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死の追跡 The Deadly Trackers (1973)

無法者に妻子を殺された保安官の執念の追跡と復讐を描く、原案、脚本サミュエル・フラー、監督バリー・シアー、主演リチャード・ハリスロッド・テイラーアル・レッティエリネヴィル・ブランドウィリアム・スミス他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:バリー・シアー

製作:フォアド・セイド
製作総指揮:エドワード・ローゼン
原案:サミュエル・フラー
脚本
サミュエル・フラー
ルーカス・ヘラー
撮影:ガブリエル・トーレス
編集
マイケル・エコノモー
カール・ピンギトーレ
音楽:レッド・スタイナー

出演
ショーン・キルパトリック:リチャード・ハリス
フランク・ブランド:ロッド・テイラー
ルドルフォ・グティエレス:アル・レッティエリ
チューチュー:ネヴィル・ブランド
スクールボーイ:ウィリアム・スミス
ジェイコブ:ポール・ベンジャミン
エレーロ:ペドロ・アルメンダリスJr.
マリア:イセラ・ベガ
キャサリン・キルパトリック:ケリー・ジーン・ピータース
ビル保安官補:ウィリアム・ブライアント
ケヴィン・キルパトリック:ショーン・マーシャル
ボブ保安官補:リード・モーガン
教師:ジョアン・スウィフト
神父:レイ・モイヤー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1973年製作 110分
公開
北米:1973年12月26日
日本:1974年9月28日
製作費 $1,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
サンタ・ローザ(ビダンコーヘー・キャニオン)。
アイルランド出身の保安官ショーン・キルパトリック(リチャード・ハリス)は、人を撃たないと決めていたために銃を持たなかった。

フランク・ブランド(ロッド・テイラー)をリーダーとする無法者一味、右腕に鉄道のレールをつけているチューチュー(ネヴィル・ブランド)、頭の弱いスクールボーイ(ウィリアム・スミス)、黒人のジェイコブ(ポール・ベンジャミン)は、サンタ・ローザの銀行を襲う計画を実行する。
...全てを見る(結末あり)

町に向かったフランクらは銀行を襲い、それに気づいたキルパトリックと保安官補、そして男たちは、犯人を捕らえようとする。

銃を手にした男たちはフランクらの逃亡を阻止し、キルパトリックの指示で、チューチューとジェイコブを捕える。

学校の教室に押し入ったフランクは、教師(ジョアン・スウィフト)に銃を向けて脅し、子供たちは怯える。

抵抗するスクールボーイは、キルパトリックの前で観念する。

学校に立てこもったフランクに、仲間を捕らえたことを伝えたキルパトリックだったが、息子のケヴィンが人質に取られ銃を向けられる。

銃を捨てなければ子供を殺すと言われたキルパトリックは、町の男たちに銃を捨てさせる。

仲間を解放し馬を用意して金も渡したキルパトリックは、町の外れまでケヴィンを連れて行き降ろすという、フランクの言葉を信じるしかなかった。

キルパトリックの妻キャサリンはケヴィンを助けるために駆け寄り、フランクは彼女を容赦なく射殺する。

馬から落ちたケヴィンも、踏み潰されて死亡する。

妻子を亡くし絶望したキルパトリックは、一味がメキシコに逃げたことを知り、保安官補のビル(ウィリアム・ブライアント)に止められるものの、単独で追跡する。

野営地にスクールボーイを残して出発したフランクらは、銃を手にしたキルパトリックが追ってきたことに気づく。

銃撃されたスクールボーイが襲われ、キルパトリックにナイフで殺されたのを確認したフランクらは、その場を去る。

スクールボーイを殺すものの、キャサリンとケヴィンを想いだしたキルパトリックは、その場で泣き崩れてしまう。

その後、一味を見つけたキルパトリックは銃撃しようとするが、現われたルドルフォ・グティエレス(アル・レッティエリ)に制止される。

グティエレスに銃を向けられたキルパトリックは、彼が治安判事である保安官だということを知り、自分のバッジを見せる。

この土地で人を殺す権限はないと言われたキルパトリックは、一味は悪党だとグティエレスに伝える。

殺人容疑で指名手配中のフランクを追っていると言うグティエレスは、目の前で妻子を殺されたと話すキルパトリックを気の毒に思う。

報復は許さないと言うグティエレスは、自分が捕らえて裁判にかけるとキルパトリックに伝える。

自分たち保安官の仕事は犯罪者を捕えることで、処刑人ではないと伝えたグティエレスは、国に戻るようにとキルパトリックに伝える。

グティエレスは、手紙で報告することを、自分の妻子の命にかけてキルパトリックに約束する。

納得したように見せかけたキルパトリックは、グティエレスを殴り倒してその場を去る。

ある民家に押し入ったフランクらは、老人夫婦の食料を奪う。

キルパトリックが追ってきたことに気づいたフランクは対策を考え、老婆を利用しようとする。

ある村に着いたキルパトリックは、待ち構えていた人々に襲われて痛めつけられる。

老夫婦を殺し、それがキルパトリックの仕業だと人々に伝えていたフランクは、彼は偽の保安官だと言って絞首刑にさせようとする。

去ろうとしたフランクはキルパトリックに呼び止められ、町で殺したのは自分の妻子だと言われる。

フランクらはその場を去り、吊るされたキルパトリックだったが、グティエレスに救われる。

処刑は中止となるが牢屋に入れられたキルパトリックは、フランクらを追うグティエレスが、あくまで法に従おうとしていることを確認する。

その後フランクらは、馬の蹄鉄を直すためにある村に寄り、鍛冶屋のエレーロにそれを任せる。

グティエレスに気づいたフランクは、彼を迎え撃つ。

エレーロが妨害して銃撃戦になり、グティエレスはチューチューを銃撃し、フランクとジェイコブは逃げる。

獄中に死んだ男に祈りを捧げた神父(レイ・モイヤー)を呼び寄せて脅し、看守に扉を開けさせたキルパトリックは逃亡する。

エレーロにチューチューを連行させたグティエレスは、フランクらを追う。

その後、フランクに銃撃されたグティエレスは、崖から転落する。

チューチューは、落とした金を拾おうとしたエレーロをレールで殴り、銃を奪い射殺する。

銃声を聴きその場に向かったキルパトリックは、発砲されながら近づき、エレーロの死体を確認する。

廃墟でチューチューを追い詰めたキルパトリックは、フランクの居場所を聞き出そうとして、彼を底なし沼に突き落とす。

サン・ホセだと言われたキルパトリックは、チューチューを引き上げようとするが、息子のことは悪かったと言われた瞬間に怒りがこみ上げ、彼を見捨てる。

無事だったグティエレスに気づいたキルパトリックは、去ろうとするものの、引き返して彼を助ける。

ある町で、情婦のマリア(イセラ・ベガ)と揉めたフランクは、ジェイコブから別れると言われる。

フランクは、キルパトリックは処刑されず、自分たちを追っていることをジェイコブから知らされる。

黒人ということで、今まで侮辱され続けていたジェイコブはフランクと対等に話し、カードで決着をつけようとする。

イカサマをさせる気はないと言うフランクは、1000ドルで希望していた売春宿をやらせるとジェイコブに伝えて金を受け取る。

グティエレスから、チューチューを連行したエレーロが当局に連絡すると言われたキルパトリックは、二人が死んだことを伝える。

自分が行くべきだったと言うグティエレスは後悔し、目の前でフランクを殺したら逮捕し、必要なら殺すとキルパトリックに警告する。

1000ドルでマリアを手に入れたジェイコブは、彼女に男の相手をさせる。

”銃を持たない保安官”の噂は聞いていると話すグティエレスは、他人の妻子が殺されてもここまで追ってきたかキルパトリックに尋ねる。

キルパトリックは、何も答えようとしない。

サン・ホセでフランクらの馬を見つけたキルパトリックは、グティエレスの手を縛り、酒場にジェイコブがいることを確認する。

酒場に押し入ったキルパトリックは、ジェイコブを射殺してフランクを捜す。

マリアを脅しフランクの居場所を聞き出そうとしたキルパトリックは、グティエレスに制止される。

娘に会いに来たフランクは、1時間前に出て行ったと話すマリアは、娘は修道院に預けてあるとキルパトリックに伝える。

ジェイコブの金を集めて去ろうとしたキルパトリックは、銃を隠し持っていた男に目の前で発砲され、目が見えなくなる。

キャサリンの名を呼び叫ぶキルパトリックを、隣町の医者に連れて行くようマリアに指示したグティエレスは、一緒に行くと見せかけてその場を去る。

グティエレスが自分を置いて修道院に向かったことに気づいたキルパトリックは、医者に行くと言うマリアに現金をすべて渡して、修道院に案内させる。

その後、グティエレスに追いついたキルパトリックは、フランクがいると思い発砲する。

キルパトリックを殴り倒したグティエレスは、彼のことをケダモノだと言って取り乱すマリアを落ち着かせて、キルパトリックの妻子を殺したフランクこそ悪党だと彼女に伝える。

翌朝、殴ったことと発砲したことを互いに謝罪したグティエレスとキルパトリックは話をする。

保安官になった理由を訊かれたキルパトリックは、父親を保安官に殺されたのがきっかけだとグティエレスに話す。

正しい法があるなら、正しい人間がそれを行使するべきだと思ったと言うキルパトリックは、二人でフランクを捕らえたら正しく裁くべきだと考えるグティエレスに、彼は別だと伝える。

出発したキルパトリックは、暫くして視力が回復するが、見えない振りをする。

キルパトリックの様子が気になるグティエレスは休息し、サソリを入れたコップに水を注ぎ彼に渡す。

キルパトリックがそれを飲もうとしたため、グティエレスはそれを制止する。

謝罪したグティエレスは、本当に見えないか確認したと言って、サソリをコップに入れたことをキルパトリックに伝える。

銃を奪ったキルパトリックは、一人で行くことをグティエレスに伝え、抵抗する彼を殴り倒す。

グティエレスを連れて行くようにとマリアに指示したキルパトリックは、金もやると言って修道院に向かう。

娘ルイジに会えたフランクはキスするが、怖がり涙する彼女は去ってしまう。

現われたキルパトリックに発砲したフランクは、建物の中に逃げ込む。

フランクを追い詰めたキルパトリックは、その場にいたルイジが父を呼んだために、彼女を人質に取る。

10秒待つと言われたフランクは、ルイジが泣く声を聞いて、金を渡すとキルパトリックに伝える。

出てきたフランクを銃撃したキルパトリックは、止めを刺さずにルイジを解放する。

復讐せずにフランクを連行したキルパトリックは、グティエレスに彼を引き渡し、君が正しかったと伝える。

目撃者も死に証拠もないと言うグティエレスは、フランクは釈放されるとキルパトリックに伝える。

フランクが自由になることをグティエレスに確認したキルパトリックは、それが法だと言われたために、思わず笑ってしまう。

自由の身である自分に酷い仕打ちをしたと言って、キルパトリックを非難するフランクは、グティエレスに、この件を皆に知らせろと伝える。

フランクを射殺したキルパトリックは、逮捕すると言うグティエレスの前に銃を投げ捨てる。

その場から去るキルパトリックに警告したグティエレスは、それを無視する彼を射殺する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
サンタ・ローザ。
アイルランド出身の保安官ショーン・キルパトリックは、人を撃たないと決めていたために銃を持たなかった。
フランクら無法者一味に銀行を教われ、キルパトリックと人々は彼らを捕らえようとする。
学校に立てこもったフランクは、キルパトリックの息子ケヴィンを人質に取り逃げる。
息子を助けようとしたキャサリンは、フランクに射殺され、落馬したケヴィンも馬に踏み潰されて死亡する。
妻子を亡くしたキルパトリックは復讐を誓い、メキシコに逃げたフランクを追うのだが・・・。
__________

サミュエル・フラー自身の小説”Riata”を原案に、彼の脚本で監督も予定されていたが、テレビ界で活躍していたバリー・シアーは監督が交代した。

無法者に妻子を殺された保安官の、執念の追跡と復讐を描く西部劇。

銃を持たない保安官として、何かあった場合には住民を団結させて戦う、その統率力で一帯で恐れられた男が主人公という、異色の西部劇として始まる冒頭が実に興味深い。

無法者に妻子を殺された保安官は、復讐のために銃を持つ決心をするのだが、法の番人として、それを順守する立場での苦悩も描かれている。

西部劇の醍醐味に味わえ、人間の憎しみ、愛情、尊厳などもきっちりと描かれた、見応えある作品に仕上がっている。

個性派スターが顔を揃えた助演陣が注目で、中でも、最も悪役に相応しい役者とも言えるアル・レッティエリが、メキシコの保安官として、あくまで法に従った行動を取ろうとする男を好演し、悪役スターとして知られた当時の彼を知るファンにとっては必見の作品。

主演のリチャード・ハリスは、アイルランド陣であり銃を持たないものの、統率力のある保安官として登場し、妻子を殺した無法者を追う男を鬼気迫る演技で熱演している。

主人公の妻子を殺し追われる無法者一味のリーダー、ロッド・テイラー、主人公と共に彼を追うメキシコの保安官アル・レッティエリ、無法者一味である、腕に鉄道のレールをつけているネヴィル・ブランド、その仲間ウィリアム・スミスポール・ベンジャミン、捕えた悪党を連行する鍛冶屋のペドロ・アルメンダリスJr.、フランク(ロッド・テイラー)の情婦イセラ・ベガ、無法者に殺される主人公の妻ケリー・ジーン・ピータースと息子のショーン・マーシャル、保安官補のウィリアム・ブライアントリード・モーガン、教師のジョアン・スウィフト、神父のレイ・モイヤーなどが共演している。


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