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レマゲン鉄橋 The Bridge at Remagen (1969)

第二次大戦末期、ドイツ軍の撤退路としてライン川に架かるルーデンドルフ橋の米独の攻防戦を描く、監督ジョン・ギラーミン、主演ジョージ・シーガルベン・ギャザラロバート・ヴォーンペーター・ファン・アイクハンス・クリスチャン・ブレヒ他共演の戦争映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ギラーミン

製作:デヴィッド・L・ウォルパー
原作:ケネス・ヘクター

脚本
ウィリアム・ロバーツ
リチャード・イエーツ
撮影:スタンリー・コルテス
編集:ウィリアム・カートライト
音楽:エルマー・バーンスタイン

出演
・アメリカ軍
フィル・ハートマン中尉:ジョージ・シーガル
アンジェロ軍曹:ベン・ギャザラ
バーンズ少佐:ブラッドフォード・ディルマン
シナー准将:E・G・マーシャル

グレブス伍長:ボー・ホプキンス

・ドイツ軍
ポール・クルーガー少佐:ロバート・ヴォーン
フォン・ブロック将軍:ペーター・ファン・アイク
カール・シュミット大尉:ハンス・クリスチャン・ブレヒ
フォン・スターマー陸軍元帥:リヒャルト・ミュンヒ

ガーラッハ将軍:ギュンター・メイスナー

ホルツガングレマゲン市長:ハインツ・ラインケ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1969年製作 115分
公開
北米:1969年8月13日
日本:1970年3月1日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1945年3月、第2次大戦末期。
ドイツ軍のフォン・ブロック将軍(ペーター・ファン・アイク)は、レマゲンライン川に残された最後の橋、ルーデンドルフ橋破壊を、フォン・スターマー陸軍元帥(リヒャルト・ミュンヒ)から命ぜられる。

フォン・ブロック将軍は、対岸に残されていたドイツ兵7万5000人の撤退を優先させるよう懇願するが、アメリカ軍の進軍を防ぐため、それを却下される。

橋に迫ったアメリカ陸軍のシナー准将(E・G・マーシャル)は、志願したバーンズ少佐(ブラッドフォード・ディルマン)の先行部隊に橋への進軍を命ずる。

斥候部隊は、武勲に執着するバーンズに反抗するフィル・ハートマン中尉(ジョージ・シーガル)率いる中隊に任されることになる。

戦利品をあさるアンジェロ軍曹(ベン・ギャザラ)らは、気乗りしないものの、上官の命令を聞き入れ目的地に向かう。

一方、フォン・ブロック将軍は、ポール・クルーガー少佐(ロバート・ヴォーン)を呼び寄せる。
...全てを見る(結末あり)

二人は橋の破壊をせずに、残された兵を助けることを考える。

ハートマンの斥候部隊は、ドイツ兵のいる農家を奪うが、大尉が戦死したため、ハートマンが中隊の指揮を執ることになる。

メッケンハイムに着いたハートマンは、ドイツ軍が撤退していることを確認し、命令を受けてレマゲンに向かう。

レマゲン
ルーデンドルフ橋に到着したクルーガーは、兵力と装備が不足していることを、副官カール・シュミット大尉(ハンス・クリスチャン・ブレヒ)から報告を受け、橋と周辺の視察を始める。

クルーガーは、最後の手段として橋の爆破の準備もさせようとするのだが、爆薬も届いていない状態を知り、機甲部隊出動を、フォン・ブロック将軍に要請する。

橋周辺の警戒を固めたクルーガーだったが、敵空襲により、民間人を含めて被害を受け、ホルツガング市長(ハインツ・ラインケ)に、市民一丸となって町を守るよう命ずる。

その頃、アメリカ軍は既に橋に迫り攻撃を開始してきた。

アメリカ軍のバーンズ少佐は、名を上げるチャンスとみて、目前に迫った橋への攻撃をハートマンに命ずる。

援軍がこないことを知らされたクルーガーは、アメリカ軍の総攻撃を察知し、司令部をトンネルに移し、到着した爆薬設置を始めさせる。

ハートマンの部隊が市街を占拠し、アメリカ軍の戦車が迫ったため、ドイツ軍の軍用列車の到着を待たずに、クルーガーは橋を爆破しようとする。

橋の入り口を爆破したクルーガーは撤退するが、戦況を確認したシナー准将は、終戦を早めるには橋を確保する必要があると判断する。

ドイツ軍は橋を完全に爆破しようとするが、クルーガーが逃げ遅れていたため、それを躊躇する。

シナー准将は、橋に仕掛けられた爆薬の撤去をバーンズに命じ、彼は、それをハートマンの部隊に実行させようとする。

自分の名誉のためだけを考えて行動するバーンズに、部下は反旗を翻し、アンジェロがバーンズを殴り倒す。

ハートマンはアンジェロをなだめ、仕方なく命令に従い橋に向かう。

その後、ハートマンらはドイツ軍の反撃に遭ったため、煙幕をはり前進して爆薬を外し始める。

その隙に、クルーガーは部隊に戻り、橋の爆破命令を出すが、導火線が切れていたため爆破に失敗する。

クルーガーは、緊急ヒューズで爆破するよう部下に命令して、それを実行させる。

それに気づいたハートマンは、部隊を撤退させようとするが、次の瞬間大爆発が起きる。

しかし、爆薬不足で橋は崩落せず、無線機を破壊されたクルーガーは、フォン・ブロック将軍に、橋の空爆と援軍要請の伝令を出す。

ハートマンの部隊は攻撃を開始するが、敵の反撃に遭い前進を阻まれる。

川の荷船からの、ドイツ軍の攻撃を防ごうとしたハートマンらは、敵を倒すことには成功するが、アンジェロが犠牲になってしまう。

援軍の望みを絶たれたクルーガーは、怪我人と老兵で戦うしか方法はなくなり、怯えて逃げ出した兵士を射殺してしまう。

副官シュミットは、味方まで殺したクルーガーを責め、無益な戦いを止めさせようとする。

司令部に戻ったクルーガーは、フォン・ブロック将軍と共に反逆罪に問われ、親衛隊のガーラッハ将軍(ギュンター・メイスナー)に拘束されてしまう。

橋にはアメリカ軍戦車が到着するが、多くの部下を失い落胆するハートマンは、単独で敵に向かっていく。

無謀にも単身敵に向かったハートマンは、クルーガーに指揮を任されたシュミットから、降伏を告げられる。

バーンズはハートマンの武勲を称えるが、彼の耳にかすかな叫び声が聞こえる。

それは、川に転落しながら、一命を取り留めたアンジェロだった。

そして、クルーガーはこの作戦の責任を取らされ、親衛隊に銃殺される。

ルーデンドルフ橋は、ドイツ側に進軍するアメリカ軍と避難する市民が行き交う中、レマゲン陥落の10日後の1945年3月17日にライン川に崩れ落ちる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1945年3月、第2次大戦末期。
ドイツ軍のフォン・ブロック将軍は、レマゲンライン川に残された最後の橋ルーデンドルフ橋の破壊を、陸軍元帥フォン・スターマーから命ぜられる。
フォン・ブロックは、対岸に残されていた自軍兵士7万5000人の撤退を優先させるよう懇願するが、アメリカ軍が迫る中、それは却下される。
橋に迫ったアメリカ陸軍のシナー准将は、志願したバーンズ少佐の先行部隊に、橋への進軍を命じ、フィル・ハートマン中尉率いる中隊が斥候を任される。
一方、フォン・ブロックはクルーガー少佐を呼び寄せ、上層部の考えを無視して、橋の破壊をせずに、残された兵士達を助けることを考えるのだが・・・。
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1957年に発表された、ケネス・ヘクターの著書”The Bridge at Remagen: The Amazing Story of March 7, 1945”を基に製作された作品。

この後、「タワーリング・インフェルノ」(1974)や「キングコング」(1976)などの超大作を手がけることになる、ジョン・ギラーミン監督による大作戦争ドラマ。

無能な上官に従わなければならない、愚連隊のようなアメリカ軍の一部隊を中心に描き、一ひねり加えられたストーリーと、迫力ある戦闘シーンは見応え十分で、ドイツ軍側で描かれる無益な戦いも、しみじみと空虚さを感じさせてくれる。

ドラマを盛り上げる、エルマー・バーンスタインの、勇ましくも、どことなく悲し気なテーマ曲は、米独の激しく辛い戦いを見事に表現して印象に残る。

チェコスロヴァキアで行われたロケは、当時の鉄橋そのものの雰囲気を十分に表現していて、ドラマに現実味を与えている。

ジョージ・シーガルベン・ギャザラらのアメリカ軍側の俳優陣が、ビッグ・スターではないため、ややインパクトに欠ける気もするのだが、ドイツ軍将校の顔ぶれは、お馴染みの面々が揃っている。

意外にドイツ軍人が似合う、ロバート・ヴォーン他、ペーター・ファン・アイクリヒャルト・ミュンヒハンス・クリスチャン・ブレヒ、そしてギュンター・メイスナーの軍服姿は、惚れ惚れするほどだ。

残念ながら、ペーター・ファン・アイクは、公開を待たずに亡くなり、本作が遺作になった。

名誉に執着する無能な指揮官ブラッドフォード・ディルマン、司令官E・G・マーシャル、伍長ボー・ホプキンスなども共演している。


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