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ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 The Chronicles of Narnia: Prince Caspian (2008)

C・S・ルイスの「ナルニア国物語」全7巻シリーズで1951年に発表された第2章「カスピアン王子のつのぶえ」を基にした映画化シリーズ第2作。
製作、監督、脚本アンドリュー・アダムソンウィリアム・モーズリーアナ・ポップルウェルスキャンダー・ケインズジョージー・ヘンリーリーアム・ニーソンティルダ・スウィントンベン・バーンズ他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー


スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・アダムソン

製作
アンドリュー・アダムソン

ペリー・ムーア
マーク・ジョンソン
原作:C・S・ルイス
脚本
アンドリュー・アダムソン

クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
衣装デザイン:アイシス・マッセンデン
編集:シム・エヴァン=ジョーンズ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演
ピーター・ペヴェンシー:ウィリアム・モーズリー

スーザン・ペヴェンシー:アナ・ポップルウェル
エドマンド・ペヴェンシー:スキャンダー・ケインズ
ルーシー・ペヴェンシー:ジョージー・ヘンリー
カスピアン王子:ベン・バーンズ
ミラース:セルジオ・カステリット
グロゼール将軍:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
リーピチープ:エディ・イザード(声)
アスラン:リーアム・ニーソン(声)
トランプキン:ピーター・ディンクレイジ

ニカブリク:ワーウィック・デイヴィス
コルネリウス博士:ヴィンセント・グラス
ソペスピアン卿:ダミアン・アルカザール
グレン・ストーム:コーネル・ジョン
プルナプルスミア:アリシア・ボラッチェロ
ジェイディス/白い魔女:ティルダ・スウィントン

イギリス/アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

2008年製作 140分
公開
北米:2008年5月16日
日本:2008年5月21日
制作費 $200,000,000
北米興行収入 $141,614,020
世界 $419,651,410


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
伝説の四人王(ペヴェンシー兄妹)が、アスランと共にジェイディス/白い魔女を倒し、平和と繁栄をもたらしてから1300年。

ナルニア国はテルマール人の侵略で滅び、かつての面影はなく、人々は森の奥へと追いやられていた。

そのナルニアを支配する、テルマール人の先王の弟で摂政ミラース(セルジオ・カステリット)は、男児誕生を機に、王位継承者カスピアン王子(ベン・バーンズ)の暗殺を企てる。

逃亡して、グロゼール将軍(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)の追跡を振り切り、森に逃れたカスピアン王子は落馬してナルニアの民に遭遇し、城から持ち出した角笛を吹き鳴らしてしまう。

一方、ナルニアから第二次大戦下のロンドンに戻り1年が経ち、普通の子供達と同じように、学校に通っていたペヴェンシー兄妹だったが、カスピアン王子の吹いた角笛により、滅亡したナルニアの地に舞い戻ってしまう。
...全てを見る(結末あり)

テルマールの議会。
審議で、カスピアン王子の失踪の真相を、ソペスピアン卿(ダミアン・アルカザール)らに追究されたミラースは、森で捕らえたナルニア人トランプキン(ピーター・ディンクレイジ)を前に、王子を連れ戻すことを誓う。

ナルニアが、滅んだことを知ったピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップルウェル)、エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)は、ケア・パラベル城の廃墟を見つける。

内部に入ったピーターらは、朽ち果てた城に時の流れを感じ、ルーシーは、タムナスやビーバーがもういないのだと悲しげに語る。

その後、殺されかけたトランプキンを助けたピーターらは、ナルニアの平和を取り戻すために奥地に向かう。

その頃、カスピアン王子はナルニア人ニカブリク(ワーウィック・デイヴィス)らに匿われ、彼らにこれまでの経緯を説明していた。

カスピアン王子が手にしていた角笛は、かつてスーザンに与えられたもので、その音はナルニアの危機に四人王を呼び戻すという伝説がある、魔法の角笛だったことをミラースは知る。

森に出たカスピアン王子は、テルマールの兵に襲われるが、ネズミのリーピチープ(エディ・イザード)に救われる。

ナルニアのものだった角笛を持つ王子を追求するため民が集まる。

そして、平和を望むカスピアン王子とナルニアの民は結束し、テルマールと戦うことになる。

森に入ったピーターら一行は、伝説の王アスラン(リーアム・ニーソン)を見たと言う、ルーシーの言葉を信じようとしない。

一方、ミラースの命令で、テルマールと森を隔てる川に架ける橋の工事が、急ピッチで進められていた。

アスランと再会した夢を見たルーシーは、目覚めて一人で森を歩き回るが、彼女の後をつけたピーターが突然現れたカスピアン王子と剣を交える。

お互いの立場に気づいた二人は、妹や弟とナルニアの民と共にテルマールと戦う準備を始める。

その頃、無傷で武器を奪われたグロゼールを追求し、カスピアン王子が部下を3人殺したことにして、ミラースは王子を謀反の首謀者呼ばわりする。

グロゼールは、そんなミラースのやり方に次第に反発し始める。

アスランの出現を待てないピーターは、テルマールの城を攻めることを決断する。

一団は城に侵入し、カスピアン王子は、ミラースに拘束されていたコルネリウス博士(ヴィンセント・グラス)を助け出し、ミラースが父王を殺したことを知る。

カスピアン王子は、寝室で眠っていたミラースに剣を突きつけるが、妻プルナプルスミア(アリシア・ボラッチェロ)の矢を受け、ミラースに逃げられてしまう。

テルマールの兵士は戦闘体制に入るが、城外で待ち受けていたナルニアの戦士が城に突入する。

劣勢のピーターらとナルニア戦士は、多くの犠牲者を出し、城から退却することになる。

その後、ピーターとカスピアン王子は、戦略について意見が対立してしまう。

テルマールではミラースが王となり、橋は完成して大軍が送り込まれる。

カスピアン王子は、現れた白い魔女(ティルダ・スウィントン)に誘惑されるが、ピーター達がそれを制止する。

ミラースの大軍が現れ、ルーシーが森にアスランを捜しに行く間、エドマンドが時間稼ぎ敵陣に向かい、ピーターがミラースに決闘を申し込むことを告げる。

ナルニア側の策略にはまったミラースは、ピーターとの決闘を受け入れ、スーザンはルーシーを連れて森に向かう。

しかし、敵兵に追われ、スーザンは馬を降りてルーシーに先を急がせるために敵に立ち向かう。

スーザンが危うくなった時、カスピアン王子が現れ彼女を救う。

ピーターとミラースの決闘が始まり、ミラースはグロゼールに汚い手を使わせようとするが、彼はそれに従わずに戦いは続き、ピーターはミラースに傷を負わせる。

カスピアン王子に止めを刺すようピーターは剣を渡すが、王子はミラースを生かし、ナルニアを民に返すことを告げる。

しかし、ソペスピアン卿がミラースを殺し、ナルニア側が裏切りをしたと叫び、軍に攻撃を開始させる。

ナルニア側は、巧みな作戦でその大軍を迎え撃つ。

その頃、アスランに出会ったルーシーは、戦場へと急いで引き返す。

圧倒的に優位を誇っていたテルマール軍だったが、ルーシーがアスランと共に戻り劣勢を挽回し大軍を川へと追いやる。

ルーシーとアスランは川で大軍を待ち受け、アスランの一吠えで”川の神”が怒り狂う激流となり押し寄せ、橋を壊しソペスピアン卿を飲み込んでしまう。

テルマール軍兵士は降伏し、ピーターらナルニアの王とカスピアン王子はアスランにひれ伏すが、アスランは彼らを”真の王”と称える。

ルーシーは、激闘で瀕死となったリーピチープを甦らせ、アスランは全ての者達を温かく見守る。

そして、ナルニアは復活し、テルマールとの融合を果たした新たな国が生まれる。

テルマール人の中で、先祖の土地に帰ることを希望したグロゼールやミラースの妻プルナプルスミアは、アスランが大木の間に出現させた空間に消えていく。

そしてピーターら四人王も、カスピアン王子に後を託し、現代に戻る決心をする。

ピーターと共に、この世界で十分に学んだスーザンは、再びナルニアには戻ることが出来ないことを知り、ほのかな愛が芽生えていた、カスピアン王子に永遠の別れを告げる。

そして、4人は大木の空間を通り、登校前の駅のホームに無事戻ることが出来る。


解説 評価 感想 ■

参考
・「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(2005)
・「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」(2008)
・「ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島」(2010)
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ナルニア国物語」全7巻シリーズ
1 ライオンと魔女(1950年)”The Lion, the Witch and the Wardrobe”
2 カスピアン王子のつのぶえ(1951年)”Prince Caspian”
3 朝びらき丸 東の海へ(1952年)”The Voyage of the Dawn Treader”
4 銀のいす(1953年)”The Silver Chair”
5 馬と少年(1954年)”The Horse and His Boy”
6 魔術師のおい(1955年)”The Magician’s Nephew”
7 さいごの戦い(1956年)”The Last Battle”

*(簡略ストー リー)
伝説の四人王(ペヴェンシー兄妹)がアスラン
と共に白い魔女を倒してから1300年が経ち、ナルニア国は滅び、テルマール人が支配していた。
先王の弟で摂政ミラースは、男児誕生を機に、王位継承者カスピアン王子を抹殺しようとする。
森に逃れたカスピアン王子は、ナルニアの民に遭遇し、城から持ち出した角笛を吹き鳴らしてしまう。
一方、ナルニアから第二次大戦下のロンドンに戻っていたペヴェンシー兄妹は、王子の角笛により、滅亡したナルニアに舞い戻ってし
まう・・・。
__________

子供達は少し成長し、カスピアン王子という新たなヒーローが登場する第二話で、序章の前作とは違い、冒頭から主人公の4人は、かなり勇ましい雰囲気で、各々が役割を見事に果たし大活躍する。

ルーシー役のジョージー・ヘンリーが急に成長し、愛らしさがなくなった感じはするが、本作でも重要な役割を果たす。

ナルニアへの戻り方など、全体的に前作とは違ったイメージにした工夫が見られて、迫力とスケールも増している。

北米興行収入は、前作の半分以下に落ち込んでしまい、全世界でも4割以上減ってしまったが、4億ドルを超す普通の作品であれば大ヒットと言える成績は残している。

制作費 $200,000,000
北米興行収入 $141,614,020
世界 $419,651,410

原作ファンの注目は、小さなネズミの戦士リーピチープの映像化だろうが、この人気キュラクターの奮闘ぶりもユーモアたっぷりで実に楽しい。

テルマール人との最初の戦いで、カスピアン王子とピーターの息が合わずに失敗したり、王子とスーザンのほのかな恋愛も、現実に戻るために諦めるしかないところなどは、若者達の弱い内面や、大人へと成長していくために、通らねばならない試練などを見事に表現している。

クライマックスの戦闘シーンなどは、確かに前作を凌ぐ迫力ではあるが、「ロード・オブ・ザ・リング」の亜流と言われても仕方がないほどよく似ている。

花火をバックにした城のショットだが、いかにもというディズニーの宣伝手法は、ややシラケ気味だ。

無難に王子を演ずるベン・バーンズ、その王位を狙うセルジオ・カステリット、彼のやり方に賛同できなくなる部下役のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ネズミ戦士リーピチープの声エディ・イザード、アスランの声リーアム・ニーソン、ナルニアの中で最も活躍が目立ったピーター・ディンクレイジ、裏切り者ワーウィック・デイヴィス、王子に角笛を渡す博士役のヴィンセント・グラス、強かに支配権を狙うダミアン・アルカザール、そしてわずかな登場ながら、前作に続く白い魔女として登場するティルダ・スウィントンらが共演している。


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