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ブレックファスト・クラブ The Breakfast Club (1985)

休日の土曜日に補習を受けさせられた男女5人の高校生を描く、製作、監督、脚本ジョン・ヒューズ(出演)、エミリオ・エステベスモリー・リングウォルドアンソニー・マイケル・ホールジャド・ネルソンアリー・シーディポール・グリーソンジョン・カペロス他共演の青春ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(青春)


スタッフ キャスト
監督:ジョン・ヒューズ

製作
ジョン・ヒューズ
ネッド・ターネン
脚本:ジョン・ヒューズ
撮影:トーマス・デル・ルース
編集:デデ・アレン
音楽:キース・フォーシイ

出演
アンドリュー・クラーク:エミリオ・エステベス
リチャード・ヴァーノン:ポール・グリーソン
ブライアン・ジョンソン:アンソニー・マイケル・ホール
クレア・スタンディッシュ:モリー・リングウォルド
ジョン・ベンダー:ジャド・ネルソン
アリソン・レイノルズ:アリー・シーディ
カール・リード:ジョン・カペロス
クラーク:ロン・ディーン
ジョンソン:ジョン・ヒューズ
ジョンソン夫人:マーセデス・ホール

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1985年製作 97分
公開
北米:1985年2月15日
日本:1986年5月3日
製作費 $1,000,000
北米興行収入 $45,875,170
世界 $51,525,170


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1984年3月24日、土曜日、午前7時、イリノイ州、シャーマー。
シャーマー・ハイスクールに通う5人の生徒アンドリュー・クラーク(エミリオ・エステベス)、クレア・スタンディッシュ(モリー・リングウォルド)、ブライアン・ジョンソン(アンソニー・マイケル・ホール)、ジョン・ベンダー(ジャド・ネルソン)、アリソン・レイノルズ(アリー・シーディ)は、土曜日にも拘らず図書室に集合する。

現れた教師のリチャード・ヴァーノン(ポール・グリーソン)は、自分が補習を受けるような生徒ではないと言うクレアを無視して、反省する時間が9時間近くあることを5人に伝える。

私語や席から立つこと、居眠りを禁じたヴァーノンは、特別課題として、千語の作文を書くよう5人に伝えて奥の部屋に向かう。

反抗的なジョンは、ヴァーノンの指示を無視して、アンドリューやクレアをからかい迷惑をかける。
...全てを見る(結末あり)

ヴァーノンが部屋を出た隙に、ジョンはドアの蝶番に細工をしてしまい、開けておくことができないようにしてしまう。

それに気づいたヴァーノンは、なぜドアが閉まっているのかを5人に問うが、勝手に閉まったと言われる。

それを信じないヴァーノンは、アンドリューに手伝わせるものの無駄だった。

口答えするジョンに来週もその翌週もこの場に来るよう伝えたヴァーノンは、刑務所代わりだと言って従わせようとする。

それを拒むジョンに何日も追加したヴァーノンは、今後、2か月来るように伝え、騒ぎを起こすなと言って部屋に戻る。

5人は何もせずに過ごし、トイレに行くことだけを許される。

その後ジョンは、些細なことでアンドリューと言い争いになるが、ブライアンに制止される。

ブライアンを相手にしないジョンは、クレアを侮辱して子ども扱いする。

レスリング部のアンドリューは、ジョンを力づくで黙らせる。

臆病者呼ばわりされたジョンはナイフを出すが、怯まないアンドリューは、クレアにかまうなと言って脅しをかける。

校務員のカール・リード(ジョン・カペロス)が現れ、からかおうとしたジョンだったが、逆に皮肉を言われてしまう。

部屋から出て来たヴァーノンから、5人はこの場でランチにすると言われ、飲物が欲しいことを伝えたリチャードは、アリソンと自動販売機に買いに行くことを許可される。

ブライアントと共に再びジョンにからかわれたクレアは、それを気にしない。

クレアが寿司を、スポーツマンのアンドリューは大量のサンドイッチなどを食べようとしたためにジョンは驚く。

それを凌ぐ異様な食べ方をするアリソンに、他の4人は呆れる。

ブライアンのランチを見て、ジョンソン家の家族の様子が分かると言い、それを表現したジョンは、アンドリューに自分の家族のことも訊かれて説明する。

過激な内容なためブライアンは驚くが、大袈裟に言っているだけで嘘だとアンドリューは考える。

袖をまくり腕の葉巻の痕を見せたジョンは、父親から受けた仕打ちの証拠だと言って怒りを露わにする。

その後、ヴァーノンが部屋を出た隙にその場から抜け出した5人は、ジョンのロッカーに向かう。

マリファナを取り出したジョンは、ヴァーノンが戻る前に図書室に戻れないと判断する。

図書室に戻るよう4人に指示したジョンは、ブライアンにマリファナを渡し、騒ぎながら体育館に向かう。

それに気づいたヴァーノンは、体育館でジョンを見つけて図書室に連れ戻す。

ヴァーノンは、まともな人生は送れないと言ってジョンを罵倒して脅し、倉庫に閉じ込める。

天井から抜け出したジョンは落下してしまい、図書室に戻るものの、大きな音に気づいたヴァーノンが現れる。

クレアの机の下隠れていたジョンが音を立てたため、4人は気づかれないようにする。

ヴァーノンが去った後で、ブライアンからマリファナを受け取ったジョンは、それを皆で吸いハイになる。

地下の資料室で職員の極秘ファイルをチェックしていたヴァーノンは、それをカールに見つかってしまい、口止め料として50ドルを要求される。

風変わりなアリソンの考えが理解できないアンドリューは、悩んでいるような彼女の相談に乗ろうとする。

それを迷惑に思うアリソンだったが、アンドリューが親身になってくれていると分かり、親に無視されていることで悩んでいると話す。

カールと話し合ったヴァーノンは、手に負えない子供達が年々、生意気になっていくと嘆く。

それを否定するカールは、年々、考えが変わっているのはヴァーノンだと言って、高校時代、自分が教師をどう見ていたか考えるようにと意見する。

自分をバカにする子供達が、この国の将来を担うと考えると心配で眠れないと言うヴァーノンは、やがて彼らの世話になることについての意見をカールに求める。

ヴァーノンは、彼らを当てにするなとカールに言われる。

その後、5人は話し合い、あらゆる性的体験をしたと言うアリソンは、経験があるかをクレアに問う。

愛のないセックスは意味がないとか、プライドの問題などと話す答えようとしないクレアは、更に4人に追及される。

責められるクレアは経験はないと答えるが、アリソンもないと言って、話は嘘だったと伝える。

憤慨するクレアをなだめたアンドリューは、自分が補習を受けた理由を話す。

アンドリューは、若い頃、悪いことを散々した父(ロン・ディーン)が、自分を真面目過ぎると思っているため、父を喜ばせるために、ある生徒にいたずらしただけだと話す。

自分と父親のせいで相手を傷つけたと考えるアンドリューは、涙しながら後悔する。

成績優秀なブライアンは、劣等生が受ける技工の授業を受けて簡単に点を取ることを考えたが、赤点を取ってしまったことを話す。

自分も技工を受けていると言うジョンは、優等生振るブライアンをけなす。

クレアは、どちらが偉いということではないと意見し、アリソンは、足で字が書けると言って特技のことを話す。

アンドリューはいたずらができると伝え、特技を訊かれたクレアは、恥ずかしいと言いながら、胸に口紅を挟み唇に塗ってみせる。

皆は喜ぶが、笑わないと約束したジョンはイメージが壊れたと言ってしまったため、アリソンとアンドリューに批判される。

他人がどう思おうがかまわないと言うジョンは、どうせ自分はのけ者で存在価値がないと反論する。

自分を嫌い見下しているとクレアに伝えたジョンは、プライドばかり高い彼女を侮辱する。

5人は、大人になったらどうなるのかを考え、ブライアンが、月曜に会った時、友達でいられるかを皆に確認する。

クレアは全員を無視すると答えるがアンドリューに批判され、ブライアンに会って声はかけるものの、友達には嫌な奴だと言うはずだと伝える。

アンドリューはそれを否定し、自分が近づいたらどうするかとアリソンに訊かれたクレアは、無視すると答える。

クレアを罵倒したジョンは、アリソンをパーティーに連れて行き、ブライアンにドラッグを勧められるかとクレアに言われる。

自分の世界だけで生きていろと言われ、関わりたくない女だと徹底的に批判されたクレアは、ジョンを嫌い涙する。

自分とアリソンの方がましだと言うブライアンは、アリソンに自分を無視するかと尋ねる。

他に友達はいないと答えるアリソンは、友達がいても無視しないと言って、自分の友達ならブライアンを嫌わないと伝える。

自分は絶対に無視しないと4人に伝えたブライアンは、それは卑劣な行為だと語る。

人気者でいたいなら自分といるべきだとうぬぼれるクレアに、ブライアンは失望する。

うぬぼれではなく、友達の言いなりになりたくないと話すクレアは、生きている世界が違う自分のプレッシャーを理解できるはずがないと伝える。

身勝手なクレアの言葉に呆れたブライアンは泣き出してしまい、ロッカーに銃を隠していたという、ここに来た理由を語る。

落第点が許されななかったと言うブライアンは自殺しようとしたのだが、銃はただの照明弾で、ロッカーで暴発してしまったと話す。

それを聞いた4人は笑ってしまい、アリソンは、ここに来たのは何もすることがなかったからだと伝える。

心和んだ5人は、音楽をかけて楽しみ、ジョンは倉庫に戻る。

作文を全員が書いても無駄だと考えたクレアは、一番優秀なブライアンがそれを書くことになる。

クレアは、化粧もしていないアリソンにメイクをする。

その後クレアは、倉庫にいるジョンの元に向かう。

アンドリューは、別人のようなアリソンに心を奪われてしまい、ブライアンも、変身した彼女に驚く。

わだかまりが消えたクレアとジョンは、惹かれ合うようになる。

ブライアンは作文を書き終えて、アンドリューとアリソンも心通わせる。

補習を終えた5人は、カールに別れを告げて、迎えに来た親の元に向かう。

アンドリューにキスしたアリソンは、彼のレターマンジャケットの州チャンピオンのパッチを剥がして立ち去る。

クレアはダイヤのピアスをジョンに渡し、二人はキスして別れ、彼はそれを耳に付ける。

バーノンは、ブライアンが書いた作文を読む。
”Mr.バーノンへ。
補習を受けるのは当然だと思いますが、自分は何かと問う内容の作文に意味はないと思います。
あなたの都合で、自分達が何であるかを決めつけようとしています。
勉強ばかりする者、スポーツ狂、風変わり、お嬢様、不良、それが答えせす。
以上、”ブレックファスト・クラブ”より。”


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1984年、イリノイ州、シャーマー。
休日の土曜日、補習のため図書室に呼び出された、スポーツマンのアンドリュー、お嬢様のクレア、秀才のブライアン、不良のジョン、風変わりなアリソンの5人は、教師のヴァーノンから、私語や席から立つことも禁じられて作文を書くことになる。
ヴァーノンに監視される5人だったが、指示に従うことなく雑談や言い争いを始め、ただ時間だけが過ぎていく・・・。
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前年の監督デビュー作「すてきな片想い」(1984)に続く製作、脚本を兼ねたジョン・ヒューズの監督作品で、同作に出演したアンソニー・マイケル・ホールモリー・リングウォルドは再度起用された。

1980年代を思い起こさせてくれる懐かしい作品で、ブラット・パックの代表作でもあり、非常に高い評価を受けた青春映画の秀作。

製作費わずか100万ドルの本作は、北米興行収入約4600万ドル、全世界では約5200万ドルという期待以上のヒットとなった。

スクール・ライフを単純に楽しむ高校生を描いた作品ではない。
学校内の図書室とその周辺だけで起きる出来事を描くワン・シチュエーション映画でもあり、高校生を主人公にした物語としては異色作とも言える。

共通点のない補習を受ける5人が、傲慢とも言える大人の考えの犠牲になるような内容だ。
たった一日の出来事の中で、反発や諍いを経験しながら成長し友情や愛が芽生える子供達の姿を爽やかに描く快作に仕上がっている。

人生の方向性が定まらない時期の子供特有の無気力さや、大人の社会に足を踏み入れる寸前のその瞬間を捉える、ジョン・ヒューズの感性豊かな描写、映像表現、軽快な演出が光る作品。

レスリング部に所属するスポーツマンのエミリオ・エステベス、プライドが高いお嬢様のモリー・リングウォルド、気弱な秀才少年アンソニー・マイケル・ホール、不良ではあるが人間味あるキャラクターを好演するジャド・ネルソン、一日で激変する風変わりな少女アリー・シーディ、5人を監視する教師のポール・グリーソン、校務員を印象的に演ずるジョン・カペロス、アンドリュー(エミリオ・エステベス)の父親ロン・ディーン、ブライアン(アンソニー・マイケル・ホール)の両親ジョン・ヒューズとマーセデス・ホールなどが共演している。


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