人気パニック映画「エアポート」シリーズの第4作。 超音速旅客機コンコルドのアメリカ初飛行を利用した巨大軍需産業の陰謀を描く、主演アラン・ドロン、スーザン・ブレイクリー、ロバート・ワグナー、シルビア・クリステル、ジョージ・ケネディ、エディ・アルバート他共演、監督デビッド・ローウェル・リッチによるパニック・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デビッド・ローウェル・リッチ
製作:ジェニングス・ラング
原作:アーサー・ヘイリー
脚本
ジェニングス・ラング
エリック・ロス
撮影:フィリップ・H・ラスロップ
編集:ドロシー・スペンサー
音楽:ラロ・シフリン
出演
ポール・メトラン:アラン・ドロン
マギー・ウィーラン:スーザン・ブレイクリー
ケヴィン・ハリソン:ロバート・ワグナー
イザベル:シルビア・クリステル
ジョー・パトローニ:ジョージ・ケネディ
イーライ・サンド:エディ・アルバート
フランシーヌ:ビビ・アンデルソン
ロバート・パーマー:ジョン・デイビッドソン
アリシア・ロゴフ:アンドレア・マルコビッチ
ボイジー・ジラード:ジミー・ウォーカー
エレイン:シシリー・タイスン
ピーター・オニール:デビッド・ワーナー
マルコフ:アヴェリー・シュレイバー
アンリ:ピエール・ジャルベール
ロレッタ:マーサ・レイ
マルガリータ:キャロ
ネリ:マーセデス・マッケンブリッジ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1979年製作 113分
公開
北米:1979年8月17日
日本:1979年12月25日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $13,015,680
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワシントンD.C.、ダレス国際空港。
WFA/ワールド・フェデレーション航空が、アメリカ初導入を決めたコンコルドでパリを飛び立ち、無事に着陸しようとしていた。
しかし、環境保護団体が、コンコルドの乗り入れを妨害しようとして、滑走路上空に気球を飛ばす。
コンコルドの機長ポール・メトラン(アラン・ドロン)は、副操縦士アンリ(ピエール・ジャルベール)から気球の存在を知らされ、何とかそれを回避する。
夜のニュースでは、人気キャスターのマギー・ウィーラン(スーザン・ブレイクリー)が、無事に着陸したコンコルドと、この後、プレ・オリンピックを控えるモスクワへのフライトは、予定通り行われると伝える。
同時にマギーは、軍事産業のハリソン社が、新型の攻撃ミサイルの開発に成功し、会長のケヴィン・ハリソン博士(ロバート・ワグナー)が、科学財団から功労賞を贈られることも報道する。 訪米中の、ソ連の体操のスター選手アリシア・ロゴフ(アンドレア・マルコビッチ)は、マギーの同僚でリポーターのロバート・パーマー(ジョン・デイビッドソン)の取材を受けている間に、二人は惹かれ合う仲になっていた。 宿舎のホテルでは、メトランと乗務員のイザベル(シルビア・クリステル)が寄りを戻していた。 その夜、ハリソン社の社員が、会社が武器を不法輸出していることなどを、マギーにリークしようとする。 しかし、証拠書類があると言うその社員は何者かに殺され、マギーも命を狙われるが、何とかそれを逃れる。 その頃、WFAのチーフ・パイロットのジョー・パトローニ(ジョージ・ケネディ)が、モスクワのフライトで同乗するメトランに挨拶する。 翌日、恋人であったハリソンに、事件のことを伝えたマギーだったが、彼は関与を否定する。 しかしハリソンは、極秘だった武器の輸出をマギーに知られたことを含め、それに対処する方法を考える。 パトローニとメトランはコンコルドに乗込み、航空機関士ピーター・オニール(デビッド・ワーナー)と共に、離陸のスタンバイに入る。 空港で、書類が届いているかを確認したマギーは、パリに向うために、経由してモスクワに向うコンコルドに搭乗することになる。 駆けつけたハリソンは、マギーに書類のことを尋ね、それが届いていないことを確認して、彼女に別れを告げる。 その直後、夫を殺された婦人が、マギーにバックを渡し、ハリソンを罵る。 渡された書類を確認したマギーは、それをハリソンが承認していたことを確認し、不安が募る。 WFA社長イーライ・サ(エディ・アルバート)や、アリシアとコーチのネリ(マーセデス・マッケンブリッジ)ら、ソ連の親善スポーツ選手団とパーマー、心臓移植をする息子の身を案ずるエレイン(シシリー・タイスン)、ミュージシャンのボイジー・ジラード(ジミー・ウォーカー)ら、乗客を乗せたコンコルドは離陸体制に入る。 コックピットでパトローニらに挨拶したマギーは、ハリソンに電話をかけて、全てを公表すると言って涙ぐむ。 その頃、ハリソン社のミサイルテストで、プログラムが変更され、目標がコンコルドに定められる。 その報告を受けたパトローニは、巧みな操縦でミサイルをかわすが、機内はパニックとなる。 その後、空軍のF-15が現われ、ミサイルは撃ち落されるが、パリと連絡を取ったハリソンは、コンコルドが着陸する前に墜落されることを確認し、自家用ジェットで自分も現地に向かう。 国籍不明のF-4が接近して、パトローニが照明弾を使いミサイル攻撃を回避し、メトランの操縦で敵機をかわし、予定を変更して”ル・ブルジェ空港”に向う。 空港では、滑走路が短いためにバリアーネットが用意され、三度のネットを利用し、コンコルドは何とか着陸に成功する。 ”シャルル・ドゴール空港” 機内で労を労ったパトローニとメトランは、イザベルと共に食事をすることになる。 パトローニは、メトランにフランシーヌ(ビビ・アンデルソン)という女性を紹介されて、親交を深める。 マギーと会ったハリソンは、先手を打ち、自分の非を認める声明文を発表することを伝えるが、彼女はそれを受け入れられず、モスクワで全てを明かすことを伝え、その場を立ち去る。 その頃、点検整備中のコンコルドは、整備員により細工がされる。 パトローニとフランシーヌ、メトランとイザベルはそれぞれが愛を確かめ合う。 翌朝、フランシーヌが最高だったことを、パトローニはメトランに伝えるが、彼女が娼婦だったと知らされる。 ”シャルル・ドゴール空港”に移動していたコンコルドは、離陸体制に入るが、ハリソンから大金を受け取った整備員は、ターミナルで怪しまれて、滑走路に逃げるものの捕らえられてしまう。 離陸したコンコルドだったが、細工された貨物室のハッチが開き、機内の機密が保てなくなり、振動が起きてフロアに亀裂が入る。 メトランがそれに気づいた直後、ハッチが吹き飛び機は制御を失い、緊急システムでなんとか持ち直す。 パトローニは、乗客に状況を説明し、燃料が漏れていたために、最も近いミュンヘンに向おうとするが、アルプスの山々が、行く手に待ち構える。 死を覚悟したパーマーとアリシアはその場で結婚を誓い、ネリも二人を祝福する。 コンコルドは、”パッチャーコーフェル”の雪原に緊急着陸することになり、地元スキー隊の設置した標識を目印にして、機は胴体着陸に成功する。 機内の乗客は動揺するが、救助隊の速やかな行動で脱出は完了する。 その様子を、自家用機内でニュースにより知ったハリソンは、身の破滅を悟り、自ら命を絶つ。 コンコルドは、乗員乗客の脱出完了直後に、燃料漏れで爆発して大破する。
...全てを見る(結末あり)
同じ頃、ハリソンの自家用機も到着し、フランス支部社員に迎えられ、次の手が打ってあることを知らされる。
参考:
・「大空港」(1970)
・「エアポート’75」(1974)
・「エアポート’77」(1977)
・「エアポート’80」(1979)
*(簡略ストー リー)
WFA/ワールド・フェデレーション航空が、アメリカ初導入を決めたコンコルドが、パリを飛び立ちワシントンD.C.、ダレス国際空港に到着する。
軍需産業ハリソン社は、新たな攻撃ミサイルを開発するが、不法に武器を輸出していることを、人気ニュース・キャスターのマギーは知ってしまう。
実はハリソン社の会長ハリソンと恋仲だったマギーは、情報を知ったために命まで狙われたことでショックを受ける。
マギーは、ハリソンに関与を否定されるものの、その証拠となる書類を入手し、コンコルドでパリ向かい、事件を明らかにすることを彼に伝える。
WFAのチーフ・パイロット、パトローニは、フランス人機長メトランと共に、パリ経由モスクワ行きのコンコルドを離陸させる。
一方、窮地に立たされたハリソンは、マギーや証拠と共に、不正が暴かれることを阻止するため、コンコルド撃墜の命令を下すのだが・・・。
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残念ながら、興行的にも失敗に終わり、人気シリーズの最終作となった作品で、評価も低く、夢の超音速機コンコルドの勇姿だけが全てのような作品。
お決まりのオール・スターキャストも、その主人公的スターが、無難に役柄をこなしてはいるが、北米での知名度、人気がないアラン・ドロンやシルビア・クリステルでは、荷が重いという感じを受ける。
また、憧れのコンコルド、その美しく洗練されたボディ・デザインなどは、今見ても古臭さを感じないが、機内の様子などは、優雅さなども全く感じられない、まるで乗り合いバスのような雰囲気には愕然としてしまう。
期待のラロ・シフリンの音楽も平凡であり、ファンとしては寂しいばかりだ。
4作全てに出演する、シリーズの顔であるパトローニを演ずるジョージ・ケネディが、前作では控えめな出演だったが、本作では主演と言っていい活躍で、騙されるものの、ラブ・シーンまで演じているのは驚きだ。
名優などが出演しているにも拘らず、様々な乗客が、ただ乗り合わせているというだけの出演陣、恋人の陰謀を知るニュース・キャスターのスーザン・ブレイクリー、巨大軍需産業のトップでありながら不正を知られ、その証拠を消そうとするロバート・ワグナー、航空会社社長エディ・アルバート、パトローニ(G・ケネディ)が”世話”をされる女性ビビ・アンデルソン、リポーターのジョン・デイビッドソン、彼と恋仲になるソ連の体操選手アンドレア・マルコビッチ、彼女のコーチ、マーセデス・マッケンブリッジ、意味不明なミュージシャン、ジミー・ウォーカー、心臓病の息子を案ずる女性シシリー・タイスン、機関士デビッド・ワーナー、ソ連人コーチのアヴェリー・シュレイバー、トイレにばかり入っている神経質な乗客マーサ・レイ、愛犬を連れていたため搭乗を拒否されるキャロ、冒頭の副操縦士、わずかな出演ながら、TVシリーズ「コンバット!」のケイジ/ケーリ役が懐かしいピエール・ジャルベール等が共演している。