1952年に発表された、C・S・ルイスの「ナルニア国物語」の3作目「朝びらき丸東の海へ」を基にした映画化の第3作。 監督マイケル・アプテッド、ベン・バーンズ、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、リーアム・ニーソン、サイモン・ペグ、ティルダ・スウィントン、ベン・バーンズ他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・アプテッド
製作
アンドリュー・アダムソン
ペリー・ ムーア
マーク・ジョンソン
原作:C・S・ルイス
脚本
マイケル・ペトローニ
クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
撮影:ダンテ・スピノッティ
編集:リック・シェイン
音楽
デヴィッド・アーノルド
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
カスピアン王:ベン・バーンズ
ルーシー・ペヴェンシー:ジョージー・ヘンリー
エドマンド・ペヴェンシー:スキャンダー・ケインズ
ユースチス・スクラブ:ウィル・ポールター
アスラン:リーアム・ニーソン(声)
リーピチープ:サイモン・ペグ(声)
ドリニアン卿:ゲイリー・スウィート
ベルン卿:テリー・ノリス
ループ卿:ブルース・スペンス
タヴロス:シェーン・ランギ
ラインス:アーサー・エンジェル
ゲイル:アラベラ・モートン
コリアキン:ビリー・ブラウン
のうなしあんよのリーダー:ロイ・ビリング
スーザン・ペヴェンシー:アナ・ポップルウェル
ピーター・ペヴェンシー:ウィリアム・モーズリー
リリアンディル:ローラ・ブレント
白い魔女:ティルダ・スウィントン
イギリス/アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2010年製作 113分
公開
イギリス:2010年12月9日
北米:2010年12月10日
日本:2011年2月25日
製作費 $155,000,000
北米興行収入 $100,620,370
世界 $415,686,220
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ケンブリッジ。
エドマンド・ペヴェンシー(スキャンダー・ケインズ)とルーシー(ジョージー・ヘンリー)は、兄ピーター(ウィリアム・モーズリー)と姉スーザン(アナ・ポップルウェル)がアメリカ滞在中、意地悪ないとこユースチス・ スクラブ(ウィル・ポールター)の家に預けられていた。
ある日、部屋にあった絵を見ながら、ユースチスと言い合いになったエドマンドとルーシーだったが、突然起きた異変の後、三人は絵の中に吸い込まれてしまう。
海でおぼれかけた三人は、帆船”朝びらき丸”から現れたカスピアン王(ベン・バーンズ)に救われる。
ユースチスは、ネズミの騎士リーピチープ(サイモン・ペグ:声)が話が出来ることに驚き騒ぎを起こす。
カスピアンは部下達に、エドマンドとルーシーが、いにしえの王と女王だと伝える。
カスピアンとの再会を喜んだエドモンドとルーシーは、消息を絶った亡き父王の友である、7人の貴族(7卿)を見つけるために離れ島諸島を目指す。 やがて、陸を確認したカスピアンらは、”いりみなと町”の様子を探りに上陸する。 しかし、彼らは奴隷商人に捕らえられて拘束されてしまい、カスピアンは7卿の一人ベルン卿(テリー・ノリス)に出会う。 人々が、謎の霧の生贄にされるのを確認したカスピアンは、船長ドリニアン卿(ゲイリー・スウィート)らの助けで、売られようとしていたルーシーとユースチスを救い出す。 カスピアンは、先王のナルニアの剣をベルン卿から渡され、船に戻り出航する。 無人島に上陸し夜を明かそうとしていたカスピアンらだったが、ルーシーが姿の見えない何者かに、ある場所に連れて行かれてしまう。 ルーシーは魔法の本を読むよう指示され、憧れの人になれるというページを破り、”見えないものが見える魔法”を唱える。 全てのものが見えるようになったルーシーは、現れた島の所有者で魔法使いのコリアキン(ビリー・ブラウン)と共に、後を追ってきたカスピアンとエドマンドらの元に向かう。 コリアキンに姿を消されていた、のうなしあんよ(ロイ・ビリング)らは不満をぶつけながらその場を去る。 その後コリアキンは、霧の向こうにある”くらやみの島”のことや”ラマンドゥの島”へ導く”青い星”、そして、そこにあるアスラン(リーアム・ニーソン:声)のテーブルに、7本の剣が並ぶ時に、その恐ろしい暗闇の魔法が解けることを知らせる。 嵐の中の船内で、ルーシーは破ったページに、憧れの人である姉の”スーザン”になれるよう語りかけ、鏡の向こうのアメリカに向かう。 しかし、そこには、自分(ルーシー)もナルニアも存在せず、鏡に現れたアスランは、自分を見失うなとルーシーに忠告し、彼女は夢から覚めページを燃やしてしまう。 次の島に上陸したカスピアンらは、洞窟内の泉の中の剣を見つける。 エドマンドは、その泉が全ての物を黄金に変えることを知り、強欲と支配欲によりカスピアンを罵り剣を交える。 魔力により惑わされていることを察したルーシーがそれを制止し、その場を離れる。 単独で行動していたユースチスは、大量の財宝を見つけた後、姿を消してしまう。 ユースチスを捜しに行ったカスピアンとエドマンドは、彼の残したものを確認して剣を見つけ持ち帰る。 その後、空飛ぶ竜に姿を変えられたユースチスが現れ、彼を置き去りにできないカスピアンらは、島で対策を考える。 翌早朝、ルーシーが上空の”青い星”に気づき、船に戻った一行は、夕暮までに”ラマンドゥの島”に到着する。 島に上陸したカスピアンらは、7卿の何人かが睡眠状態でその場にいることを確認し、彼らの剣を合わせた6本をアスランのテーブルに置く。 その直後に、”青い星”から姿を変えた、ラマンドゥの娘リリアンディル(ローラ・ブレント)が案内役として現れる。 ループ卿(ブルース・スペンス)の持つ、 7本目の剣を手に入れるのは至難の業だと、リリアンディルに知らされたカスピアンだったが、彼らは戦いの準備を整え”くらやみの島”に向かう。 正気を失い欠けているループ卿を、ユースチスが捕まえカスピアンの元に連れて行くが、巨大な海蛇が船に襲い掛かる。 勇敢に立ち向かったユースチスは、ループ卿の放った剣を受けてしまうが、現れたアスランの力で人間の姿に戻る。 ユースチスは、アスランのテーブルに向かい、霧に妨害されながらも剣を置く。 その頃、霧が白い魔女(ティルダ・スウィントン)に姿を変えてエドマンドの前に現れ、彼を誘惑する。 しかし、エドマンドはナルニアの剣で海蛇を倒し、7本の剣は魔法を解き、生贄となっていたナルニアの民が姿を現し、ユースチスも船に戻る。 アスランの国に着いたカスピアンは、現れたアスランに民のための王になることを誓う。 リーピチープは、剣を捨ててアスランの国に留まることを伝え、ルーシーに別れを告げる。 友情が芽生えていたユースチスも、リーピチープとの別れを惜しむ。 勇敢に戦ったユースチスを称えたリーピチープは、波の向こうに旅立ち、アスランは子供達を現実の世界に戻す。 家にに戻り、素直な少年になったユースチスは、絵を壁に戻し、ルーシーとエドマンドと共に部屋を出る。
...全てを見る(結末あり)
参考
・「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(2005)
・「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」(2008)
・「ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島」(2010)
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「ナルニア国物語」全7巻シリーズ
1 ライオンと魔女(1950年)”The Lion, the Witch and the Wardrobe”
2 カスピアン王子のつのぶえ(1951年)”Prince Caspian”
3 朝びらき丸 東の海へ(1952年)”The Voyage of the Dawn Treader”
4 銀のいす(1953年)”The Silver Chair”
5 馬と少年(1954年)”The Horse and His Boy”
6 魔術師のおい(1955年)”The Magician’s Nephew”
7 さいごの戦い(1956年)”The Last Battle”
*(簡略ストー リー)
エドマンド・ペヴェンシーとルーシー兄妹は、兄ピーターと姉スーザンがアメリカに滞在中、意地悪ないとこユースチスの家に預けられていた。
ある日、部屋に飾ってあった絵のことで三人は言い争いになり、直後に起きた異変により、彼らは絵に吸い込まれれ、ナルニアの国に移動してしまう。
海上でカスピアン王に助けられた三人は、消息を絶った亡き先王の友である、7人の貴族(7卿)を見つけるため、離れ島諸島を目指す。
陸を見つけたカスピアンらは、”いりみなと町”に上陸するが奴隷商人に捕らわれ、7卿の一人ベルン卿に出会う。
拘束を逃れたカスピアンらは、ベルン卿から、先王のナルニアの剣を渡され、その後、無人島でルーシーが、島の所有者である魔法使いコリアキンと出会う。
コリアキンは、”くらやみの島”や”ラマンドゥの島”へ導く”青い星”、そしてそこにあるアスランのテーブルに、7本の剣を並べることで、恐ろしい暗闇の魔法が解けることを、カスピアンらに知らせる・・・。
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第1作からわずか5年ではあるが、主人公の子供達は成長して、特にルーシー演ずるジョージー・ヘンリーは、主役と言っていいほどの、堂々たる演技と活躍を見せる。
新キャラクターである、ウィル・ポールター演ずる”ユースチス・スクラブ”も注目で、冒頭の嫌味で偏屈な少年から、常に画面を賑わせながら、竜に姿を変えられる辺りからは、好感の持てる少年へと変貌して奮闘する。
反発し合っていた、ネズミのリーピチープとの友情物語も実に爽やに描かれている。
スーザンとピーターの出番が少ないのが残念だが、その姉を憧れの人として慕うルーシーのいじらしさなどの描写で姉の存在感を示すところや、一行をまとめるカスピアンが、目立ち過ぎず、周囲のキャラクターを立てているような、マイケル・アプテッドの巧みな演出もなかなかいい。
1作目には及ばないものの、興行収入は2作目とほぼ同じ、全世界で約4億1600万ドルのヒットとなった。
頼もしい王となったベン・バーンズ、兄スキャンダー・ケインズをサポート又はリードするジョージー・ヘンリー、彼女らのいとこで、出色のキャラクター、ひねくれ者の少年ウィル・ポールター、アスランの声リーアム・ニーソン、リーピチープの声サイモン・ペグ、”朝びらき丸”の船長ゲイリー・スウィート、7卿のテリー・ノリスとブルース・スペンス、船員役のシェーン・ランギ、妻を捜すナルニア人アーサー・エンジェル、その娘アラベラ・モートン、魔法使いで島の所有者ビリー・ブラウン、彼に姿を消されていた、のうなしあんよのロイ・ビリング、主人公の姉アナ・ポップルウェル、兄ウィリアム・モーズリー、ラマンドゥの娘ローラ・ブレント、そして、魔力で登場する白い魔女のティルダ・スウィントンなどが共演している。