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依頼人 The Client (1994)

1993年に発表された、ジョン・グリシャム同名小説の映画化。
恵まれない母子家庭で育つ少年がマフィア絡みの犯罪に巻き込まれ子供から引き離された辛い過去を持つ女性弁護士と出会い固い絆で結ばれていく姿を描く、監督ジョエル・シュマッカー、主演スーザン・サランドントミー・リー・ジョーンズメアリー=ルイーズ・パーカーブラッド・レンフロ他共演による法廷劇をベースにした感動のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・シュマッカー

製作
アーノン・ミルチャン

スティーヴン・ルーサー
原作:ジョン・グリシャム
脚本
アキヴァ・ゴールズマン

ロバート・ゲッチェル
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
編集:ロバート・ブラウン
音楽:ハワード・ショア

出演
スーザン・サランドン:レジーナ”レジー”ラヴ
トミー・リー・ジョーンズ:ロイ・フォルトリッグ
メアリー=ルイーズ・パーカー:ダイアン・スウェイ
ブラッド・レンフロ:マーク・スウェイ
アンソニー・ラパリア:バリー・マルダーノ
J・T・ウォルシュ:ジェイソン・マクスーン
ウィル・パットン:ハーディ巡査部長
ウィリアム・H・メイシー:グリーンウェイ医師
アンソニー・エドワーズ:クリント・フォン・フーザー
ブラッドリー・ウィットフォード:トーマス・フィンク
オジー・デイヴィス:ハリー・ローズベルト判事
ロン・ディーン:ジョニー・スラーリ
アンソニー・ヒールド:ラリー・トルーマン
キム・コーテス:ポール・グロンキー
ウォルター・オルケウィック:ジェローム・クリフォード
デヴィッド・スペック:リッキー・スウェイ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1994年製作 121分
公開
北米:1994年7月20日
日本:1994年10月
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $92,115,210
世界 $117,600,000


アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優賞(スーザン・サランドン


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
テネシー州、メンフィス郊外。
12歳のマーク・スウェイ(ブラッド・レンフロ)は、弟のリッキー(デヴィッド・スペック)と遊んでいる最中に、偶然、弁護士のジェローム・クリフォード(ウォルター・オルケウィック)が、自殺しようとするところを目撃してしまう。

マークはクリフォードに見つかってしまい、道連れにされそうになるが、彼からマフィアに殺された上院議員の死体の隠し場所を教えられる。

怯えるマークは隙を見て逃げ出すが、クリフォードは自殺してしまう。

クリフォードの遺体はマークの通報で警察に発見され、現場にいた彼は、ハーディ巡査部長(ウィル・パットン)に保護される。
...全てを見る(結末あり)

マークの母ダイアン(メアリー=ルイーズ・パーカー)は、息子リッキーが怯えて自宅にいたために驚いてしまい、結局、彼は、ショック状態のまま入院してしまう。

ハーディは、マークが何か隠していることに気づき追及するが、彼は何も話さない。

その後、ハーディにジュース缶の指紋をとられたマークは、それが車内の指紋と一致してしまう。

同じ頃、州知事の座を目指す首席検事ロイ・フォルトリッグ(トミー・リー・ジョーンズ)は、FBIメンフィス支局長ジェイソン・マクスーン(J・T・ウォルシュ)からそれを知らされる。

フォルトリッグは、 クリフォードが死ぬ前にマークと接触した可能性があるため、彼を尋問しようとする。

翌日、ダイアンは、医療費や仕事のことを気にするのだが、グリーンウェイ医師(ウィリアム・H・メイシー)は、リッキーに付き添うよう彼女を説得する。

マークは、マフィアに襲われる恐怖から、警察の事情聴取にも口を閉ざしてしまう。

自殺したクリフォードは、上院議員殺しの容疑者バリー・マルダーノ(アンソニー・ラパリア)の弁護士で、彼の裁判で証言する予定になっていたのだった。

その後、マークは弁護士を雇うことを思いつき、所持金わずか1ドルではあるが、困惑する彼の窮状などを知った女性弁護士レジーナ”レジー”ラヴ(スーザン・サランドン)は、弁護を引き受ける。

ニューオーリンズ
その頃、マルダーノは、ボスのジョニー・スラーリ(ロン・ディーン)から今回の件を非難され、マークらを殺しに行くことの許可を得られない。

スラーリは、マルダーノに目立った動きをしないよう指示し、手下のポール・グロンキー(キム・コーテス)をメンフィスに向かわせる。

その後、フォルトリッグやFBIのマクスーンらに呼び出されたマークだったが、レジーは、彼の安全を守るために万全を期して権利を主張し対抗する。

メンフィスに着いたグロンキーは、早速マークに接触して、フォルトリッグとFBIに、何も話すなと彼に脅しをかける。

フォルトリッグとFBIに会う予定だったマークは、それができないことをレジーに伝える。

レジーは、現れたフォルトリッグらを追い払おうとするが、彼女は麻薬とアル中だったことを追及されてしまう。

互いに譲らぬまま、フォルトリッグは引き上げるが、それを聞いていたマークは、やはりアル中で自分達を苦しめた父親を思い出し、彼女をクビにする。

しかし、レジーは自分の辛い過去をマークに正直に話し、彼はそれを理解して、再び手を組むことにする。

そんな時、マークの家のトレーラーハウスは、グロンキーらによって焼かれてしまう。

何もかも失ったダイアンは、マークにも召喚状が出されて連行され、彼女は取り乱してしまう。

マークの拘留を許可したことを、ハリー・ローズベルト判事(オジー・デイヴィス)に抗議したレジーは、安全が保障できないまま証言させる危険性を指摘し、彼には自分しか頼れるものがいないことを伝える。

審問会が始まり、ローズベルト判事は、ハーディ巡査部長や記者など、本件に無関係な者を退廷させる。

判事は、マークに証言をさせようとするが、彼は検事補のトーマス・フィンク(ブラッドリー・ウィットフォード)の質問に対し黙秘権を行使し、拘留されて身の安全を確保される。

その頃マルダーノは、ボスのスラーリから、マークら関係者全ての抹殺の許可を得る。

マークは仮病を使い病院に運ばれ、隙を見てその場を逃れようとするが、グロンキーに見つかってしまう。

グロンキーに追われたマークは、彼を霊安室の冷凍庫に閉じ込めて逃亡する。

レジーを呼び出したマークは、ニューオーリンズ上院議員の死体の隠し場所を確かめるため、彼女を説得する。

スラーリは組織の壊滅を恐れ、仕方なくマルダーノに死体の掘り起こしを命ずる。

その頃、FBIのマクスーンがレジーの助手クリント・フォン・フーザー(アンソニー・エドワーズ)の電話を傍受し、彼女らがニューオーリンズにいることを突き止め、フォルトリッグに伝える。

レジーとマークは、自殺した弁護士クリフォードの家に着き、死体が隠されているはずのボートハウスに向かう。

そこにマルダーノとグロンキーらが現れ死体を確認するが、その場に潜んでいたマークが見つかってしまう。

グロンキーはボートの下敷きとなり、マルダーノはレジーに襲い掛かるが、マークが彼に銃を向ける。

レジーがマークから銃を受け取り、屋敷の警報を撃ちそれを鳴らしたため、マルダーノらはその場から逃走する。

死体を確認したレジーとマークは、フォルトリッグにその隠し場所を教える代わりに、マークの家族を”証人保護プログラム”の管理下に置き、新たな生活環境を与えることを約束させる。

その頃、マルダーノは全ての責任を取らされ、スラーリに抹殺される。

フォルトリッグのプライベートジェットで、ニューオーリンズに着いたダイアンはマークと再会する。

その後ダイアンは、憧れだった”ウォークイン・クローゼット”がある家なども提供されることをレジーから知らされる。

ダイアンは心からレジーに感謝し、彼女が別れた子供達に再会できることを願う。

マークは、”証人保護プログラム”が、過去との絆を断ち切ることで、レジーとは二度と会えないことを知らされる。

レジーは、自分がいつも身につけていた、コンパスのブレスレットをマークに渡し、彼との別れを惜しみ、二人は固く抱き合う。

その後、レジーはフォルトリッグに死体の隠し場所を教え、彼は記者達を集め事件解決を発表する。

そして、マークと家族は、レジーに見守られながら新生活に向けて飛び立って行く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
母子家庭で育つマークとリッキー兄弟は、マフィアに殺害されることを恐れた弁護士が、自殺しようとする現場を目撃してしまう。
弁護士に見つかったマークは、道連れにされそうになり、マフィアの上院議員殺害と、その遺体の隠し場所を知ってしまう。
その場から逃れたマークだったが、弁護士は自殺してしまい、その後、大きな事件となる。
州知事の座を狙う辣腕検事フォルトリッグは、この事件を利用しようとしてマークに証言させようとする。
マークは、自分や家族の身の危険を感じて口を閉ざし、自ら弁護士を雇おうとする。
そしてマークは、苦しんでいる自分の話に耳を傾けてくれた、自身も辛い過去を持つ弁護士のレジーナ”レジー”ラヴを、所持金1ドルで雇うことになる・・・。
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頼もしい弁護士に見える主人公の意外な過去とその弱さを、結果的に、必死に家族を守ろうとする少年の逞しさが救うという筋書きもなかなか面白い。

弁護士出身のジョン・グリシャムらしい、ポイントを押さえた法廷論争も非常に解り易い。

マフィアの脅威、検事の野望などを絡めた見事な脚本を、ジョエル・シュマッカーは、ユーモアもなじえながらテンポ良く描いている。

ハワード・ショアの爽やかな音楽も印象的だ。

北米興行収入は約9200万ドル、全世界では約1億1800万ドルのヒットとなった。

第67回アカデミー賞では、スーザン・サランドンが主演女優賞にノミネートされた。

主演のスーザン・サランドンは絶頂期を迎えようとしていた時期であり、少年に母性を注ぎ込み、検事やマフィアに、敢然と立ち向かう姿は実に頼もしい。

前年「逃亡者」(1993)でアカデミー助演賞を受賞したトミー・リー・ジョーンズは、やや道化的な野心家の検事を貫禄で演じている。

主演と言ってもいいほどの活躍を見せるブラッド・レンフロは、撮影当時11歳とは思えない熱演だ。

その後、私生活で問題を繰り返し、2008年1月に、ヘロインの過剰摂取で25歳という若さで死亡したのは非常に残念。

母親役のメアリー=ルイーズ・パーカーも、生活苦に悩みヒステリックになってしまう女性を好演して、代表作の「フライド・グリーン・トマト」(1991)を上回る演技を見せてくれる。

思慮深く温厚ではあるが周囲を圧倒する雰囲気のある判事オジー・デイヴィスFBIの支局長J・T・ウォルシュ、事件の発端となる殺人を犯すマフィアのアンソニー・ラパリア、巡査部長ウィル・パットンらの、個性的な共演者も印象に残る。

医師役のウィリアム・H・メイシー、主人公の助手役のアンソニー・エドワーズ、検事補役のブラッドリー・ウィットフォード、マフィアのボス役のロン・ディーン、その手下のキム・コーテスFBI捜査官アンソニー・ヒールド、自殺する弁護士ウォルター・オルケウィック、事件を目撃してショック状態になるマーク(B・レンフロ)の弟デヴィッド・スペックなどが共演している。


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