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ディープ・エンド The Deep End (2001)

事件に巻き込まれた息子を守ろうとする母親の行動を描く、製作、監督、脚本スコット・マクギーデヴィッド・シーゲル、主演ティルダ・スウィントンゴラン・ヴィシュニックジョナサン・タッカーピーター・ドゥナットジョシュ・ルーカス他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督

スコット・マクギー
デヴィッド・シーゲル
製作
スコット・マクギー
デヴィッド・シーゲル
製作総指揮:ロバート・H・ネイサン
原作:エリザベス・サンゼイ・ホールディング“The Blank Wall”
脚本
スコット・マクギー
デヴィッド・シーゲル
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
編集:ローレン・ザッカーマン
音楽:ピーター・ナシェル

出演
マーガレット・ホール:ティルダ・スウィントン
アレック・スペラ:ゴラン・ヴィシュニック
ボウ・ホール:ジョナサン・タッカー
ジャック・ホール:ピーター・ドゥナット
ダービー・リース:ジョシュ・ルーカス
カーリー・ネイグル:レイモンド・J・バリー
ペイジ・ホール:タマラ・ホープ
ディラン・ホール:ジョーダン・ドーランス

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライ ト・ピクチャーズ
2001年製作 101分
公開
北米:2001年8月8日
日本:未公開
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $8,821,780
世界 $10,031,530


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ネバダ州、リノ
マーガレット・ホール(ティルダ・スウィントン)は、ナイトクラブ”ディープ・エンド”に向かう。

オーナーのダービー・リース(ジョシュ・ルーカス)に会ったマーガレットは、高校生の息子ボウ(ジョナサン・タッカー)に会わないでほしいと伝える。

カリフォルニア州、タホ・シティ
タホ湖の畔で暮らすマーガレットは、海軍の空母”コンステレーション”のパイロットである夫が長期不在の間、義父ジャック(ピーター・ドゥナット)と、ボウ、娘ペイジ(タマラ・ホープ)、次男ディラン(ジョーダン・ドーランス)と共に平穏な日々を送っていた。

帰宅したマーガレットは、湖から戻ったボウにリノに言ってきたことを伝え、リースから聞いたと言われる。
...全てを見る(結末あり)

部屋に向かったボウと話し合ったマーガレットは、リースは付き合う相手ではないと言って、5000ドルを払う条件で彼には承知させたと伝える。

リースは単なる友人であり、クラブの経営者だと反論するボウは、納得できなかった。

その夜、夫にメールを書いていたマーガレットは、ボウが交通事故を起こして警察沙汰になったことを伝えようとする。

部屋の窓の外にリースが現れたため驚いたボウは、彼に誘われボートハウスに向かう。

マーガレットは、物音がしたように思う。

実は、リースとは愛し合う関係だったボウは、マーガレットが自分達の関係を知っていると言うリースに、誰にも話さないでほしいと伝える。

マーガレットと話し合ったことと、金の件でリースを責めたボウは殴られてしまう。

二人は格闘になり、ボウはリースの頭を殴ってその場を去る。

再び物音を聞いたマーガレットは、ボウが部屋にいないことに気づき、彼が慌てて戻って来たため気にする。

ボートハウスに向かい内部などを調べたマーガレットは、異常がないことを確認して家に戻る。

翌朝、ゴミを捨てて新聞を拾い、路上に車が止まっていることを気にしながら湖に向かったマーガレットは、リースの死体を発見する。

胴体に突き刺さっていた錨を外し、死体をボートに乗せたマーガレットは沖に向かう。

マーガレットは、死体に錨を縛りつけ、水に沈めて家に戻る。

友人が子供達を迎えが来たため送り出したマーガレットは、路上の車がリースのものだと気づき、キーがないため死体の場所に戻る。

水に潜り、リースのポケットからキーを取り出し、家に戻り車をショッピングセンターの駐車場に止めたマーガレットは、走って家に戻る。

アザだらけのボウと話したマーガレットは、昨夜、何があったのかを尋ねる。

何も答えないボウを学校に送ったマーガレットは、昨夜のことを父親には内緒にしてほしいと言われる。

ペイジを迎えに行ったマーガレットは、溺れた者が発見され、警察が捜査を始めたことで動揺する。

夫に電話をしたマーガレットだったが、つながらなかった。

翌日、リースの溺死体を漁師が発見したという新聞記事を確認したボウは、それをマーガレットに知らせる。

悲しむボウは、警察に尋問されるかもしれないとマーガレットに言われ、こんな結果になったことで満足しているかと彼女に問う。

そこに、夫に会いに来たというアレック・スペラ(ゴラン・ヴィシュニック)が現れ、対応したマーガレットは、リースとボウに関して話があると言われる。

アレックは、ボウとリースの愛し合う姿を映したビデオをマーガレットに見せて、24時間以内に5万ドルを用意しないと、ビデオを警察に渡すことを伝える。

マーガレットは、翌日、町で会うことをアレックに約束する。

銀行に向かったマーガレットは、担保証書のサインが夫と連盟だったために、預金を引き出せないと言われる。

音楽家志望のボウがウェズリアン大学を目指していることなどを気にしながら、マーガレットは金の工面をする。

演奏した曲をスタジオで録音したボウは、それを大学の願書と共に郵送する。

義父ジャックに5万ドルのことを話そうと考えたマーガレットだったが思い止まり、気を遣う彼は財布から80ドルを出して渡す。

その後、ウォーターサーバーのタンクを運んでいたジャックは発作を起こして倒れてしまい、そこにアレックが現れる。

学校から帰ったディランは、玄関にいたアレックを家に入れる。

マーガレットは、ディランに救急車を呼ぶよう指示し、人工呼吸のやり方を指示したアレックは彼女を手伝う。

息を吹き返したジャックは到着した救急車で運ばれ、マーガレットとディランが付き添う。

その場に残ったアレックは、家の中の家族の写真などを見て、マーガレットの生活のことなどを考える。

そこにボウが戻り、アレックは、ジャックが病院に運ばれたことと、自分が父親の友人だと伝えてその場を去る。

仲間のカーリー・ネイグル(レイモンド・J・バリー)に、金を受け取らなかったことで責められアレックは、明日なら受け取れると約束する。

家に戻ったマーガレットは、夫に連絡できないまま、再び現れたアレックと話して金を工面しろと言われる。

5万ドルもの大金は無理だと伝えたマーガレットは、努力が足りないとアレックに言われ、日々の生活に追われている主夫の身でどうしろというのかと反論する。

これが金儲けのチャンスだと言うアレックは、身勝手だとマーガレットに非難される。

自分は立場が違うと言うアレックは、日時はネイグルと交渉するが、彼は非情な男だと伝える。

そこにボウが現れ、ペイジをバレエの発表会に送らなければならないマーガレットはその場を去る。

帰宅したマーガレットはアレックからの電話を受け、自分の取り分をなくしたことにするため、金は2万5000ドルでいいと言われる。

その理由を聞かれたアレックは、それでネイグルが手を引けばいいとだけ伝え、翌日の3時にリノのカジノで会うことをマーガレットと約束する。

翌日、車が故障したためタクシーでリノに向かったマーガレットは、質屋で宝石を売り、アレックに会い、約1万2000ドルしか用意できないことを伝える。

事情が変わったと言うアレックは、マーガレットを車に乗せてジャックの病院に向い、リース殺人容疑の犯人を警察が逮捕したことを話す。

ネイグルは不利になったために交渉に応じると言うアレックは、犯人は違うと話すマーガレットから、事件の夜、リースがボウに会いに来たことを伝える。

その日の昼間、リースを訪ねたと言うマーガレットは、彼の車を酔って運転したボウが事故を起こしたことを話す。

訪ねて来たリースとボートハウスで喧嘩になったボウは家に戻り、物音に気付いた自分がその場に向い、リースと言い争いになり、手すりが壊れていたために、彼は水中の錨の上に落ちたことを、マーガレットはアレックに伝える。

翌朝、ボートで死体を沖に運んだことを話したマーガレットは、全てを終らせるために警察に行くと言って動揺する。

もう手遅れだと言うアレックは、家族のことだけを考えて、ネイグルや犯人、そして自分のことは忘れるようにとマーガレットに伝える。

マーガレットは、家に電話をして帰ることを伝えて病院に向かうが、その頃、ボウがジャックを迎えに行き自宅に向かう。

病院に着いたマーガレットは、人工呼吸のことでアレックに感謝して彼と別れる。

ボウがジャックを迎えに来たことを知ったマーガレットは、家に向かう。

ネイグルに電話をしたアレックは、マーガレットから1万2000ドルを受け取ったことを伝え、これ以上の強請は止めるよう説得する。

犯人が明日には釈放されると言うネイグルは、有利な立場は変わらないため、全額、金を受け取るようアレックに指示する。

マーガレットがタクシーで帰ってきたことを知ったネイグルは、信用できなくなったと言って、自分がけりをつけることをアレックに伝える。

ネイグルは、マーガレットをボートハウスに連れて行き金を要求し、犯人が釈放されることを伝える。

それに応じようとしないマーガレットを殴り、ビデオを見せて脅したネイグルは、その場に現れたアレックを侮辱して争いになる。

腕を傷つけられたアレックは、ネイグルに襲いかかり締め殺す。

正当防衛と証言すると言い警察に向かうことを勧めるマーガレットは、自分は自首すると伝える。

家に入り家族にはこの件を知られないようにして、自分の車に乗るようマーガレットに指示したアレックは、ネイグルの車で待っていることを伝える。

アレックが去ったことに気づいたマーガレットは、アレックの車に乗り込むが、マニュアル車だったために運転できない。

様子を見に来たボウはマーガレットの異変に気づき、何も聞かずに運転してほしいと言われる。

アレックとの関係を誤解してほしくないと言うマーガレットは、土手の下で横転しているネイグルの車を見つける。

ボウに助けを呼ぶよう指示したマーガレットは、アレックの無事を確認するが、腕が挟まり動けない彼から、ハンドル操作を誤ったと言われる。

ネイグルは事故死したことにすると言うアレックは、直ぐに人が来るため逃げるようマーガレットの伝える。

それを拒むマーガレットに、テープと金を捜すよう指示したアレックは、早くこの場を離れるようにと伝えて自分がしたことを謝罪する。

自分の思いをマーガレットに伝えようとしたアレックは、息を引き取る。

その様子を見ていたボウは、マーガレットを連れて家に戻る。

ベッドに横たわりながら涙するマーガレットは、寄り添うボウを抱きしめて、何をどう話せばいいか分からないと伝える。

何も話さなくていいと言うボウに愛を伝えたマーガレットは、彼を再び抱きしめる。

電話のベルが鳴り、受話器を取ったペイジは、父からだとマーガレットに伝える。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
カリフォルニア州、タホ・シティ
平凡な主婦マーガレット・ホールは、海軍のパイロットである夫は長期不在で、義父と息子ボウら3人の子供達と共に、湖畔の家で平穏な暮らしをしていた。
そんなマーガレットは、ボウがリノのナイトクラブのオーナー、リースと付き合うのを止めさせようとする。
リースと話をつけたマーガレットはそれをボウに伝えるものの、その夜、リースがボウを訪ねて来たことに気づかない。
翌朝、リースの死体を見つけたマーガレットは驚いて、ボウが彼と争ったことに気づき、証拠を隠すためにボートで死体を沖に運び沈めてしまう。
その後、死体は発見されて警察の捜査は始まり、動揺するマーガレットの前に、アレックという男が現れる。
ボウとリースが愛し合う関係だった証拠のビデオをマーガレットに見せたアレックは、5万ドルを要求する。
夫が不在ということもあり、誰にも相談できないマーガレットは、家事や子供の世話をしながら、金の工面に奔走する・・・。
__________

1947年に発表されたエリザベス・サンゼイ・ホールディングの小説”The Blank Wall”を原作に、1949年に公開された”無謀な瞬間”を基に製作された作品。

日々の生活に追われる主婦に襲いかかる魔の手、夫の留守を任され、家族を守ろうとする主人公の必至の行動を描くドラマ。

平凡な主婦を強請る男が、彼女が家族のために全てを捧げて生きる姿に心を動かされていくという、思わぬ展開に発展する異色のサスペンス。

その男が、主人公に好意又は違った愛情を示すと思われる言葉を残して息を引き取り、二人の信頼関係が死をもって深まる姿は、深く考えさせられる印象的な場面であり、製作と脚本を兼ねるスコット・マクギーデヴィッド・シーゲルの細やかな演出が光る。

悪党である男の、主人公と家族に対する眼差しは優しさを感じ、おそらく、恵まれない家庭環境に育ち、母性愛に飢えていたことを察することができる。

夫が不在のため家族を守る母であり、誰にも相談できない辛い立場の主人公を見事に演ずるティルダ・スウィントン、主人公を脅迫しながら、彼女の家族を守る姿に感情移入していく男を、6代目ジェームズ・ボンド候補だっただけあり魅力的に演ずる、ゴラン・ヴィシュニック、主人公の息子ジョナサン・タッカー、彼と愛し合う関係にあるナイトクラブのオーナー、ジョシュ・ルーカス、主人公の義父ピーター・ドゥナット、主人公を強請る男レイモンド・J・バリー、主人公の娘タマラ・ホープ、息子ジョーダン・ドーランスなどが共演している。


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