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小間使の日記 The Diary of a Chambermaid (1946)

1900年に発表された、オクターヴ・ミルボー同名小説を基にしたアンドレ・ド・ロルドの戯曲お映画化、監督ジャン・ルノワール、製作、脚本、出演バージェス・メレディス、主演ポーレット・ゴダードハード・ハットフィールドフランシス・レデラージュディス・アンダーソン共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ジャン・ルノワール

製作
ベネディクト・ボジャース

バージェス・メレディス
原作:オクターヴ・ミルボー
脚本:バージェス・メレディス
撮影:ルシアン・アンドリオ
編集:ジェームズ・スミス
音楽:ミシェル・ミシェレット

出演
セレスティーヌ:ポーレット・ゴダード

モージェ大尉:バージェス・メレディス
ジョルジュ・ランレール:ハード・ハットフィールド
ジョゼフ:フランシス・レデラー
ランレール夫人:ジュディス・アンダーソン
ローズ:フランシス・ベイツ
ルイーズ:アイリーン・ライアン
ランレール:レジナルド・オーウェン

アメリカ 映画
1946年製作 86分
公開
北米:1946年2月15日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
パリから片田舎の富豪の屋敷に、住み込みの小間使として雇われることになっていたセレスティーヌ(ポーレット・ゴダード)とルイーズ(アイリーン・ライアン)は、屋敷の使用人ジョゼフ(フランシス・レデラー)に迎えられる。

しかし、見掛けの悪いルイーズが追い返されそうになり、それに対し、セレスティーヌが屋敷に行くことを拒否したため、ジョゼフは仕方なく二人を連れて行くことになる。

屋敷の住込み部屋に案内されたセレスティーヌは、自分達の権利ははっきりと主張し、小間使では終わらず、富豪夫人になる野望を抱き、その日から目標となる日記をつけることにしする。

セレスティーヌは、早速、屋敷の主人ランレール(レジナルド・オーウェン)近づき、彼に気に入られる。

しかし、おおらかで気さくなランレールとは対照的な、冷酷非情な夫人(ジュディス・アンダーソン)に、屋敷の実権は握られていた。

ある日、隣人のモージェ大尉(バージェス・メレディス)が屋敷の敷地内に忍び込む。
...全てを見る(結末あり)

モージェはセレスティーヌに近づくため騒ぎを起こすが、ランレールに追い払われる。

セレスティーヌは、ランレールには財産がないことが分かり、モージェに目を付ける。

モージェの屋敷に招待されたセレスティーヌは、彼に迫られて求婚されそうになり、かなりの額の財産があることも知る。

ある日、ランレール夫妻の息子ジョルジュ(ハード・ハットフィールド)が帰ってくるとの連絡が入る。

ランレール夫人は、若いセレスティーヌにジョルジュの世話をさせようと、彼女に洋服などを与えその準備をさせる。

やがて、ジョルジュが屋敷に戻り、セレスティーヌは肺病の彼の世話が小間使より楽なのでそれを喜ぶ。

数日後、着飾って村に出かけたセレスティーヌはジョルジュと出くわし、願いが叶うという”願いごとの木”の下に座る。

ジョルジュは、セレスティーヌに良い人が見つかるようにと伝えただけで、素っ気無い態度で屋敷に戻る。

屋敷内では、ジョルジュはセレスティーヌを頼り、やがて二人は惹かれ合うようになる。

しかし、ジョルジュはセレスティーヌに思いを伝えるものの、屋敷や病気を嫌っていたため彼女に別れを告げる。

ランレール夫人は、部屋に閉じ篭り悩むジョルジュを心配して、セレスティーヌを息子の元に向かわせるが、彼は母親が差し向けたものと察する。

夫人は、息子ジョルジュとただ暮らしたいだけだと弁解するが、彼は世話を焼く母親を拒絶し、セレスティーヌも侮辱してしまう。

セレスティーヌは、自分を利用する夫人とジョルジュを罵倒し、仕事を辞め屋敷を去ろうとする。

ジョゼフに駅まで送ってもらおうとしたセレスティーヌは、彼がシェルブールで開業する予定のカフェに誘われて求婚もされる。

カフェが成功間違いなしというジョゼフは、10年間も夫人の機嫌をとり信用され、各部屋の鍵を手に入れたこともセレスティーヌに告げる。

そしてジョゼフは、強盗計画の実行まで屋敷に残ることをセレスティーヌに承知させるが、その会話をランレール夫人に聞かれてしまう。

翌日、銀食器がある部屋の鍵を渡すよう、夫人に言われたジョゼフは、彼女に不満をぶつけ口答えしてしまう。

やがて、パリ祭の催しものが始まり、モージェの金を当てにしたセレスティーヌは、ルイーズと共に彼を誘い村に向かおうとする。

セレスティーヌらが祭りの余興を楽しんでいる間、ジョゼフはモージェの屋敷に忍び込み現金を探す。

そこに、セレスティーヌとパリに向かうというモージェが帰宅し、金を奪ったジョゼフは彼を殺害し庭に埋めてしまう。

モージェ家の家政婦ローズ(フランシス・ベイツ)は、主人がいなくなり現金も奪われたのが、屋敷に戻っていたセレスティーヌのせいだと言いだし取り乱す。

セレスティーヌは、ジョゼフがモージェを殺したことに気づきそれを問い詰める。

ジョゼフは、セレスティーヌも共犯だと言って開き直り、ランレール家の人々の前で、辞職してカフェの店主になることを告げる。

それに合わせて、ジョゼフとセレスティーヌは結婚することを発表するが、ジョルジュはそれを信じない。

ジョルジュは、セレスティーヌに、ジョゼフに対して愛情を示すよう強要し、彼女は居たたまれなくなりその場を立ち去る。

母親が、全てを仕組んだことを知ったジョルジュは、セレスティーヌを追う。

ランレール夫人は、二人で屋敷を出て行かれることを恐れ、ジョゼフにセレスティーヌを連れ出すことを要求する。

ジョゼフは、その代償として全ての銀食器を譲り受けることになる。

その後、温室にいたセレスティーヌの元にジョルジュが現れ二人は愛を確かめる。

そこにジョゼフも現れ、ジョルジュを叩きのめし、同行しないと彼も殺すと言って、ジョセフは強引にセレスティーヌを連れて行く。

そしてジョセフは、屋敷よりも価値のある、手に入れた銀食器をセレスティーヌに見せるが、既に彼女にはどうでもいいことだった。

人気者であるセレスティーヌが戻ったことを喜ぶ、祭で盛り上がっている村人は、彼女とジョセフの馬車を取り囲む。

セレスティーヌは、村人に銀食器を配ろうとしてしまい、それをジョセフが制止する。

そこにジョルジュが現れ、勇敢にもジョセフに立ち向かい、村人達の協力で彼を倒す。

その後、セレスティーヌとジョルジュは汽車に乗って旅立つ。

そして、セレスティーヌは日記の最後のページに、二人の誓の言葉を書き記す。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

片田舎の富豪の屋敷に小間使として雇われたセレスティーヌは、下働で人生を終わるつもりはなく、玉の輿に乗ろうと男性を物色する。
セレスティーヌは、屋敷の主人ランレールに気に入られるが、頼りない夫に代わり、実権を握る夫人が目を光らせる。
その後、セレスティーヌは隣人のモージェに見初められるが、戻ってくるランレール家の息子ジョルジュの世話係を命ぜられる。
病気のジョルジュは、屋敷の生活や母親を嫌うが、やがて彼はセレスティーヌと惹かれ合うようになる。
しかし、セレスティーヌは、使用人ジョゼフの、屋敷の財産を奪う、長年練った謀略に加担させられることになる・・・。
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フランス人監督ジャン・ルノワールが、アメリカ亡命後に撮った作品で、チャップリンなどの影響を大いに受けた、目まぐるしく展開する非現実的なユーモアなどが、強烈な印象を残す異色のドラマ。

残念ながら、名作にも拘らず日本では公開する気配もなく、ソフト化もされていない。

話題は豊富で、日本では30年後「ロッキー」(1976)や、それ以前の人気TVシリーズの「バットマン」でペンギンを演じたことで知られるバージェス・メレディスが、当時の妻でもあるポーレット・ゴダード(元チャップリン夫人)と共演して、激しい愛情表現を彼女に示したりするところも注目だ。

また、バージェス・メレディスにとっては、製作や脚本も手がけた意欲作となっている。

美しさよりも、快活さが強調されている役柄のポーレット・ゴダードだが、前半の強かさから、後半は恋に苦悩する女心を繊細に演じてもいる。
クレジットにはないが、彼女も夫バージェス・メレディスと共に製作に参加している。

主人公の愛を手に入れる富豪の子息ハード・ハットフィールド、虎視眈々と謀略の決行の日を待つ使用人フランシス・レデラー、冷酷な屋敷の女主人役ジュディス・アンダーソン、隣人の家政婦フランシス・ベイツ、主人公の同僚アイリーン・ライアン、頼りないが気のいい屋敷の主人レジナルド・オーウェンなどが共演している。


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