落ちぶれた映画プロデューサーの起死回生をかけた奮闘と恋を描く、脚本、主演ウィリアム・H・メイシー、メグ・ライアン、LL・クール・J、エリオット・グールド、ジェイソン・リッター他共演、監督、脚本スティーヴン・シャクターによるコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・シャクター
製作
アイリーン・リチンスキー
ケリー・ナカモト
マイケル・プラパス
製作総指揮
ジェイソン・バーク
ゲイリー・ホーサム
マット・レイン
リューイン・ウェッブ
原作:ピーター・レフコート”The Deal”
脚本
ウィリアム・H・メイシー
スティーヴン・シャクター
撮影:ポール・サロッシー
編集
マット・フリードマン
スーザン・マッジ
音楽:ジェフ・ビール
出演
チャーリー・バーンズ:ウィリアム・H・メイシー
ディードラ・ハーン:メグ・ライアン
ボビー・メイソン:LL・クール・J
セス・ガッターマン:エリオット・グールド
ライオネル・トラヴィッツ:ジェイソン・リッター
フィオナ・ヒックス:フィオナ・グラスコット
レヴィ・ローゼンウォルド:シャロン・レジニアーノ
ナイジェル・ブランド:ジョン・カーソン
イアン・チャドウィック:ジェレミー・クラッチリー
リンダ:ケイト・ブルムバーグ
グリア・クラーク:デヴィッド・ハント
アメリカ 映画
配給 Peace Arch Entertainment
2008年製作 100分
公開
北米:2008年1月22日(サンダンス映画祭)
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ハリウッド。
落ちぶれた映画プロデューサーのチャーリー・バーンズ(ウィリアム・H・メイシー)は、自殺しようとしていた。
そこに、ラビで葬儀屋の甥ライオネル・トラヴィッツ(ジェイソン・リッター)が現れたため、チャーリーは仕方なく対応する。
ライオネルが書いた脚本を預かったチャーリーは、彼を追い払い自殺しようとする。
車の排気ガスを家に引き込もうとしたチャーリーだったが、エンジンがかからずに自殺さえもできない。
ライオネルの脚本で閃いたチャーリーは、19世紀にイギリスの首相を務めた”ベンジャミン・ディズレーリ”の物語にも拘わらずアクション・スターのボビー・メイソン(LL・クール・J)を起用した作品の企画を考える。
ラビのセス・ガッターマン(エリオット・グールド)の元に向かったチャーリーは協力を求める。 マスコミで話題になるよう仕向けたチャーリーは、ボビーが黒人のアクション・スターであり、脚本の主人公のイメージでないとライオネルに言われても気にしない。 映画スタジオの企画担当ディードラ・ハーン(メグ・ライアン)は、ボビーの出演が噂されるチャーリーの脚本を買い取るよう上司に言われる。 ボビーが”ディズレーリ”の物語でどんな役を演ずるのか疑問に思いながら、ディードラはチャーリーをオフィスに招く。 作品の製作を急ぐチャーリーは、脚本を読んでからだと言うディードラの提案を受け入れない。 チャーリーの家を訪ねたディードラは、ライオネルに声をかけて脚本のコピーを受け取ろうとする。 それを許さないチャーリーは、いつから撮影に入るかをディードラに問い、ライオネルに内緒で脚本家を雇ったことを伝える。 脚本に目を通さなければ撮影は始められないと答えるディードラは、数日後に書きあがるという脚本を待つことになる。 ところが、その場を去ったディードラは、ライオネルの脚本をすり替えていた。 ゲーマーに新しい脚本を書かせていたチャーリーは、それをチェックする。 盗んだ脚本がまずまず気に入ったディードラは、上司から必ず映画を実現させるよう指示される。 チャーリーに会ったディードラは、脚本の不満な点を伝えるが、新しい脚本が書きあがるのを待たなかったからだと言われる。 ディードラを誘ったチャーリーだったが、弁護士で料理もできてセックスも最高の婚約者がいると彼女に言われて相手にされない。 スタジオ入りしたチャーリーは、興奮するライオネルと共にオフィスに向い、仕上がった”フリーダム・ファイター”の脚本をコピーし、1部はディードラに渡すよう秘書に指示する。 新しい脚本家二人を伴いディードラに会ったチャーリーは、渡された脚本を酷評される。 それが新しい脚本家を雇った理由だと言って、チャーリーはディードラに会議を始めることを伝える。 ガッターマンやボビーのマネージャーのマークらと共に打ち合わせを始めたチャーリーは、適当に話を煮詰め撮影の段取りを決める。 二人の脚本家を解雇したチャーリーは、マークに脚本を書かせるとディードラに伝えてその場を去る。 帰宅したチャーリーは、脚本を全て書き直されたことで憤慨するライオネルに罵倒される。 怒りが収まらないライオネルは、脚本から自分の名前を外すように指示して家を出る。 6週間後、南アフリカ、ケープタウン。 重役を追い払いスタジオに電話をしたチャーリーは、ディードラを担当にしないとボビーが主役を降りるとことになるという緊急事態を伝える。 現地に到着したディードラは、監視してスタジオに報告するとチャーリーに警告するが、それを自分を意識しているからだと言われて憤慨する。 監督のレヴィ・ローゼンウォルド(シャロン・レジニアーノ)の話などを聞いたディードラは、何台もの車とトレーラーを連ねたボビーの到着を知る。 その夜、食事を済ませほろ酔い気分のディードラは、チャーリーにプライベートな質問をする。 愛し合ったら帰ってもいいかとディードラに言われたチャーリーは、ダメだと答えるものの、彼女とシャワー室で愛し合う。 ボビーが騒いでいるということを知らされたチャーリーは呼び出され、ディードラと共に彼のトレーラーに向かう。 ところが、一体感が生まれると言うボビーからスタッフ・キャップを渡されただけだったため、チャーリーとディードラは唖然とする。 ホテルに戻ったチャーリーは、プロとしての関係を保つことをディードラから提案され、仕方なくコールガールを呼ぶ。 翌日、ヒロイン役のフィオナ・ヒックス(フィオナ・グラスコット)と顔を合わせたチャーリーとディードラは、イスラエルが製作総指揮のガッターマンを祝福している件で、重役が激怒しているという連絡を受ける。 その後、ボビーはユダヤ色が欠けている脚本に意見するが、チャーリーは彼の役者としての未熟さなどを率直に批判し黙らせてしまい、ディードラを感心させる。 意見は正しいことをボビーに伝えたチャーリーは、脚本家はクビにすると言ってディードラと共にその場を去る。 翌日から始まる撮影にボビーは現れないだろうと考えるディードラだったが、チャーリーは必ず来ると言って彼女と100ドル賭ける。 翌朝、ボビーから朝食の差し入れが届き、彼が既に台詞の練習をしていると聞いたチャーリーは喜び、ディードラから100ドルを受け取る。 撮影は始まるが、素人のようなフィオナの演技が我慢できないレヴィは、彼女を降ろすよう言い出す。 役柄に相応しい手榴弾の投げ方ができないフィオナは、指導を受けるものの成果が出ず、結局は男優が彼女に扮して代役を務めレヴィのOKが出る。 ホテルに戻ったチャーリーは、ディードラが雇ったライオネルがいたために驚く。 ディードラからフィオナを紹介されたライオネルは、スターを前に緊張しながら彼女の休息に付き合う。 翌日からライオネルが撮影に参加し、どうすればよりユダヤ的な内容になるかと問われたガッターマンは、こんな脚本では無理だと答える。 見せ場となる神殿の撮影が始り、上出来だったことでレヴィはじめスタッフは満足する。 その夜、ホテルで落ち込むチャーリーが、娘の結婚式に招待されなかったことを知ったディードラは気の毒に思う。 その時、事件があったという連絡があり、二人はボビーが誘拐されスタッフが銃撃されたことを知らされる。 アメリカ大使館に向かったチャーリーとディードラは、過激派組織から送られてきたボビーの映像を確認し、アメリカに対する警告であることが分かる。 犯人に著作権の一部を与え交渉することを考えたチャーリーは、その後の報道に注目しながらディードラと愛し合う。 スタジオの重役グリア・クラーク(デヴィッド・ハント)が到着し、撮影隊を回収するよう命じ、同行したボビーのマネージャーのマークは、チャーリーとディードラに告訴すると警告する。 チャーリーとディードラは、落ち込んでいるスタッフを元気づけることしかできない。 ディードラがクビになることをグリアから知らされたチャーリーは、現地に現れた婚約者グレンをディードラから紹介される。 チャーリーはディードラが解雇されることを知らせ、グレンと帰国するようにと伝える。 グリアから自分の解雇を聞いたというチャーリーに、翌日グレンと旅立つディードラは別れを告げようとする。 何も語らないチャーリーは、ディードラを抱きしめただけでその場を去る。 翌朝、再び自殺しようとしていたチャーリーは、現れたディードラにそれを邪魔される。 プラハの口座に350万ドルの奨励金が残っていることを伝えたディードラは、それを使いライオネルのオリジナル脚本で”ビル&ベン”を作る提案をする。 グレンを旅立たせたディードラは、チャーリーがライオネルの脚本を読んでいないことに驚く。 チャーリーはレヴィと衣装係のリンダ(ケイト・ブルムバーグ)に声をかけ、ディードラは、ライオネルと親密になっていたフィオナや共演者ナイジェル・ブランド(ジョン・カーソン)らも呼んで秘密のミーティングを始める。 逮捕を恐れるディードラだったが、損をしなけらばそれを免れると言う楽観的なチャーリーを頼もしく思う。 プラハ。 ロンドン。 4週間後、プラハ。 秘書からの連絡を受けたチャーリーは、グリアが来ることを知らされる。 その頃、ボビーが解放されたことが報道される。 グリアが女好きだと知ったチャーリーは、レヴィの恋人マヤとリンダの色仕掛けで彼の妨害を阻止しようとする。 撮影現場ではカメラが壊れてしまい、グリアがホテルを出たという連絡をリンダから受けたチャーリーとディードラは焦る。 チャーリーは撮影を諦めるが、代わりのカメラが届いたため、ディードラは最後の1シーンを撮ろうとする。 撮影終了で自分達の関係も終ることを恐れるチャーリーと、グレンと別れえる考えを明確にしないディードラは口論になる。 自殺願望があるとディードラに言われたチャーリーはマヤに電話をして、事故を起こしグリアを病院送りにするよう指示する。 そして、イアンとナイジェルが対決する議会シーンの撮影は始まり、全ての撮影が終了する。 治療を受けたグリアが現場に到着するが、チャーリーは、今後の身の振り方を考えろと助言するだけだった。 マヤがレヴィの恋人でリンダが衣装係だと知ったグリアは、妻とはヨガ仲間だとディードラに言われて愕然とする。 その場を去ろうとするディードラは、グリアの妻を知らないとチャーリーに伝える。 帰国する機内で、パートナーとして組むことをチャーリーに提案されたディードラはそれを拒む。 ロサンゼルス。 車に体当たりしたチャーリーに驚くディードラは、行かせたくなかったと彼に言われる。 プロデューサーとしての評価をチャーリーから聞かれたディードラは、最初としては合格で”編集で直せる”と答える。 その後、”ビル&ベン”はゴールデングローブ賞で7部門にノミネートされる。 ナイジェルは助演賞、リンダは衣装デザインに、ライオネルは脚本賞にノミネートされてフィオナをエスコートする。 ”バーンズ&ハーン”で次回作も決まったチャーリーとディードラも授賞式会場に現れて、その場の雰囲気を楽しむ。
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ロケハンで現地を訪れていたチャーリーは、重役が来るという連絡を受けて、それがディードラだと考えていたのだが、全く違う人物が現れたため不満に思う。
撮影所入りしたチャーリーとディードラはセットの段取りをして、ライオネルに感謝されながら、主役を探しにロンドンに向かう。
一旦は断られるものの、主演候補のイアン・チャドウィック(ジェレミー・クラッチリー)が出演を受けたことをチャーリーとディードラは喜ぶ。
撮影は進んでいたが、チャーリーが新作を撮っているという情報をスタジオ側が知る。
一応チャーリーのことは認めて楽しかったことを伝えたディードラは、迎えに来た車で空港からスタジオに向かう。
*(簡略ストー リー)
ハリウッド。
落ちぶれた映画プロデューサーのチャーリー・バーンズは、自殺を考えていたものの、訪ねて来た甥のライオネルが持参した脚本で起死回生の作品を製作しようとする。
19世紀にイギリスの首相”ベンジャミン・ディズレーリ”の物語を、アクション・スターのボビー・メイソンを起用した脚本に書き換えたチャーリーは、マスコミが騒ぐように仕向ける。
映画スタジオの企画担当ディードラは、その脚本を買い取るよう上司から指示されるものの、チャーリーはそれを渡そうとしない。
脚本をすり替えて手に入れたディードラだったが、チャーリーは脚本の書き換えを続けてスタジオ側の気を引き製作は決まる。
南アフリカのケープタウンでの撮影が始まる段階で、ディードラに気があるチャーリーは、ボビーの要望だと言って彼女を呼び寄せる。
撮影はまずまず順調に進むのだが、主演のボビーが過激派組織に誘拐されてしまい、深い関係になっていたチャーリーとディードラは窮地に立たされる・・・。
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1991年に発表された、ピーター・レフコートの小説”The Deal”を基に製作された作品。
よくあるハリウッドの内幕もので話は単純なのだが、ユダヤ人とその資本に支配されている映画界を皮肉った内容と、中年男女のロマンスを絡めた楽しい作品に仕上がっている。
北米では”サンダンス映画祭”などで上映されただけで、ポルトガル以外ではDVDリリースしかされなかった。
恋を語るような雰囲気でない役者のウィリアム・H・メイシーが主演のロマンスでもあるというところが注目で、脚本を兼ねる彼は独特の個性を生かし、名バイプレイヤーとしての実力を発揮し深い演技を見せてくれる。
ウィリアム・H・メイシーの恋の相手には釣り合わないメグ・ライアンなのだが、彼女が40代後半であるために不思議と違和感がない。
相変わらずキュートな魅力のキャリアウーン振りは見ものだ。
ハリウッドのアクションスター、LL・クール・J、映画に投資する製作者のラビ役エリオット・グールド、主人公の甥で脚本を担当するジェイソン・リッター、彼と親密になる映画のヒロイン役フィオナ・グラスコット、監督のシャロン・レジニアーノ、ベテラン俳優役のジョン・カーソン、主演男優役のジェレミー・クラッチリー、衣装係ケイト・ブルムバーグ、、スタジオ関係者デヴィッド・ハントなどが共演している。