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処刑人 The Boondock Saints (1999)

神の言葉を信じ悪に制裁を加える兄弟の行動を描く、監督、脚本トロイ・ダフィー、主演ウィレム・デフォーショーン・パトリック・フラナリーノーマン・リーダスビリー・コノリー他共演の犯罪ヴァイオレンス・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:トロイ・ダフィー
製作
クリス・ブリンカー
ロバート・N・フリード
エリー・サマハ
ロイド・セーガン
製作総指揮
アショク・アムリトラジ
ドン・カーモディ
アンドリュー・スティーヴンス
脚本:トロイ・ダフィー
撮影:アダム・ケイン
編集:ビル・デロンド
音楽:ジェフ・ダナ

出演
ポール・スメッカー:ウィレム・デフォー
コナー・マクマナス:ショーン・パトリック・フラナリー
マーフィー・マクマナス:ノーマン・リーダス
ノア・マクマナス/イル・ドゥーチェ:ビリー・コノリー
デヴィッド・デラ・ロッコ:デヴィッド・デラ・ロッコ
ドリー刑事:デヴィッド・フェリー
ダフィー刑事:ブライアン・マホニー
グリーンリー刑事:ボブ・マーレイ
署長:リチャード・フィッツパトリック
イワン・チェコフ:スコット・グリフィス
チャフィー:マシュー・チャフィー
ラングレー:ロバート・イートン
ドク:ジェラルド・パークス
ミッチェル:ジョナサン・ヒギンズ
ジョゼッペ”パパ・ジョー”ヤカヴェッタ:カルロ・ロタ
ヴィンチェンツォ・リパッツィ:ロン・ジェレミー
オリー:セルジオ・ディ・ジオ
ドナ:ローレン・ピーチ
アウグストゥス・ディステファーノ:カーメン・ディステファノ
アイルランド人の銃の売人:トム・バーネット
判事:アンソニー・クリソストモス

アメリカ 映画
配給
Franchise Pictures
Indican Pictures
1999年製作 108分
公開
北米:2000年1月21日
日本:2001年2月17日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $30,470


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
サウス・ボストン、”セント・パトリックス・デー”。
精肉工場で働くコナー・マクマナス(ショーン・パトリック・フラナリー)とマーフィー(ノーマン・リーダス)の双子の兄弟は、助けを求めたにも拘らず誰も警察に通報しなかった”キティ・ジェノヴィーズ事件”について語る神父の話を聞きながら祈りを捧げて教会を出る。

イタリア系マフィア”ヤカヴェッタ・ファミリー”の運び屋デヴィッド・デラ・ロッコ(デヴィッド・デラ・ロッコ)は、馴染みのバーでマクマナス兄弟と飲んでいた。

ロッコとマクマナス兄弟は、店主のドク(ジェラルド・パークス)に立ち退きを迫るロシアン・マフィアのイワン・チェコフ(スコット・グリフィス)を追い払おうとする。

翌日。
警察署長(リチャード・フィッツパトリック)と共に路地の殺人現場に現れたFBI捜査官のポール・スメッカー(ウィレム・デフォー)は、刑事のドリー(デヴィッド・フェリー)とダフィー(ブライアン・マホニー)に自分の推理を話すグリーンリー(ボブ・マーレイ)の話を聞く。
...全てを見る(結末あり)

被害者がロシアン・マフィアであることが判明し、署長から捜査の指揮を執ることを指示されたスメッカーは、音楽を聴きながら現場検証を始める。

マフィアの抗争に見せかけているものの、個人的な恨みが感じられるというスメッカーは、建物の管理者を調べさせた部下からの報告で、4階で水漏れの苦情があったことを知り5階を調べる。

ドリーら三人を連れて5階に向かったスメッカーは、グリーンリーの的外れな推理が間違っていたことを証明して路地に戻り、被害者が昨夜、付近のバーにいたことを知る。

病院にいたマクマナス兄弟の元に向かったドクは、店にFBIが来たことをマクマナス兄弟に伝え、正当防衛なので自首すると言われて彼らから袋を預かる。

署に向かったスメッカーは、マスコミに情報を流した者がいると言って、マフィア殺しは英雄などではないと伝える。

ごく普通の二人が容疑者として捜査線上に浮かんでいると話すスメッカーだったが、そこにマクマナス兄弟が現れる。

スメッカーに取り調べを受けるマクマナス兄弟は、銃と金のことは自分達が逃げた後に誰かが盗んだことにして、被害者二人のことを訊かれる。
__________

ドクのバーでチェコフらを叩きのめしたマクマナス兄弟は、翌日、押し入ってきた彼らに襲われる。

マーフィーは連れて行かれ、コナーはトイレの便器に手錠でつながれる。

手錠をしたまま便器を強引に外し水漏れも気にしないコナーは、路地のゴミ捨て場でマーフィーに銃を向けるチェコフめがけて便器を落下させる。

飛び降りたコナーはもう一人に襲い掛かって気絶し、マーフィーがチェコフらの所持品を奪い、コナーを担いでその場から逃げる。
__________

兄弟が何か国語も話せることに驚くスメッカーは、押しかけているマスコミの対応をする。

マクマナス兄弟は正当防衛であるために逮捕しないと言う署長は、二人の希望により釈放の時期は教えないとマスコミに伝える。

留置場で一夜を過ごしたマクマナス兄弟は警官達に称えられ、自分達が”聖人”と言われている新聞記事を確認する。

電話をかけたコナーは、ホテルのスイートルームにロシアン・マフィアのボスが到着したという情報を仕入れる。

ボスのジョゼッペ”パパ・ジョー”ヤカヴェッタ(カルロ・ロタ)の元に向かったロッコは、部下のヴィンチェンツォ・リパッツィ(ロン・ジェレミー)に迎えられる。

パパ・ジョーから、”ハニー・マン”と呼ばれている証拠として冗談で笑わせろと言われたロッコは、意味不明な話を始めるものの笑ってもらえる。

チェコフらの金で武器を手に入れたマクマナス兄弟は、ホテルに向かう。
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ホテルで殺人事件が起きたことを知らされたスメッカーは現場に向かい、その場にいたグリーンリーをバカにしてダフィーの推理を訊く。

その推理を否定したスメッカーは、被害者の撃たれ方などから、犯人は二人以上だと考える。
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通気口を進んだマクマナス兄弟は、途中で口論になり暴れたために天井を突き破ってしまい、ロープで宙づりになりながら、その場にいたロシアン・マフィアのボス、ペトロワと幹部9人を射殺する。

大金を見つけた兄弟は、ボーイに扮したロッコが現れたために覆面をして、応援に来たと言う彼を脅して銃を奪う。

銃が6連発だったために9人は殺せないと追及されたロッコは、ボスからは相手は2人だと言われたと伝える。

殺すと言われたロッコは、覆面を外した2人がマクマナス兄弟だったために驚く。
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路地に続き再びロシアン・マフィアが殺され、しかも今回はボスと幹部だったことから、イタリアン・マフィアとの抗争が激化しているとスメッカーは考え、それをドリーらに話す。

その後、ボストン始まって以来の事件だと報道される。

悪党だからという理由だけで殺したとマクマナス兄弟から言われたロッコは驚き、仲間に加わる気になる。

使い走りのままでは終わらないと言うロッコは興奮し、テーブルの上にあった銃を暴発させて猫を殺してしまう。

翌日、ボスにハメられたとロッコに話すコナーは、相手を始末させた後で殺されると伝える。

それを信じないロッコは、組織を抜けるべきであり、ボスのところに戻れば殺されると言われても、聞き入れることなくその場を去る。

その後、ロッコから電話があったために安心したマクマナス兄弟だったが、戻って来て取り乱す彼から逃げると言われる。

その場から去ろうとしたマクマナス兄弟は、ロッコから、デリで組織の仲間オリー(セルジオ・ディ・ジオ)らを殺したことを知らされる。

ロッコと共に組織の者を始末することにしたマクマナス兄弟は、風俗店でヴィンチェンツォを殺す。

現場を調べたスメッカーは、ダフィーからデリで3人殺された事件のことを知らされ、関連性を考えて捜査をさせる。

二つの事件は報道され、悪党ばかりが死んだために、市民からは犯人の逮捕を望む声はなかったと伝えられる。

ドリーらと共にデリを調べたスメッカーは、犯人はまた殺人を犯すと断言する。

ヤカヴェッタ・ファミリーの元患部アウグストゥス・ディステファーノ(カーメン・ディステファノ)は、パパ・ジョーから協力を求められ、終身刑の殺し屋イル・ドゥーチェ(ビリー・コノリー)の手を借りたいと言われる。

証言されたら東部の組織が壊滅するため、運び屋のロッコを殺したいと言うパパ・ジョーは、アウグストゥスの協力で、重犯罪人刑務所に服役中のドゥーチェを仮釈放させる。

ある組織員を殺したマクマナス兄弟とロッコだったが、6挺の銃を身に付けたドゥーチェがが待ち構えていた。

その場は銃撃戦となり、マクマナス兄弟とロッコは銃弾を浴びながらその場から逃げる。

現場を調べたスメッカーは、犯人が血液にアンモニアをかけたために、証拠にならないことに気づく。

激怒するスメッカーだったが、そこに落ちていたちぎれた指を見つけて、誰のも知られないようにしてその場を去る。

家に戻ったマクマナス兄弟とロッコは、傷の手当てをする。

ロッコは、失った右手小指の切断面をアイロンで焼き止血する。

自分達を釈放したスメッカーが事件を捜査していることを知ったマクマナス兄弟は、彼に気づかれるのは時間の問題だと考える。

ロッコからスメッカーを始末するようにと言われた兄弟だったが、いい奴だと伝える。

指の指紋を調べたスメッカーは、それがロッコのものであることを確認する。

翌朝、マクマナス兄弟は教会に向かい、2人と別れたロッコは、酔ったスメッカーが教会の懺悔室に入ったためにその場に向かい、神父を脅して懺悔を始めさせる。

それに気づいたコナーも隣の懺悔室に入り、ロッコに銃を向ける。

懺悔を始めたスメッカーは、二人の男が悪党に制裁を加えていることに関しては正しいと思っていると神父に伝え、彼らを助けることにする。

コナーはその場を去り、ロッコは、神父に秘密を守るようにと言って脅す。

スメッカーに電話をしたコナーは、6挺の銃を乱射した男の情報を伝える。

アウグストゥスに会ったスメッカーは、謎の男(ドゥーチェ)の話を聞き、ロッコがパパ・ジョーの元に向かったことを知る。

マクマナス兄弟とロッコは組織に捕らえられ、パパ・ジョーに指を撃たれたロッコは銃撃される。

瀕死のロッコは、後は任せたとマクマナス兄弟に伝えて息絶える。

ドゥーチェを始末するよう部下に命じたパパ・ジョーは、その場を去る。

拘束を逃れたマクマナス兄弟は、様子を見に来た一人を殺す。

女装したスメッカーは屋敷に招き入れられ、パパ・ジョーの部下を次々と射殺するものの、屋敷に忍び込んでいたドゥーチェに殴られる。

ロッコに祈りを捧げていたマクマナス兄弟は、現れたドゥーチェが父ノアであったことに気づく。

3か月後。
”パパ・ジョー”ヤカヴェッタの3度目の公判が開かれ、武器を持って法廷に押し入ったマクマナス親子は、悪に制裁を加えることをその場の者達に伝える。

祈りを捧げるマクマナス親子はパパ・ジョーを射殺し、スメッカーは、それを物陰から見守っていた。

法廷の人々は叫び声を上げながらその場から逃れ、マスコミに囲まれる。

その後、いつまでやり続けるのかとノアに問うコナーは、神への信仰をいつまで持ち続けられるかが問題だと言われる。

翌日、法廷で起きた事件の犯人をマスコミは”聖人”扱いするが、人々の意見は分かれる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
サウス・ボストン、”セント・パトリックス・デー”。
精肉工場で働くコナー・マクマナスとマーフィーの双子の兄弟は、神の言葉を信じて悪に制裁を加えるため行動を開始する。
ロシアン・マフィアのチェコフとトラブったマクマナス兄弟は、彼を叩きのめしたために仕返しをされる。
襲われたマクマナス兄弟は反撃し、チェコフを殺してしまう。
事件を捜査し始めたFBI捜査官のポール・スメッカーは、正当防衛を主張して自首してきたマクマナス兄弟を釈放する。
その後、ロシアン・マフィアのボスと幹部を殺害したマクマナス兄弟は、イタリアン・マフィアのロッコと共に悪に対する制裁を始める。
悪党が殺される事件であるため、市民が犯人の逮捕を望まない中、スメッカーは怪事件の捜査を続けるのだが・・・。
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神の言葉を信じた兄弟が悪党に制裁を加える姿を描く、トロイ・ダフィーの脚本を自ら監督したヴァイオレンス・アクション。

映画は、主人公の兄弟が教会で祈りを捧げるシーンで始まる。
その場で、1964年に起きた、キャスリーン”キティ”ジェノヴィーズが暴漢に襲われ、助けを求めるものの誰も警察に通報しないまま彼女が殺された”キティ・ジェノヴィーズ事件”が神父により語られ、それを聞きながら行動を起こそうとする兄弟の意気込みが感じられるオープニングがなかなか興味深い。

マフィアを狙う怪事件と、それを調べるFBIと警察の捜査を前後させて描き、時に同じ画面で同時に映し出す斬新な映像やヴァイオレンス・シーン、またユーモアのセンスも抜群であり、クエンティン・タランティーノの後を追うとまで言われたトロイ・ダフィーの才能が窺える。

批評家の評価は低く拡大公開もされなかったものの、その後、一般には受けて、2009年に続編の「処刑人II」が公開された。

破天荒な兄弟以上に風変わりなFBI捜査官を怪演するウィレム・デフォー、敬虔なカトリック教徒であり、神の言葉を信じて悪に制裁を加える兄弟ショーン・パトリック・フラナリーノーマン・リーダス、その父親だった重犯罪人のビリー・コノリー、兄弟と共に悪人を殺すマフィアの一員デヴィッド・デラ・ロッコ、捜査に加わる刑事のデヴィッド・フェリー、ブライアン・マホニー、ボブ・マーレイ、警察署長のリチャード・フィッツパトリック、ロシアン・マフィアのスコット・グリフィス、バーのオーナー、ジェラルド・パークス、イタリアン・マフィアのボス、カルロ・ロタ、その部下ロン・ジェレミー、マフィアの一員セルジオ・ディ・ジオ、元幹部のカーメン・ディステファノなどが共演している。


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