サイトアイコン That's Movie Talk!

ジャック&ローズのバラード The Ballad of Jack and Rose (2005)

ヒッピーだった父親と人を避けて暮らす少女の心の成長を描く、監督、脚本レベッカ・ミラー、主演カミーラ・ベルダニエル・デイ=ルイスキャサリン・キーナーライアン・マクドナルドポール・ダノジェイソン・リージェナ・マローンボー・ブリッジス他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ダニエル・デイ=ルイス / Daniel Day-Lewis / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:レベッカ・ミラー
製作
キャロライン・カプラン
グラハム・キング
ルモア・シバン
メリッサ・マー
イーサン・スミス
脚本:レベッカ・ミラー
撮影:エレン・クラス
編集:サビーネ・ホフマン
音楽:マイケル・ロハティン

出演
ローズ・スレイヴィン:カミーラ・ベル
ジャック・スレイヴィン:ダニエル・デイ=ルイス
キャサリン:キャサリン・キーナー
ロドニー:ライアン・マクドナルド
タディウス:ポール・ダノ
グレイ:ジェイソン・リー
レッド・ベリー:ジェナ・マローン
マーティ・ランス:ボー・ブリッジス
ミリアム・ランス:スザンナ・トンプソン

アメリカ 映画
配給 IFC Films
2005年製作 112分
公開
北米:2005年3月25日
日本:未公開
製作費 $1,500,000
北米興行収入 $712,280
世界 $916,050


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1986年、アメリカ東海岸沖の離島。
心臓病を患うスコットランド人のジャック・スレイヴィン(ダニエル・デイ=ルイス)は、ティーンエイジャーの娘ローズ(カミーラ・ベル)と共に、10年前までヒッピーのコミューンだった島で暮らしていた。

ジャックは、湿地帯を開発することに反対していた。

建設業者に銃を発砲して追い払い帰宅したジャックは、地権者のマーティ・ランス(ボー・ブリッジス)に電話をして警告する。

ジャックは、自給自足生活をして日々を過ごし、それを手伝うローズはガーデニングに精を出していた。

妻は家を出て行き、ローズをホームスクールで学ばせていたジェックは、彼女を家以外の生活には触れさせなかった。

死期が近づいていることを悟っていたジャックは、ローズを独りにしないために、面倒を見てくれる者を探そうとする。

その話をされることを嫌うローズは、ジャックが死ねば自分も死ぬと言って涙する。

本土に向かったジャックは恋人のキャサリン(キャサリン・キーナー)に会い、一緒に暮らすことを提案する。

島に戻ったジャックは、ツリーハウスが木から落ちてしまったことを悲しむローズに、客を招いたことを伝える。

ジャックは、10代の息子ロドニー(ライアン・マクドナルド)とタディウス(ポール・ダノ)と共に到着したキャサリンを歓迎する。
...全てを見る(結末あり)

息子たちをローズに紹介したキャサリンは、自然を破壊せずに生活するコミューンだったことをジャックから知らされる。

ローズは、ロドニーらは暫くすれば出て行くかもしれないが、キャサリンは居座るだろうということを知る。

ロドニーが美容師を目指していることを知ったジャックは、タディウスから仕事を訊かれ、父から受け継いだ家業を売却したと答える。

大学を出た技術者だったジャックは、1972年にスコットランドから帰化し、アメリカに惹かれたのが理由だと話す。

あと1年で高校卒業のタディウスに、自分は高3の時に退学したことを話したジャックは、家の外に出たローズと話をする。

客ではなく引っ越してきたキャサリンらのことで、ウソをつかれたと言うローズは納得できず、ジャックとそれ以上話す気になれなかった。

その後、ツリーハウスにいたローズはタディウスに話しかけられ、マムシがいる場所に案内して罠を仕掛ける。

その夜、ジャックとキャサリンが愛し合う姿を見てしまったローズは、上半身裸になりロドニー迫る。

出かけているタディウスが戻れば相手をしてくれると言われたローズは、彼は嫌いだとロドニーに伝える。

動揺するロドニーに迫るローズはズボンを脱いで誘い、自分が好きだと言われるものの彼に拒まれる。

ロドニーは、妥協案としてローズの髪をカットし、彼女を満足させる。

ショットガンを持ってジャックの寝室に向かったローズは、キャサリンが気づいたために、慌てて暴発させてしまう。

驚いたジャックはローズの部屋で話をするが、叱らずに思わず笑ってしまう。

ローズから愛しているか訊かれたジャックは、キャサリンが様子を見に来たために、おやすみとだけ伝える。

寝室に戻り、キャサリンから妻のことを訊かれたジャックは、君とは正反対な女性だったと答える。

ローズの精神面を気にするキャサリンから、彼女の教育について口出されたジャックは苛立ち、娘は正常だと伝える。

付き合い始めて4か月なのに、ローズに話していなかったことに意見するキャサリンは、ジャックから、失敗ばかりの人生を償う時間はないので、今は違う生き方をしていると言われて戸惑う。

キャサリンに謝罪したジャックは、だからこそ君が必要だと伝えて、彼女に納得してもらえる。

翌日から5人の生活は始まり、仕事を探しに行くタディウスと共に町に向かうことを考えたローズだったが、ジャックはそれを許さなかった。

ローズに時々、花を届けに来るジャックの友人グレイ(ジェイソン・リー)は、キャサリンに挨拶する。

グレイは、キスの仕方を教えてほしいと言うローズに、自分は相応しい相手ではなく、ロマンチックなものでないといけないと伝える。

ロドニーと共にボートで港に向かったローズは、自殺を考えたことがあるか尋ねる。

ローズは、父が死んだら自分は自殺するとロドニーに伝える。

タディウスのガールフレンドのレッド・ベリー(ジェナ・マローン)を迎えに行ったロドニーは、彼女が妊娠していると言いながら、ローズに彼女を紹介する。

グレイと話したジャックは、7年も下働きをしている彼に、世話になったので、独立する気になったら融資するとつもりがあると伝える。

自分には無理だと言うグレイだったが、人生を考えろと助言してくれるジャックに感謝する。

お菓子をお腹に隠していたレッド・ベリーは、それをローズとロドニーに見せる。

肥満体のために、キャサリンから食事を制限されていたロドニーは喜ぶ。

家に戻ったロドニーは、お菓子を食べたことに気づいたキャサリンに非難される。

その夜、仕掛けた罠にマムシがいることを確認したローズは、車の中でタディウスとレッド・ベリーが愛し合っているのを目撃し、彼に気づかれる。

マムシを持ち帰りベッドの下に隠したローズは、部屋に入ってきたジャックから、悩みがあるなら話すようにと言われ、そのつもりだと伝える。

その後、部屋に現れたタディウスを拒まなかったローズは、彼と愛し合う。

ベッドの振動で、マムシは逃げ出す。

翌日、ローズがタディウスと愛し合ったことを知ったジャックはショックを受け、彼女を責めようとする。

騒いでいるキャサリンの元に向かったジャックは、家の中にマムシがいると言われて、それを探そうとする。

タディウスは、マムシを家に持ち込んだローズを非難する。

訪ねて来たマーティに、湿地帯の開発に反対する考えを変えないことを伝えたジャックは、彼を牽制する。

建てた家を一軒、壊せと伝えたジャックは、従わなければ殺すと言ってマーティを脅して追い払う。

家の中の穴は塞いだと言うタディウスを、これ以上、置いておく気のないジャックは、彼を侮辱して、明日までに出て行くよう指示する。

その夜、コミューンの会合用の小屋で映画の上映会を始めたローズは、ジャックも含め皆が集まったために話しを始める。

コミューンを作ったジャックの理想を語ったローズは、過去の映像を映す。

ローズに迫ったタディウスに襲い掛かったジャックは、逆に痛めつけられる。

勢い余ってその場から落下してしまったタディウスは、驚いたキャサリンに、ローズがマムシを使って殺そうとしてことを母に話す。

憤慨したキャサリンはローズを殴り、タディウスを病院に運ぶ。

ロドニーに慰められたローズは、優しい彼に別れを告げて、ジャックが待つ車に戻る。

ジャックから、マムシを家に持ち込んだことを訊かれたローズは、恐れず勇気があれば、こんなことにはならなかったと伝える。

人がどう思おうと関係ないと言うローズは、理解しないジャックとこれ以上、話す気になれず、車を降りて立ち去る。

開発地に向かったローズは、新築の家に入る。

家に戻りローズのことを心配するジャックは、キャサリンからの電話で、タディウスが両脚と腕を骨折していることを知らされる。

翌日、島に戻ったキャサリンは、ローズは戻ってくると言って、体調が悪そうなジャックを気遣う。

開発地でローズを見つけたジャックは泣きながら謝罪し、お前の言う通りで、外の世界の者を入れるべきではなかったと伝える。

キャサリンがいる家には戻れないと言われたジャックは、話をつけてくるとローズに伝える。

家に戻り、キャサリンに小切手を見せたジャックは、1万5000ドルで出て行ってほしいと伝て、2万で納得した彼女にそれを渡す。

ローズの元に戻り、キャサリンが明日の夜、出て行くことを伝えたジャックは、それまでその場で過ごすことにする。

その夜ジャックは、自分が死んだら死ぬと言ったことを取り消してほしいとローズに伝える。

頑張ると約束するローズを、ジャックは抱きしめる。

ローズにキスされたジャックは、彼女が自分に恋していることを知り、ショックを受けて動揺する。

翌朝ジャックは、ローズの目の前でブルドーザーで家を壊し、マーティの家を訪ねる。

ジャックとローズは、マーティの妻ミリアム(スザンナ・トンプソン)に歓迎される。

戦う意志がないマーティと話しながら動揺するジャックは、彼に土地を売ることを決める。

ローズに止められるものの、考えを変えないジャックは、マーティが善人だったことを彼女に話し、これで自由になれると伝える。

納得しないローズに、人生はこんなものだと伝えたジャックは、すべてを売ることを伝える。

やめてほしいと頼むローズは、気分が悪いジャックに代わり運転して家に戻る。

ベッドに入ったジャックは息を引き取り、付き添っていたローズはそれに気づく。

自殺するつもりのローズは、ベッドのジャックに寄り添い家に火を点ける。

考えを変えたローズは窓から外に出て、ボートで本土に向かう。

2年後、バーモント州、ストラフォード、フィールドストーン共同体。
ローズは、グレイの家族らと共に温室で働く。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1986年、アメリカ東海岸沖の離島。
心臓病を患うスコットランド人のジャック・スレイヴィンは、ヒッピーだった過去に自分が作ったコミューンに、ティーンエイジャーの娘ローズと共に人を避けて暮らしていた。
湿地帯の地権者マーティの開発に反対するジャックは、業者を追い払う。
そんなジャックは、死期が近づいていることを悟り、ローズを独りにしないために、面倒を見てくれる者を探す。
本土に向かったジャックは、恋人キャサリンにそれを頼み、彼女は息子のロドニーとタディウスと共に島に向かう。
キャサリンらが引っ越してきたため、客人を招くと言っていたジャックを非難するローズは、仕方なく共同生活を始めるのだが・・・。
__________

役者そして脚本家としても活躍したレベッカ・ミラーの、監督としては3作目の作品。

ヒッピーだった父親と共に、人を避けて暮らす少女の心の成長を描くドラマ。

外界との交流がなく育った少女の、様々な考えや心の動きを繊細に描こうとしているドラマなのだが、今一歩、深く表現できない悶々とした内容は、父親が病気で苦しむ様子と同じような印象を観客に与えてしまう。

各個性の表現がバラバラであり、魅力的なキャスティングを活かしきれないレベッカ・ミラーの脚本と演出も残念だ。

父親役の実力派スター、ダニエル・デイ=ルイスの演技に応えられない雰囲気のある娘を演ずるカミーラ・ベル、彼女の面倒を見るために島に向かうものの、思い通りにはならなかったジャック(ダニエル・デイ=ルイス)の恋人キャサリン・キーナー、その息子で、気弱で心優しいライアン・マクドナルド、異父兄とは性格が真逆なポール・ダノ、彼を訪ねて来るガールフレンドのジェナ・マローン、ジャックの友人である配達人ジェイソン・リー、ジャックが敵視する湿地帯の地権者ボー・ブリッジス、その妻スザンナ・トンプソンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了