1958年に公開されたスティーヴ・マックィーン主演の「The Blob/マックイーンの絶対の危機」のリメイク。 落下した隕石と思われる物体から現れた謎の生命体に襲われる人々の恐怖を描く、監督、脚本チャック・ラッセル、脚本フランク・ダラボン、主演ケヴィン・ディロン、ショウニー・スミス、ジェフリー・デマン、キャンディ・クラーク他共演のSFホラー。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャック・ラッセル
製作
ジャック・H・ハリス
エリオット・カストナー
製作総指揮:アンドレ・ブレイ
原案:アーヴィング・H・ミルゲイト
原作(脚本)
”The Blob”(映画)
ケイ・リナカー
セオドア・シモンソン
脚本
チャック・ラッセル
フランク・ダラボン
撮影:マーク・アーウィン
編集
テリー・ストークス
トッド・ファーマン
音楽:ミヒャエル・ヘーニッヒ
出演
ブライアン・フラッグ:ケヴィン・ディロン
メグ・ペニー:ショウニー・スミス
ポール・テイラー:ドノヴァン・リーチ
ハーヴ・ゲラー保安官:ジェフリー・デマン
ビル・ブリッグス保安官補:ポール・マクレーン
フラン・ヒューイット:キャンディ・クラーク
スコット・ジェスク:リッキー・ポール・ゴールディン
クリストファー・メドウズ博士:ジョー・セネカ
ケヴィン・ペニー:マイケル・ケンワージー
トム・ペニー:アート・ラフルー
デボラ・ペニー:シャロン・スペルマン
ジェイコブ・ミーカー牧師:デル・クローズ
モス・ウッドレイ:ボー・ビリングスリー
ジェニングス:ロバート・アクセルロッド
ヴィッキー・デ・ソト:エリカ・エレニアック
スージー:ジュリー・マッカロー
缶を集める老人:ビリー・ベック
ハーギス大佐:ジャック・レイダー
負傷兵:ビル・モーズリイ
ホブス:フランク・コリソン
医者:ジャック・ナンス
エディ・ベックナー:ダグラス・エマーソン
ジョージ・ルーイット:クレイトン・ランディ
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1988年製作 95分
公開
北米:1988年8月5日
日本:1989年1月21日
製作費 $19,000,000
北米興行収入 $8,247,940
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カリフォルニア州、アーバーヴィル。
フットボール部で活躍するポール・テイラー(ドノヴァン・リーチ)は、試合中にチアリーダーのメグ・ペニー(ショウニー・スミス)をデートに誘う。
不良少年のブライアン・フラッグ(ケヴィン・ディロン)は、森の中の崩れた橋をバイクで飛び越えようとする。
エンジン不調で転倒したブライアンは無事だったが、缶を集めるホームレスの老人に見られてしまう。
ダイナーのウェイトレスのフラン・ヒューイット(キャンディ・クラーク)は、保安官のハーヴ・ゲラー保安官(ジェフリー・デマン)に誘われるものの、店が忙しいと伝える。 暇な時に署に電話してほしいと言って去ろうとしたゲラーは、”11時に仕事が終わる”とフランが伝票に書いてあることに気づく 町に戻ったブライアンは、誕生日に羽目を外し過ぎるなとゲラーから言われる。 モス・ウッドレイ(ボー・ビリングスリー)のガレージに向かったブライアンは、スノーメイカーを整備すると言うモスから工具を借りて森に戻る。 その夜、ホームレスの老人は、火の玉のような物が森に落下するのを目撃する。 ポールと薬局にいたスコット・ジェスク(リッキー・ポール・ゴールディン)は、自分もデートだったためにコンドームを買おうとする。 店主(アート・ラフルー)からそれを受け取ろうとしたスコットは、現れたジェイコブ・ミーカー牧師(デル・クローズ)に、コンドームはポールに頼まれたと伝える。 物体が落下した場所を覗き込んだ老人は、液体のような物を確認し、それを木の枝で突き手元に近づける。 液体は老人の手に絡みつき、彼は叫び声をあげる。 メグの母親デボラ(シャロン・スペルマン)は、息子ケヴィン(マイケル・ケンワージー)から友人エディ・ベックナー(ダグラス・エマーソン)とホラー映画に行きたいと言われるものの、それを許可しない。 メグを迎えに来たポールはデボラに歓迎され、ケヴィンはエディの家に泊まりに行く。 二階から下りてきたメグに父親トム(アート・ラフルー)を紹介されたポールは、彼が薬局の店主だったために驚く。 バイクを直していたブライアンは、手に液体が絡まった老人が、叫びながら現れて走り去って行ったために驚く。 車でメグと出かけたポールは、誤解は解けたので一応、安心するが、道路に飛び出した老人とぶつかってしまう。 追いかけていたブライアンは、何をしたのかとポールから訊かれ、何も知らないと答えて、老人の手に何かついていると伝える。 ベスから医者が先だと言われたポールは、車に乗せた老人が、空から何かが落ちてきたと呟いたために気になる。 車に乗るようにとポールから言われたブライアンは、責任を取らされたくないためにそれに従う。 老人を病院に連れて行ったポールとメグは、ブライアンが帰ったために付き添うことにする。 その後ポールは、ベッドに寝かせられている老人の様子がおかしいために医師(ジャック・ナンス)を呼ぶ。 老人の腕と下半身が溶けていたために驚いたポールは、ゲラー保安官に連絡をして、老人が殺されたことを伝える。 その時、天井から落ちてきた液体にポールは飲み込まれてしまい、叫び声を聞いたメグはその場に向う。 ポールの腕を掴んだメグは、それが引きちぎれたために、ショックを受けて気絶してしまう。 現場検証が始まり、メグを迎えに来た両親は、ゲラーに帰ってもいいと言われる。 老人の遺体を今夜中に解剖するよう指示したゲラーは、ポールはいい子だったと保安官補のビル・ブリッグス(ポール・マクレーン)に話し、犯人は必ず捕まえると伝える。 メグの供述により、容疑者としてブライアンが逮捕される。 森の中で車を止めて、ヴィッキー・デ・ソト(エリカ・エレニアック)とデートをしていたスコットは、彼女の体内から飛び出した液体に襲われる。 母が自分の話を信じてくれていないため、メグは部屋の窓から抜け出す。 ヴィッキーとスコットを飲み込んだ液体は町に向かう。 ブリッグスは納得しなかったが、ブライアンを取り調べたゲラーは、証拠不十分で釈放する。 現れたメグから話があると言われたブライアンは、ポールは気の毒だと思うが腹ペコだと言ってダイナーに向かう。 ブライアンを追ったメグは、老人とポールは”あれ”(生命体)が襲い、成長していることを伝える。 まともに話を聞かないブライアンに憤慨したメグは、彼を罵倒して去ろうとする。 謝罪したブライアンは、メグを落ち着かせて話をする。 ダイナーのオーナー、ジョージ・ルーイット(クレイトン・ランディ)はシンクの詰まりを直そうとして、噴き出して来た生命体に襲われる。 それに気づいたフランの叫び声を聞いたブライアンとメグは、ジョージがシンクに吸い込まれるのを目撃し、天井に噴出した生命体から逃げる。 冷凍庫に逃げ込んだブライアンとメグは、襲い掛かって来る生命体が逃げて行くのを確認して警戒する。 寒さに震えるメグにジャンパーを着せたブライアンは、彼女を抱き寄せる。 窓を割って逃げたフランは、電話ボックスからゲラーに電話をするが、ゲラーを飲み込んでいた生命体に襲われてしまう。 外に出たブライアンとメグは、生命体が去ったことを確認する。 ダイナーの横の路地の生命体を目撃したミーカー牧師は、荒れ果てた店内を調べ、冷凍庫で凍結していた生命体の破片を採取する。 警察署に向かったブライアンとメグは、ゲラーが出かけていると言われ、ブリッグスは森に行ったことを知る。 ブリッグスを捜すために森に向かったブライアンとメグは、パトカーが停車している場所で彼を捜す。 突然、光が迫ったために逃げようとしたブライアンとメグは、防護服で現れた者達に銃を向けられる。 二人は、声をかけてきたクリストファー・メドウズ博士(ジョー・セネカ)から、救助隊だと言われる。 政府関係の生物研究班だとメドウズから言われたブライアンとメグは、彼が微生物ハンターであることを知らされる。 そこにブリッグスが現れ、メドウズ達の邪魔をするなとブライアンは言われる。 宇宙から隕石が落ちてきたとメドウズから知らされたブライアンとメグは、危険なので近づくなと言われる。 隕石が細菌を運んできたかを調べると話すメドウズは、モンスターのようだとブライアンから言われる。 その頃ケヴィンは、エディと共に母に禁じられたホラー映画を映画館で観ていた。 映写技師のホブス(フランク・コリソン)は、エアコンが効かないために通気ダクトを調べるが、生命体に襲われる。 映写室に向かった支配人も、ホブスを飲み込んだ天井に張り付く生命体に襲われる。 調査のために隔離するとメドウズから言われたブライアンとメグは、車両に乗せられて移動する。 メドウズを信じないブライアンは車から脱出するが、メグは車内に残る。 町に着いたメグは、市民が集合する公会堂で両親を見つける。 ケヴィンがいないためエディの母親に尋ねた両親は、泊まっていないことを知り、彼が映画館に行ったと考える。 兵士にケヴィンのことを伝えても聞いてもらえないメグは、映画館に向かう。 映画館は生命体に襲われ、観客はパニックになり外に飛び出す。 映画館に入ったメグは、ケヴィンとエディを見つけてその場から逃れ、生命体に追われながら下水に逃げ込む。 バイクの元に向かったブライアンは、隕石を引き上げるメドウズが、自分達の実験物体が意識を持ち、獲物を追う生命体に変異したと話す様子を目撃する。 ジェニングス(ロバート・アクセルロッド)から、異常な速さで成長する生命体が国を亡ぼすと言われたメドウズは、それを保持するよう命ずる。 今回の事件は細菌戦争の実験だったことを知ったブライアンは、生命体が、核爆弾以来の世界を支配できる強力な武器になると言うメドウズの話を聞く。 そこに連絡が入り、民間人を追って生命体が下水に向ったことを知ったメドウズは、犠牲者を出しても生け捕りにするようハーギス大佐(ジャック・レイダー)に命ずる。 その話を全て聞いていたブライアンは見つかってしまうが、バイクで逃亡する。 攻撃を受けながら追われたブライアンは、昼間、失敗した橋を飛び越えて逃げ切り下水の出口に向かう。 町に着いたメドウズは、下水が3か所で合流し、そこを閉鎖すれば生命体を捕らえられることを確認する。 出口を探したメグらは生命体に追われ、エディが連れ去られたためにメグが助けようとする。 エディを助けられずに配管を登ったメグは、ケヴィンに公会堂へ向かうよう指示して逃がす。 現れたブライアンはメグを助けてバイクで逃れ、負傷した兵士(ビル・モーズリイ)の案内で出口に向かう。 出口を見つけたブライアンだったが、その場にいたメドウズはマンホールを閉めるよう命ずる。 兵士の無線でメドウズに助けを求めるブライアンは無視され、そんな勇敢な彼を見たメグは、今まで誤解していたことを伝える。 ブライアンは、兵士が持っていたバズーカ砲でマンホールを吹き飛ばして脱出し、銃を拾ってメドウズに向ける。 間に入ったブリッグスは、ブライアンが保菌者だとメドウズから言われる。 隕石は人工で細菌兵器の実験だとブリッグスに伝えたブライアンだったが、メドウズが銃を手にして発砲しようとする。 メドウズは、飛び出して来た生命体にマンホールの中に引きずりこまれ、ハーギス大佐はその中に爆弾を投げ込み爆破する。 しかし、地面から噴き出した生命体はハーギスに襲い掛かり、逃げる人々を攻撃する。 火炎放射器で対抗した兵士と共に、火だるまになったミーカー牧師を助けたメグは、生命体の弱点は寒さだとブリッグスに伝えてその場から逃れる。 メグらは公会堂に逃げ込み抵抗するが、ブリッグスが生命体に襲われる。 スノーメイカーで公会堂に向かったブライアンは、生命体に向かって雪を噴射する。 反撃された車両は転倒し、閉じ込められたブライアンに生命体が襲い掛かる。 それを知ったメグは生命体を銃撃し、爆弾を液体窒素のタンクに仕掛けて逃げようとするが、足が引っかかってしまう。 ブライアンがメグを助けてタンクは爆発し、それによって降った雪で生命体は凍ってしまう。 メグはブライアンが無事であることを確認し、二人は抱き合う。 その後、火傷を負いながらも助かったミーカーは、審判の日が訪れると集会で人々に話し、保管していた生命体を見ながら、その日は近いと考える。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
カリフォルニア州、アーバーヴィル。
ある夜、静かな町の森に隕石のような物が落下し、それに気づいたホームレスの老人がその場を見に行き、手に液体状の物が絡みつく。
不良少年のブライアン・フラッグが、叫びながら逃げる老人に気づき、デート中の高校生ポールとメグに遭遇して、老人は病院に運ばれる。
その後、老人は下半身が溶けて死亡し、現れた液状の生命体にポールも飲み込まれてしまう。
驚いたメグは失神してしまい、現場検証をしたゲラー保安官は、老人と一緒にいたブライアンを連行して話を聞く。
その間も人を襲い成長していく生命体は、森を離れて町に向かう・・・。
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空から落下した謎の液状生命体に襲われる人々の恐怖と戦いを描くSFホラー。
その後、大スターとなるスティーヴ・マックィーンの初主演作「The Blob/マックイーンの絶対の危機」(1958)の30年振りのリメイク作品。
後に「マスク」(1994)を監督して大ヒットさせるチャック・ラッセルが、「ショーシャンクの空に」(1994)など話題作を手掛けるフランク・ダラボンとの共同脚本で監督する快作に仕上がっている。
フランク・ダラボン作品の常連となる、ジェフリー・デマンの出演もファンには嬉しい。
小作の雰囲気で始まる序盤から、当時としてはかなり良く出来たSFXで迫る畳みかけるような展開、地球外生命体と思われた物体が政府が絡む細菌兵器開発実験だったという内容など、見所満載の作品に仕上がっている。
主人公の不良少年の勇気ある戦いぶりなども見ものなのだが、ドラマの中で活躍しそうな、重要と思われる人物や善良なキャラクターが、生命体に襲われてあっさりと姿を消してしまう。
それが少々、残念に思えても、それ以上に期待できる新たな展開が待っているという、観客を引き付ける巧妙な脚本も注目だ。
不良少年ではあるが、謎の液状生命体を倒すために勇敢に戦い奮闘するケヴィン・ディロン、彼と共に町や家族を救うために戦う少女のショウニー・スミス、彼女をデートに誘い、序盤で生命体に襲われて命を落とすドノヴァン・リーチ、活躍を期待したものの、意外にあっさりと生命体の餌食になる保安官のジェフリー・デマン、保安官補のポール・マクレーン、ダイナーのウェイトレス、キャンディ・クラーク、犠牲になる高校生のリッキー・ポール・ゴールディン、細菌兵器だった生命体実験の責任者ジョー・セネカ、メグ(ショウニー・スミス)の弟マイケル・ケンワージー、その両親アート・ラフルーとシャロン・スペルマン、生命体を採取してしまう牧師デル・クローズ、整備士のボー・ビリングスリー、細菌兵器実験の化学者ロバート・アクセルロッド、高校生のエリカ・エレニアックとジュリー・マッカロー、最初の犠牲者となる缶を集める老人ビリー・ベック、実験部隊の大佐ジャック・レイダー、負傷兵のビル・モーズリイ、映写技師のフランク・コリソン、医者のジャック・ナンス、友人ケヴィン(マイケル・ケンワージー)と一緒に映画館に向い、結局は生命体に殺されるダグラス・エマーソン、ダイナーのオーナーのクレイトン・ランディなどが共演している。