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愛情は深い海の如く The Deep Blue Sea (2011)

1952年に上演されたテレンス・ラティガンの戯曲”The Deep Blue Sea”を基に1955年に製作された、監督アナトール・リトヴァク、主演ヴィヴィアン・リーケネス・モアによる「愛情は深い海の如く」の再映画化。
愛を求めて苦悩する女性の心理を描く、監督、脚本テレンス・デイヴィス、主演レイチェル・ワイズトム・ヒドルストンサイモン・ラッセル・ビール他共演の袁愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:テレンス・デイヴィス
製作
ショーン・オコナー
ケイト・オグボーン
製作総指揮
キャサリン・バトラー
リサ・マリー・ルッソ
ピーター・ハンプデン
ノーマン・メリー
原作:テレンス・ラティガンThe Deep Blue Sea”(戯曲)
脚色:テレンス・デイヴィス
撮影:フロリアン・ホーフマイスター
編集:デヴィッド・チャラップ
音楽:サミュエル・バーバー

出演
ヘスター・コリヤー:レイチェル・ワイズ
フレディー・ペイジ:トム・ヒドルストン
ウィリアム・コリヤー卿:サイモン・ラッセル・ビール
エルトン夫人:アン・ミッチェル
ミラー:カール・ジョンソン
コリヤー夫人:バーバラ・ジェフォード
へスターの父親:オリヴァー・フォード・デイヴィース
フィリップ・ウェルチ:ジョリオン・コイ
ジャッキー・ジャクソン:ハリー・ハデン=ペイトン

イギリス 映画
配給 Music Box Films
2011年製作 98分
公開
イギリス:2011年11月25日
北米:2012年3月23日
日本:未公開
北米興行収入 $1,124,790


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1950年頃、ロンドン
死を決意したヘスター・コリヤー(レイチェル・ワイズ)は、睡眠薬を飲み遺書を残し、ガス栓を開けて眠る。
__________

穏やかで優しい、判事である年の離れた夫ウィリアム・コリヤー卿(サイモン・ラッセル・ビール)と何不自由なく暮らすヘスターだったが、満ち足りた日々を送っているとは言えなかった。

そんなヘスターは、イギリス空軍パイロットのフレディー・ペイジ(トム・ヒドルストン)と出会い、たちまち恋に落ちる。
__________

大家のエルトン夫人(アン・ミッチェル)が異変に気づき、同じアパートに住む医学の心得があるラー(カール・ジョンソン)を呼び、ヘスターは一命を取り留める。
...全てを見る(結末あり)

その場に駆け付けたフィリップ・ウェルチ(ジョリオン・コイ)は、へスターが再び死のうとすると思うかをミラーに尋ねる。

医師ではないので分からないが、またやるだろうとミラーは答える。

自殺未遂は犯罪だと言うフィリップの言葉を遮ったミラーは、その場を去る。

容態を気にするフィリップに、迷惑をかけたと言って謝罪するヘスターは、彼に感謝する。

ヘスターは、フレディーには黙っていてほしいとエルトン夫人に伝える。
__________

牧師である父(オリヴァー・フォード・デイヴィース)から、夫ウィリアムの元に戻るようにと言われたヘスターは、その指示に従う。

自分達に干渉し過ぎるウィリアムの母コリヤー夫人(バーバラ・ジェフォード)と犬猿の仲のヘスターは、彼女との関係に限界を感じる。

ウィリアムと共にコリヤー夫人の屋敷を訪れていたヘスターは、義母とまともな会話が成り立たず、フレディーに電話をしてロンドンに戻ることを伝える。

フレディーの友人のジャッキー・ジャクソン(ハリー・ハデン=ペイトン)の家で会う約束をしたヘスターは、フレディーに愛を伝える。

それをウィリアムに聞かれしまったヘスターは、いつから関係が続いているのかを問われ、数か月前だと答える。

母親を気遣うウィリアムは、動揺させたくないとヘスターに伝えて、彼女とおtもにロンドンに向かう。

二人は車の中で話し合い、離婚はせずに厳しい立場に追い込むとウィリアムから言われたヘスターは、言い方や態度が父と同じだと言って彼を批判する。

ウィリアムは、不自由ない今の生活を捨てる覚悟だと言うヘスターに、二度と顔を見たくないと伝えて車を降りる。

フレディーと共にアパートに向かったヘスターは、大家のエルトン夫人から”ペイジ夫人”と言われる。
__________

自殺未遂のことは知らないまま、ジャッキーとの週末のゴルフ旅行から帰ったフレディーは、様子のおかしいヘスターが、誕生日だったことを思い出す。

謝罪したフレディーはヘスターとの愛を確認するが、自分への手紙を見つけて、それが遺書であることを知りショックを受ける。

何も言わずに出て行ったフレディーを追おうとしたヘスターは、エルトン夫人に伴われてウィリアムが現れたために驚く。

事件のことが心配になったエルトン夫人から連絡を受けたと言うウィリアムは、ヘスターから感謝されるが、不幸な生活を確認したかっただけだと伝える。

そこにヘスターの様子を見に来たミラーが現れ、医師かと訊かれた彼は違うと答える。

敬意を払えとウィリアムから言われたミラーは、礼儀をわきまえた者には敬意を払うと伝えてその場を去る。

ミラーが正規の医者でないことを知ったウィリアムは、何があったかをヘスターに尋ね、自殺未遂が犯罪であること確認する。

ロンドンにいることを知らせなかった理由を訊かれたヘスターは、二度と会いたくないと言われたからだと答える。

気が動転していたために口にした言葉だと言うウィリアムは、フレディーとの愛をを確認し、離婚しても構わないと伝える。

怒り、憎しみ、生きることへの恥などが自殺の原因だと話すヘスターは、フレディーを恨んでいるかをウィリアムに尋ねる。

フレディーは友情を、ヘスターは信頼を裏切ったと言うウィリアムだったが、怒りは収まり後悔に換わるものだと話す。

気持ちは変わらないと言うヘスターに、何も与えられない男をなぜ愛せるのか、ウィリアムは彼女に問う。

時々ではあるが、フレディーは彼自身を与えてくれると言うヘスターは、必要な物があるかウィリアムから訊かれ、考えておくと答える。

これは悲劇だと考えるウィリアムは、大袈裟だと言うヘスターに、子供がいれば違っていただろうかと問い、誰にとってなのかを訊かれる。

何も答えないウィリアムは、誕生日のお祝いを伝えてその場を去る。

パブに向かったヘスターは、ジャッキーと飲んでいたフレディーと外に出る。

誕生日を忘れただけだと言ってヘスターを非難するフレディーは、手紙を読む。

責めてなどいないと言われたフレディーは納得できず、ジャッキーから1シリングを受け取り、今夜自殺する時にガスメーターに使うようにと伝えて、ヘスターにそれを投げつける。

一緒に帰ってほしいと言うヘスターは、すがるようなことはしないとフレディーに伝える。

アパートから洗面道具を持ってきてほしいとジャッキーに伝えたフレディーは、あとは自分で取りに行くと言ってパブに戻る。

自分が約束を守らないことをフレディーはお見通しだと言うヘスターは、ジャッキーと共にアパートに向かおうとする。

フレディーから全て聞いているので状況は知っていると言うジャッキーは、大事なことに気づいていないとヘスターに伝える。

フレディーを連れて家に帰るとヘスターに伝えたジャッキーはパブに戻り、彼女はアパートに向かう。

アパートに戻ったヘスターは、フレディーとの生活を想い起す。
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ある日、ヘスターと共に美術館に向かったフレディーは、彼女に比べて無知であることを気にして苛立ち、こんな自分が国を守ったと言って怒りをぶつける。

アパートに戻ったヘスターが、フレディーの妻でないことを知ったエルトン夫人は驚き、”ペイジ夫人”と呼んでほしいとヘスターから言われる。

トラブルは起こさないようにと言うエルトン夫人は、プライベートには干渉しないことをヘスターに伝える。

仲直りをしたヘスターとフレディーはパブに向かい、ジャッキーと妻リズと共に楽しい時を過ごす。
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帰宅途中、ジャッキーの家に電話をしたヘスターは、その場にいたフレディーと話し、南米での仕事を見つけたことなどを知らされ、別れを言いたいので荷物を取りに来てほしいと伝えるものの、電話を切られる。

動揺しながら地下鉄のホームに向かったヘスターは、空襲のためにウィリアムと避難した戦時中を想い出す。

アパートに着いたヘスターは、ウィリアムが車で現れたために驚き話をする。

フレディーが、生きること、そして死ぬことの全てであると言うヘスターは、それを簡単に表現するのは無理だと伝える。

バトル・オブ・ブリテン”の恐怖と興奮を体験した1940年で、フレディーの人生は止まっていると言うヘスターは、彼がそれ以来、不幸だと話す。

フレディーがウィリアムのことを羨ましく思うと言っていたと伝えたヘスターは、それを信じてもらえない。

そこに酔ったフレディーが現れ、自尊心を傷つけるへスターを侮辱してアパートの入り口に向かう。

まだ愛しているのかとフレディーから訊かれたウィリアムは、愛していることをへスターに伝える。

それを受け入れないヘスターから、将来を見守るべきだと言われたウィリアムは、彼女に誕生日のプレゼントを渡す。

それが、自分の好きな”ソネット集”だったためにヘスターは喜び、車で帰るウィリアムを見つめる。

部屋に向かおうとしたヘスターはエルトン夫人に呼び止められ、彼女が夫を介護する姿を見る。

夫人から今日の騒ぎを注意されたおヘスターは、本当の愛についてを教えられる。

自殺に値する人などいないとエルトン夫人から言われたヘスターは、なにも答えずに部屋に向かう。

フレディーと南米人がくれた仕事のことを話したヘスターは、テストパイロットをすると言われる。

二度と飛ばないと決めたはずだとヘスターから言われたフレディーは、勇気や判断力は心配ないと考え、2か月も禁酒すれば一流パイロットに戻ると伝える。

リオデジャネイロに一人で発つ考えのフレディーは、傷つけたくないとヘスターに伝える。

去ろうとするフレディーを引き止めたヘスターだったが、それを拒まれて、もう終りだと言われる。

何も話さないし口論もしないと言うヘスターは、今夜だけは一緒にいてほしいとフレディーに伝える。

結局、ヘスターと一夜を共にしたフレディーは、翌朝、身支度をする。

ヘスターに靴を磨いてもらったフレディーは、船ではなく飛行機で旅立つことを伝える。

家賃はゴルフクラブを売ればいいと言うフレディーは、ヘスターに別れを告げて感謝してその場を去る。

フレディーの手袋を手にして泣き崩れるヘスターは、暖炉のガス栓を開けて火を点ける。

窓辺に向かったヘスターは、外を見つめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1950年頃、ロンドン
判事である年の離れた夫ウィリアムと何不自由なく暮らすヘスター・コリヤーだったが、満ち足りた日々を送っているとは言えなかった。
そんなヘスターは、イギリス空軍パイロットのフレディーと出会い、たちまち恋に落ちる。
ウィリアムの母親との不仲もあり、ウィリアムとの結婚生活に限界を感じたヘスターは、フレディーの元に向かう。
しかし、戦争の恐怖と興奮を体験したフレディーは戦後の社会に馴染めず、幸せを夢見たヘスターは絶望して命を絶つ決心をする・・・。
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第二次大戦後間もないロンドンを舞台に、何不自由なく暮らす判事の妻と、厳しい状況下での戦争経験から、社会に順応できない空軍パイロットの愛を描くドラマ。

ロマンスが成立する物語ではなく、全てが壊れゆく姿を描いた作品で、ラストで登場する、空襲で破壊された瓦礫を映し出す映像がそれを象徴しているとも言える。

激しく揺れ動く女心を、主に表情や仕草で繊細に演ずるレイチェル・ワイズの演技は高い評価を受け、ゴールデングローブ賞のドラマ部門で主演賞にノミネートされた。

厳しい状況下の戦争を戦い抜いたものの、それにより社会に順応できないイギリス空軍パイロットを演ずるトム・ヒドルストン、主人公の夫である判事のサイモン・ラッセル・ビール、アパートの大家である夫人アン・ミッチェル、主人公と同じアパートに住む医学の心得がある老人カール・ジョンソン、主人公とは犬猿の仲の義母バーバラ・ジェフォード、牧師である主人公の父親オリヴァー・フォード・デイヴィース、主人公の知人ジョリオン・コイ、フレディー(トム・ヒドルストン)の親友ハリー・ハデン=ペイトンなどが共演している。


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