死を告知された破天荒な大富豪と生真面目な老人の友情を描く、製作、監督ロブ・ライナー、主演ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンという夢の競演、心踊るような気分で楽しめるヒューマン・コメディ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ロブ・ライナー
製作
ロブ・ライナー
クレイグ・ゼイダン
ニール・メロン
アラン・グライスマン
製作総指揮
ジャスティン・ザッカム
トラヴィス・ノックス
ジェフリー・ストット
脚本:ジャスティン・ザッカム
撮影:ジョン・シュワルツマン
編集:ロバート・レイトン
音楽:マーク・シェイマン
出演
ジャック・ニコルソン:エドワード・コール
モーガン・フリーマン:カーター・チェンバーズ
ショーン・ヘイズ:トーマス/マシュー
ビヴァリー・トッド:ヴァージニア・チェンバーズ
ロブ・モロー:ホリンズ医師
アルフォンソ・フリーマン:ロジャー・チェンバーズ
ジョナサン・マンガム:リチャード
セリーナ・リーダー:レイチェル・チェンバーズ
ロイナ・キング:アンジェリカ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2007年製作 97分
公開
北米:2007年12月25日
日本:2008年5月10日
制作費 $45,000,000
北米興行収入 $93,452,060
世界 $175,372,500
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
45年間、自動車整備工をしていたカーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン)は、ガンを宣告されて入院する。
実業家で大富豪のエドワード・コール(ジャック・ニコルソン)も吐血し、自らが所有する病院に入院することになる。
合部屋を嫌うエドワードだったが、自分が決めた病院の方針であり、個人秘書のトーマス(ショーン・ヘイズ)は、企業イメージを重視して、そのままの情況でいることを勧める。
脳手術を受けたエドワードだったが、ガンは全身に転移していた。
手術は成功するが、エドワードに来客はなく、それを見たカーターの妻ヴァージニア(ビヴァリー・トッド)は彼を気の毒に思う。 しかし、ヴァージニアが帰ったことを確認したエドワードは、患者の死亡原因の多くは、見舞客に気を使い過ぎることだと皮肉を言う。 抗ガン治療を始めたにも拘らず、トーマスに豪華な料理を持ち込ませて、それを食したエドワードは嘔吐で苦しむ。 エドワードは、10代で会社を起こし企業買収などを積極的に行い、一代で巨万の富を手にした富豪だったが、楽しみは最高級コーヒー”コピ・ルアク”を飲むくらいで、4度も結婚したが今は家族もなかった。 大学教授になるのが夢だったカーターは、学生結婚をして学問を断念、それ以来、地道な人生を歩み幸せな家庭を築いてきた。 エドワードは、隣りのベッドのカーターに興味もなかったのだが、病人同士の最低限の付き合いと協力をし合う日々を送りやがて親交を深める。 主治医ホリンズ(ロブ・モロー)から、検査結果を知らされたエドワードは、余命6ヶ月から1年と宣告され、いつも強がっていた彼も、さすがにショックを隠せなかった。 カーターは気の毒に思い、エドワードに声をかけるのだが彼自身も死を宣告されてしまう。 二人は覚悟を決めて日々を過ごし始めるが、エドワードはカーターが捨てたメモ書きに気づく。 カーターは学生時代に哲学の教授から、”バケット・リスト”(棺桶リスト)を作ることを勧められたことを思い出し、それを書き出してみたのだが、大したことが思い浮かばなかった。 エドワードは、”荘厳な景色を見る”、”知らない人に親切にする”、”涙が出るほど笑う”、”マスタングGT350に乗る”という、あまりに夢のないその内容を皮肉る。 そして、”スカイダイビングをする”、”ライオン狩りに行く”、”世界一の美女にキスする”などをエドワードは書き足し、自分の財力を使い、全てを実行する計画をカーターに提案する。 エドワードの、分別のない発想に呆気に取られるカーターだったが、妻ヴァージニアの反対を押し切り、旅に出ることを決意する。 早速、旅に出た二人は、スカイダイビング、入れ墨、レース・コースでの憧れの車マスタングの運転、自家用ジェットで北極を経由してフランスのリゾートへの飛行と、二人は次々とリストの旅をこなしていく。 エドワードに、仲違いした娘がいることを知ったカーターは、”バケット・リスト”に、彼が娘に再会することも入れてしまう。 それを拒んだエドワードはリストを消してしまい、カテーテルに問題のあるカーターと共に別荘に向かう。 カーターの妻ヴァージニアからの電話を受けたエドワードは、彼女から夫を帰すように言われる。 エドワードは、カーターに一旦旅を中止しようと提案するが、浴室のテレビで”ジェパディ!”を楽しんでいた彼はそれを拒む。 その後、二人はアフリカに向かい、サファリ・ツアーを楽しみ、エジプトのピラミッドに到着し、”クフ王のピラミッド”の 娘の結婚に反対したエドワードは、その後、彼女に暴力を振るった夫を、人を雇い痛めつけて追い出した結果、親子の関係は最悪になってしまったのだった。 インドの”タージ・マハル”に着いた二人は、死後の話を語り合い、カーターは、火葬して缶に遺灰を入れてもらうことを望む。 中国の万里の長城からヒマラヤに向かった二人だったが、吹雪のためにエベレストを目指すことを断念する。 それを山のお告げだというエドワードに、カーターは、自分を帰すための口実だと言って気分を害す。 そんなことを気にしないエドワードは、次の目的地である香港に向かうことをカーターに伝える。 現地に着き、カーターは、アンジェリカ(ロイナ・キング)という女性に声をかけられる。 カーターは、エベレストの山頂前まで到達したことがあるというアンジェリカに誘われる、それがエドワードの差し金だと気づく。 アメリカに戻った二人だったが、今度は、カーターが秘書トーマスを巻き込み、娘の家にエドワードを連れて行ってしまう。 エドワードは憤慨し、こんな旅で人が変われるはずがないと言って、カーターの前で”バケット・リスト”を破り捨ててしまい二人は喧嘩別れをする。 自宅に戻ったカーターは、家族に温かく迎えられるがエドワードは孤独な時を過ごす。 しかし、カーターは自宅で倒れてしまい、病院に運ばれ転移したガン摘出の手術を受けることになり、知らせを受けたエドワードが駆け付ける。 カーターはベッドに横たわりながら、エドワードの愛飲する最高級コーヒー”コピ・ルアク”が、ジャコウ猫の糞の中にある未消化のコーヒー豆から作ることを彼に教える。 二人は大笑いして、カーターは、元通りにしてあったリストの、”泣くほど笑う”を実行したというチェックをして、それをエドワードに渡す。 カーターは、残りの項目を達成するようエドワードに言い残して手術を受けるが、回復することなく息を引き取る。 エドワードは、生前に受け取ったカーターからの手紙を読み、娘に会い、そして、”世界一美しい女性(孫)にキスする”ことができる。 そして、わずかな付き合いで、人生最高の幸せを味あわせてくれた友のために、エドワードは、カーターの葬儀で挨拶をする。 エドワードは、彼と過ごした数カ月が、人生で最高の時であったと語り、”見ず知らずの人に親切にする”というリストも実行する。 余命長くて1年と言われたエドワードは、81歳まで生きて亡くなった後、遺灰は、カーターと同じく缶に入れられ、彼と共に、トーマスによってヒマラヤの山頂に埋葬される。 そして、残されたリスト”荘厳な景色を見る”が実現されて、二人の約束した”バケット・リスト”は、全て実行される。
...全てを見る(結末あり)
頂上で、エドワードは、娘と不和になった理由をカーター
に話す。
*(簡略ストー リー)
45年もの間、自動車整備工をして生活を支えたカーター・チェンバーズは、ガンを宣告されて入院する。
実業家である大富豪のエドワード・コールも吐血して、自らが所有する病院に入院することになり、カーターと相部屋になる。
カーターは、大学教授になるのが夢だったのだが、家族のためにそれを断念し、地道な人生を歩んだ家族思いの男だった。
一方エドワードは、巨万の富を得て4度も結婚したものの、今は家族もなかった。
カーターには、見舞い客が何人も訪れるのだが、エドワードは個人秘書のトーマスが付き添いとして顔を見せるだけだった。
ある日カーターは、かつて哲学の教授に言われた、”バケット・リスト”(棺桶リスト)を書き出してみることにする。
しかし、死を宣告されたカーターは、それが無意味だと思い、リストを捨ててしまう。
それを拾って見たエドワードは、あまりに夢のない内容を皮肉り、自分でリストを書き出し、それを実現させるための旅に出る提案をカーターにする・・・。
__________
ロブ・ライナーにとっては、ジャック・ニコルソンとコンビを組んだ、「ア・フュー・グッドメン」(1992)に次ぐヒットとなった作品となり、2大スターそれぞれの、持ち味を見事に引き出した心温まる作品。
主演のジャック・ニコルソンの、ユーモア溢れるシーンと、感傷的な演技を巧みに使い分ける職人芸は見ものだ。
10年の歳月と、死に直面する老人役ということで、さすがに老いを感じるが、変現自在の演技を見せてくれた「恋愛小説家」(1997)を思い起こさせる偏屈な役柄は、「ディパーテッド」(2006)などとは、また違った味わいを見せてくれる。
モーガン・フリーマンも、いつもの彼らしい落ち着きと温かみのある重厚な演技、なんとも言えない物静かな独特の物腰は、何も語らずとも人を引きつける魅力がある。
J・ニコルソンがM・フリーマンの顔のシミを見て、「いつからあるんだ?」と言うセリフがあるのだが、これはアドリブらしく、確かに、M・フリーマンはその場面で、何となく口ごもるところがあり、なかなか笑える。
ドラマが盛り上がるはずの”リスト”の旅が、平凡な世界名所巡りのようになってしまっているところが残念でもある。
脚本に難があるせいか、ドラマチックに見せようとしても、それが伝わってこないもどかしさもある。
主人公のJ・ニコルソンが、意を決して娘に会いに行くシーンは、予告ではもう少し感動的に思えた。
あっさりとし過ぎているようにも感じたが、既に余韻に浸る展開となっていたため、アクの強い主人公が、家族の絆を人並みに取り戻すという、嫌みのない描写は好感が持てる破天荒な人生を送った主人公(J・ニコルソン)の掴む最大の”幸せ”は、あまり大袈裟に描く必要はない。
実は本作は、アメリカの批評家の受けは悪く、大スター競演といえども容赦しないというところだろうか。
興行的には事前の予想を上回り、全世界では約1億7500万ドルのヒットとなった。
*北米興行収入 $93,452,060
とにかく、両者同い年の70歳、まだまだ元気で大いに楽しませてもらいたい。
最大の問題は、イマジネーション欠如的な邦題にある。
なぜ、このような押し付けがましい題名しか付けられないのか不思議でならない。
”バケット・リスト”ではなぜいけないのか理解に苦しむ。
口にするのもいやなタイトル・・・未だにこの邦題名を記憶できない・・・
エドワード(J・ニコルソン)の個人秘書のショーン・ヘイズ、カーター(M・フリーマン)の妻ビヴァリー・トッド、医師ロブ・モロー、弁護士ジョナサン・マンガム、カーターの息子アルフォンソ・フリーマン、娘のセリーナ・リーダー、カーターを誘う香港の女性ロイナ・キングなどが共演している。