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あの日、欲望の大地で The Burning Plain (2008)

心に傷を負う女性の葛藤を場所と時代を変えて描く、監督、脚本ギジェルモ・アリアガ、主演シャーリーズ・セロンキム・ベイシンガージョアキム・デ・アルメイダジョン・コーベットジェニファー・ローレンス他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

シャーリーズ・セロン / Charlize Theron 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ギジェルモ・アリアガ

製作
ウォルター・F・パークス
ローリー・マクドナルド
製作総指揮
シャーリーズ・セロン
アリサ・テイガー
レイ・アンジェリク
トッド・ワグナー
マーク・キューバン
マーク・バタン
脚本:ギジェルモ・アリアガ
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:クレイグ・ウッド
音楽
ハンス・ジマー
オマール・ロドリゲス=ロペス

出演
シルヴィア/マリアーナ:シャーリーズ・セロン
ジーナ:キム・ベイシンガー
ニック・マルティネス:ジョアキム・デ・アルメイダ
ジョン:ジョン・コーベット
ローラ:ロビン・タニー
ロバート:ブレット・カレン
サンティアゴ・マルティネス:ダニー・ピノ
マリアーナ(若年期):ジェニファー・ローレンス
サンティアゴ・マルティネス(若年期):J・D・パルド
アナ・マルティネス:レイチェル・ティコティン
カルロス:ホセ・マリア・ヤスピク
マリア・マルティネス:テッサ・イア

アメリカ 映画
配給 マグノリア・ピクチャーズ
2008年製作 106分
公開
北米:2009年9月18日
日本:2009年9月26日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $200,700
世界 $5,468,650


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1990年代半ば、ニューメキシコ州、ラスクルーセス付近。
原野のトレーラーハウスが炎上する。
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現在、オレゴン州、ポートランド
高級レストランのマネージャー、シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、行きずりの男との関係を繰り返す日々を送っていた。

同僚であるシェフのジョン(ジョン・コーベット)と一夜を過ごしたシルヴィアは、彼に帰るよう指示する。

迎えに来た同僚で親友のローラ(ロビン・タニー)の車に乗ろうとしたシルヴィアは、通りの向こうにいる見知らぬ男性カルロス(ホセ・マリア・ヤスピク)が、自分を見つめていることに気づく。

ローラは、昨夜も男と一緒だったというシルヴィアの話を聞く。
...全てを見る(結末あり)

仕事を始めたシルヴィアは、ジョンを気にしながら接客をする。

休憩時間になり外に出たシルヴィアは、太ももの内側を小石で傷つけ、崖下の海を見つめる。

店に戻ったシルヴィアはワインを選んだ客に誘われ、それをジョンが目撃する。

シルヴィアは客とは付き合わないと断るが、結局は愛し合う。

二人が車を降りる姿を、カルロスが見つめていた。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
サンティアゴ・マルティネス(J・D・パルド)は、兄と共に焼けたトレーラーハウスに向い、女生との逢引き中に焼死した父親ニック(ジョアキム・デ・アルメイダ)のことを考える。

母アナ(レイチェル・ティコティン)やおばは、亡くなった父が許せないと言って葬儀にも出席せず、サンティアゴは兄と共に葬儀を済ませる。

父を埋葬したサンティアゴと兄は、4人の子供を連れた父の相手だった女性ジーナ(キム・ベイシンガー)の夫ロバート(ブレット・カレン)に罵倒される。

サンティアゴは無言で立ち去るが、ロバートの娘マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)が気になる。
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現在、メキシコ
農薬を散布するパイロットのサンティアゴ(ダニー・ピノ)は、娘のマリア(テッサ・イア)とカルロスと共に軽飛行機で飛び立つ。

目的地の畑に着いたサンティアゴは先に農薬を散布することになり、マリアとカルロスを残して飛び立つ。

小屋で食事の支度をしていたマリアは、父サンティアゴの飛行を見守る。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
ジーナを待っていたニックは、車に乗り彼女にキスするが、胸を触るのを拒まれる。

帰る気はないジーナは、ニックがいとこから借りたというトレーラーハウスに向かう。

ニックと愛し合ったジーナは帰宅し、食事の支度をしていったマリアーナと替わる。
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現在、ポートランド
昨夜どこにいたのかをジョンに聞かれたシルヴィアは、質問に答えようとしない。

昨日の客と再び出かけようとしたシルヴィアは、ジョンに呼び止められ誰とでも寝るのかと言われるが、妻と別れてから意見してほしいと伝える。

カルロスは、その様子を見守る。

車を追ったジョンはシルヴィアと口論になり、気分を害した客はその場を去る。

ジョンを相手にしないシルヴィアは、現れたカルロスに声をかけられて送ると言われる。

歩いて帰ろうとしたシルヴィアは、雨が降ってきたためにカルロスの車に乗る。

自分の名前を伝えたカルロスは、”シルヴィア”だと言う彼女の言葉を疑問に思う。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
ジーナの葬儀を見守っていたサンティアゴは、マリアーナの家族の車を追い、彼女の家を確認する。

買い物に出たマリアーナをつけたサンティアゴは、スーパーマーケットに向かった彼女に声をかける。

争う気はないと言うサンティアゴは、父がジーナと何をしたのかを知りたいだけだと伝え、また話ができるかをマリアーナに尋ねる。

それを承知したマリアーナに、会いに来ることを伝えたサンティアゴはその場を去る。
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現在、メキシコ
機体の不調で操縦不能になったサンティアゴは墜落し、それを目撃したマリアは父の元に駆け寄る。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
トラック・ドライバーのロバートが家に戻り、出かけるというジーナに付き合うことを伝える。

ニックと会う約束をしていたジーナは戸惑うが、結局は家族で買い物に行くことになる。

出発前にニックに電話をして何とかすると伝えたジーナは、それをマリアーナに聞かれてしまい、相手がおばだと答える。

ショッピングセンターに着いたジーナは、マリアーナに買い物リストを渡して、生地を取りに行くことをロバートに伝える。

急いで車に向かうジーナの様子を、マリアーナは不審に思う。

ニックの元に向かったジーナは愛し合い、買い物を終えたロバートらは彼女を待つ。

謝罪するジーナは、マリアーナの不満そうな表情が気になる。
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現在、ポートランド
アパートに着いたシルヴィアは、カルロスを部屋に誘い関係を迫る。

それを断ったカルロスは、シルヴィアに理由を聞かれるものの、何も答えずに立ち去る。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
家に来たサンティアゴに郊外で待つよう指示したマリアーナは、会わない方がいいと言いながら、彼と様々なことを話し心通わせる。

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現在、メキシコ
一命を取り留めたサンティアゴを、カルロスは病院でマリアと共に見守っていた。

サンティアゴに呼ばれたカルロスは、あることを頼まれる。

マリアを母親に会わせることになったカルロスは、嫌がる彼女を連れてアメリカに向かう。

ポートランド
ホテルの部屋に着いたカルロスは、マリアから母親のことを聞かれるが、彼は、会ったこともなく出て行った理由も知らなかった。

妻の住所を突き止めたサンティアゴの頼みだと言って、カルロスは母親に会おうとしないマリアを説得する。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
トレーラーハウスの中を片付けたジーナは、ニックとの時間に幸せを感じる。

ニックに抱きしめられたジーナは、再び胸を触ってほしくないことを伝え、その理由を聞かれる。

体の嫌いな部分だと言うジーナに、自分は嫌いにならないと伝えたニックは、彼女から胸の傷を見せられ、乳癌を患い乳房を切除したことを知らされる。

ジーナの胸の傷にキスしたニックは、動揺する彼女を抱き寄せ、そして二人は愛し合う。

帰宅したジーナに、弟が怪我をしたことを知らせたマリアーナは、ママを呼んで泣いていたと伝える。

翌朝、弟達を連れて登校しようとしたマリアーナは、外出するジーナの車を追う。

ジーナはトレーラーハウスに向い、お湯を出すために、ニックがガスボンベを取り付けようとしていることを知る。

その場に着いたマリアーナは、ジーナと男性の仲睦まじい様子を目撃する。
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現在、ポートランド
シルヴィアの後をつけていたカルロスは、何か用なのかと彼女に聞かれ、”マリアーナ”と呼ぶものの人違いだと言われる。

サンティアゴが会いたがっていることを伝えたカルロスは、シルヴィアに娘マリアの写真を見せる。

干渉しないでほしいとだけ告げたシルヴィアは、その場を去る。

帰宅したシルヴィアは、生まれたばかりのマリアの写真を見ながら考えこむ。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
サンティアゴに家族の写真を見せたマリアーナは、自分の写真が欲しいと言う彼に、傷跡を残すなら渡すと伝える。

今夜迎えに来てほしいと言うマリアーナは、サボテンを燃やすことをサンティアゴに提案する。

その夜、サボテンを焼いたマリアーナは、サンティアゴの腕にライターの火を当てて傷跡を付けようとする。

熱いと言って直ぐに止めてしまったサンティアゴだったが、マリアーナは、自分の腕に火を当てて跡を付ける。

サンティアゴも我慢して跡を付け、マリアーナを家に送り、一緒に寝てもいいかを尋ねる。

正気なのか聞かれたサンティアゴは、指一本触れないと答える。

それを承知したマリアーナは、ジーナが着て寝ていたというスリップ着てほしいと、父親のシャツを着ている言うサンティアゴに頼まれる。

何もしないことを約束させたマリアーナは、それに着替えてベッドに入る。

横たわったサンティアゴはマリアーナの髪に触れて、何もしないはずだったが、帰ってほしくないと言う彼女にキスする。
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現在、ポートランド
あれ以来、仕事が手に付かないシルヴィアは、ジョンを店の外に呼び出し、自分を愛せるかを尋ねる。

多分と答えたジョンは、自分をどこか他の町に連れ出してほしいと言うシルヴィアに、考えさせてほしいと伝える。

失望したシルヴィアは、何も語らずに店に向かう。

その後、カルロスに連れられたマリアを目の前にしたシルヴィアは、動揺して立ち去る。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
帰宅したジーナは、待っていた家族のために食事の支度をするが、マリアーナに出かけていた場所を聞かれて疑われる。

翌朝、登校する子供達の姿を見たジーナは、ニックと別れる決心をして、彼をスーパーマーケットに呼び出す。

別れ話を切り出されたニックは納得いかないため、毎日、正午にトレーラーハウスで待つことをジーナに伝えてその場を去る。

裏庭でピクニックの用意をしたジーナは、ロバートと下の子供達を迎えるが、上の息子とマリアーナは加わろうとしない。

友達と宿題をすると言って出かけたマリアーナは、トレーラーハウスに向い内部を見て回る。

その夜、まともに愛し合えないことで、ロバートはジーナに謝罪する。
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現在、ポートランド
ローラに協力してもらい、カルロスとマリアを捜したシルヴィアだったが、どのモーテルにも二人はいなかった。

マリアを産んで2日後にサンティアゴと別れたことを話したシルヴィアは、ローラにその理由を聞かれ、母親失格だったと答える。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
買い物から戻ったサンティアゴは、その場に母アナとおばと話していたマリアーナがいたために驚く。

アナ達が出かけたため、両親の部屋を見に来たと言うマリアーナにその場を見せたサンティアゴは、彼女に求められて愛し合う。
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ロバートの愛を求め様のないジーナは、気持ちが抑えられずにトレーラーハウスに向かいニックと愛し合う。

二人が愛し合う姿を目撃してしまったマリアーナはショックを受ける。
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現在、ポートランド
ようやくカルロスとマリアを見つけたシルヴィアとローラだったが、今更、会う気はないと言われて追い払われる。

その場が見える同じホテルの部屋をとったシルヴィアは、ドアを開けたまま、夜通し様子を見守る。

翌朝、目覚めたシルヴィアは、カルロスが荷物を車に積んでいる間にマリアに会おうとする。

それに気づいたカルロスは部屋に向い、少しだけでも話がしたいと言うシルヴィアだったが、彼に制止される。

しかし、二人にしてほしいとマリアに言われたカルロスは、部屋の外に出る。

昨日、逃げたことを謝罪したシルヴィアは、英語が話せるかをマリアに尋ねてそれを確認する。

忘れたことがなかったと言うシルヴィアは、父親に似ていることをマリアに伝える。

父親が、飛行機の墜落で病院に入院していることを知らせたマリアは、シルヴィアから様態を聞かれて分からないと答える。

シルヴィアは、サンティアゴが農薬散布のパイロットだということを知らされる。

部屋から出てきたマリアに、サンティアゴの希望である、メキシコに連れ帰ることにシルヴィアが同意したかを尋ねたカルロスは、彼女がそのつもりだと言われる。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
ジーナとニックが去ったトレーラーハウスに向かったマリアーナは、プロパンガスのパイプを途中で緩める。

帰宅したマリアーナは、最近、言動がおかしいとジーナに言われる。
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兄にジーナの娘マリアーナと付き合っていることを責められたサンティアゴは、二度と会うなと言われるものの、言葉を返さない。

その後も、サンティアゴはマリアーナと愛し合うが、母アナに非難され、家から出て行くようにと言われる。

家の窓に投石されたロバートは、包んであったメモで、マリアーナとサンティアゴの関係を知り、憤慨して娘を殴る。

ロバートが向かったことを電話でサンティアゴに知らせたマリアーナは、自分と一緒に逃げてほしいことを伝える。
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現在、メキシコ
シルヴィアは、カルロスとマリアと共にサンティアゴが入院している病院に向かう。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
トレーラーハウスでジーナとニックが愛し合っていることを確認したマリアーナは、導火線に点火してガスに引火させる。

ジーナが出てくると思っていたマリアーナは、火がボンベに燃え移るのを見て焦り、大爆発を起こしたために驚く。
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現在、ポートランド
危険な状態であるサンティアゴが、右足を切断しなければならない可能性を医師から知らされたカルロスは、マリアを連れて病室に向かい、シルヴィアもその場に入る。

眠っている父に寄り添うマリアから、助かるかを聞かれたシルヴィアは大丈夫だと答える。

医師から病室を出るよう指示されたシルヴィアだったが、もう少しいたいと伝え、妻だと言って許可される。

サンティアゴに話しかけたシルヴィアは、マリアーナだと呼びかけても目覚めない彼に、マリアと自分には、あなたが必要だと伝える。

長い間、恐かったがもう逃げられないと話すシルヴィアは、自分が互いの父と母を殺したことを伝える。

殺す気はなかったと言うシルヴィアは、二人が焼けていくにおいが振り払えないと伝え、なぜ自分を呼び戻したのかを尋ねる。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
怒りが収まらないロバートは、ジーナのことを考えて涙し、運転できなくなる。

そこに現れた車に乗るサンティアゴと顔を見合わせるものの、ロバートは何も語らずただ涙する。

弟の制止を振り切ったマリアーナは、迎えの来たサンティアゴの車に乗り家を出る。
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現在、メキシコ
家に戻ったマリアは、ソファに寝ようとする自分を手伝ってくれたシルヴィアの腕の傷跡に気づき、それについて尋ねる。

ただの火傷だと答えるシルヴィアは、父にも同じ場所に跡があるとマリアに言われる。

妻を忘れないためだと父が言っていたことをマリアから知らされたシルヴィアは、自分も同じだと伝える。

自分にも、3歳の時に怪我をしたおでこの傷があると言うマリアは、この場に住むつもりかをシルヴィアに問う。

サンティアゴに相談すると答えるシルヴィアは、また出て行くかとマリアに聞かれて答えられない。

疲れたと言うマリアにおやすみを言ったシルヴィアは寝室に向い、かつてサンティアゴにあげた写真が飾られていることに気づく。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
ピックアップトラックの荷台で一夜を過ごしたサンティアゴは、国境を前にして、メキシコで平和に暮らすことをマリアーナに伝える。

平和などあり得ないと言うマリアーナは、妊娠したことをサンティアゴに知らせて、産みたくないと伝える。

三人で暮らそうと伝えたサンティアゴは、子供を育てるのは無理だと言うマリアーナを抱き寄せる。
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現在、メキシコ
翌日、病院に向い、マリアと二人だけで話したシルヴィアは、去ったことを許してもらえるかという不安と、自分に似るのが怖かったために離れたと伝える。

許してくれるかを尋ねたシルヴィアだったが、マリアは何も答えずに父の元に向かう。

足も切断せず父が回復していることを医師から知らされたマリアは、それをシルヴィアに伝えて病室に向かう。

マリアは、一緒に病室に入るかをシルヴィアに尋ねる。
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1990年代半ば、ニューメキシコ州。
出かけたジーナを自転車で追うマリアーナを、サンティアゴは見つめていた。
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1990年代半ば、メキシコ
眠っているサンティアゴと幼いマリアを残して、マリアーナは旅立つ。
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現在、メキシコ
シルヴィアは微笑みながら、マリアと共にサンティアゴの病室に入る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
オレゴン州、ポートランド
高級レストランのマネージャー、シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、心の傷を抱え、行きずりの男との関係を繰り返す日々を送っていた。
そんなシルヴィアの前にカルロスというメキシコ人青年が現れ、夫サンティアゴが会いたがっていると言われ、娘マリアの写真を見せる。
動揺するシルヴィアはカルロスを追い払うものの、過去を思い出して苦悩する。
かつて、子供時代をニューメキシコ州で過ごしたマリアーナ/シルヴィアは、母ジーナが不倫の末に焼死した事件の相手ニックの息子サンティアゴとの関係を思い出す・・・。
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バベル」(2006)の脚本でアカデミー賞候補にもなったギジェルモ・アリアガの初監督作品で、三世代と三か所、そして十数年の時代差を通して描く構成で、どことなく「バベル」に似ている内容とも言える。

一見分かり難いようにも思えるが、名前を変えて、苦悩しながら日々を送る、主人公の過去と現在を交差させて描いているだけなので、物語は非常に理解し易い。

多くの他の記事で、物語の現在の舞台がメイン州のポートランドとされている理由が分からない。

ロケーションを見ればオレゴン州のポートランドであることは明らかなのだが、なぜか主人公がマネージャーを務めるレストランは海沿いにある。

ポートランドが海岸線の都市ではないため、主人公の苦悩を表現するためか、レストランのロケだけは海のある”Depoe Bay”で行われたようだ。

主人公を演ずるシャーリーズ・セロンとその母親役キム・ベイシンガー(二人は同時には登場しない)は、流石にオスカー女優だけあり深い演技を見せている。

注目は、主人公の若年期を演ずるジェニファー・ローレンスで、デビュー3作目にして撮影当時16歳の彼女は、わずか数年前にスターになることを誓い将来を決めただけあり、その覚悟が窺えるような演技を見せる。

シャーリーズ・セロンとはイメージが違うところが、若年期の演技にも逆に効果的だったとも言える、ジェニファー・ローレンスという新人女優の印象が強烈に残った作品だ。

そして彼女は、翌年「ウィンターズ・ボーン」(2010)で早くもアカデミー主演賞候補になり、本作公開からわずか3年後に「世界にひとつのプレイブック」(2012)で同賞を受賞し、ハリウッドで最も注目される女優となった。

本作は、2007年に撮影が行われ、製作年度は2008年、北米公開は2009年。

第65回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され金獅子賞にノミネートされ、ジェニファー・ローレンスマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。

辛い過去を抱えながら将来が見えない日々を送る、苦悩する女性を演ずるシャーリーズ・セロン、その若年期を好演するジェニファー・ローレンス、彼女の母親で、満たされない愛を求め不倫に走るキム・ベイシンガー、その相手役のジョアキム・デ・アルメイダ、主人公と関係を持つシェフ、ジョン・コーベット、主人公の同僚で友人のロビン・タニー、妻(キム・ベイシンガー)を失った主人公(若年期)の父親ブレット・カレンメキシコに住む主人公の夫ダニー・ピノ、その若年期を演ずるJ・D・パルド、その母親ホセ・マリア・ヤスピク、友人の娘(テッサ・イア)を連れて主人公に会わせるメキシコ人青年ホセ・マリア・ヤスピクなどが共演している。


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