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シンシナティ・キッド The Cincinnati Kid (1965)

若きギャンブラーが伝説の男に勝負を挑み人生を見つめ直すまでを描く、監督ノーマン・ジュイソン、主演スティーヴ・マックィーンエドワード・G・ロビンソンアン=マーグレットカール・マルデン共演のドラマ。

■ アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen 作品一覧
スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ノーマン・ジュイソン
製作
ノーマン・ジュイソン
マーティン・ランソホフ
原作:リチャード・ジェサップ
脚本
リング・ラードナーJr.
テリー・サザーン
撮影:フィリップ・H・ラスロップ
編集:ハル・アシュビー
音楽:ラロ・シフリン
主題歌:レイ・チャールズ

出演
スティーヴ・マックィーン:エリック”ザ・キッド”ストーナー/シンシナティ・キッド
エドワード・G・ロビンソン:ランシー・ハワード
アン=マーグレット:メルバ
カール・マルデン:シューター
チューズデイ・ウェルド:クリスチャン
ジョーン・ブロンデル:レディ・フィンガーズ
リップ・トーン:ウィリアム・J・スレイド
ジャック・ウェストン:ピッグ
キャブ・キャロウェイ:イェラー
ジェフ・コーリイ:ホバン

アメリカ 映画
配給 MGM
1965年製作 102分
公開
北米:1965年10月15日
日本:1965年10月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューオリンズ
若いギャンブラー、エリック”ザ・キッド”ストーナー(スティーヴ・マックィーン)、通称シンシナティ・キッドは、小銭稼ぎの勝負で危険な目に遭う。

キッドは、この街の古株ディーラーのシューター(カール・マルデン)に、素人相手の勝負は避けるよう忠告される。

シューターは、伝説のギャンブラーである”ザ・マン”の異名を持つ、ランシー・ハワード(エドワード・G・ロビンソン)が街に来ていることもキッドに知らせる。

高級ホテルに部屋を取っていたランシーは、早速、スタッド・ポーカーの相手、地元の名士ウィリアム・J・スレイド(リップ・トーン)に連絡し、彼は、ディーラーにはシューターを手配する。

キッドは、ランシーとの手合わせの段取りを進めようとするが、シューターは相当な覚悟が要ると、キッドに助言する。

そんなキッドには、恋人クリスチャン(チューズデイ・ウェルド)がいたが、彼女は、シューターに男としての魅力を感じない妻メルバ(アン=マーグレット)と一緒に遊びまわっていた。
...全てを見る(結末あり)

ハワードとスレイドのゲームに立ち会ったシューターは、キッドとの勝負をランシーに持ちかける。

クリスチャンはキッドを愛していたが、キッドは、彼女にそれほど深い思いを抱けず、メルバは彼を熱い視線で見つめる。

その後クリスチャンは、満たされない気持ちを整理しようと、実家に帰る決心をする。

30時間続けたゲームで、スレイドはランシーに6000ドル負けてしまい、心穏やかでないままその場を後にする。

メルバとの約束を果たせなくなったシューターは、キッドに彼女の相手を頼み、二人は闘鶏に出かける。

その後、シューターを自宅に呼び寄せえたスレイドは、負けを取り戻すために、キッドとランシーの勝負で、細工をするようシューターに強要する。

それを拒絶するシューターだったが、スレイドは、彼の自分への借金の話を持ち出して脅迫する。

帰宅したメルバはキッドを誘惑するが、彼はメルバを相手にせず、ランシーとの勝負も決まり、クリスチャンの実家に向う。

メルバとは違う純真なクリスチャンと過ごし、キッドは心が和み、新鮮な気持ちでランシーとの勝負に挑む。

会場のホテルには、レディ・フィンガーズ(ジョーン・ブロンデル)やイェラー(キャブ・キャロウェイ)、ピッグ(ジャック・ウェストン)などの、名うてのギャンブラーが集まるのだが、キッドは、わざと遅れて現れランシーを動揺させようとする。

動ずることなく余裕のランシーと、軽く挨拶を交わしたキッドらは、シューターがディールして早速ゲームを始める。

順調な出足と見えたピッグが、まずランシーの餌食となりゲームを降りてしまう。

ランシーは休息時にキッドを牽制するが、キッドは冷静に対処し、レディ・フィンガーズがディーラーを代わりゲームは再開される。

ゲームは延々と続き夜が明け、イェラーなどが次々に席を立ち、勝負はキッドとランシーの一騎打ちとなる。

キッドは優勢にゲームを続けるが、彼はシューターの行動に不信感を抱く。

休息を要求したキッドは、シューターを問い詰め、細工したことを認めさせる。

キッドは、自分の力で勝つ自信のあることをシューターに伝え、妨害するなら縁を切るとまで言い放つ。

さすがのランシーもキッドの手強さを認めるが、勝負に挑む気力は残っていた。

睡眠をとっていたキッドをメルバは再び誘惑し、それを受け入れた彼の元に、クリスチャンが現れる。

メルバが部屋にいるのを知り、ショックを受けるクリスチャンだったが、キッドは平静を装い勝負に挑む。

その後のゲームで、キッドの圧倒的有利のまま、再び休息となる。

キッドにスレイドが圧力をかけるが、彼は相手にしない。

ゲームは再開し、キッドはディラーのシューターをレディ・フィンガーズに代えさせ、最後の勝負を仕掛ける。

会場の皆がキッドの勝ちを確信し、ついに”ザ・マン”の交代の時が来ると息を飲む。

しかし、ランシーはストレートフラッシュで、その瞬間キッドは負けを認め、自分がフルハウスだったことを知らせる。

ランシーは、自分がいる限りキッドはNo.2だと言い切り、長い勝負は終わる。

愕然とするキッドに、労わりの声をかけるシューターだったが、メルバやスレイドは、彼に罵声を浴びせる。

放心状態のキッドは、いつもからかっている靴磨きの少年との勝負にも負け、全てをやり直すために、クリスチャンの元に向かう。


解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
若くして、その名を知られるギャンブラーのエリック・ストーナー、通称シンシナティ・キッドは、小銭稼ぎの勝負で危険な目に遭い、街の古株ディーラー、シューターに、素人相手の勝負は避けるよう忠告される。
そんな時キッドは、”ザ・マン”と言われる、伝説のギャンブラー、ランシー・ハワードが街に来ていることを知り、彼との勝負に挑もうとする。
その頃、ランシーと勝負した地元の名士スレイドは、彼に大金を巻き上げられる。
それを取り戻すそうとするスレイドは、シューターを呼びだし、キッドとランシーの勝負で細工をするよう彼に強要する。
気力も充実し、勝負に勝つ自信に満ち溢れるキッドは、恋人クリスチャンとの関係や、手助けを申し出る者達を自分の世界から排除し、人生を懸けた勝負に挑む・・・。
__________

リチャード・ジェサップの原作を基に、リング・ラードナーJr.テリー・サザーンが脚色して製作された作品。

カナダ出身の、若手監督として注目されつつあったノーマン・ジュイソンが、こちらもスターダムにのし上がろうという時期のスティーヴ・マックィーンと組んだ、若手のギャンブラーの生き様を描いたドラマ。

ポーカーの腕前の描写や雰囲気もさることながら、若手とベテランが入り乱れる、多彩な登場人物のキャラクターなどが、実に魅力的に描かれている。

主人公キッドの、勝負師としての姿を歌うレイ・チャールズの主題歌と、ラロ・シフリンのムードたっぷりの音楽も印象的だ。

また、ハル・アシュビーが編集を担当している。

小柄できゃしゃな感じがするマックィーンだが、30代半ばにして、大ベテランのエドワード・G・ロビンソンカール・マルデンを圧倒する演技を見せる。
冷静さと不敵な面構えで、トップを狙う流れ者のギャンブラーを見事に演じ、翌年の「砲艦サンパブロ」(1966)では、その確かな演技力を高く評価され、一気に大スターへの道を歩むことになる。

これぞギャンブラー”ザ・マン”の名をほしいままに、貫禄の演技を見せるエドワード・G・ロビンソンの存在は、別格という感じがする。

20代前半には思えないアン=マーグレットの妖艶な美しさも魅力的だ。

権力者に屈してしまう、弱さを隠そうとする遠慮気味なカール・マルデンの、一歩引いた演技も味がある。

主人公の恋人チューズデイ・ウェルドは、アン=マーグレットとは違った幼さが残る輝くような美しさだ。

その他、ディーラー役で大ベテランのジョーン・ブロンデル、ハワード(E・G・ロビンソン)に復讐するため、キッドらを利用しようとする街の実力者リップ・トーン、負け犬のようにゲームを降りるジャック・ウェストンキャブ・キャロウェイなどが共演している。


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