生後間もない娘を亡くし心の傷が癒えないまま家族と共に田舎町に越した女性が呪われた家で体験する恐怖を描く、監督、脚本D・J・カルーソー、主演ケイト・ベッキンセイル、メル・レイド、ジェラルド・マクレイニー、ルーカス・ティル他共演のサイコロジカル・ホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:D・J・カルーソー
製作
ガイヤー・コジンスキー
ヴィンセント・ニューマン
タッカー・トゥーリー
脚本
ウェントワース・ミラー
D・J・カルーソー
撮影:ローヒエ・ストファース
編集:ヴィンス・フィリッポーネ
音楽:ブライアン・タイラー
出演
デイナ・バロー:ケイト・ベッキンセイル
デヴィッド・バロー:メル・レイド
アーネスト・R・ブラッカー判事:ジェラルド・マクレイニー
ルーカス・バロー:ダンカン・ジョイナー
ベン・フィリップスJr.:ルーカス・ティル
ジュールス:ミカエラ・コンリン
テディ:マイケル・ランデス
ジュディス:マルシア・デルース
マーティ・モリソン:セリア・ウェストン
アッシャー医師:ジョエリー・フィッシャー
老人:チャールズ・キャロル
ローラ・ブラッカー:エラ・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 Rogue Pictures
2016年製作 85分
公開
北米:2016年9月9日
日本:未公開
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $2,423,470
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ノースカロライナ州。
生後間もない娘キャサリンを亡くしたデイナ・バロー(ケイト・ベッキンセイル)と夫のデヴィッド(メル・レイド)は、5歳の息子ルーカス(ダンカン・ジョイナー)と共に、新しい生活を始めるためにブルックリンから田舎町に越して来る。
夜になり、雨の中、ブラッカー邸に到着したデイナは、何かを感じながら一夜を過ごす。
翌朝、雨漏りしていることなどを気にして、ルーカスに朝食を運んだデイナは、彼が誰かと話していたために不思議に思う。
ルーカスが話していたのはネコで、それがこの家に住んでいたと言われたデイナとデヴィッドは、仕方なく飼うことを許す。 その後、温室や庭などを写真に撮っていたデイナは、藪の中に何かがいることに気づき、それをデヴィッドに知らせる。 デヴィッドから心配いらないと言われたデイナは、ルーカスも連れて三人で町に出かける。 マーティ・モリソン(セリア・ウェストン)の店に入った三人は、ブラッカー邸に越してきたことで彼女に歓迎される。 長い間、空き家だったと話すマーティに、デヴィッドは雨漏りしていると伝え、腕のいい職人ベン・フィリップスJr.(ルーカス・ティル)を紹介すると言われる。 自分達で直すとマーティに伝えたデヴィッドは建築家かと訊かれ、自分が建築家だとデイナが答える。 家に戻り、外を見つめるルーカスから犬がいるので怖いと言われたデイナは、自分もその朝、黒いジャーマン・シェパードを目撃していたために気にする。 守ってあげると伝えたデイナは、ルーカスの手が血だらけだったために驚き、そこで目が覚めて夢だと気づく。 外に出てタバコを吸ったデイナは墓石に気づき、屋根裏部屋の電気が点いたためにその場に向かう。 現れたデヴィッドと共に、置かれていたシフォローブ(家具)をどかしたデイナは、部屋の電気が点いて消えたことを話し、鍵穴から中を覗く。 デヴィッドに話しかけられたために目を離したデイナは、誰かが中から外を覗いたことに気づかない。 翌日、間取り図にない隠し部屋のことを図面で調べながら、デイナは引っ越しの片付け作業や修復計画を立てる。 送られてきたブラッカー家の写真などを確認したデイナは、写っている凧や目撃した犬が気になる。 キッチンの引き出しにあった箱の中の無数の鍵を見つけたデイナは、それで隠し部屋の扉が開くかを確かめる。 どれも開けることができないことを確認したデイナは、扉の上に隠されていた鍵を見つける。 それで扉を開けて中に入ったデイナは、鉄製の床で窓も開かないその場に閉じ込められ、取り乱して気を失ってしまう。 目覚めたデイナは人の気配を感じ、扉が開いたためにその場から出る。 居間に向かったデイナは、助けを求めたのに来てくれなかったことでデヴィッドを責め、屋根裏部屋に何時間も閉じ込められたことを話して動揺する。 デヴィッドとルーカスから、何も聞こえなかったと言われたデイナは、キッチンタイマーのベルが鳴ったために、屋根裏部屋に向かう前にオーブンに料理を入れて、50分にセットしたしたことを思い出す。 暫く眠ったデイナは、ルーカスと共に家の模型を組み立てながら、彼から、また妹が欲しいと言われる。 翌朝、写真で見た凧が上がっていることに気づいたデイナは、外に出てそれを追う。 そこに青年が現われて驚いたデイナは、マーティが紹介してくれた職人のベンであることを知り、雨漏りがする場所を見せる。 まだ依頼するかは決めていないと言うデイナは、ベンにデヴィッドを紹介する。 直ぐに作業を始めてもらおうとしたデヴィッドだったが、デイナは細かい指示を出し、後日決めることをベンに伝えて帰ってもらう。 その後、凧のことを考えていたデイナは、古い新聞記事で、夢に出てきた、家の主人だったアーネスト・R・ブラッカー判事(ジェラルド・マクレイニー)が、娘ローラ(エラ・ジョーンズ)の死を悲しんでいたことを知り、彼女が亡くなったのが7月5日であることを気にする。 その夜、ブラッカー家の娘ローラが、キャサリンと同じ7月5日に亡くなていることをデヴィッドに話したデイナは、偶然とは思えず亡霊がいると言ってブルックリンに戻ることを彼に提案する。 キャサリンの死で心を痛め精神的ダメージを受けたデイナは薬を飲んでいたのだが、それを捨てたことはデヴィッドには話さず、1年は住むと決めたはずだと言われる。 ルーカスのためにもいるべきだと言うデヴィッドは、それが親の責任だとデイナに伝えて彼女を説得する。 デヴィッドは出張のために町を離れ、デイナはルーカスを連れて、家の資料を送ってくれた地元の歴史家であるジュディス(マルシア・デルース)を訪ねる。 屋根裏部屋のことをジュディスに話したデイナは、”失望の部屋”だと言われ、障害を持った子を恥じる親が閉じ込める場所だということを知らされる。 その多くは短い一生を終えて亡霊となって現れたという話もあり、これらの家についてを研究していると言うジュディスは、多くの幽霊を見てきたとデイナに伝える。 家に戻ったデイナは、出直してきたベンと修復の見積もりなどをして、翌日から作業を頼むことを決める。 その後、”失望の部屋”のことを調べていたデイナは、気が滅入ってしまう。 ネコのラスカルを捜していたルーカスの前に、ローラが現れる。 ルーカスの姿が見えないために屋根裏部屋に向かったデイナは、扉を開けて出てきた少女ローラから話しかけられる。 部屋に戻り姿を消したためにその場に入ったデイナは、ラスカルを追いかけるルーカスを窓から確認し、その後を犬が追ったために彼の元に向かう。 無事だったルーカスを抱きしめて家に戻ろうとしたデイナは、ラスカルを捜す。 ラスカルが殺されていることに気づいたデイナは、それをルーカスに知られないようにして家に戻る。 鏡が割れていることに気づいたデイナは、その裏にアーネストの肖像画が隠されていることを知る。 もう一つの鏡も割ったデイナは、その後、精神的に落ち込み、バスルームで剃刀を手にして倒れているところを、戻ってきたデヴィッドに発見される。 主治医のアッシャー医師(ジョエリー・フィッシャー)に相談したデヴィッドは、症状が悪化しているデイナが、家で幻覚を見ているようだと伝える。 アッシャーは、キャサリンの誕生日でもある日曜日に、気晴らしに友達でも呼ぶことをデヴィッドに提案する。 作業を始めたベンに、裏庭にある犬のものと思われる墓を確認して欲しいと伝えたデイナは、彼に誘われて動揺する。 予定より早く戻ったデヴィッドは、デイナのことを心配する。 デイナは、鏡に隠されていたアーネストと妻の肖像画を外して焼却する。 その頃ジュディスは、1955年にハーニック家殺害事件の目撃者である、”幽霊を信じる少女”が窒息死した新聞記事などを調べる。 その30年後の幽霊が関係する事件も気になったジュディスは、デイナに電話をするものの応答がなかった。 友人のジュールス(ミカエラ・コンリン)と夫のテディ(マイケル・ランデス)を食事に招待したデヴィッドは、二人と共に準備をする。 裏庭の墓を掘り起こして調べたベンは、背後から迫るアーネストにスコップで殴られる。 町に出かけていたデイナは食事に遅れてしまい、情緒不安定な彼女は取り乱してしまう。 幸せなふりをするのはこれ以上無理だと言うデイナは、限界だと伝えて嘆く。 ジュールスとテディは帰り、裏庭の墓を確認したデイナは、奇形児の遺体を確認する。 ベンが吊るされて死んでいることを知ったデイナは、屋根裏部屋の電気が点いたことに気づき、その場に向かおうとする。 鏡の絵が戻っていることを確認したデイナは屋根裏部屋に向かい、母親から食事を与えられるローラを、アーネストがハンマーで殴り殺そうとする姿を目撃する。 ベンもその場に向かうものの、扉が閉まってしまう。 ローラを殺したアーネストは、惨めな母親であり再び不幸になるがいい、息子も死ぬとデイナに伝える。 デイナは犬に襲われるものの、必死に抵抗して殺し、ハンマーを持ってルーカスの部屋に向かう。 ルーカスに襲い掛かるアーネストに、ハンマーを持つデイナは襲い掛かる。 その場に現れたベンは、ハンマーを振り上げるデイナを制止して、怖がるルーカスを救い出す。 屋根裏部屋は空で、ベンの死体もないことを確認したデイナは動揺し、正気とは思えないと言うベンに責められる。 夢と現実の区別がつかないようだと話すデイナは、デヴィッドから、ルーカスの部屋には誰もいなかったことと、息子を傷つけようとしたと言われる。 キャサリンも自分が窒息死させてしまったと思うデイナに、事故だったと伝えたデヴィッドは、彼女を抱きしめてブルックリンに戻る決心をする。 屋根裏部屋の扉を外したデヴィッドは、デイナとルーカスと共にその場を去る。 デイナは、家の窓から自分達を見るアーネストを確認し、屋根裏部屋で拾ったローラの人形を手にする。 その後、”失望の部屋”の扉が閉まる。
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*(簡略ストー リー)
ノースカロライナ州。
生後間もない娘を亡くしたデイナ・バローと夫のデヴィッドは、5歳の息子ルーカスと共に新しい生活を始めるため、ブルックリンから田舎町に越して来る。
家の中で何かを感じたデイナは、屋根裏部屋の電気が点いたことに気づく。
鍵を見つけて部屋に入ったデイナは、何もないその場に閉じ込められ、取り乱して気を失ってしまう。
その後デイナは、家の主人だったアーネスト・R・ブラッカー判事が、娘の死を悲しんだことを過去の新聞記事で知る。
自分に家の資料を送ってくれた地元の歴史家ジュディスに会ったデイナは、屋根裏部屋が、障害者の子供を恥と思う親がと閉じ込めた”失望の部屋”だという話を聞く。
幽霊も現れるという噂もあると知ったデイナは、娘の死を受け入れられないまま精神的に不安定な日々が続く。
アーネストと娘の幻覚を見るようになったデイナは、やがて、夢と現実の区別がつかなくなってしまう・・・。
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「ディスタービア」(2007)、「イーグル・アイ」(2008)、「アイ・アム・ナンバー4」(2011)など話題作を手掛けるD・J・カルーソーが脚本も兼ねたサイコロジカル・ホラー。
現実と夢の区別がつかなくなり、更には幻覚が見えてしまう主人公の苦悩を描く作品のため、何が真実か不明なまま展開する描き方は納得できる。
しかし、ブルックリンで起きた家族の不幸を忘れるために近隣の郊外に住むなら分かるが、わざわざ800キロも離れたノースカロライナ州に越すという理由が理解できない。
夫の出張期間に起きる出来事など、話の辻褄が合わない場面なども気になる。
人気スターのケイト・ベッキンセイルの主演は注目なのだが、作品は酷評されてしまった。
興行的にも大失敗した作品で、それほど多くない1500万ドルの製作費を回収できることもなく、北米興行収入はわずか200万ドル余りという結果に終わり、日本では劇場未公だった。
主演のケイト・ベッキンセイルは、生後間もない娘を亡くして心の傷が癒えないまま、呪われた家で恐怖体験をする女性を熱演はしている。
主人公の夫メル・レイド、亡霊として現れる呪われた家の主人である判事のジェラルド・マクレイニー、主人公の家を修理する青年ルーカス・ティル、主人公の息子ダンカン・ジョイナー、主人公の友人夫婦ミカエラ・コンリンとマイケル・ランデス、地元の歴史家マルシア・デルース、町の商店の女主人セリア・ウェストン、主人公の主治医ジョエリー・フィッシャー(エディ・フィッシャーとコニー・スティーヴンスの娘でキャリー・フィッシャーの異母妹)、”失望の部屋”に閉じ込められていた家主の娘エラ・ジョーンズなどが共演している。