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映画 ディパーテッド The Departed (2006) | That's Movie Talk!
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ディパーテッド The Departed (2006)

警察と裏社会にスパイとして送り込まれた2人の新人警官がその環境下で翻弄されていく姿を描く、製作、監督マーティン・スコセッシ、主演レオナルド・ディカプリオマット・デイモンジャック・ニコルソンマーク・ウォルバーグマーティン・シーンアレック・ボールドウィンレイ・ウィンストンヴェラ・ファーミガ共演によるサスペンス・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

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スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・スコセッシ

製作総指揮
G・マック・ブラウン

ダグ・デイヴィソン
クリスティン・ホーン
ロイ・リー
ジャンニ・ヌナリ
製作
マーティン・スコセッシ

ブラッド・ピット
ブラッド・グレイ
グレアム・キング
原作
アラン・マック

フェリックス・チョン
脚本:ウィリアム・モナハン
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽:ハワード・ショア

出演
レオナルド・ディカプリオ:ビリー・コスティガン
マット・デイモン:コリン・サリヴァン
ジャック・ニコルソン:フランク・コステロ
マーク・ウォルバーグ:ショーン・ディグナム巡査部長
マーティン・シーン:オリヴァー・チャールズ・クイーナン警部
アレック・ボールドウィン:ジョージ・エーラビー警部
レイ・ウィンストン:アーノルド・フレンチ
ヴェラ・ファーミガ:マドリン・マッデン
デヴィッド・オハラ:”フィッツィ”フィッツギボンズ
アンソニー・アンダーソン:ブラウン
マーク・ロルストン:ティモシー・デラハント
ジェームズ・バッジ・デール:バリガン
ロバート・ウォルバーグ:フランク・ラツィオFBI捜査官

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2006年製作 151分公開
北米:2006年10月6日
日本:2007年1月20日
制作費 $90,000,000
北米興行収入 $132,373,440
世界: $289,847,350


アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞

・受賞
作品・監督・脚色・編集賞
・ノミネート
助演男優賞(マーク・ウォルバーグ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
数年前、ボストン南部。
コリン・サリヴァン(マット・デイモン)は、アイルランド系のマフィアのボス、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)に息子のように育てられ、やがて警察学校を卒業する。

SIU(特別捜査班)に配属されたサリヴァンは、オリヴァー・チャールズ・クイーナン警部(マーティン・シーン)と、部下のショーン・ディグナム上級巡査部長(マーク・ウォルバーグ)に迎えられる。

父親や伯父がコステロと関係し、恵まれない生い立ちから決別して警察官になった、ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)も、クイーナンとディグナムに呼ばれる。

エリートのサリヴァンは、コステロ一味壊滅チームを指揮する、ジョージ・エーラビー警部(アレック・ボールドウィン)の部署に配属される。
...全てを見る(結末あり)

同じSIUに配属されたコスティガンは、家族や生い立ちのことをディグナムに徹底的に追及され、世間のゴミ呼ばわりされる。

クイーナンとディグナムの直属になったコスティガンは、二人の考えで、街を牛耳るマフィア内部の潜入捜査を命ぜられる。

母親が亡くなり伯父とも縁を切ったコスティガンは、身分を消されて刑務所に入ることになる。

コスティガンは出所後に、いとこと共ににコステロの縄張りでヤクを売りさばく。

コステロの店で騒ぎを起こしたコスティガンは、コステロの右腕アーノルド・フレンチ(レイ・ウィンストン)から、縄張りを荒らしたことで脅されるが、伯父の顔で見逃される。

その頃、軍事目的に使われかねない、1個が10万ドルするマイクロプロセッサが盗まれ、それをコステロが、中国側に売りさばこうとしていることが分かる。

エーラビーとディグナムは、その線でコステロを叩き潰そうと計画を練り、サリヴァンら部下に捜査を進めさせる。

コステロを”父”と呼び、警察内部の情報を流すサリヴァンは、高級アパートを借りて、セラピストのマドリン・マッデン(ヴェラ・ファーミガ)と知り合い恋に落ちる。

その頃コスティガンは、コステロの縄張りで再び騒ぎを起こし、彼に目をつけられる。

コステロは、コスティガンが警官であるかを調べるために痛めつけるが、一応、彼を信用する。

その後、残虐なコステロの手法に、コスティガンは早くもクイーナンに泣きを入れるが、マイクロプロセッサについてを調べることを命ぜられる。

サリヴァンは、コステロと連絡を取りながら、警察学校の同期生バリガン(ジェームズ・バッジ・デール)やブラウン(アンソニー・アンダーソン)に、コステロのスパイが警察内部にいることを伝える。

その後も、サリヴァンの情報で仕事がはかどるコステロは、やがてコスティガンを組織の一員として認める。

潜入捜査を始めて1年が経ち、コスティガンは、あまりのプレッシャーに心身ともに疲れ果て、マドリンのセラピーを受ける。

クイーナンと接触したコスティガンは、ディグナムと言い合いになり、コステロ逮捕の口実はいくらでもありながら、野放しにしておく理由を追求する。

相手が大物だけに、慎重に事を運ぶ必要があることを、クイーナンはコスティガンに伝えて、コステロのスパイがSIUにいることを知らせる。

クイーナンは、それを突き止めるために、もう少しの我慢だと言って、コスティガンを説得する。

精神的に限界に達し、何週間も眠れないコスティガンは、マドリンに鎮静剤の処方箋をもらおうとするが、彼女はそれを拒む。

憤慨して部屋を出たコスティガンに、マドリンは薬物依存症に近いことを告げて処方箋を渡すが、今後のセラピーを断ってしてしまう。

しかし、コスティガンはそんなマデリンを誘い、やがて二人は惹かれ合うようになる。

マイクロプロセッサの取引現場を押さえることが急遽決まり、エーラビーは、いよいよコステロ逮捕を目前にする。

しかし、サリヴァンが、事前にコステロに連絡を入れ、彼は逃走方法を変更させて逃げ延びる。

これで全てが終わると考えていたコスティガンは、間違いなく警察側から情報が漏れたことをディグナムに伝える。

マドリンは、コスティガンのことを気にしながらもサリヴァンのアパートに引っ越す決断をする。

サリヴァンは、組織に警察の捜査官が潜入していることをコステロから知らされ、それを早急に突き止められない場合は、マドリンの命も保障しないと言われる。

その後コスティガンは、コステロがFBIと通じていて、情報を流している為に逮捕されない事実を突き止め、それをクイーナンに知らせる。

コステロはスパイを探すために、サリヴァンから要求された、手下達の社会保障番号と口座番号を調べる。

その際、”フィッツィ”フィッツギボンズ(デヴィッド・オハラ)が、”市民”という綴りを知らないために、コスティガンは封筒にそれを書いて教える。

コスティガンは、引越ししようとするマドリンの家を訪ね、その夜、二人は結ばれてしまう。

サリヴァンは、警察に潜入していると思われる、コステロ側のスパイの捜査をエーラビーに任され、自分を捕まえる任務を命ぜられてしまう。

コスティガンは封筒を持ったコステロをつけて、映画館でスパイ(サリヴァン)と接触していることを確認する。

コステロから封筒を受け取った男(サリヴァン)を尾行したコスティガンだったが、サリヴァンはそれに気づいて警戒し、路地で誤って関係ない者を殺害してしまう。

男を逮捕するよう指示を受けたコスティガンだったが、結局は取り逃がしてしまう。

街中の監視カメラで撮影されたことに気づいたサリヴァンは、それをチェックして、自分の顔が映っていないことを確認する。

コステロに疑われ始めたコスティガンは、それを何んとかかわす。

サリヴァンは、自分を尾行あいた警察の潜入者が、スパイを特定できなかったことをクイーナンから知らされ、それを突き止めるよう命ぜられる。

どのように行動するべきか悩むサリヴァンは、警察内のデータベースを使い、コステロから渡された資料で、彼の手下達を調査するが、コスティガンはシロだと報告する。

コステロ側に潜入した者を探すため、クイーナンがスパイだということにして、サリヴァンは彼を内務調査部に監視させる。

そしてサリヴァンは、スパイがクイーナンと会っていることを知る。

コステロの手下フィッツィに連絡を入れたサリヴァンは、彼を現場に向かわせる。

それを、フィッツィの相棒ティモシー・デラハント(マーク・ロルストン)から知らされたコスティガンは、クイーナンを残して逃亡する。

クイーナンはフィッツィらに捕まり、ビルから落とされて、建物の下にいたコスティガンの目の前で死亡する。

コスティガンはフィッツィらと逃げようとするが、張り込んでいた警官と撃ち合いになる。

ディグナムは、サリヴァンが、イーナンを囮に使ったことを知って激怒して彼に詰め寄る。

しかし、クイーナンが死んだために、指揮することになったエーラビーは、ディグナムに休暇を与えて、捜査から外してしまう。

クイーナンと接触していた者がスパイだということになり、コステロの手下は集まっていたが、連絡を取れなかったコスティガンをフィッツィが追求する。

フィッツに理由を伝えたコスティガンは、警官に撃たれて瀕死のデラハントに呼ばれる。

デラハントは、自分が住所を言い間違えたにも拘らず、コスティガンが現場に居たことを黙っていのはなぜかと言い残して息を引き取る。

それを聞いたコスティガンは、デハラントが警官だったことに気づく。

サリヴァンは、クイーナンの携帯電話から通話履歴番号に電話をする。

焦るコスティガンは無言のままそれを切るが、サリヴァンに電話をして、スパイ同士が初めて会話を交わす。

サリヴァンは、クイーナンの後任だとコスティガンに告げて、彼に出頭するよう伝えるが電話を切られてしまう。

その後サリヴァンは、クイーナンの資料で、コステロがFBIと通じていたことを知る。

スパイが消えたことで安心したコステロは、尾行されていると言うサリヴァンの連絡を受け、それを止めさせるように命じて麻薬取引に向かう。

サリヴァンは、スパイから連絡を受けたとエーラビーに伝え、彼らを引き連れて署を出る。

コスティガンから、取引現場の情報を得たサリヴァンは、その場に急行する。

取引を終えたコステロ一味は、警察の襲撃に遭うものの、コスティガンは逃亡して、フレンチらは死亡する。

銃弾を受けたコステロは、現れたサリヴァンに、FBIとのことを追求され射殺されてしまう。

そして、ヒーローとななり署に戻ったサリヴァンと、その場にいたコスティガンが対面することになる。

二人は互いの労を労うのだが、サリヴァンは、身分を戻してくれと言うコスティガンの記録を、席を外して別室で確認する。

コスティガンは、コステロが、映画館でスパイに渡した封筒を、サリヴァンのオフィスで見つける。

姿を消したコスティガンが、封筒に気づいたことを知ったサリヴァンは、彼の記録を抹消してしまう。

コスティガンは、サリヴァンがコステロ側のスパイだという証拠をマドリンに預けて、もしもの時に開封するようにと言い残してその場を去る。

その後マドリンは、妊娠したことをサリヴァンに知らせるが、彼宛にコスティガンから送られてき郵便物を見て驚いてしまう。

マドリンは、それを開封してCDを確認し、証拠の通話記録を聴きサリヴァンを追求する。

コスティガンは、抹消された自分の身分を取り戻すために、サリヴァンと対決しようとする。

クイーナンが殺されたビルに、サリヴァンを呼び出したコスティガンだったが、警察学校の同期生ブラウンが現れる。

コスティガンは、スパイがサリヴァンだったことをブラウンに伝え、彼を人質にしてビルを離れようとする。

サリヴァンは破滅を恐れるが、警察に潜入していた彼の同期生バリガンが現れる。

もう一人のスパイだったバリガンは、それをサリヴァンに知らせてコスティガンとブラウンを射殺してしまう。

二人以外にスパイがいないことを確認したサリヴァンは、バリガンから銃を受取り彼を射殺し、争いがあったように見せかけて応援を呼ぶ。

その後サリヴァンは、コスティガンを功労賞に推薦し、自分と共に英雄に仕立て上げる。

コスティガンの葬儀に参列して悲しみを堪えるマドリンは、子供のことで話しかけてきたサリヴァンを無視してその場を去る。

アパートに戻ったサリヴァンは、マドリンからコスティガンの情報を受け取り全てを知ったディグナムが、待ち構えていることに気づく。

サリヴァンは話し合おうとするものの、ディグナムは、彼を容赦なく射殺して立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
共に優秀な成績で警察学校を卒業した二人、ビリー・コスティガンとコリン・サリヴァンは、私服警官としてSIU(特別捜査班)に配属される。
コスティガンは、囮捜査のため身分を消され、街を牛耳るマフィアのコステロ一味に潜入を命ぜられる。
一方、親代わりのコステロのスパイとして警察に送り込まれたサリヴァンは、コステロ逮捕の特別班に席を置きながら、内部情報を流して捜査を妨害する。
コステロに気に入られたコスティガンだったが、一向に進まない捜査に、精神的に追い込まれていく。
やがてコスティガンは、残虐で明らかに重罪を犯しているコステロが、なぜ警察、司法の手を逃れられるのか、その隠された秘密を突き止めるのだが・・・。
__________

2002~2003年にかけて製作された香港映画「インファナル・アフェア」のハリウッド版リメイク。

第79回アカデミー賞では、作品、監督、脚色、編集賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優賞(マーク・ウォルバーグ

北米で約1億3200万ドルの興行収入を上げ、全世界では約2億900万ドルのヒットとなった。

善と悪が入り乱れ、めまぐるしく展開する奥深いストーリーを見事に描き切った、マーティン・スコセッシの切れ味鋭い演出は見応え十分で、本編の長さ(151分)を全く感じさせない。
功労賞の感はあるが、彼は悲願のオスカーをついに獲得した。

これだけの豪華なキャストの中で、主演の二人を立てながらマフィアのボスを怪演するジャック・ニコルソンの存在感は圧倒的だ。

2ヵ月後に公開される「ブラッド・ダイヤモンド」(2006)で、アカデミー賞候補になるレオナルド・ディカプリオは、本作同様、スマートな美男作品よりも汚れ役で真価を発揮するのは、正に実力の証だ。

今一好みのスターではなかったディカプリオが、この2作品で、次回作が待ち遠しい存在になったのも事実だ。

悪役マット・デイモンも、多彩な共演者達の中で、特異な個性を発揮している。

マーク・ウォルバーグの憎まれ役は評価が高く、一瞬でも人情味が加わればどうだったか・・・。
そう思わせるところが、ラストの復讐の一撃で効いてくる、これもうまい演出だ。。

久しぶりに登場したマーティン・シーンも、渋みのある演技を見せてくれる。

囮捜査を陣頭指揮するエリート警部役アレック・ボールドウィン、コステロの右腕レイ・ウィンストンと手下のデヴィッド・オハラ、主人公の二人と複雑に絡む精神科医ヴェラ・ファーミガ、主人公の同期生アンソニー・アンダーソンジェームズ・バッジ・デール、組織に潜入する警官マーク・ロルストンM・ウォルバーグの実兄でFBI捜査官のロバート・ウォルバーグなどが共演している。

インファナル・アフェア」のリメイクということであり日本では話題になったが、アメリカをはじめ諸外国ではあまり知られてない。
その証拠に、アカデミー賞授賞式では日本映画として紹介されていた。

予備知識を入手することを敢えて避けていた自分も、 恥ずかしながら原作となる「インファナル・アフェア」の存在を全く知らなかった。
しかし、ハリウッドも注目し参考にしたオリジナル作ならば、権威あるアカデミー賞授賞式では間違いなく紹介して欲いものだ。

両作の比較で盛り上がる方が多いが、原作が同じだけで、独特の雰囲気を持つ、感覚を重視したオリジナルと、娯楽的要素、リアリズムを追求するリメイクを過剰に比較するのはナンセンスだ。


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