1969年に発表された、マイケル・クライトンの小説”アンドロメダ病原体”を基に製作された作品。 謎の地球外病原体を調べることになった科学者チームによる調査と研究を描く、製作、監督ロバート・ワイズ、主演アーサー・ヒル、ジェームズ・オルソン、デヴィッド・ウェイン、ケイト・レイド他共演のSFサスペンス映画の秀作。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・ワイズ
製作:ロバート・ワイズ
原作:マイケル・クライトン”アンドロメダ病原体”
脚本:ネルソン・ギディング
撮影:リチャード・H・クライン
美術・装置
ボリス・レヴェン
ウィリアム・H・タントケ
ルビー・R・レヴィット
音楽:ギル・メレ
出演
ジェレミー・ストーン博士:アーサー・ヒル
マーク・ホール博士:ジェームズ・オルソン
チャールズ・ダットン博士:デヴィッド・ウェイン
ルース・レヴィット博士:ケイト・レイド
カレン・アンソン:ポーラ・ケリー
ピーター・ジャクソン:ジョージ・ミッチェル
ショウン中尉:マーク・ジェンキンス
クレイン軍曹:ピーター・ヘルム
アーサー・マンチェック少佐:ラモン・ビエリ
コムロー中尉:カール・リーンデル
スパークス将軍:ピーター・ホッブス
ロバートソン博士:カーミット・マードック
グライムズ:リチャード・オブライエン
フィリップス上院議員:エリック・クリスマス
トビー:ケン・スウォフォード
クララ・ダットン:フランシス・リード
空軍少佐:リチャード・ブル
ピート”オールド・ドウボーイ”アーノルド:エモリー・パーネル
外科医:マイケル・クライトン
アラーム音声:ドン・メッシック
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1971年製作 130分
公開
北米:1971年3月12日
日本:1971年8月28日
製作費 $6,500,000
北米興行収入 $12,376,560
■ アカデミー賞 ■
第44回アカデミー賞
・ノミネート
編集・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1日目
ニュー・メキシコ州、ピードモント。
人口68人の町で、ヴァンデンバーグ空軍基地による軍事衛星回収計画”スクープ”が実行される。
監視していたショウン中尉(マーク・ジェンキンス)とクレイン軍曹(ピーター・ヘルム)は、町の様子を見に行く。
1971年2月5日、カリフォルニア州、ヴァンデンバーグ空軍基地。
”スクープ”管制室のコムロー中尉(カール・リーンデル)は、ピードモントに入り衛星を回収するというショウンからの連絡を受ける。
無線をオープンにしたまま回収作業を始めたショウンとクレインは死体を発見し、その様子を聴いていたコムローは、任務は衛星の発見と回収だと二人に伝える。
ショウンとクレインの会話を聴きながら、コムローは、上官のアーサー・マンチェック少佐(ラモン・ビエリ)に緊急事態発生を伝える。 その直後、ショウンとクレインの叫び声と共に通信は途絶える。 管制室に到着したマンチェックは、観測機を飛ばしてピードモント上空の赤外線撮影をさせる。 映像を解析させたマンチェックは死体などを確認し、非常事態宣言による基地の出入り禁止を命じ、映像を極秘扱いにする。 緊急用の部屋に入ったマンチェックは、”ワイルドファイア/野火”警報を勧告して、軍事衛星”スクープ7号”が死をもたらした証拠を入手したことを報告する。 サンフランシスコ。 車に乗ったストーンは、スクープ計画の極秘資料を渡される。 上院議員の娘であるアリソンは、父に電話をして夫のことを伝えようとするものの、通話は遮断され、安全保障上の理由だというアナウンスが流れる。 資料を読んだストーンは、生物学研究課長スパークス少将(ピーター・ホッブス)の指揮下で実行されている計画の内容を確認する。 サンフランシスコ国際空港。 引退を考えていた科学者のチャールズ・ダットン博士(デヴィッド・ウェイン)は、連絡先を気にする妻クララ(フランシス・リード)に何も語らず、迎えに来た兵士と共に家を出る。 微生物学者のルース・レヴィット博士(ケイト・レイド)は招集を拒むが、空軍少佐(リチャード・ブル)に説得されて同行する。 手術を始めようとしていた外科医のマーク・ホール博士(ジェームズ・オルソン)は、大統領科学顧問の命令を知らされてその場を離れる。 2日目 ヴァンデンバーグ空軍基地、午前8時。 町で起きたことは宇宙細菌が原因だと考えるストーンは、優秀なので選んだとホールに伝える。 1971年4月14日、上院宇宙科学委員会、非公開公聴会。 1969年3月20日。 ピードモントの上空に着いたストーンとホールは、死体が転がる町の様子を確認する。 死体を食べた鳥を殺すためにガス弾が投下され、ストーンとホールは梯子で地上に下りる。 ストーンは、苦しんだ様子がない死体を見て突然死だと考える。 家の中の死体なども調べたストーンとホールは、研究所にヘリが戻らない場合は撃墜する準備をする空軍機に気づく。 遺書を残した自殺者がいたため、ホールは生存者がいる可能性があることをストーンに伝える。 その後、二人はショウンとクレインの死体を見つけて、ホールは、傷口から出血していないことに気づく。 車で移動して衛星を捜したストーンとホールは、医師の家でそのカプセルを発見して、開けられていることを知り回収しようとする。 医師の死体の臀部を確認したホールは、死斑が出ていないことに気づき、メスで手首を切る。 死体の血液が凝固して粉末になっていること確認した二人は驚き、カプセルを回収して車に戻る。 子供の泣き声が聴こえたように思えたストーンとホールはそれを探し、近づくヘリのパイロットから時間がないと合図されるものの、離れるように指示する。 ある家の中で泣いていた生後6か月位の子供を発見した二人は、ヘリに戻ろうとする。 ストーンが子供を引き上げ、ホールは、刃物を持って現れた老人(ジョージ・ミッチェル)に驚き、自分達のせいで皆が死んだと言われて非難される。 ホールは何があったのかを尋ねるが、老人は苦しみながらうずくまる。 ピードモントを離れてマンチェックに連絡したストーンは、直ちに町を焼き払うようにと伝える。 ホワイトハウス危機管理室、東部標準時、午後2時40分。 責任者のグライムズ(リチャード・オブライエン)に、科学者に任せるべきだと意見するロバートソン博士(カーミット・マードック)は、それを大統領に伝えることを提案する。 ネバダ州、フラットロック郡、午前11時55分。 立ち入り禁止区域に入ったダットンとレヴィットは、農務省の研究施設を装った農場に到着する。 建物に入った二人は、地下の研究施設に向かう。 ダットンとレヴィットは、到着していたストーンとホールに迎えられる。 着替えるために別れたレヴィットを知るホールから、彼女がかなりの変人だと言われたストーンは、今は貴重な微生物学者だと伝える。 用意されていた鍵の一つをホールに渡したストーンは、もう一つの鍵を装置にセットして、核自爆の待機状態にする。 ダットンから、汚染が広がる恐れを感知して装置が作動することを知らされたホールは、ストーンから、用意された補助卓で、渡された鍵だけで解除ができ、爆破まで5分の待機時間があると言われる。 新人の自分が選ばれたのは独身だからだと言われたホールは、ストーンから施設の説明を受ける。 この場は地下1階で、施設は地下5階のセントラルコアを中心にした円筒建造物であり、各階に補助卓は用意され、起爆開始後もその場に鍵を入れれば爆破は解除でき、中心部の地下に自爆装置があることを、ストーンはホールに伝える。 下の階に行くほど浄化度は高く、自分達の居場所はモニターで常に確認できると話すストーンは、患者とカプセルの位置を訊かれる。 患者は黄色の”X”で赤丸がカプセルだとモニターを見ながら答えたストーンは、両方とも地下1階の生物学的安全室に移動中だと伝える。 ホールから老人と子供のことを訊かれたストーンは、二人の映像を見せながら今後のことは分からないと答える。 消毒と免疫処置を行おうとしたストーンは、自分の役目が爆破かを問うホールに、非常時には自動的に起爆するため、それを5分以内に止めるだけだと伝える。 消毒処置をされて地下2階に向かったストーンらは、免疫処置や検査を受けて地下3階から4階に移動する。 キノセン光照射を受けたので、6時間、休息することになり、各人は自室に向かう。 補助卓を確認したホールは考え込み、ストーンはその姿を見つめる。 自室に入ったストーンは、カプセルを検査する映像を確認する。 3日目 休息を終えた4人はカフェテリアに集まり、ストーンは、生命体の存在を確認し、構造や生体を調べ、防疫と撲滅方法を考えることが今後の目的だと話す。 5階に向かうようにと言うアナウンスを聴いた4人は、ストーンから、消化器系の殺菌のための座薬を渡される。 地下5階、午前4時33分。 テストされたラットは死亡し、町民を殺したものはまだ健在だと言うストーンは、アカゲザルでも試す。 アカゲザルも死亡し、自分とレヴィットはカプセルのスキャンをすると言うストーンは、ダットンに解剖を任せる。 媒介者と感染経路を調べるようにと指示されたダットンは、レヴィットから、ホールに任せるようにと言われる。 ホールは老人と子供の元に向かい、ストーンは、解剖には助手がいるとレヴィットに伝える。 助手のカレン・アンソン(ポーラ・ケリー)から、老人と子供への処置を聞いたホールは、医療データ分析機”メドコム”の説明を受ける。 メドコムの指示を受けたホールは、採血をするために、アンソンと共に防護服を着て患者に接触しようとする。 ストーンは、カプセルをカメラで拡大撮影して細部を調べる。 直接作業をしようとする助手のトビー(ケン・スウォフォード)を制止したダットンは、安全性を考えてアームで操作し、死んだラットともう一匹のケースをパイプでつなぐ。 ラットが死んだため、ダットンは空気感染が原因だと確信して、病原菌の大きさを調べようとする。 2ミクロンのフィルターでラットは死亡したため、ダットンはそれをストーンに知らせる。 空気感染だと確認したストーンは、カプセルのチェックを続ける。 貧血が酷い老人に話しかけたホールは、名前が”ジャクソン”だということを知る。 モニターに映るダットンから、放射同位元素スキャナーで感染経路を調べると言われたホールは、呼吸感染だと思うと伝える。 とにかく処置を見るようにと言うダットンは、呼吸感染が原因だと断定し、凝血は肺で始まり外に広がっていることをホールに伝える。 このような短時間での凝血はあり得ないとダットンに伝えたホールは、ストーンとレヴィットが病原体を分離することを期待して、待とうと言われる。 午前9時50分。 他の場所に飛び散った緑の斑点に注目し、石を440倍に拡大するようレヴィットに指示したストーンは、緑の斑点に人工物のようななめらから部分があることに気づく。 それが動いたように思えたレヴィットは、目の疲れだと思う。 その部分を1000倍に拡大したストーンは、斑点が動いたことを確認して、それが感染源だと確信する。 これ以上は拡大できないことを知ったストーンは、石を微量化学室に送ろうとする。 ストーンは、現れた助手に、成長要因を調べるためにサンプルの培養と分離をすることを伝える。 しかし、ストーンとレヴィットは、病原体が成長していることに気づく。 ジャクソンと子供が助かった理由が分からず、ホールは苛立つ。 目覚めたジャクソンと話したホールは、飲み過ぎで2年間、胃潰瘍を患っている彼が出血したことを知る。 ジャクソンがアル中だと知ったホールは、彼に輸血と胃洗浄をすることを、子供にミルクを飲ませるアンソンに指示する。 その頃、ピードモント付近を通過した空軍機が墜落する。 午前10時15分。 科学チームがピードモントへの攻撃延期に抗議しないことを疑問に思うマンチェックだったが、スパークスは、町と墜落は無関係であり、上空を2分飛んだだけなので飛行ミスだと考える。 マンチェックは、施設との通信に異常はないかを調べさせるようコムローに指示する。 施設では、通信装置の電子的なチェックが行われるが、ロールの紙片が挟まり、通信を知らせるベルが鳴らなかったことに気づかない。 正午。 ユタ州、ビッグヘッド峠、午後1時20分。 この件を施設に連絡したことを確認したマンチェックは、スパークスと共に墜落現場に向かう。 午後3時20分、微量化学室。 アミノ酸、タンパク質、酵素、核酸がないことを知ったストーンらは、生命体ではあり得ないことであるため、地球外のものだと考える。 ピードモントは焼き払ったため、ここで科学的に闘えばいいと言うストーンだったが、ダットンは、構造の解明には何年もかかるだろうと意見する。 解明すれば世界的な大発見になると言うレヴィットは、ストーンから、成長速度を調べるよう指示される。 ジャクソンと子供が、何か単純な仕組みで守られていると考えるホールは、二人の元に戻ろうとする。 ストーンから”5分”を忘れるなと警告されたホールは、ダットンからは、今は補助卓からあまり離れるべきではにと言われるものの、患者の元に向かう。 午後4時30分。 機体はゴム製品ではなく、人間の皮膚と同じ特性がある合成プラスチックが使われていることを知ったスパークスは、それが使用されたパイロットのマスクを見せられ、化学反応で腐食したか微生物が原因ではないかと専門家に指摘される。 スパークスは、プラスチックを食べる何かが機内にいたというマンチェックの考えを聞く。 午後11時45分。 成長していない生命体があることに気づいたレヴィットは、それを知らせる赤いき文字の点滅を見て体調に異変を感じ、呆然としてしまう。 アンソンと共にジャクソンと話したホールは、子供はメキシコ人で”マニュエル・リオス”という名前だということを知る。 何が起きたか尋ねたホールは、考えたくないと言うジャクソンから、死んだ老兵が糖尿病で、インスリンを日に2回打っていたことを知らされる。 老兵は注射が嫌いだったと知ったホールは、あることが閃く。 意識を失っていたレヴィットはプログラムが終了したことに気づき、12時を過ぎたことを知る焦ってしまい、会議に呼ばれたたために微量化学室を離れる。 4日目 町で死んだ老兵ピート”オールド・ドウボーイ”アーノルド(エモリー・パーネル)はインスリンを打たずに酸血症になり、ジャクソンも同じだと言うホールは、彼らの血液で培養すれば病原菌は成長しないはずだという考えをストーンとダットンに伝える。 血液に異常がない子供と、胃潰瘍のアル中である69歳のジャクソンとの間に何か共通点があるはずだとホールは考える。 そこに現れたレヴィットは培養が終わっていないことを伝え、ストーンは、ミスをしないために順番に休息をとることを提案する。 コード・センターに現状を報告したストーンは、新区分が設置され、該当生命体のコードは”アンドロメダ病原体”とするという連絡を受ける。 その連絡書にピードモントの爆撃が延期されたとあったために驚いたストーンは、ロバートソンに連絡しようとする。 ストーンは、連絡を怠ったオペレーターを呼び出して非難する。 通信があればベルが鳴ると言うオペレーターに、爆撃延期の知らせを受けたと伝えたストーンは、モニターに映るロバートソンに爆弾を投下しなかった理由を尋ねる。 48時間延期されたことを知ったダットンは、世界中に感染が広がることをロバートソンに伝えて、ストーンは爆撃を要請する。 防疫区の上空を一瞬だけ飛行して墜落した空軍機のことも初めて聞いたストーンらは、パイロットが”機内のゴムが崩れていく”と言い残したことを知り、再び爆撃の実行を大統領に要請するようにと伝える。 電子顕微鏡室、午前2時45分。 レヴィットから、培養結果が出たという連絡を受けたストーンは、顕微鏡で観察中なので行けないと伝える。 映像をモニターに映したストーンは、その場に現れそれを見たレヴィットから、結晶のようなものが答えだと言われる。 アミノ酸がない生存方法だと言レヴィットはモニターに近づき、クサビ形の区画が生化学的機能を果たすと説明する。 それが、真空で電子を照射されても分裂を始めたことにストーンは驚き、レヴィットから、どの培地でも成長していたことを知らされる。 成長しない培地はないと言うレヴィットは、純酸素と赤外線下が最も育たず、二酸化炭素と水素にX線下が最も育つと伝える。 何も排出せずに無駄にしない宇宙生物として完璧な地球外病原体”アンドロメダ”が、核爆発のエネルギーで超繁殖することに気づいたストーンは、ロバートソンを呼び出して爆撃を中止させようとする。 ロバートソンと話したストーンは、大統領が爆弾投下を許可したと言われ、中止するようにと伝える。 爆撃は成長の手助けをするだけだということを理解したロバートソンとグライムズは、それを大統領に伝えようとする。 施設の核自爆装置も解除することを要請したストーンは、ロバートソンから、許可を取り朝には解除できると言われる。 午前3時50分。 レヴィットはコンピューター解析を始めるものの、突然変異が起き、大量のデータを処理させたために過負荷でダウンし、モニターには”601”が表示される。 分裂と突然変異が同時に起きることなど予想できなかったレヴィットは、アンドロメダは成長し続けると考える。 拡散を地図でシュミレーションしたストーンは、地図が細菌戦争用だとダットンに指摘される。 この場が細菌戦争のための施設だと知ったレヴィットは、それを承知していたのかとストーンに問う。 今知ったと答えたストーンは、衛星で宇宙生物を捕獲して、ここで兵器として開発する計画だと考えるダットンとレヴィットに、証拠はないと伝える。 地図は敵の手に渡った場合のためだと言うストーンは、今は対策を考えるべきだと伝えて、培養体の毒性を調べることをダットンに指示する。 変異体の撮影をすると言うレヴィットは、その場に残る。 午前4時30分。 解剖室で気密シールが破損したというアナウンスがあり、鍵を用意したホールだったが、レヴィットと共にダットンがいる解剖室に向かう。 ドアは密封され、赤の警報ランプの点滅を見たレヴィットは立ったまま意識を失い、発作を起こした彼女にホールが寄り添う。 レヴィットが感染したと思う研究員らはその場を離れ、それを否定するホールは、治療しようとしてアンソンに連絡する。 指示された注射を持って現れたアンソンは、レヴィットが癲癇であることをホールから知らされて、危険はないと言われてその場を任される。 ストーンは、動揺して怯えるダットンの様子を見ながら、純酸素を送っているので病原体の成長を抑制できると言って励ます。 レヴィットが発作を起こしたことをストーンに伝えたホールは、赤い光の点滅で倒れた彼女の癲癇を隠していたことを責める。 知られれば解雇され保険や偏見もあると言うストーンは、ガスケットに合成プラスチックを使っているので、施設は安全だとホールに伝える。 息が荒いダットンを見ながら純酸素を送っていることを知ったホールは、ジャクソンが酸血症状態だったことを思い出し、酸素を止めようとする。 子供のことを訊かれたホールは、泣いてばかりいるために息が荒いと答えるものの、ストーンは単純過ぎると考える。 呼吸を速めて肺の細菌を血管に入れるなとダットンに指示したホールは、酸素を切ることを伝える。 それを拒むダットンは、実験台にされることを恐れる。 アンソンからの連絡で子供にミルクを与えていいかと訊かれたホールは、そのままにして血液検査を行い、ph値を知らせるようにと指示する。 泣き続ける子供の血液はアルカリ性のはずだと言うホールは、ジャクソンとは反対であることをアンソンから送られてきたデータで確認する。 同じ空気を吸いながら、子供はアルカリ性でジャクソンは酸性である理由を考えたホールは、空気ではなく血液が答えだと気づき、ストーンを説得してダットンの部屋の酸素を切る。 成長度をチェックし直したホールは、狭いph範囲でしか成長しないことを確認し、血液が酸性かアルカリ性に傾けば病原体は成長しないことをダットンに知らせる。 呼吸を速めてアルカリ血症を増やすようにと指示したホールは、それに従うダットンが気絶してしまうと考える。 その時、病原菌に長い時間さらされたラットが生き返ったことを知ったストーンらは、アンドロメダが突然変異して無害になったことに気づく。 ガスケットの退行性変化が起きていることを知ったストーンとホールは、アンドロメダが分解していると考える。 地下5階も汚染したため、鍵を用意したホールは、ストーンから補助卓が隣の区にあることを知らされる。 通路は閉鎖されてしまい、ストーンは、爆発による無数の変異で病原菌は世界中に広がると考え、5分のカウントダウンが始まる。 その場にあった補助卓は装置が設置されていなかったために使えず、実験動物の逃亡防止のために毒ガスとレーザーがあるセントラルコアを通り上の階に行けることをストーンから知らされたホールは、その場に向かおうとする。 アンソンに手伝わせて防護服を破ったホールは、制御室のストーンの指示に従いセントラルコアに向かい梯子を上る。 ガスが噴出する中、レーザーをかわしながら4階に上がったホールは、ストーンから、汚染されているので3階に向かうよう指示される。 自爆まで2分45秒。 残り30秒。 鍵を回したホールは、残り8秒で自爆を中止することに成功して意識を失う。 ストーン、レヴィット、ダットン、そしてアンソンに見守られながら目覚めたホールは、自爆を中止できたことを知る。 何が起きたのか尋ねたホールは、アンドロメダは西海岸を離れて太平洋を南西に移動中で、無害のままで死亡報告はないことを知らされる。 自分の対抗策を応用して人口雨を降らし、アンドロメダの上の雲にヨウ化銀をまくことを知らされたホールは、雨により海面に落ちた病原菌は海水のアルカリ反応で死滅するので、血液中の反応と同じだと言われる。 その後、公聴会に呼ばれたストーンは、人口雨作戦が成功したことを確認するフィリップス上院議員に対し、全ての報告は成功を示唆すると伝える。 生物学的危機は去ったかを問うフィリップスは、病原菌は今も施設で調査中であり、宇宙生物の存在を知らされる。 ストーンは、今回の経験があっても次の危機が起きないという保証はないと伝え、フィリップスから、どう対処すればいいか訊かれる。 正にそれが問題だと言うストーンは、答えは”どう対処するか・・・”だと伝える。 研究施設でデータを解析中のコンピューターは、計算不能による”601”を表示し、解除してプログラムを終了する。
...全てを見る(結末あり)
自宅でパーティーを開いていたノーベル賞受賞者である科学者のジェレミー・ストーン博士(アーサー・ヒル)は、現れた大尉から”火事”だと言われ、心配する妻アリソンに何も語らずに出かける。
自分だけが乗るチャーター機で飛び立ったストーンは、スパークスからの連絡を受け、チーム全員を招集中だと知らされる。
防護服を着たストーンとホールは、ヘリコプターでピードモントに向かう。
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スパークスは、ストーンと共に研究のために9000万ドルの予算を国家から奪ったとまで言うフィリップス上院議員から、その件を追及される。
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ストーンは、カリフォルニア大学の教職員クラブを代表して、地球外生命体の拡散防止及びそのための施設を設置し、隔離技術及び自爆用の核爆弾の用意する必要があることを大統領に要請するとダットンらに伝える。
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ピードモントを核爆発で消滅させることを検討していたが、大統領は司令発動を48時間延期し、州兵が派遣されて防衛線が張られることになる。
ダットンと共に施設に向かうレヴィットは、科学者ではないホールをメンバーに選んだことを疑問に思う。
管理ラボに呼ばれたホールとダットンは、遮蔽された状態でアームを操作してカプセルをチェックするストーンから、内部に生物学的活性が存在するか調べると言われる。
ある場所のへこみを見つけたストーンは、それを拡大して、緑色の部分がある石のような物質を確認する。
2日前にピードモントを焼き払うべきだったとスパークスに伝えたマンチェックは、墜落現場は防疫線から60マイル離れた地点だと言われる。
生命体を分離したことをダットンとホールに伝えたストーンは、それを見せようとする。
ヘリで到着したスパークスとマンチェックは、ゴム製のものが粉々になっていくというパイロットの交信記録を聴く。
石の分析結果は平凡で、緑の斑点は地球の生物の基本4元素”水素、炭素、窒素、酸素”だった。
墜落した機体を調べるマンチェックはゴム製品を探し、コックピットにあった、磨かれたようなきれいな腕の骨を見つけてスパークスに渡す。
成長速度を調べていたレヴィットは、ストーンから、深夜の会議までに培養は終わるかを訊かれ、終わらせると答える。
病原体をスライスしたストーンは、それを電子顕微鏡で調べようとする。
X線結晶構造解析結果を見たストーンらは、単純な構造のアンドロメダが、どのようにしてエネルギーを成長に利用するのか疑問に思う。
子供にミルクを与えずに様子を見ていたホールは、汚染警報が鳴ったために補助卓に向かう。
顔面にレーザーを受けたホールは朦朧としながら苦痛に耐え、ストーンに励まされて3階にたどり着き、通路に向かい、その場にいた研究員に補助卓の場所を訊く。
研究員はその場を去り、補助卓を見つけたホールは鍵を差し込むもののカウントダウンは続く。
*(簡略ストー リー)
ニュー・メキシコ州、ピードモント。
人口68人の町に落下した軍事衛星回収計画”スクープ”が実行される。
住民と衛星のカプセルを回収しようとした兵士も死亡し、調査が開始される。
ノーベル賞受賞者である科学者のジェレミー・ストーン博士は、外科医のホールと共に防護服を着てピードモントに向かい、死体の血液が凝血していることを知る。
生存者である生後半年の子供と老人を保護した二人は、ピードモントを焼き払うことを軍に指示してネバダ州の研究施設に向かい、科学者のダットンと微生物学者のレヴィットと共に調査を始める。
地下5階の完璧に浄化されて管理された施設は、感染が広がった際に自爆するよう核爆弾が仕掛けられていた。
それを解除する鍵を渡されたホールは、ストーンらと共に、謎の病原体と生存者についての調査を始めるのだが・・・。
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”ジュラシック・パーク”などの原作者として知られるマイケル・クライトンの初期のSF小説”アンドロメダ病原体”を基に、巨匠ロバート・ワイズが製作を兼ねて監督したSF映画の秀作。
医学博士でもあるマイケル・クライトンの原作であるため、その専門知識を生かした内容と共に、サスペンスタッチで描かれる見応える作品。
*専門家であるはずのマイケル・クライトンが、医学的な間違いを医師から指摘されたというエピソードもある。
ロバート・ワイズの繊細な演出と、各個性を生かした人物描写なども注目したい、当時の最先端技術の描写なども非常に興味深い作品に仕上がっている。
第44回アカデミー賞では、編集・美術賞にノミネートされた。
大スターが出演した作品ではないが、北米興行収入が約1200万ドルという、期待以上の大ヒットとなった。
チームのリーダーで、ノーベル賞受賞者である科学者のアーサー・ヒル、核爆発解除の役割を任される外科医のジェームズ・オルソン、科学者のデヴィッド・ウェイン、個性的な微生物学者を印象深く演ずるケイト・レイド、医療アシスタントのポーラ・ケリー、町の生存者である老人ジョージ・ミッチェル、軍事衛星カプセル回収のために町に向かう兵士マーク・ジェンキンスとピーター・ヘルム、回収計画の指揮官である将軍のピーター・ホッブス、その部下である少佐ラモン・ビエリ、その部下である通信員カール・リーンデル、ホワイトハウス危機管理室の博士カーミット・マードック、その責任者リチャード・オブライエン、公聴会の上院議員エリック・クリスマス、施設の研究員ケン・スウォフォード、ダットン博士(デヴィッド・ウェイン)の妻フランシス・リード、空軍少佐のリチャード・ブル、町で死体で発見される老兵エモリー・パーネル、外科医役のマイケル・クライトン、研究施設のアラーム音声ドン・メッシックなどが共演している。