1937年に発表された、アーネスト・ヘミングウェイの小説”To Have and Have Not”を基に製作された作品。 生活苦の釣り船船長の苦悩を描く、監督マイケル・カーティス、主演ジョン・ガーフィールド、パトリシア・ニール、フィリス・サクスター、ファノ・フェルナンデス、ウォーレス・フォード他共演のフィルム・ノワールの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・カーティス
製作:ジェリー・ウォルド
原作:アーネスト・ヘミングウェイ”To Have and Have Not”
脚本:ロナルド・マクドゥガル
撮影:テッド・マッコード
編集:アラン・クロスランドJr.
音楽:マックス・スタイナー
出演
ハリー・モーガン:ジョン・ガーフィールド
レオナ・チャールズ:パトリシア・ニール
ルーシー・モーガン:フィリス・サクスター
ウェズリー・パーク:ファノ・フェルナンデス
F・R・ダンカン:ウォーレス・フォード
ロジャース:エドモン・ライアン
ハナガン:ラルフ・ダムキー
ダニー:ガイ・トマジャン
コンチョ:ウィリアム・キャンベル
アメリア・モーガン:シェリー・ジャクソン
コニー・モーガン:ドナ・ジョー・ボイス
シン:ヴィクター・セン・ヨン
ゴッチ・ゴテン:ジョン・ドーセット
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1950年製作 97分
公開
北米:1950年10月6日
日本:1951年9月7日
■ ストーリー ■
軍を退役後スポーツフィッシング船”シー・クィーン”の船長をしているハリー・モーガン(ジョン・ガーフィールド)は、経営が悪化し、妻ルーシー(フィリス・サクスター)と娘アメリア(シェリー・ジャクソン)とコニー(ドナ・ジョー・ボイス)に苦労させていた。
ルーシーは、父が経営する農場で人手がいるため、その仕事に就くようハリーを説得するものの、海を愛する彼は納得しなかった。
ある日ハリーは、相棒のウェズリー・パーク(ファノ・フェルナンデス)と共に、金のためにレオナ・チャールズ(パトリシア・ニール)と愛人ハナガン(ラルフ・ダムキー)を船に乗せてメキシコに向かう。
途中、ハリーに惹かれたレオナは彼に言いようるものの、相手にされなかった。
その様子を見ていたハナガンは約束を破り、現地に着いたハリーは金を受け取ることができなった。
知人の弁護士F・R・ダンカン(ウォーレス・フォード)から、中国人のシン(ヴィクター・セン・ヨン)を紹介されたハリーは、8人の中国人をカリフォルニアに運び密航させることになる。
危険な仕事であるためにハリーは、パークとハナガンに捨てられたレオナを乗せずに出航する。
しばらくして、船内に隠れていたレオナとパークに気づいたハリーは、指定された場所で8人を乗せようとする。
8人を連れて来たシンが約束の金を払わないために、ハリーは彼とトラブルになる。
銃を持つシンは誤って自分を撃って死亡し、ハリーは彼を海に捨てて、岸に近づき中国人を降ろす。
港に戻ったハリーは、密航事件を調べる警官のロジャース(エドモン・ライアン)に疑われ、調査のために船を接収されてしまう。
その後、事件や生活苦のことなどで苦悩するハリーは酒に溺れ、レオナとの関係も深まっていくのだが・・・。
アーネスト・ヘミングウェイの原作”To Have and Have Not”を基に、マイケル・カーティスが監督し、ジョン・ガーフィールドとパトリシア・ニールの共演が話題になった作品。
監督ハワード・ホークス、ハンフリー・ボガートとローレン・バコール共演の「脱出」(1944)に続く2度目の映画化。
*3度目の映画化「裏切りの密輸船」(1958)
生活苦の釣り船船長の苦悩と、事件にも巻き込まれ追い詰められていく姿を描くフィルム・ノワールの秀作。
苦境の中で必死に生き抜こうとする者たちが、厳しい現実に直面する姿を、シニカル且つ生々しく描くマイケル・カーティスの演出手腕が見どころの作品。
主演のジョン・ガーフィールドの演技は絶賛され、生活苦や事件に巻き込まれて追い詰められていく主人公を見事に演じている。
主人公に惹かれる放浪する女を謎めいた魅力で演ずるパトリシア・ニール、家族の幸せを願う、主人公を愛する妻を好演するフィリス・サクスター、主人公の相棒ファノ・フェルナンデス、主人公に仕事を世話する弁護士のウォーレス・フォード、警官のエドモン・ライアン、ヒロインの愛人ラルフ・ダムキー、競馬場の売り上げを奪い主人公の船で逃亡しようとする悪党ガイ・トマジャン、その手下ウィリアム・キャンベルとジョン・ドーセット、主人公の娘シェリー・ジャクソンとドナ・ジョー・ボイス、主人公を密航に協力させる中国人のヴィクター・セン・ヨンなどが共演している。