運命で結ばれたIRAの過激派部隊のリーダーとアイルランド系のアメリカ人警官の戦いを描く、監督アラン・J・パクラ、主演ハリソン・フォード、ブラッド・ピット、ジュリア・スタイルズ他共演のサスペンス・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アラン・J・パクラ
製作総指揮
ドナルド・ラヴェンタール
ロイド・レヴィン
製作
ローレンス・ゴードン
ロバート・F・コールズベリー
原作:ケヴィン・ジャール
脚本
ケヴィン・ジャール
デヴィッド・アーロン・コーエン
ヴィンセント・パトリック
撮影:ゴードン・ウィリス
編集
トム・ロルフ
デニス・ヴァークラー
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
トム・オミーラ:ハリソン・フォード
ローリー・ディヴァニー/フランシス・オースティン・マグワイア:ブラッド・ピット
シーラ・オミーラ:マーガレット・コリン
ブリジット・オミーラ:ジュリア・スタイルズ
モーガン・オミーラ:アシュレイ・カリン
アニー・オミーラ:ケリー・シンガー
エドウィン・ディアス:ルーベン・ブラデス
ビリー・バーク:トリート・ウィリアムズ
ピーター・フィッツシモンズ:ジョージ・ハーン
ジム・ケリー:ミッチェル・ライアン
メーガン・ドハティ:ナターシャ・マケルホーン
ショーン・フェラン:ポール・ローナン
ハリー・スローン:サイモン・ジョーンズ
マーティン・マクダフ:デヴィッド・オハラ
デジー:デヴィッド・ウィルモット
ジェラルド:アンソニー・ブロフィ
フランキー(少年期):シェーン・ダン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1997年製作 111分
公開
北米:1997年3月26日
日本:1997年4月5日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $42,877,170
世界 $140,807,550
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1972年、北アイルランド。
8歳の少年フランシス・オースティン・マグワイア(シェーン・ダン)は、IRAのシンパだった父親を目の前で殺される。
1992年9月、ベルファスト。
そして自らもIRAに身を投じたフランシスは、イギリス情報局にマークされる過激派リーダーになっていた。
政府軍の襲撃を逃れたフランシスは、仲間のマーティン・マクダフ(デヴィッド・オハラ)の協力で身を隠す。
1993年2月、ニュージャージー州、ニューアーク空港。
ローリー・ディヴァニーと名前を変え、アメリカに入国したフランシスは、現地の協力者である判事のピーター・フィッツシモンズ(ジョージ・ハーン)に迎えられる。
その後、ニューヨークに向かったローリーは、判事の紹介で、同じくアイルランド系であるニューヨーク市警の警官トム・オミーラ(ハリソン・フォード)の家に下宿することになる。 トムの妻シーラ(マーガレット・コリン)や子供達ブリジット(ジュリア・スタイルズ)、モーガン(アシュレイ・カリン)、アニー(ケリー・シンガー)を紹介されたローリーは歓迎される。 翌日、ローリーは、同じアイルランド人の友人ショーン・フェラン(ポール・ローナン)と再会する。 その後ローリーは、武器商人のビリー・バーク(トリート・ウィリアムズ)と接触する。 スティンガーミサイルを調達しようとするローリーだったが、数週間がかかることをバークから知らされる。 やがて、女ばかりの家族の中で、トムは息子のようなローリーと親交を深めていく。 建設現場で働いていることになっていたローリーだったが、ショーンと共に武器をアイルランドに運ぶ船の整備をしていた。 バークからの連絡で武器が入ることがわかり、ローリーはIRAの連絡員メーガン・ドハティ(ナターシャ・マケルホーン)から、その購入資金を預かる。 モーガンの堅信式が行われ、トムの自宅でパーティーが催されていたが、そこに、アイルランドのマーティンが殺され、情報が漏れているという連絡がローリーに入る。 ローリーはアイルランドに戻ろうとするが、危険を察知したメーガンに引き止められ、彼はバークに、取引の延期を伝える。 そんな時、トムの相棒のエドウィン・ディアス(ルーベン・ブラデス)が、丸腰の強盗を背後から射殺してしまう事件が起きる。 親友でもあるエドウィンを見捨てられず、トムは彼を弁護し、嘘をついた自分に対する責任を取る意味で引退を決意する。 そのことを妻シーラに話し、納得してもらい帰宅したトムは、自宅に何者かが忍び込んでいるのに気づく。 トムとシーラは男達に襲われるが、ローリーが現れて男達を叩きのめす。 銃を持った男がシーラに銃を向けたため、トムは彼らを逃がしローリーに感謝する。 ローリーはそれがバークの仕業だと悟り、自分を狙っても後を継ぐものは大勢いることを彼に伝えるが、ショーンを人質に取られ仕方なく現金を渡そうとする。 シーラを姉の家に行かせたトムは、家の中の物が盗まれていないにも拘らず、ローリーの部屋が荒らされていることを不審に思う。 その後、トムはローリーが隠してあった大金を見つけ、エドウィンを呼び寄せる。 帰宅したローリーは、現金のことを問い質すトムに対し、涙ながらに自分達の戦いの正当性を語る。 しかし、トムは武器を買う資金と知りながら、それを警察官として見逃すわけにはいかずに、現れたエドウィンと共にローリーを連行する。 渋滞に巻き込まれた隙に、ローリーはトムに襲い掛かり銃を奪い、エドウィンを銃撃し逃亡する。 エドウィンは死亡し、トムは署長のジム・ケリー(ミッチェル・ライアン)に呼ばれて、FBIから、ローリーの本名”フランシス・オースティン・マグワイア”と彼がIRAの過激派リーダーで、指名手配されていることを知らされる。 イギリス情報局のハリー・スローン(サイモン・ジョーンズ)からも協力を求められたトムは、彼らの目的がフランシスの殺害だということを悟っていた。 取引の場所に現れたローリーは、ショーンが殺されていることを知り、バークらを殺しミサイルを奪って逃走する。 メーガンの元に現れたフランシスは、武器を運び、その夜に帰国することを彼女に伝える。 フィッツシモンズ判事の屋敷に向かったトムは、黒幕の彼からフランシスの居場所を聞き出そうとするのだが、そこにメーガンが現われる。 フランシスのパスポートに、メーガンの写真が挟んであったのを見ていたトムは、彼女がフランシスを匿っていることに気づく。 トムはフランシスを取り逃がしてしまい、メーガンに彼を助けたいということを伝える。 トムの説得に応じたメーガンは、フランシスが旅立つ港の場所を教える。 ミサイルを積み込んだフランシスは船を出航させ、その場に到着したトムはそれに飛び乗る。 フランシスに銃を向けたトムだったが、逆に彼に銃撃されてしまう。 しかし、トムの放った銃弾がフランシスの脇腹を捉えていたため、彼は崩れ落ち息を引き取る。 そして、フランシスを助けられず、無念の涙を流すトムは、傷を負った体で船を港に向かわせる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
幼い頃、目の前で父親を殺されたフランシス・オースティン・マグワイアは、やがてIRAの過激派リーダーとなる。
イギリス情報局にマークされたフランシスは襲撃から逃れる。
武器を調達するために、アメリカに潜入したフランシスは、アイルランド系の警察官トム・オミーラの家に下宿することになる。
フランシスは武器調達の準備を始めるのだが、取引がこじれて命を狙われることになる。
そんな時、自宅で強盗に襲われたトムは、それがきっかけで、フランシスがIRAであることを知る。
そして、親子のように親交を深めていたトムとフランシスの、お互いの信念を懸けた戦いが始まる・・・。
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実力派トップ・スター、ハリソン・フォードと、若手のホープであるブラッド・ピットの共演、鬼才アラン・J・パクラ監督作品ということで、公開前から大いに話題になった作品。
主演の2人のギャラが3000万ドルであったため、それほど派手さはないが8000万ドルの製作費をかけた大作。
期待にも拘らず評価は低く、北米興行収入は約4300万ドルに終わり、国外が健闘したために全世界では約1億4100万ドルの、まずまずのヒットとなった。
IRAや、親を目の前で殺された者のとる行動の正当性をセリフの中で随所に挿入し、物語のテーマとして強調しようとしてはいるが、結局は殺戮の手段として、ミサイルを手に入れようとしているだけにしか思えないストーリーは、あまり深みもない。
とは言うものの、公開当時はあまりの期待の大きさが外れただけという感じで、今観る見ると、渋さの増したハリソン・フォードのアイリッシュらしい一徹な姿や、30代半ばとは言え若々しいブラッド・ピットの魅力も十分に楽しめる作品には仕上がっている。
主人公の妻マーガレット・コリン、その娘達ジュリア・スタイルズ、アシュレイ・カリン、ケリー・シンガー、主人公の同僚ルーベン・ブラデス、武器商人トリート・ウィリアムズ、IRAに加担する判事ジョージ・ハーン、連絡員ナターシャ・マケルホーン、同志ポール・ローナン、同じくデヴィッド・オハラ、警察署長役ミッチェル・ライアン、イギリス情報員サイモン・ジョーンズ等が共演している。