余命90分の男 The Angriest Man in Brooklyn (2014)

そのことがストレスとなり仕事で苛立ち、ハロルドの選択が正しかったと考えるようになったシャロンは、不倫相手のフィールディング医師（ルイ・C・K）に頼まれ、彼の患者であるヘンリーを診察する。

主治医のフィールディングが不在だったためにシャロンが診察することを知ったヘンリーは苛立ち、検査の結果を知らされる。

脳動脈瘤だと言われたヘンリーは動揺し、おじが同じ病気で死んだことシャロンに話す。

内科医なので詳細は説明できないと言うシャロンは、専門医を紹介しようとするものの、ヘンリーは納得しない。

聞き分けのない子供のようにわめき散らし、余命を訊くヘンリーから、瀕死の猫なら同情するのかと言われたシャロンは動揺する。

ヘンリーから答えを求められたシャロンは、デスクの上の”90分で完璧な七面鳥が”という雑誌広告を見て、余命は90分だと伝えてしまう。

それを信用としないヘンリーはその場を去り、車は故障していたのでタクシーに乗り、90分後の6時22分までに何をしたらいいのか考え始める。

カッとなって言ってしまった言葉を後悔するシャロンは、ヘンリーを捜し連絡しようとする。

患者に余命が90時間だと言ったことが、病院中で噂になっていることを同僚のジョーダン・リード医師（クリス・ゲサード）から知らされたシャロンは、90分の間違いだと伝えて彼を驚かせる。

ジョーダンから、医師免許剥奪必至の重大な問題だと言われたシャロンは、ヘンリーを入院させるために彼を捜そうとする。

職場の法律事務所に向かい、秘書のジェーン（オルガ・メレディス）から、シャロンから電話があったと言われたヘンリーは、会議中だった弟アーロン（ピーター・ディンクレイジ）に会う。

ヘンリーは、その場にいたクライアントのクーパー（ジェリー・アドラー）とイエーツ（イザイア・ウィットロックJr.）から、最期は家族と共に過ごすようにと助言される。

その場を去ったヘンリーを追ったアーロンは、兄が本気で動揺していると気づき、この2年間、喧嘩ばかりしていたが自分も家族だと伝える。

ヘンリーの職場に向か追うとしていたシャロンは、ジョーダンからの連絡を受けて、ヘンリーを調べた彼から、クレイマーで信用性に欠けることを知らされる。

更にジョーダンは、ヘンリーの脳の写真を見たが、既に動脈壁から出血しているので、死は時間の問題だとシャロンに伝える。

自分のキャリアを潰して海外にバカンスに行く可能性もあるとも言われたシャロンは、タクシーを拾おうとする。

食事会を開こうとしたヘンリーは、秘書のジェーンに招待客などを伝えて、戸惑う彼女に生前葬だと言って後を任せる。

息子のトミー（ハミッシュ・リンクレイター）が法律家を諦めてダンサーになることに反対したヘンリーは、彼が話を聞こうともしないために、作った名刺を窓からバラまいてしまった時のことを想い出す。

ダンスアカデミーにいたトミーは、ヘンリーからの電話に出ようとしない。

事務所に着いたシャロンは、ジェーンからヘンリーは留守だと言われ、アーロンに挨拶して話をする。

ベティと愛し合うと心を決めたヘンリーは、花を買って家に帰ろうとする。

医師の守秘義務に反する行為だと前置きしたシャロンは、ヘンリーが脳動脈瘤の治療を拒んだことをアーロンに伝える。

シャロンが主治医ではないが診断は確かだと確認したアーロンは、さっきここに来たが酷いことを言ってしまったと伝える。

2年前に息子のピーターを狩猟事故で亡くしたヘンリーは、そのことがきっかけで人が変わってしまい、毎日ランチでサンドイッチなどを食べていた兄弟関係が、それ以来うまくいっていないことをアーロンは話す。

余命90分の理由を訊かれたシャロンは誤解だと答え、今、大切なのはヘンリーを一刻も早く入院させることだとアーロンに伝える。

ヘンリーが家に帰ったと考えるアーロンは、ベティに電話をしてメッセージを残す。

アーロンは、シャロンから、血圧が上がらないように怒らせないでほしいと言われる。

帰宅したヘンリーは、ベティとお茶を飲んでいた友人のフランク（ボブ・ディッシー）を追い出して、彼女と愛し合おうとする。

それを拒むベティは、2年間、酷い夫だったと言うヘンリーにその通りだと伝えて喧嘩になる。

息子を亡くして辛い思いをしたと言うヘンリーに、自分は母親だと伝えたベティは、トミーを理解しない彼を批判する。

自分はセックスしまくっていると言うベティの相手がフランクだと知ったヘンリーは、彼女を罵倒して出て行く。

シャロンとアーロンは、タクシーに乗ってヘンリーの家に急行する。

ダンスアカデミーに電話をしたヘンリーは、留守電だったために苛立つが、ベティとトミーと楽しく踊った時のことを想い出す。

同時にピーターの死を知らされた時のことを考えながら、ヘンリーはダンスアカデミーに電話をして、不在だと言うトミーに電話をさせるようにと伝えるが、思い通りにならないために激怒して携帯電話を投げ捨てて壊してしまう。

ヘンリーの家に着いたアーロンは、ベティにシャロンを紹介する。

事情を知ったベティは、ヘンリーに電話をするものの出ないため、家族の写真を見ているシャロンに話しかける。

ジェーンからの連絡を受けたアーロンは、ヘンリーがパーティーを開いていることを知り、それをシャロンとベティに伝える。

パーティーの準備がしてある”ジュニア”に向かったヘンリーは、一人でその場にいた旧友のビックス・フィールド（リチャード・カインド）に、脳に動脈瘤があり90分で死ぬことを伝える。

同情したビックスだったが、高校時代の恋の恨みを話し始め、今言わなければ後悔すると伝えてヘンリーと喧嘩になる。

憤慨したヘンリーはその場を去り、トミーに愛を伝えなければならないと考えて、最寄りの電気店に向かいビデオカメラを買おうとする。

店主のルーベン（ジェームズ・アール・ジョーンズ）は、吃音症の老人のために対応が遅く、ヘンリーは苛立つ。

シャロンらは街に出てヘンリーを捜し、アーロンは事務所で待つことをベティに伝える。

ベティは家で待つことになり、シャロンは一人でヘンリーを捜す。

この2週間の愚かな行為を後悔するシャロンは、フィールディングと愛し合いながら、診察を代わってほしいと頼まれたことを考える。

ビデオカメラを手に入れたヘンリーは、ホームレスのレオン（ジェレミー・ハリス）に自分を撮影してもらい、トミーに愛を伝えるものの、ピーターの死を考えながら怒りが爆発て興奮したため倒れてしまう。

ベティからの電話でヘンリーのことを知ったトミーは、保管してあった名刺を見つめる。

意識が戻ったヘンリーは、愛していると言う言葉も怒りなしでは伝えられないことに気づく。

母に電話をしたシャロンは、まともに話を聞いてもらえなかった。

ヘンリーの声が聴こえたシャロンは、ビデオカメラを持って歩いていたレオンに話しかけ、映っている男性の担当医なので居場所を知りたいと伝える。

常用していた鎮静剤をレオンに渡したシャロンは、ヘンリーが”ブルックリン橋”に向かったことを知る。

橋の上でトミーと話した時のことを想い出すヘンリーは、その場に現れたシャロンを迷惑に思い、力になりたいと言う彼女に、飛び降りるので邪魔をしないでほしいと伝える。

動脈瘤は本当だが90分はウソだと言うシャロンは、怒鳴られたからパニックになったことをヘンリーに伝える。

猫のこともバカにされたと言うシャロンに、猫が死んだから自分にも死の宣告をしたのかと問うヘンリーは憤慨する。

何もかも最悪の日だったと言って涙するシャロンを無視して飛び降りようとするヘンリーは、橋の反対側に向かう。

フィールディングと不倫したのが間違いだったと言うシャロンは、飛び降りたら自分達の人生は取り返しがつかないとヘンリーに伝える。

余命90分ならまだ時間があると言うヘンリーは、自分にとっては意味がある時間で、人生を振り返れたと考える。

90分は七面鳥が焼ける時間だと言われたヘンリーは、シャロンが話した通り、もう取り返しがつかないと伝えて飛び降りる。

川に向かったシャロンはヘンリーが流されていることに気づき、水に飛び込み彼を助けようとする。

ヘンリーを助けて水から上がったシャロンは、時間を訊かれて6時3分だと答える。

あと19分あることを確認したヘンリーが、今直ぐトミーに会いたいと言うため、シャロンは自分が連れて行くと彼に伝える。

怒らないこととトミーに会ったら病院に行くことをヘンリーに約束させたシャロンは、タクシーに乗る。

そのドライバーが事故を起こしたウルグベックだと気づいたヘンリーは怒り始め、車を降りて喧嘩になる。

それを制止したシャロンも憤慨し、ウルグベックを叩きのめしてタクシーを奪い、ヘンリーを乗せて走り去る。

暴走したシャロンはパトカーに止められ、警官に自分の患者を手術しなければならず急いでいたと伝える。

運転免許を所持していないシャロンはおじの車だと伝え、ヘンリーは、今日、起きたことを警官に話す。

病院に電話をかけたシャロンは、ジョーダン医師と話すようにと警官に伝えて携帯電話を渡す。

シャロンとヘンリーの話が本当だと知った警官は、先導すると言ってパトカーを出す。

ヘンリーからの電話を無視したことを後悔するトミーは、父との思い出を恋人アデラ（サットン・フォスター）に話し、家で待つことを提案される。

ダンスアカデミーに着いたヘンリーは、シャロンから6時18分だと言われ、トミーの元に向かう。

ジョーダンに連絡したシャロンは、ヘンリーの入院手続きを頼む。

その場にいたトミーと話したヘンリーは、昔を思い出しながら二人で踊る。

シャロンと共にタクシーで病院に向かうヘンリーは、自分の寿命が分かったら何をするか尋ねる。

幸せを見つけたいと伝えたシャロンは、今探せばいいと言われる。

納得したシャロンはヘンリーから腕時計を受け取り、自分にもたれて眠る彼を見つめる。

予想に反して、ヘンリーはその後8日間生きた。

最期の8日間、ヘンリーはベティと語り合い、アーロンと最後のサンドイッチを食べて、トミーと”ジン・ラミー”を楽しむ。

その間、一度も怒らなかったヘンリーは、息を引き取る直前に死を呪ったが、幸せな日々を思い出しながら穏やかに世を去った。

シャロンは元の生活には戻らず、ヘンリーの最期を見届け、仕事もドラッグも不倫もやめた。

無料クリニックで働くシャロンは、患者と向き合う理想の働き方をした。

ヘンリーとの約束を守り幸せを見つけたシャロンは、新しい猫を飼い、新たな恋を見つけた。

ベティら家族は、ヘンリーの遺灰を船上からイースト・リバーに撒くことになり、シャロンも加わってそれを行うが、船長に注意される。

それに対し猛烈に抗議したシャロンと家族は、船長を追い払う。