スペイン帝国の軍艦を奪った海賊の戦いと活躍を描く、製作ハロルド・ヘクト、監督ロバート・シオドマク、主演バート・ランカスター(製作兼)、ニック・クラヴァット、エヴァ・バートック、レスリー・ブラッドリー、ジェームス・ヘイター、トリン・サッチャー他共演の海洋活劇。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・シオドマク
製作
ノーマン・デミング
ハロルド・ヘクト
バート・ランカスター
脚本:ローランド・キビー
撮影:オットー・ヘラー
編集:ジャック・ハリス
音楽:ウィリアム・オルウィン
出演
キャプテン・ヴァロ:バート・ランカスター
オーホ:ニック・クラヴァット
コンスエロ:エヴァ・バートック
ホセ・グルーダ男爵:レスリー・ブラッドリー
プルーデンス教授:ジェームス・ヘイター
ハンブル・ベローズ:トリン・サッチャー
エル・リブレ:フレデリック・ライスター
ビアンカ:マーゴット・グラハム
パブロ・マーフィー:ノエル・パーセル
ジョセフ:クリストファー・リー
大佐:フランク・ペッティンゲル
総督:エリオット・メイクハム
グルーダと共に旅する女性:ダナ・ウィンター
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1952年製作 105分
公開
北米:1952年9月27日
日本:1953年7月15日
製作費 $1,850,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
18世紀後半、カリブ海。
“真紅の海賊”と呼ばれるキャプテン・ヴァロ(バート・ランカスター)は、出航の準備を伝える。
スペイン海軍のフリゲートは、乗員が壊血病で全員死亡したと思われる船(ヴァロの船)を奪おうとする。
接近した船を調べた兵士は、ヴァロの指示で病死を装っていた海賊たちに襲われる。
オーホ(ニック・クラヴァット)と共にロープを伝ってフリゲートに向かったヴァロは、船員に襲い掛かる。
乗員である国王の特使ホセ・グルーダ男爵(レスリー・ブラッドリー)と女性(ダナ・ウィンター)に銃を向けたヴァロは、船長を呼ぶ。 船を奪ったヴァロは、大量の武器弾薬を売却することを海賊たちに伝える。 海賊のハンブル・ベローズ(トリン・サッチャー)に反論されたヴァロは、今後は海賊稼業だけでなく商売をするべきであり、武器は金品より価値があるものだと皆に伝える。 グルーダを処刑しようとする海賊たちを制止したヴァロは、解放する考えを伝える。 反乱軍に5万フロリンで武器を売り、それをグルーダに討伐させると言うヴァロは、彼に銃を売る相手を教えて、さらに礼金を手に入れる考えを皆に話す。 コブラ島にいる、国家を陥れようとしているエル・リブレ(フレデリック・ライスター)を自分に差し出せばさらに5万を渡すとグルーダから提案されたヴァロは、海賊たちと共にそれを受け入れる。 船を交換したヴァロはグルーダらと別れ、フリゲートでコブラ島に向かう。 コブラ島。 フリゲートからの信号を受けたジョセフ(クリストファー・リー)は、ペスト患者が出たために船員は上陸しないことを総督(エリオット・メイクハム)に伝える。 反乱軍のリーダー、パブロ・マーフィー(ノエル・パーセル)は、グルーダがペストで死ねばいいと考える。 そこに現れたヴァロは、リブレに会いたいとパブロに伝えるものの相手にされない。 兵士達をからかったヴァロとオーホは彼らから逃れ、追い詰められるものの、パブロらに助けられる。 リーダーの風格があるパブロがリブレだとと思ったヴァロは、それを否定する彼に自分の正体を明かす。 船に大量の武器があるのでリブレと取引に来たと言うヴァロは、グルーダは自分の船で数日後に来ることを伝える。 それを信じてもらえないヴァロとオーホは、捕らえられ拘束される。 ヴァロの船から武器を奪う計画を立てたパブロだったが、その場にいたコンスエロ(エヴァ・バートック)は、捕らえられているリブレを助け出すことが先決だと言って、海賊と船の30門の大砲を使えばそれは可能だと主張する。 反対するパブロは、兵士が現れたたために身を潜める。 樽の棚を崩したヴァロは、パブロらが兵士に気づかれた隙に逃げようとする。 ナイフを向けるコンスエロから、自分に協力すれば助けると言われたヴァロとオーホは、彼女と共にその場から脱出して、ボートに乗りフリゲートに向かう。 兵士に見つかったヴァロらは砲撃を受け、ベローズが海岸への砲撃を命じて撃破する。 船に戻ったヴァロは、コンスエロを手厚くもてなすよう指示し、リブレはサンペロー島の監獄にいることをベローズらに伝える。 リブレに執着するコンスエロが、恋人である彼を助けようとしていると考えたヴァロは、彼女からリブレは父親だと言われる。 その後、サンペロー島に着いたヴァロは、海賊たちと共に兵士に扮し、歓迎の祝宴を開くという陸からの信号を受けて上陸する。 オーホを従え、グルーダに扮して歓迎会に出席したヴァロは、大佐(フランク・ペッティンゲル)に迎えられる。 リブレを処刑するようにという総督からの命令を受けたことを話す大佐は、ヴァロから、無能な総督は交代させると言われる。 伯爵に扮したオーホは、手品を見せて婦人たちを喜ばせ、宝石を物色する。 そこに、拘束されていたリブレと著名な科学者プルーデンス教授(ジェームス・ヘイター)が連れて来られる。 ヴァロに引き渡されることになるリブレは、コンスエロに気づく。 大佐に感謝して帰ろうとしたヴァロは、余興が始まると言われて引き留められる。 以前、捕虜にしたことがあるビアンカ(マーゴット・グラハム)がダンサーと共に現れたために焦るヴァロは、その場から去ろうとする。 ビアンカに気づかれたヴァロは混乱する中、リブレとプルーデンスを連れてその場から逃れる。 感謝するコンスエロからキスされたヴァロは、彼女に惹かれてしまう。 船に戻ったヴァロは、コンスエロらをグルーダに引き渡さなくてはならないために悩む。 その後ヴァロは、甲板でコンスエロをからかい手を出そうとした海賊たちを制止する。 ベローズから、人質なのだから少しは楽しませるべきだと言われたヴァロは迷い、コンスエロらをコブラ島で降ろすことを決めて、彼女らにそれを伝える。 その会話を聞いていたベローズは、ヴァロの考えを知る。 コブラ島に近づくヴァロは、グルーダの船を確認する。 ベローズは、グルーダへの伝言をスライミーに届けさせ、自分が船長になろうとする。 島に着いたスライミーから伝言を受け取ったグルーダは、総督に10万フロリンを用意させる。 すべてをタダで手に入れようと考えたグルーダは、眠り薬を入れた酒樽を用意するよう総督に指示する。 船に向かったグルーダはベローズと話し、ヴァロを殺すことを約束した彼に、金を渡すまで自分が人質になると伝える。 コンスエロに逃げる方法を教えたヴァロは、彼女から一緒に来てほしいと言われる。 それを断ったヴァロだったが、コンスエロに説得されたために船に残ってほしいと伝える。 それはできないと言われたヴァロは、自分たちの生きる世界は違うとコンスエロに伝える。 リブレとプルーデンスを呼んだヴァロは、今後の行動を話す。 プルーデンスを残しグルーダと話しをさせようとしたヴァロは、先に逃がそうとしたリブレから危険だと言われ、一緒に来ることを提案される。 コンスエロは、ヴァロに話しても無駄だと父に伝える。 ボートで船を離れたリブレとコンスエロは、待ち構えていた兵士に襲われる。 銃声を聴いたヴァロは、海賊たちに攻撃の準備をさせようとするものの一人も姿が見えない。 リブレは射殺されコンスエロは捕らえられ、ヴァロは砲撃しようとするものの、ベローズに銃を向けられる。 そこにグルーダが現れ、オーホとプルーデンスも捕らえられていることを知ったヴァロは、裏切ったベローズらを非難する。 ベローズに船長の地位を奪われたヴァロは、ボートに乗せて漂流刑にすると言われる。 プルーデンスと抵抗しようとしたオーホもボートに乗せられ、ヴァロらは鎖につながれたまま海に置き去りにされる。 祝杯を挙げると言うグルーダは、用意した酒樽をベローズらに渡す。 ボートを転覆させたプルーデンスは、そのままの状態で海底に達する。 プルーデンスは、内部に空気が溜った状態で歩くことをヴァロとオーホに伝えて、三人は岸にたどり着く。 その頃、酒を飲んだベローズらは眠ってしまい、グルーダは、乗船したジョセフと兵士を迎える。 拘束されたベローズは、騙されたことを悔いて仲間たちに謝罪する。 漁に出るパブロに助けを求めたヴァロだったが、リブレが死んだことを責める彼に相手にされない。 現われた兵士に痛めつけられたパブロは、砦に連れて行かれる。 漁師に扮したヴァロらは、監視する兵士から逃がれようとする。 兵士を叩きのめし銃を奪ったヴァロは、それを使って鎖を切る。 ヴァロは死んだかもしれないというグルーダの話を聞いたコンスエロは動揺し、総督と結婚するよう指示され、パブロが鞭打たれる様子を見せられる。 結婚式は日曜に行われることになり、パブロは恩赦により解放される。 コンスエロが結婚することを知ったヴァロは、プルーデンスから、彼女と人々を救うようにと言われる。 気球や液体爆弾などの話をするプルーデンスは、海中を航行できる船を考案したことをヴァロに伝える。 それらを使えば、考えが古いグルーダを倒すことができるかもしれないと言われたヴァロは、住人の協力を得てそれを実行しようとする。 気球や液体爆弾を完成させたヴァロらは、準備を整える。 日曜日。 グルーダに襲い掛かったパブロは殺される。 正体がバレたヴァロらは、気球が隠されている穀物倉庫に向かい、用意してあった武器で攻撃する。 グルーダに連れられ船に向かうコンスエロを追うヴァロは、オーホと共に気球に乗りそれを追う。 気球から液体爆弾を海に投げ込まれたヴァロの船の兵士らは、海に飛び込む。 オーホと共に船に乗り移ったヴァロは、海賊たちを助けてグルーダらが乗るフリゲートを追う。 近づいたヴァロは、海に飛び込みフリゲートに乗り込もうとする。 船を横に向けることを考えるベローズは、ヴァロを海に蹴落とし、自分が舵をとり海賊らしく死ぬと彼に伝える。 覚悟を決めて舵を取ったベローズは、砲撃を受けて撃破される。 フリゲートに乗り込んだヴァロらは、グルーダらに襲い掛かる。 マストに上がったコンスエロを追うグルーダに気づいたヴァロは、その場に向かう。 グルーダを落下死させたヴァロは、コンスエロを助けて抱きしめる。 海中を航行できる船で現われたプルーデンスに、敵を倒したことを伝えたヴァロは、コンスエロにキスして愛を確かめる。
...全てを見る(結末あり)
港に近いたヴァロは、島に向かうためにオーホと共にボートでその場を離れる。
結婚式は始まり、未婚の三人の娘に扮したヴァロらは、グルーダに花束を贈呈しようとするものの、その場にパブロが現れる。
*(簡略ストー リー)
18世紀後半、カリブ海。
“真紅の海賊”と呼ばれるキャプテン・ヴァロは、スペイン海軍のフリゲートを奪い、乗船していた国王の特使グルーダ男爵を捕える。
ヴァロは、積載されていた武器を反乱軍に売り、それを討伐させるための情報をグルーダに与えて、別に礼金を手に入れようとする。
グルーダから、コブラ島にいる国家に背くリブレを差し出せば、さらに礼金を払うと言われたヴァロは、オーホと共にその場に向かうのだが・・・。
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バート・ランカスターが、ハロルド・ヘクトとノーマン・デミングと組んで製作し、自ら主演した海洋活劇。
アクロバットチーム時代からの旧友ニック・クラヴァットとのコンビで見せる、バート・ランカスターのアクションシーンが最大の見せ場だ。
主人公である海賊の船長を演ずるバート・ランカスターは、その見事な空中アクションなどを楽しそうに演ずる姿が印象的で、その手下役でアクロバットのパートナーであるニック・クラヴァットと共に、プロの技を存分に見せてくれる。
全体的にはコメディであり、テクニカラーの美しい映像の中で繰り広げられるアクション、18世紀後半としては画期的な発明だった気球、液体爆弾や潜水艦なども登場し、さらにロマンスも描かれる、ロバート・シオドマクの軽快な演出が大いに楽しめる作品に仕上がっている。
反乱軍に属する女性であり、主人公と恋が芽生えるエヴァ・バートック、国王の特使であり、主人公らを利用しようとする男爵のレスリー・ブラッドリー、様々な発明をしながら主人公に協力する科学者ジェームス・ヘイター、一旦は主人公を裏切るものの海賊らしく戦い命を落とす海賊トリン・サッチャー、反乱を指揮するヒロインの父親フレデリック・ライスター、彼の協力者ノエル・パーセル、ダンサーのマーゴット・グラハム、総督の護衛官である若き日のクリストファー・リー、大佐のフランク・ペッティンゲル、総督のエリオット・メイクハム、男爵と旅する女性のダナ・ウィンターなどが共演している。