| 一人の女性と二人の男性の友情と愛そして戦争がもたらす過酷な運命を描く、製作サミュエル・ゴールドウィン、監督シドニー・フランクリン、主演フレドリック・マーチ、マール・オベロン、ハーバート・マーシャル他共演の恋愛ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・フランクリン
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原作:ガイ・ボルトン”The Dark Angel”
脚本
リリアン・ヘルマン
モーダン・シャープ
撮影:グレッグ・トーランド
編集:シャーマン・トッド
音楽:アルフレッド・ニューマン(クレジットなし)
出演
アラン・トレント:フレドリック・マーチ
キティ・ヴェイン:マール・オベロン
ジェラルド・シャノン:ハーバート・マーシャル
シーラ・シャノン夫人:ジャネット・ビーチャー
ジョージ・バートン卿:ジョン・ハリデイ
ヴェイン夫人:ヘンリエッタ・クロスマン
アン・ウェスト:フリーダ・イネスコート
ローレンス・ビドリー:クロード・アリスター
キティ・ヴェイン(少女期):コーラ・スー・コリンズ
ベティ・ギャロップ:フェイ・チャルデコット
ジョー・ギャロップ:ジョージ・P・ブレイクストン
ラウルストン:ダグラス・ウォルトン
モーダント卿:クロード・キング
タナー:ローレンス・グラント(クレジットなし)
ミルズ:オラフ・ヒッテン(クレジットなし)
ウェイター:マードック・マックウォーリー(クレジットなし)
シャノン:デヴィッド・トーレンス(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1935年製作 110分
公開
北米:1935年9月8日
日本:未公開
製作費 $1,000,000
■ アカデミー賞 ■
第8回アカデミー賞
・受賞
美術賞
・ノミネート
主演女優(マール・オベロン)
録音賞
■ ストーリー ■
イングランド。
少女キティ・ヴェイン(コーラ・スー・コリンズ)は、年上のアラン・トレントと彼の従兄ジェラルド・シャノンと親友だった。
アランとジェラルドは楽しい時間をキティと過ごし、キティはアランに夢中だった。
時は流れ、成長したアラン(フレドリック・マーチ)とジェラルド(ハーバート・マーシャル)は、第一次大戦に徴兵されえる。
キティ(マール・オベロン)は、必ず戻ることを願い、2人を送り出す。
戦況が母国に伝えられる中、10日間の休暇が与えられたアランとジェラルドは帰郷することになる。
キティは、ジェラルドの母シーラ(ジャネット・ビーチャー)と共に2人を迎える。
その間、アランはキティにプロポーズし、キティはそれを受け入れる。
ジェラルドもキティを愛していたが、二人の結婚をシーラと共に祝福する。
しかし、婚約したばかりのアランとキティの幸せは、翌日、ジェラルドとアランの休暇が取り消されたことで長くは続かなかった。
それを知らぬまま、2人で式を挙げようとしたアランとキティだったが、教会に受け入れてもらえなかった。
教会の前で誓いを交わしたアランとキティは、正式に結婚する必要はないと判断して、戦場に戻る前に一夜を共に過ごすことにする。
キティと部隊が集結する町の宿屋に向かったアランは、その場でキティのいとこローレンス・ビドリー(クロード・アリスター)に出くわす。
ローレンスは、アランが食事や花を部屋に運ぼうとしていたために、相手がキティだと思わず、彼が他の女性と過ごしていると考える。
翌日、キティに別れを告げて戦地に向かうアランは、乗船前にジェラルドと合流する。
その場に現れたローレンスは、昨夜のことでアランをからかう。
ジェラルドは誤解し、アランがキティを裏切ったと思い込む。
ジェラルドは、アランが女性と一夜を過ごしたというローレンスの話を聞き気になる。
アランは、ローレンスの話の件でジェラルドに問い詰められるが、婚約中のキティの評判を落とすことになると考え、彼女と一夜を過ごしたことを明かさなかった。
戦地でジェラルドは、他に交際相手がいることを否定しなかったアランを軽蔑し、結婚するために彼が休暇を申請しても、それを信じず署名を拒む。
そこに、敵を偵察する任務が入り、アランはそれに志願し、ジェラルドと共に出撃するのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1925年に上演された、ガイ・ボルトンの戯曲”The Dark Angel”を基に製作された作品であり、同年に本作と同じくサミュエル・ゴールドウィンが製作し公開された、ロナルド・コールマン主演のサイレント映画”The Dark Angel”のリメイク。
サイレント映画時代からMGMの黄金時代を支え、「夫婦戦線」(1931)、「白い蘭」(1934)などのシドニー・フランクリンが監督し、主演はフレドリック・マーチ、マール・オベロン、ハーバート・マーシャルなどが共演した作品。
一人の女性と二人の男性の友情と愛そして戦争がもたらす過酷な運命を描く恋愛ドラマ。
愛のために身を引く主人公の自己犠牲がテーマとして描かれる、メロドラマの傑作として高く評価された作品。
光と影を使った映像による、主人公らの心情を表現する手法は注目だ。
主人公の不幸を知らずに愛し続けるヒロインを演じたマール・オベロンの出世作でもあり、また、彼女を愛する青年を演ずるハーバート・マーシャルは、実際に第一次大戦で片足を失っており、義足で演技をしている。
第8回アカデミー賞では、美術賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(マール・オベロン)
録音賞
アルフレッド・ニューマンの美しい音楽が印象に残る。
幼馴染を愛し続けながら、失明したことで身を引こうとする主人公を好演するフレドリック・マーチ、ジェラルド(ハーバート・マーシャル)の母親ジャネット・ビーチャー、主人公の主治医ジョン・ハリデイ、キティ(マール・オベロン)の祖母ヘンリエッタ・クロスマン、作家となった主人公の秘書:フリーダ・イネスコート、キティのいとこクロード・アリスター、キティの少女期コーラ・スー・コリンズ、主人公を慕う宿屋の主人の子供フェイ・チャルデコットとジョージ・P・ブレイクストン、主人公の失明した戦友ダグラス・ウォルトン、ジェラルドの知人である貴族クロード・キング、主人公の世話をするオラフ・ヒッテン、ウェイターのマードック・マックウォーリー、ジェラルドの父親デヴィッド・トーレンス、他ローレンス・グラントなどが共演している。
