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ザ・サークル The Circle (2017)

巨大SNS企業で才能を発揮するものの監視社会の恐ろしさに気づく女性の苦悩を描く、製作、監督、脚本ジェームズ・ポンソルト、主演エマ・ワトソントム・ハンクスジョン・ボイエガカレン・ギランエラー・コルトレーンパットン・オズワルトグレン・ヘドリービル・パクストン他共演のテクノスリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

エマ・ワトソン / Emma Watson / Pinterest
トム・ハンクス / Tom Hanks 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ジェームズ・ポンソルト
製作
ゲイリー・ゴーツマン
アンソニー・ブレグマン
ジェームズ・ポンソルト
製作総指揮
ステファニー・アズピアズー
ロン・シュミット
ピーター・クロン
スティーヴン・シェアシアン
エヴァン・ヘイズ
サリー・ウィルコックス
ラッセル・レヴィン
原作:デイヴ・エガーズThe Circle
脚本
ジェームズ・ポンソルト
デイヴ・エガーズ
撮影:マシュー・リバティーク
編集
リサ・ラセック
フランクリン・ピーターソン
音楽:ダニー・エルフマン

出演
メイ・ホランド:エマ・ワトソン
イーモン・ベイリー:トム・ハンクス
タイ・ラフィート:ジョン・ボイエガ
アニー・アラートン:カレン・ギラン
マーサー・レガラド:エラー・コルトレーン
トム・ステントン:パットン・オズワルト
ボニー・ホランド:グレン・ヘドリー
ヴィニー・ホランド:ビル・パクストン
ジェシカ・ヴィラロボス医師:プールナ・ジャガナサン
ダン:ネイト・コードリー
ミッチ:ジミー・ウォン
レナータ:エレン・ウォン
オリヴィア・サントス下院議員:ジュディ・レイエス
ジャレッド:ママドゥ・アティエ
本人:ベック

アメリカ 映画
配給
STX Films
ヨーロッパ・コープ
2017年製作 110分
公開
北米:2017年4月28日
日本:2017年11月10日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $20,497,840
世界 $40,656,400


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
水道会社の派遣社員でカヤックが趣味のメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は、街道で車が故障してしまい、友人のマーサー・レガラド(エラー・コルトレーン)に来てもらう。

車を直してもらったメイはマーサーに感謝し、両親と夕食の約束をしているために実家に向かう。

父ヴィニー(ビル・パクストン)と母ボニー(グレン・ヘドリー)と食事したメイは、マーサーとのことで冷やかす多発性硬化症に苦しむ父のことが気になる。

翌日、世界的なSNS企業”サークル”の幹部社員である友人のアニー・アラートン(カレン・ギラン)からの電話を受けたメイは、就職のための面接が決まったことを知らされて喜ぶ。
...全てを見る(結末あり)

数日後、サークルに向かったメイは、ダン(ネイト・コードリー)の面接を受けて、採用されることになる。

アニーに敷地内の施設を案内されたメイは、ダンに仕事の内容を知らされ、ジャレッド(ママドゥ・アティエ)から、担当するカスタマーサポートについての指導を受ける。

仕事にも慣れてきたメイは、世界中を忙しく飛び回るアニーと共に社内ミーティング”ドリーム・フライデー”に参加し、CEOのイーモン・ベイリー(トム・ハンクス)のスピーチを聞く。

高解像度の映像を撮影し、衛星を通じて配信できる小型ワイヤレス・カメラの説明をしたイーモンは、あらゆるサービスと共用できるシステム”シーチェンジ”を発表する。

その夜、社内パーティーに参加したメイは、野外ステージでベックが歌っていたために驚く。

アニーに連れられてイーモンとCOOトム・ステントン(パットン・オズワルト)の秘密の”作戦室”に向かったメイは、内緒で中を見せてもらいパーティーに戻る。

仕事があるアニーと別れたメイは、独りでいた青年(ジョン・ボイエガ)と会話をするが、名前も聞かぬまま彼は去ってしまう。

その後、実家で開かれたパーティーで両親と話したメイは、仕事に満足していることを伝える。

マーサーが気に入っているヴィニーは、招待した彼が家に入る姿を見て、メイにビールを取ってきてほしいと伝える。

部屋にいたマーサーと話し会社に誘ったメイは、木工製品の作製を仕事にする彼から、ネット社会には興味がないと言われる。

両親の席に戻ったメイは、具合が悪そうなヴィニーの姿を見て心を痛める。

その後、忙しく働くメイは、なかなか実家に戻れず、チャットでボニーと話している際に、マーサーが作った鹿の角のシャンデリアに気づく。

それを写真に撮ったメイは、ネット上にUPする。

アニーに案内されて健康診断を受けることになったメイは、ジェシカ・ヴィラロボス医師(プールナ・ジャガナサン)から、健康チェックするためのブレスレットを渡される。

会社の保険プランに両親も入れることを知ったメイは喜び、それをボニーに知らせて、口添えしてくれたアニーに感謝する。

トムのプレゼンテーションを聞きに行ったメイは、サークルに批判的な議員がFBIの捜査を受けたことを知る。

トムは、シーチェンジを通じて日常を公開することに同意したオリヴィア・サントス下院議員(ジュディ・レイエス)を紹介する。

その夜、パーティー会場で先日の青年に話しかけたメイは、サントスの件で意見を求められ、やり過ぎだと思うと答える。

いいものを見せると言う青年は立ち入り禁止区域に入り、要人のためにメイのブレスレットとなどを外す。

サントスのすべてが記録されているサーバー・ルームと、他の者のための巨大な空間を見せられたメイは驚く。

健康診断により、既に自分のすべての情報が保存そして利用され、データは研究しサークルの収益になると言われたメイは、青年が人気アイテム”トゥルー・ユー”の開発者タイ・ラフィートであることを知る。

姿を消していたタイだったが、イーモンやトムとの接触もなく、サークルにいても問題ないことをメイに伝える。

メイが初対面で自分のことに気づかなかったとことを知ったタイは、信用できる女性だと思ったと伝える。

ここに来たことは誰にも言わないことをメイに約束させたタイは、自分の考えとは異なった方向に進むサークルを変えなくてはならないと話す。

誇らしい面もあると言うメイに、プライバシーを無視した個人データの乱用だと意見したタイは、議員の捜査は偶然ではないと伝えてその場を離れる。

会社に現われたマーサーと話したメイは、シャンデリアの写真を公開したために鹿殺しと言われ、誹謗中傷や脅迫されていることを知らされる。

謝罪ししたメイは何とかするとしか言えず、マーサーから、まともな世界にいるとは思えないと批判される。

マーサーに気づいた社員は彼を撮影し、心無い言葉を浴びせる。

昔とは変わってしまったと言ってメイを非難するマーサーは、その場を去る。

その夜、悩むメイは海に向かい、カヤックを漕いで沖に向かう。

荒れ始めた海に落ちてしまったメイは、現われた沿岸警備隊のヘリコプターに救助される。

メイは、シーチェンジのカメラで事故を知った人物からの通報があり、駆けつけたことを知る。

翌日、イーモンとトムに”作戦室”呼ばれたメイは、今回のことでシーチェンジの必要性が証明できたと言われる。

前にもここに来たことは知っていると言われたメイは、秘密がバレると楽になるとイーモンに話し、ある提案を受け入れる。

ドリーム・フライデーが開かれ、社員の前でイーモンのインタビューに答えるメイは、カヤックの事件のことを話す。

自分の経験すべてをシェアすることを決めたメイは、今後、改良したシーチェンジ・カメラを身に着け、完全に”透明化”することを発表する。

会場の片隅にいたタイは戸惑い、アニーは、喝采を浴びるメイに嫉妬する。

その後、メイの行動は、24時間、映像として世界に配信される。

メイは、幸せな日々を送れるようになった両親の生活にも満足するが、愛し合う姿まで公開され、二人からの映像の配信が途絶えてしまう。

口をきいてくれなくなったアニーを呼び止めてトイレで話したメイは、成功を羨み、自分は仕事に追われていることでウンザリしていると言う彼女のことを気遣う。

会議の席上、イーモンは、サークルのアカウントを選挙登録と見なすようにする考えを進めていることを話す。

意見したメイは、投票年齢に達した全国民にサークル登録をさせて、そのアカウントを利用した投票の義務化を提案する。

アニーはその方法に疑問を抱くが、すべてのシステムを統合すると言うメイは、サークルのアカウントでそれを実行する考えを語る。

政府がやればいいことであり、なぜサークルが必要なのかを問うアニーは、メイから、コストが問題であり、自分たちにはそのインフラがあると言われる。

これこそ究極の民主主義だと力説するメイだったが、馬鹿げていると言うアニーは退席してしまう。

忙しい合間にようやく両親と連絡ができたメイは、プライバシーが必要であり、これ以上は続けられないと言われる。

次のドリーム・フライデーでステージに登場したメイは、サークルを利用した投票システムの採用が世界に広がっていることを話す。

20分以内に人物を捜せる新たなシステム”ソウルサーチ”を発表したメイは、自分の子供3人をクローゼットに閉じ込めて餓死させたイギリス人の逃亡者フィオナを、10億人のネットワークを利用して捜し出すテストをする。

直ぐに見つかったフィオナの映像は映し出され、わずか10分で捕えられる。

もう一人、試すことになったメイは、一般人をターゲットにすることをトムから指示される。

マーサーを捜すこと求める声で会場は盛り上がるが、反対するメイは戸惑う。

ステージに現れたイーモンは、サークルの力でメイとマーサーの友情を取り戻そうと言って皆を煽る。

トムからも強要されたメイは、仕方なくその指示にし互い、フィオナの記録に挑戦する。

見つかったマーサーはトラックに乗って走り去るが、窓にカメラが付けられる。

追跡者とドローンから逃げるマーサーに話しかけたメイは、車を止めさせようとする。

暴走するマーサーは、目の前に現れたドローンに驚き、ハンドルを誤り橋から転落してしまう。

3日後。
ショックを受けたメイは実家に戻り、部屋に閉じこもり悲しみを堪える。

世界の人々もマーサーの死を悼んでいることを知ったメイは、会いに来てほしいというイーモンからのメッセージを受け取る。

アニーに電話をしたメイは、サークルを辞めた彼女が故郷のスコットランドに戻ったことを知る。

人間らしい生活をしていることをメイに伝えたアニーは、イーモンとトムに明日会いに行くと言う彼女に、二人は多くの法律違反をしていたことを伝える。

悪事を止める方法を考えるメイは、アニーや他の人とのつながりが、マーサーの死に対処できることだと気づく。

翌朝メイは、システムの問題を改めなくてはならないと言って、反対する両親を説得してサークルに向かう。

タイに電話をしたメイは協力を求め、イーモンとトムに会う。

イーモンから、マーサーのことはよく知らなかったと言われたメイは、遺族のために基金を作りたいと話し、協力をしてもらえることになる。

心を病んでいる若者たちを救う新プロジェクトに参加してほしいと言われたメイは、心の準備ができていないと伝えてる。

社内を調べたタイと話したメイは、想像以上に酷い状態であり、マーサーの死が人々の心の目を開かせることになると言われる。

再びカメラをつければ、世界中の人々が自分の話を聞きすべてが変わると言われたメイは、タイの意見に従う。

次のドリーム・フライデーで、イーモンから紹介されてステージに上がったメイは、トムもその場に呼ぶ。

マーサーの死で落ち込む自分を支えてくれた人々に感謝したメイは、マーサーと疎遠にならなければ捜すこともなかったと話す。

徹底的なオープン性と常につながっていることが必要だと言うメイは、イーモンとトムが開発したテクノロジーを二人に体験させようとする。

イーモンとトムに透明化してもらうと言うメイは、二人にカメラをつける。

二人のすべてのメッセージや会議や電話の内容を誰でも知ることができると言うメイは、タイ・ラフィートが会社のすべての書類を公開したことを伝える。

プライベートを含めたイーモンとトムのすべての情報が巨大モニターに映し出され、メイは、全員にそれを送ったことを社員に知らせる。

自分たちには見る権利があると言うメイは、喝采を受ける。

その場を去ったトムは電源を切るが、社員は携帯電話のライトを点けてメイを照らす。

すべてに疲れたと言うメイは、変化を求め作り直さなければ、未来は待ってくれないと言いながらその場を去る。

その後、カヤックを漕ぐメイは、現われたドローンに微笑みかける。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
世界的なSNS企業”サークル”の幹部社員である友人アニーの口添えで入社できたメイ・ホランドは、多発性硬化症に苦しむ父ヴィニーや介護する母ボニーのために仕事に励む。
CEOのイーモンは、高解像度の小型カメラを利用して映像を送信できる新システム”シーチェンジ”を発表する。
その後、才能を発揮したメイはイーモンに認められ、”透明化”して自分のすべてを公開するのだが・・・。
__________

2013年に発表された、デイヴ・エガーズの小説”The Circle”を基に製作された作品。

希望に燃えて巨大SNS企業に入社し才能を発揮した女性が、監視社会の恐ろしさに気づき苦悩する姿を描くテクノスリラー。

製作と脚本を兼ねるジェームズ・ポンソルトが演出し、監視社会化している現在の世界の状況に警鐘を鳴らす興味深い内容で、エマ・ワトソントム・ハンクスをはじめとした人気スター競演も見どころの作品。

最新のテクノロジーとアイデアを利用したシステムが、見事に機能していく前半の映像感覚などは楽しめるが、監視社会の弊害により、経営者が呆気なく葬られる展開などは滑稽であり、全体的に単調な内容は残念だ。

上記のように魅力的なキャストは注目なのだが、批評家には酷評され、北米興行収入は約2100万ドル、全世界では約4100万ドルに終わった。

主演のエマ・ワトソンは、システムを潰すのではなく、”変化”させようと努力する女性を熱演している。
あどけなさが残る魅力的な女性を演じているのだが、水道会社の派遣社員が、突然、サイバーエリートのように変身する姿は不自然だ。

巨大SNS企業”サークル”のCEOトム・ハンクス、システムの開発者であり、主人公と共に自分の考えと違う方向に向かうことを阻止しようとするジョン・ボイエガ、サークルの幹部社員である主人公の友人カレン・ギラン、ネット社会を嫌い、結局その犠牲者になってしまう主人公の友人エラー・コルトレーン、サークルのCOOパットン・オズワルト多発性硬化症に苦しむ主人公の父親役で、本作が遺作となったビル・パクストン、その妻役で、彼と同じ2017年に他界するグレン・ヘドリー、サークルの医師プールナ・ジャガナサン、主人公の面接を担当するネイト・コードリーロブ・コードリーの弟)、サークルの社員ジミー・ウォンエレン・ウォンママドゥ・アティエ、シーチェンジに参加してすべての情報を公開する下院議員のジュディ・レイエス、そして本人役でベックなどが共演している


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