チャイナタウン(ニューヨーク)のマフィアを捜査する中国系の刑事達の戦いを描く、監督ジェームス・フォーリー、主演チョウ・ユンファ、マーク・ウォールバーグ、リック・ヤン他共演の犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームス・フォーリー
製作:ダン・ハルステッド
脚本:ロバート・プッチ
撮影:フアン・ルイス・アンチア
編集:ハワード・E・スミス
音楽:カーター・バーウェル
出演
ニコラス”ニック”チェン:チョウ・ユンファ
ダニエル”ダニー”ウォレス:マーク・ウォールバーグ
ヘンリー・リー:リック・ヤン
ピート・スカバッカー:ポール・ベン=ヴィクター
ボビー・ヴー:バイロン・マン
ショーン・ウォレス:ブライアン・コックス
ジャック:ジョン・キッド・リー
ウィリー・アング:アンドリュー・ペン
ルイーズ・デング:エリザベス・リンゼイ
ベンジャミン・ワン:キム・チャン
メイ:マリエ・マチコ
マーガレット・ウィーラー:トヴァ・フェルドシャー
アメリカ 映画
配給 ニュ ー・ライン・シネマ
1999年製作 110分
公開
北米:1999年3月12日
日本:2000年4月8日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $15,164,490
世界 $24,493,600
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、チャイナタウン。
香港を拠点とするの犯罪組織”トライアド”の”福建ドラゴン”のリーダーで、弱冠20歳のボビー・ヴー(バイロン・マン)は、チャイニーズ・マフィア最大の組織”トン”の店を爆破する。
ボビーは、トンのボスであるベンジャミン・ワン(キム・チャン)と補佐のヘンリー・リー(リック・ヤン)との敵対関係を激化させる。
ニューヨーク市警15分署の中国系の警部補ニコラス”ニック”チェン(チョウ・ユンファ)は、ランプ店にみかじめ料を要求しに来た男達と銃撃戦になる。
男達の1人ジャック(ジョン・キッド・リー)に銃を向けたチェンは、必ず逮捕することをボビーに伝えろと言って脅す。
爆破犯を逮捕したチェンは表彰され、彼に感謝したリーは、売春婦のメイ(マリエ・マチコ)を無料で派遣する。 それを知ったチェンは、不満に思う。 ジャックを責めるボビーは、チェンを殺すことを命ずる。 部署に配属されてきたダニエル”ダニー”ウォレス(マーク・ウォールバーグ)が白人だったために、上司に不満を訴えたチェンだったが、聞き入れてもらえない。 地道な捜査でワンを逮捕すると言うダニーだったが、観光客を守るだけの部署だと言うチェンは、チャイナタウンは変えられないと伝える。 同僚のウィリー・アング(アンドリュー・ペン)とルイーズ・デング(エリザベス・リンゼイ)、そしてダニーと共に売春宿に押入り手入れをしたチェンは、メイに金を渡して家に帰るようにと伝える。 ジャックらに襲撃されたチェンは銃撃戦となるが、ダニーが動揺して加勢できない。 一人を殺し、もう一人を捕えたチェンだったが、ジャックに逃げられる。 ウィリーと共にドラゴンの溜まり場に向かったチェンは、ボビーを叩きのめす。 昨夜のことをチェンに謝罪したダニーは、命があるうちに辞職しろと言われたため、麻薬の売人を捕え、一人前の刑事であることを証明してみせる。 署に戻ったダニーは、現れたFBIのピート・スカバッカー(ポール・ベン=ヴィクター)から、逮捕したのがトンに潜入させていた捜査官だと知らされる。 証拠が消えたために全員釈放することにすると言って、チェンはスカバッカーを納得させる。 バーに向かったチェンとウィリーは、いつも手柄をFBIが持っていくことをダニーに伝える。 そこにリーが現れ、ダニーは、チェンとウィリーが、トンと組んでいることを知る。 リーがダニーに近付くことを疑問に思うワンだったが、最善の方法だと言われて納得する。 自分の考えをチェンに伝えたリーは、ダニーが役に立たないと言われるものの、ドラゴンを潰すことに利用できると考え、仲間に引き込むよう指示する。 ゴミ箱に捨てられた中国人女の殺人現場に向かったダニーは、チェンらから、不法入国者であるために捜査する価値がないと言われる。 ジャックを締めあげたチェンは、ランプ店襲撃事件で逮捕すると言って、嫌ならボビー逮捕に協力するようにと伝える。 それを拒んだジャックを、チェンは逮捕する。 アパートに戻ったダニーは、父親のショーン(ブライアン・コックス)がいたために驚く。 元警官だったショーンが窓から侵入したことを知ったダニーは、不仲である彼から、ギャンブルの借金が1万2000ドルあると言われる。 ダニーが弁護士時代に貯めた金を当てにするショーンは、500ドル余りを渡されて感謝し、監視している中国人に警戒するよう伝えてその場を去る。 トンの内部にFBIの潜入捜査官がいるという情報をリーに伝え、ダニーを諦めさせようとしたチェンは、彼を納得させる。 組織を手に入れるために、実はボビーと組んでいたリーは、内部にFBIが潜入しているため話は白紙だと伝える。 既に船はついているというボビーに、ワンが逮捕されるまで待つようにとリーは指示する。 ダニーに接触したリーは、チェンには秘密だと言って、ゴミ箱の死体に関係する情報を流す。 リーに言われた場所に向かったダニーは、監禁されている女達を見つけて、ポルノ・ビデオの撮影現場に押し入り男達を殺す。 現場に駆け付けたチェンは、ひったくりの男を追いこの建物を調べたとダニーから言われ、ゴミ箱の死体の事件と関係していることを知る。 一連の殺人事件を解決したダニーは表彰されるものの、チェンはダニーの行動を怪しく思う。 その後ダニーは、リーに誘われて女をあてがわれる。 翌日、再びアパートに侵入していたショーンが倒れていたために驚いたダニーは、父を病院に連れて行く。 張り込み現場に向かったダニーは、自分に辛く当たる理由をチェンに尋ねる。 教育していると言われたダニーは、自分のことを思っていてくれたチャンに感謝する。 現場に向かったチェンとダニーは、男達と銃撃戦になる。 車で逃走して住人にも発砲する男達を追跡したチェンとダニーは、事故を起こしてしまう。 パトカーに追跡された男達の車は、衝突して大破する。 一般人が6人死亡し数百万ドルの被害を出したチェンとダニーは、潜入捜査官も死んだことをFBIのスカバッカーから知らされる。 責任を追及されたチェンは、ワンを逮捕できる盗聴テープを手に入れたことをスカバッカーから知らされ、捜査に協力していたと証言するよう強要される。 拒めば連邦捜査妨害で訴えると言うスカバッカーは、指示に従おうとしないチェンに、15分署内に、トン側に情報を流した者がいると伝える。 ダニーのアパートを訪ねたチェンは、捜査のことは漏らすなと言って彼を牽制する。 潜入捜査官を殺した者の証拠をテープに録音し、リーの関係を探ることをジャックに強要したチェンは、彼を釈放する。 スカバッカーは、部下に点を監視させる。 入院しているショーンを見舞ったダニーは、男が金を持ってきたことを知らされる。 リーの金だと気づいたダニーは彼に会い説明を求めるが、監禁されていた少女達やショーンを助けたと言われ、結局は手を組むしかなかった。 翌日、リーから子供達に麻薬を売る売人を逮捕するよう指示されたダニーだったが、現場にはチェンがいた。 リーと組んだダニーを責めるチェンは、それはお互い様だとであり、FBIをリーに売り、ジャックに調べさせていると言われる。 リーの元に向かったチェンは、ダニーから手を引かせようとする。 FBI殺しの証拠を挙げて殺すとリーを脅したチェンは、その場を去る。 リーとの関係をダニーから訊かれたチェンは、15分署初の中国系となるものの、白人刑事や街の者達に相手にされず、ワンだけが自分を支え援助してくれたことをダニーに話す。 ある日、父親が賭博で殺され、その犯人を知っているというまだ小物だったリーから、自分と組んだ方が得だと言われたとチェンはダニーに伝える。 その頃、部下にダニーのことを調べさせたスカバッカーは、ワンに盗聴テープを聴かせる。 リーは、ワンを始末するようボビーに命じ、ジャックもそれに加わる。 今後は誰も信じることができず孤立するとチェンから言われたダニーは、不安を隠せない。 メイが意識を失っていることを知ったチェンは、彼女を病院に運ぶ。 ワンの屋敷に向かう途中、ボビーはチェンのポケベルを鳴らす。 ジャックからの連絡に気づいたチェンは、メイを死んだことにしてほしいと医師に頼むものの、無理だと言われたために金を渡し、迎えに来るまで入院させておくようにと指示する。 ボビーに見つかりそうになったジャックだったが、何んとか切り抜ける。 ワンの屋敷に押し入ったボビーらは銃を向けるが、ワンは自ら命を絶つ。 リーが金を出さないことをダニーから知らされたチェンは、自分が話をつけたことを伝える。 不正がバレないよう注意しているようにとチェンから言われたダニーは、リーからの分け前の4000ドルと、父ショーンの借金を返すための不足分を渡される。 ジャックの元に向かったチェンは、彼を脅してワン殺害の話を聞く。 病院に向い受付に父に渡す金を預けたダニーは、FBIに連行される。 ボビーがワンを殺したことを裁判で証言するよう、チェンはジャックに強要する。 ダニーが内務調査官だと知ったスカバッカーは、何も話そうとしない彼に、リーと組んでいることは分かっていると伝える。 チェンが来たことを知らされたスカバッカーは、彼が連れてきたジャックが、ワン殺しの目撃者だと言われる。 ダニーは、自分を引き渡せば、ワン殺しの目撃者を渡す考えのチェンと取引したとスカバッカーから言われる。 ワン殺しの犯人の声を録音できればダニーを起訴しないと、チェンと約束したことをスカバッカーはダニーに伝える。 アパートに戻り盗聴器を身につけたダニーは、退院したショーンから、相棒を裏切ることを批判され、金を突き返される。 チェンと共に女と楽しもうとしたダニーは気が変わり、盗聴器を外してジャケットのポケットに入れる。 ジャックは、リーがボビーらとワンを殺害した件を話す会話を録音する。 アパートに戻ったチェンは、意識の戻ったメイを介抱する。 翌朝、ダニーと一夜を過ごした女達は、ジャケットの金を捜し、盗聴器を見つける。 リーと会ったチェンは、密入国者を乗せた船が到着するため、半分は逮捕して残りは自分に引き渡すよう指示される。 女達は、リーの部下にダニーの盗聴器のことを話す。 ジャックを連れて連邦検事補マーガレット・ウィーラー(トヴァ・フェルドシャー)の元に向かったチェンとダニーは、録音テープと密入国者を乗せた船の件を合わせて起訴することになり、リー逮捕のために動き出す。 バーに向かったダニーは、FBIをリーに売ったことを話すチェンが、いつか報いを受けるだろうと言う言葉を気にする。 リーから連絡が入り、ダニーが内務調査官だと知ったチェンは、船が着くと言われ、その場で殺すよう指示される。 ダニーと共に港に向かい船を監視したチェンは、リーからの情報だと言って、15分署の中に内務調査官がいることを話すものの、ただの噂だろうと伝える。 船で動きがあり、チェンから銃を向けられたダニーは、正直に話せと言われる。 事故死していればまともな刑事でいられたというチェンに、命の恩人であり立派な刑事だと伝えたダニーだったが、二人は襲撃される。 チェンとダニーは敵を次々と倒しながら、密入国者を見つける。 警戒するチェンは、ダニーがボビーに狙われていることを知らせようとして撃たれる。 ボビーを射殺したダニーは、瀕死のチェンを必至に励ます。 チェンは病院に運ばれ、付き添うダニーと話したスカバッカーは、内偵の報告書の内容に納得いかないことを伝える。 悪事の証拠は見つからなかったと答えたダニーは、捜査官が殺されたのはチェンの責任だと言うスカバッカーに、チェンが死んだことを知らせる。 病室で死んだのは立派な警官だとスカバッカーに伝えたダニーは、悲しみを堪えながらその場を去る。 ウィリーとルイーズと共にリーの元に向かったダニーは、証拠のテープを聴かせて逮捕する。 その後、チェンの葬儀が盛大に行われる。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、チャイナタウン。
最大の勢力を持つチャイニーズ・マフィア”トン”と、対立する”福建ドラゴン”の抗争が激化していた。
ニューヨーク市警15分署の中国系の警部補ニコラス”ニック”チェンは、トンのボスであるワンの補佐リーと組み、ドラゴンのリーダー、ボビーを捕えようとしていた。
そこに白人の刑事ダニーが赴任して来たため、中国人以外を信じないチェンは不満に思う。
ダニーを仲間に引き込もうとするリーの考えに賛成できないチェンは、独自の方法で捜査を続けるのだが・・・。
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前年の「リプレイスメント・キラー」でハリウッドに進出した、香港の人気スター、チョウ・ユンファ主演の犯罪アクション。
舞台がニューヨークのチャイナタウンであるため、地元のように暴れ回るチョウ・ユンファの活躍が見所の作品。
大柄であるためにアメリカ人スターを相手にしても存在感では負けていないチョウ・ユンファなのだが、アジア人俳優独得のオーバーアクションがやや気になる。
マフィアの抗争に見せかけた権力争いや、ビジネス化しているような犯罪組織と警察のと癒着などが生々しく描かれ、何が正義か混乱してしまうところが、アメリカ社会の抱える大きな問題とも言える。
内務調査官である身を隠しながら、主人公と共に犯罪組織の捜査を行うマーク・ウォールバーグ、主人公らを陰で操ろうとするチャイニーズ・マフィアのドン(キム・チャン)の補佐リック・ヤン、主人公らと対立しながら捜査を続けるFBI捜査官のポール・ベン=ヴィクター、対立を偽装してリー(リック・ヤン)と裏で手を組むバイロン・マン、ダニー(マーク・ウォールバーグ)の父親ブライアン・コックス、主人公の同僚アンドリュー・ペンとエリザベス・リンゼイ、主人公が世話をする売春婦マリエ・マチコ、連邦検事補のトヴァ・フェルドシャーなどが共演している。