンソンは、詐欺仲間の従妹ロレッタ(シェリー・リー・ラルフ)とアーマンド(ヴィクター・リバース)とで、保険会社社長ジーク・ブリッジス(ノーブル・ウィリンガム)から現金などを騙し取ることに成功する。
ブリッジスに正体がバレてしまい、その場から逃げ出そうとしたジョンソンは、議員と電力会社社長のオラフ・アンダーソン(ジョー・ドン・ベーカー)の話を盗み聞きし、政治家が儲かる商売だといことを知る。 その後、ジョンソン議員が急死し、自分の名前が、知名度抜群の彼とほぼ同じだということに気づいたトーマスは、下院選に立候補することを考える。 早速、裏工作を始めたジョンソンは、夫に全く未練のない議員夫人ヴェラ(シンシア・ハリス)から、選挙用のポスターなどを譲り受ける。 ジョンソンは選挙活動で人前に一切顔を出さず、ロレッタらの協力で、ポスターやチラシまでジョンソン議員の物を代用し、見事に当選してしまう。 そしてジョンソンは、ロレッタ、アーマンド、ヴァン・ダイク(ソニー・ジム・ゲインズ)ら詐欺仲間と共にワシントンDC入りする。 ジョンソン議員の主席秘書だった、アーサー・ラインハート(グラント・シャウド)に迎えられたジョンソンは、議事堂に向かう。 しかし、ジョンソンらは物置同然の事務所しか与えられず、ラインハートを正式に秘書に雇う。 議員パーティーに出席したジョンソンは、同席したロビイストのテリー・コリガン(ケヴィン・マッカーシー)から、同じフロリダ選出のディック・ドッジ議員(レイン・スミス)が、資金集めの達人だということを知らされる。 ジョンソンは、パーティーの帰りにドッジに呼ばれ、何のために議員になったのかを率直に聞かれる。 議員の仕事が、きれい事では済まされないことを、ドッジから聞かされたジョンソンは、ラインハートをたたき起こし、議員が委員長を勤める電力産業委員会に入る方法を探る。 ラインハートによると、この委員会は多額の政治資金が流れ込むため、委員になるには年功序列で順番待ちするほど人気があるということだった。 新人議員が、その委員会に入ることがほぼ不可能だと知ったジョンソンは、詐欺師としての才能を発揮し、あっさり委員会のメンバーになってしまう。 数日後、公共福祉団体のシリア・カービー(ヴィクトリア・ローウェル)が、ジョンソンに面会を求めに来る。 ジョンソンはシリアに惹かれてしまい、彼女を口説き始めて印象を悪くする。 後日、再びシリアの面会を受けたジョンソンは、彼女の気を引くことしか頭になかった。 コリガンからの情報を基に、議員の間を飛び交う献金や裏金を手に入れるコツを掴んだジョンソンは、ロレッタ、アーマンド、ヴァン・ダイクらと精力的に活動を開始する。 シリアとも、徐々に打ち解ける間柄になってきたジョンソンは、彼女に日曜の朝のデートに誘われる。 シリアは、教会の牧師でもある、正義感のある伯父イライジャ・ホーキンス議員(チャールズ・S・ダットン)をジョンソンに紹介する。 二人は既に顔を合わせていたのだが、ホーキンスはジョンソンがドッジの子分だと決めつけ、議員には、国民の利益を考えている者もいることを彼に伝える。 ある日、小学校の上を通る高圧線の磁場の影響で、癌になった少女がジョンソンを訪ねて来る。 ホーキンスの話も気になり、良心が芽生えたジョンソンは、シリアと共に現場を視察して、公聴会を開くことを議会に要請する。 表向きはそれに同意するドッジだったが、ジョンソンを呼び、裏ではそれに反対する。 オフィスに、アンダーソンとコリガン、そしてブリッジスが現れたため、ジョンソンは彼に気づき驚いてしまう。 ブリッジスはジョンソンが詐欺師だと気づくが、他人に知られたくないことを握られていたため、その場では事を荒立てるのは避ける。 アンダーソンらは、利権が絡んでいる送電線撤去に反対し、ジョンソンはついに政治家の本性を知ることにもなる。 ドッジは、政治家の倫理法案可決を目指すホーキンスに、議員としての姿勢を非難され、彼の活動を封じ込めるようジョンソンを説得する。 ホーキンスと話し合いをしたジョンソンは、ロレッタの運転する車で事故に遭ってしまう。 無事だったジョンソンは、ホーキンスの弱味を握るチャンスだと言ってドッジに連絡してしまう。 実はドッジのスパイだったラインハートは、彼からの連絡で事件をマスコミ沙汰にしてしまう。 それを知ったジョンソンは驚いてしまい、病院でシリアに罵倒され追い払われる。 ジョンソンは、ラインハートがドッジと手を組んでいるとに気づき、ロレッタらが顔を知られ過ぎているため、フロリダから仲間のホーマー(シャイ・マックブライド)を呼び寄せる。 その後ジョンソンは、ホーマーを情報屋に仕立て、送電線について、環境庁が捜査に乗り出すという偽情報をラインハートに流す。 ジョンソンの裏工作で、既に調査が免れないと考えたドッジは、アンダーソンに7桁の裏金を要求する。 ロレッタらは、開かれる公聴会で、重大発表があるとマスコミに伝える。 委員会は始まり、ジョンソンは昨日のドッジとアンダーソンとの会合をビデオに撮ったというハッタリを仕掛け、控え室で彼らの悪事を言い合う場面を、今度は本当に録画する。 委員会は再開され、ドッジは調べ上げたジョンソンの犯罪歴などを暴露するが、ホーマーが控え室の録画ビデオを流してしまう。 ドッジは身の破滅を知り取り乱し、その場にいたシリアや、病室のホーキンスは喜ぶ。 その後、ドッジは辞職し、ヒーローとなったジョンソンだったが、自分の顔も更に知れ渡ったところで、次は大統領だとシリアに言い放つ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
詐欺師のトーマス・ジェファーソン・ジョンソンは、政治家が儲かることを知り、急死した同名下院議員の補欠選に立候補することを考える。
名前のイメージだけで当選することを確信していたジョンソンは、見事に議員となりワシントンDC入りする。
その後、ジョンソンは詐欺師の本領を発揮し仲間のロレッタらを秘書にして活動を始める。
議会の中心的委員会のドッジ議員と親しくなったジョンソンは、議員の周辺に飛び交う献金や裏金を見事にゲットするコツを掴む。
しかし、その委員会の利権が絡む一件で癌になった子供や、議員モラルを問題視する正義感溢れるホーキンス議員とその姪シリアとの出会いで、ジョンソンの心に良心が芽生え始める・・・。
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日本でもよく聞く、”詐欺師が政治家になったような・・”という言葉は、アメリカでも同じらしい・・・。
クライマックスでは、主人公の詐欺師は改心し、子供達の命や国民を守るために立ち上がるという、ドラマチックな仕上がりにもなっている。
エディ・マーフィは、どんな役を演じてもその芸達者ぶりを発揮するのだが、やはり本作のような詐欺師役は正に彼のはまり役だ。
かなりの部分が、脚本を無視したアドリブだろう、機転を利かせたマシンガントークと多彩な表現力は、やはり天才的だ。
詐欺師仲間の、舞台や歌手としても活躍しているシェリー・リー・ラルフが、コミカルで非常にいい味を出している。
悪徳政治家レイン・スミスと、彼を利用して私欲を肥やすジョー・ドン・ベーカーやロビーストのケヴィン・マッカーシー、さらには短い出演だが、ジェームズ・ガーナーらのベテラン俳優の奮闘も見逃せないところだ。
エディ・マーフィを一喝する、真面目一本やりで美しいヴィクトリア・ローウェルもなかなか魅力的だ。
正義感溢れる議員チャールズ・S・ダットン、利権に絡む保険会社社長のノーブル・ウィリンガム、主人公の詐欺仲間ヴィクター・リバース、ソニー・ジム・ゲインズ、シャイ・マックブライド、スパイだった秘書グラント・シャウドなどが共演している。