一世を風靡したディーン・マーティンとジェリー・ルイスの底抜けコンビ(Martin and Lewis)シリーズ作品。 監督ノーマン・タウログ、ドナ・リード、バーバラ・ベイツ他共演の爆笑コメディ。 |
・コメディ
・ディーン・マーティン & ジェリー・ルイス Martin and Lewis / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ノーマン・タウログ
原作:ダニー・アーノルド
脚本
エドマンド・ハートマン
ダニー・アーノルド
編集:ウォーレン・ロー
撮影:ダニエル・L・ファップ
音楽:ジョセフ・J・リリー
出演
ディーン・マーティン:ジョー・アンソニー
ジェリー・ルイス:ハーヴィー・ミラーJr.
ドナ・リード:キャッシー:テイラー
バーバラ・ベイツ:リサ・アンソニー
フレッド・クラーク:Mr.バクスター
ジョセフ・カレイア:アンソニー
アルゼンティーナ・ブルネッティ:アンソニー夫人
マージョリー・ゲイトソン:グレース・テイラー
ベン・ホーガン:本人
サム・スニード:本人
バイロン・ネルソン:本人
ジュリアス・ボロス:本人
ジミー・トムソン:本人
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1953年製作 95分
公開
北米:1953年8月10日
日本:1958年4月22日
■ アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲賞 ”That’s Amore”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、パラマウント劇場。
公演中の人気コンビ、ジョー・アンソニー(ディーン・マーティン)とハーヴィー・ミラー(ジェリー・ルイス)は、楽屋にいたジョーの両親(ジョセフ・カレイア/アルゼンティーナ・ブルネッティ)の前で取材を受けようとしていた。
しかし、ショーの時間となった二人はステージに上がり、父親が、彼らに代わり取材に応じて、生い立ちを語り始める。
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ハーヴィーは、父の後を継ぎゴルファーになろうとするのだが、人前でプレーが出来ずに家出してしまう。
ジョーは漁師の息子だったが、船酔いしてしまうので家業を継がずに家出する。
その後、職を転々としたジョーは、ヒッチハイクで故郷のサンフランシスコに戻ることにする。 デパートで働くようになったハーヴィーは、昼休みに、恋人のリサ・アンソニー(バーバラ・ベイツ)と共にベン・ホーガンのプレーを見に行く。 午後からの仕事に遅刻した二人は、デパートで騒動を起こし、クビになってしまう。 ハーヴィーと結婚の約束をしているリサは、自宅に居候させている、傷心の彼を励ます。 その夜、ジョーが家に戻り騒動になるが、ハーヴィーは寝ぼけていて、それに全く気づかない。 翌日、挨拶をした二人は意気投合し、ジョーにゴルフの才能があることが分かる。 そして、ジョーの歓迎パーティーが開かれるが、両親は、息子が漁師を継ぐものと思っていた。 ジョーは、両親や家族に、ゴルフで稼ぐことを決めたと伝え、人前でプレーできないハーヴィーをキャディにして、賞金の懸かった試合に出場しようとする。 初戦に挑んだジョーは、ハーヴィーの手助けで見事に優勝し、選手としての実績を上げるきっかけを作る。 ジョーは、トーナメントのアシスタントであるキャッシー・テイラー(ドナ・リード)と出会い、彼女に一目惚れしてしまう。 その夜、優勝を祝う食事を用意しておいたハーヴィーだったが、ジョーは、キャッシーからパーティーに誘われてしまう。 翌日のラウンドを控え、深夜になっても帰ってこないジョーを心配して、ハーヴィーはパーティー会場に向かい、彼を連れて帰る。 そして、翌日も優勝したジョーはキャッシーの自宅に招かれ、ハーヴィーを置いて彼女の実家である豪邸に向かう。 次の試合の心配をするハーヴィーは、テイラー邸に忍び込み、厩舎で一晩を過ごす。 翌朝、招待客に扮したハーヴィーは、ジョーに見つかり、結局キャディだとばれてしまう。 しかし、ハーヴィーはキャッシーや彼女の母親グレース(マージョリー・ゲイトソン)に歓迎され、滞在を許される。 パーティーの接客係になったハーヴィーは、数日後に控える優勝賞金1万ドルの試合に向け、ジョーの体調を気遣うあまり、彼に嫌われてしまう。 ハーヴィーは、ジョーのために彼の酒を何杯も飲んでしまい、会場で騒ぎを起こしてしまう。 キャッシーは、ハーヴィーと結婚の約束をしているリサを、ジョーの恋人と誤解してしまい、彼に冷たく接してしまう。 ハーヴィーから、リサがジョーの妹だと知らされたキャッシーは安心するのだが、ジョーはショックを受けて屋敷から姿を消してしまう。 キャッシーは警察に手を回して、ジョーを無理矢理に屋敷に連れ戻すが、彼は再び姿を消してしまう。 試合当日、ジョーのスタート時間が迫る中、彼は警察に捕まり、留置場にいることが分かり、ハーヴィーがスタート時間を引き伸ばそうとする。 そして、ようやく到着したジョーと共に、ハーヴィーは、試合に挑む。 しかし、ジョーはハーヴィーのアドバイスを無視して、両親やリサまでコースに現れ、試合は大混乱になる。 そんな中、ジョーとハーヴィーは、笑いのセンスに目を付けられ、芸能界にスカウトされる。 やがて、ジョーとハーヴィーのコンビは大いに受けて、全米から引っ張りだこの大スターとなる。 ショーを終えた、ジョーとハーヴィーの次に舞台に上がろうとしていたディーン・マーティンとジェリー・ルイスは、現れたキャッシーとリサに抱きつかれる。 そこにジョーとハーヴィーも現れ、キャッシーとリサは、瓜二つの両者に驚き、互いの恋人を確認して、その場を立ち去る。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
ジョー・アンソニーは、船酔いするために家業の漁師を諦め、妹リサの恋人で、観客恐怖症が理由でプロ・ゴルファーを諦めたハーヴィー・ミラーJr.と出会う。
その後、ジョーにゴルフの才能があることが分かり、ハーヴィーは、彼のキャディとして大会に参加して賞金を狙う。
トーナメント会場で、富豪令嬢キャッシーに出会ったジョーは、彼女に一目惚れしてしまう。
初戦で勝利したジョーだったが、キャッシーに誘われたため、ハーヴィーを置き去りにして彼女の自宅に向う。
次の試合が迫り、ジョーのコンディションを気遣うハーヴィーだったが、行く先々でトラブルを起こしてしまう・・・。
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伊達男ディーン・マーティンと、拍子抜けしたジェリー・ルイスの、絶妙な笑いのコンビネーションは手放しで楽しい。
二人の素晴らしさは、それぞれ単独のシーンでも、魅力に溢れているところだ。
笑い以外にも、ディーン・マーティンのまろやかで甘い、独特の美声には聴き惚れてしまう。
その後、各方面で度々使われることになる”That’s Amore”は、第26回アカデミー賞で主題歌賞にノミネートされ、本作の主題曲だったことに、初めて気づく方も多いはずだ。
二人の異質な才能は、コンビ解消後も生かされる。
特にディーン・マーティンは、ディナーショーやコンサート、ドラマや西部劇などの映画出演まで幅広く芸歴を広げ、アメリカのみならず、世界中のファンを魅了した真のエンタティナーだ。
ジェリー・ルイスの、”可愛らしく”愛嬌のあるユーモアのセンスは、他のコメディアンにはない異才を放つキャラクターだ。
ミュージカルやコメディのヒット作を、数えきれぬほど世に送り出した監督ノーマン・タウログの、後半期絶頂時代の作品で、本作以外にも、底抜けコンビの5作で監督を務めている。
同時期に公開された名作「地上より永遠に」(1953)で、アカデミー賞(助演賞)を受賞したドナ・リードの上流階級の令嬢役や、バーバラ・ベイツも作品に華を添えている。
ラストで、本人という設定で登場するディーン・マーティンとジェリー・ルイスの合成場面も楽しい。
また注目は、ベン・ホーガン、サム・スニード、バイロン・ネルソン、ジュリアス・ボロス、ジミー・トムソンら、当時活躍していたトップ・プロ・ゴルファーの面々が特別出演していることだ。
デパートの支配人フレッド・クラーク、ジョー(D・マーティン)の両親ジョセフ・カレイアとアルゼンティーナ・ブルネッティ、キャッシー(D・リード)の母親マージョリー・ゲイトソンなどが共演している。